iPadで動画作成は可能?無料の編集アプリから本格的な有料アプリまでおすすめ5選


スマホが普及しオンラインで完結する取引が増加する現在、「動画を販促に使いたい」と考えている方は多いのではないでしょうか。動画編集は処理性能の高いパソコンで行うことが一般的でしたが、現在はタブレット用の編集アプリが数多くリリースされています。
とくに、パソコン並みのスペックを持ったiPadなら、基本的な動画編集は可能です。
今回は手軽に動画編集にチャレンジしてみたい方に向けて、おすすめの編集アプリとiPadで動画編集をする際の注意点を解説します。
iPadで動画編集は快適にできるのか?

高度な編集やアニメーションを作る場合を除けば、動画編集はiPadのスペックでもストレスなくできるでしょう。
最近のiPadのCPUはパソコン並みに高く、キーボードやマウスを接続することでパソコンのように使うこともできます。パソコンとしても使えるスペックの高さに加え、持ち運びができるので、外出先での作業が多い方にiPadでの動画編集は最適です。
テロップ入れやトリミングなどの基本編集はもちろん、音楽(BGM)や効果音の挿入も問題なくできます。タッチパネルで感覚的に操作できるので、パソコンをあまり使わない方はスマホのように操作できるiPadの方が使いやすいかもしれません。
スマホでも動画編集は可能ですが、画面が小さいため細かいカットを正確に行うのは難しいでしょう。iPadならスマホより画面が大きいので、細かい作業も処理しやすくなります。
アニメーションやCGなど高度な映像表現は必要としないものの、ある程度こだわって動画を作りたい方は、スマホよりiPadでの動画編集がおすすめです。
iPadで動画編集するときに必要なものは?
iPadを使った動画編集は、専門的な機材や難しい設定を必要とせず、初心者の方にもおすすめです。はじめに、iPadで動画編集をするときに用意するものを確認しておきましょう。
- iPad
より本格的な動画編集がしたい方は、画面サイズが大きいもの(11インチ以上)、ストレージ容量が大きいもの(後述)、処理速度が速いハイスペックモデルの「iPad Pro」の使用がおすすめです。Apple Pencilなどのスタイラスペンを使用すれば、指でタップするより細かい操作がしやすくなります。使用する編集アプリが対応していれば、iPad以外のタブレット端末やスマートフォン、PCでも編集できます。
- 動画素材
編集したい動画の素材を用意しておきます。読み込み可能な動画ファイルの形式は編集アプリによっても異なりますが、一般的な動画ファイルの形式であるMP4、MOV、AVIなどには多くのアプリが対応しています。
- 音楽・効果音素材
動画は音楽やBGM、効果音で印象やクオリティが大きく変わります。著作権フリーで使える音楽・効果音を販売しているサイトなどを活用し、メインとして使いたい音楽素材を事前に選んでおくと編集がスムーズです。
- 動画編集アプリ
iPadに搭載されているApple社の純正アプリをはじめ、無料・有料のさまざまな動画編集アプリが提供されています。無料のツールはできあがった動画の書き出し回数に制限がある場合や、書き出し後の動画にアプリのウォーターマークが入る場合があります。また、サブスクリプション型のアプリでは、トライアル期間のみ無料になる場合も多いです。編集の目的が個人利用であれば、手軽な無料アプリを有効活用できますが、企業が仕事として頻繁に使用するのであれば有料アプリ(もしくは有料プラン)を購入するとよいでしょう。以下では、iPadで使える有料・無料の動画編集アプリをご紹介します。
映像のプロがおすすめするiPad動画編集アプリ
実際にiPadで動画編集をするときには、どのようなアプリを使えば良いのでしょうか。今回はiPadで使える無料・有料の動画編集アプリ5つを紹介します。
- LumaFusion(ルマフュージョン)
- iMovie
- Adobe Premiere Rush CC
- Quik – GoProビデオエディタ
- InShot
この章の最後には各アプリの特徴を比較して一覧でご紹介しています。自分の目的や使い方にあった編集アプリ探しの参考にしてください。
LumaFusion(ルマフュージョン)【有料アプリ】

LumaFusionはiOS用の動画編集アプリです。価格は3,680円と無料で利用できるアプリがあることを考えると強気の価格設定ですが、動画編集に必要な機能は全て入っています。また、買い切り型のアプリなので、長期的に見れば低コストとなる場合もあります。
LumaFusionは無料アプリではできない、高度な動画編集がしたい方におすすめです。
複数の動画を重ねて同時に流すなど、テンプレートにとらわれない編集ができます。動画の素材となるファイル(クリップ)をタイムライン上に重ねて配置して合成するレイヤー機能も使用可能です。最大6レイヤーまで対応しています。
動画の逆再生、速度調整、フィルターなどの機能も万全で、とにかく多機能なのが特徴です。また、動画の書き出し速度も非常に高く評価されており、書き出しの遅さにストレスを感じることもありません。
iPadでも編集にこだわってクオリティの高い動画を作りたい方におすすめします。
iMovie【無料アプリ】

iMovieは、Apple純正のアプリとしてリリースされている無料の動画編集アプリです。撮影した動画を取り込んで、トリミングやテロップ入れ、BGM挿入、音量の調整などができます。純正アプリなので、iPadでの操作に最適化されており、操作しやすい編集画面が特徴です。いろいろな種類があるテンプレートを活用して、映画のような予告編も簡単に作れます。
AppleがリリースしているiMovieには、MacBookを対象としたMac版、iPhoneとiPadを対象としたiOS版があります。
Mac版の方が使える機能が多く、iOS版は自由度が低くなりますが、iPadの長所はiPadだけで撮影から動画編集まで完結できること。MacBookは動画編集の自由度は高いものの、外部カメラがないので撮影はできません。一方、iPhoneは撮影できるものの、動画編集をするには画面が小さく使いにくいでしょう。
iPadでiMovieを使えば、撮影した動画を他デバイスに移し替えることなく編集できます。
Adobe Premiere Rush CC【有料アプリ】

「Adobe Premiere Rush CC」は月額980円(税別)で利用できる有料アプリです。IllustratorやPhotoshopなどのメディア加工アプリで有名なAdobeがリリースしています。Adobeのパソコン用動画編集アプリ「Adobe Premiere Pro」のiOS版アプリとも言える位置付けで、有料なだけあって編集の自由度が高いのが特徴です。
ズームやフェードアウト・インなどのエフェクト、速度の調整など基本的な動画編集機能だけでなく、追加課金なしで使えるフォント「Adobe Fonts」が用意されています。
音声を再生しなくても楽しめる動画を作りたい方は、文字の表現にこだわりたいと考えているのではないでしょうか。背景、色、大きさなど自由に決められるため、イメージに合ったテロップを入れることができます。
また、縦画面の動画を作りたい方にもおすすめです。多くの動画編集アプリは横画面での編集に最適化されていますが、Premiere Rush CCは縦長画面のテンプレートを利用することができます。
TikTokやInstagram向けの動画を作りたい方に最適です。
Quik – GoProビデオエディタ【無料アプリ】

Quik GoPro ビデオエディタはアクションカメラ「GoPro」公式の動画編集アプリです。本来はGoProで撮影した動画用の編集アプリですが、GoPro以外で撮影した動画の編集にも使うことができます。
簡単な自動編集機能がついているのがQuikの特徴です。顔認識や音量判定をして、Quikが備えているテンプレートに落とし込んでくれます。動画編集スキルに自信がなくても、自動編集された動画を元に編集することが可能です。
また、YouTubeに適したシネマ、Instagramに適した正方形、Twitterに適した縦向きの3つのフォーマットがあるので、SNSにアップする短めの動画を作りたい方におすすめします。
自動編集機能は便利な反面、自分の使いたかったシーンがカットされたり、目立たなかったり、思い通りの動画ができるとは限りません。「Quikの操作性は良いものの、イメージ通りの動画が作れない」と感じた方は、GoProが提供している動画編集アプリ「Splice」をチェックしてみてください。
縦横比やエフェクトなど、編集できる範囲が広いのでQuikよりこだわった動画を作りやすいアプリです。
InShot【有料アプリ】

InShotは、Instagram投稿に適したおしゃれな動画が制作できる編集アプリです。Instagramの投稿サイズに合わせた正方形にサイズを調整して編集できるほか、豊富なフィルタやエフェクト、ステッカーで誰でもおしゃれな動画を作れることがメリットです。使い方も簡単なため、SNS配信用動画の編集がメインの場合や、旬な動画コンテンツをすばやくSNSにアップロードしたい場合に向いています。料金プランはInShot Pro(1年)で1,450円、3日間の無料トライアル期間もあります。
iPadで使える!有料&無料動画編集アプリを比較
上記でご紹介したように、iPadで動画編集できる無料アプリ・有料アプリには、それぞれメリット・デメリットがあります。動画編集アプリを選ぶ際には、動画制作の目的や作りたい動画の内容、使用頻度に応じて選ぶのがポイントです。ご紹介した5つのアプリの特徴を比較し、一覧にまとめました。
LumaFusion | iMovie | Adobe Premiere Rush CC | Quik – GoProビデオエディタ | InShot | |
有料 / 無料 | 有料 | 無料 | 有料 | 無料 | 有料 |
価格 | 3,680円/買い切り | ー | 980円/月 | ー | 450円/月 |
特徴 | ・複数の動画をタイムラインに重ねられる ・逆再生、速度調整、フィルターなどの豊富な機能 ・動画の書き出し速度が速い | ・Apple純正アプリ ・iPadでの操作がしやすい ・iPadのカメラで撮影した動画ならデータの移し替え不要 | ・編集の自由度が高い ・追加課金なしでAdobe Fontsが使える ・縦長画面の編集ができる | ・テンプレートにあてはめる自動編集機能 ・YouTube 、Twitterなど、投稿メディアに合わせたサイズで編集可能 | ・ステッカー、フィルター等でおしゃれな雰囲気の動画が作れる ・Instagram投稿に合わせたサイズで編集できる |
こんな人におすすめ | ・iPadでハイクオリティな動画が作りたい人 ・動画編集の経験があり、外出先でも作業したい人 ・頻繁に動画編集をする人 | ・簡単な編集を自分でやりたい人 ・MacBookやiPhoneなどApple製品との連携を重視する人 | ・Adobeソフトユーザー ・テキストの表現にこだわりたい人 ・TikToK投稿用の動画を作成したい人 | ・GoProユーザー ・自動編集で簡単に編集したい人 ・SNS投稿用動画を作りたい人 | ・Instagramに動画を投稿したい人 ・簡単におしゃれな動画を作りたい人 |
iPadで動画編集をする際の注意点・デメリット
iPadは「スマホより大きい画面で操作でき、パソコンより持ち運びがしやすい」という特徴を兼ね備えたデバイスです。スマホとパソコンのいいとこ取りのようにも思えますが、iPadでの動画編集には下記3つのデメリットがあります。
- 一括操作ができない
- 小さな画面をタッチ操作するため、誤操作のリスクが高い
- 大容量の動画編集が難しい
一括操作ができない
iPadは複数キーを押して範囲を選択するパソコンのようなコマンド操作ができないため、複数範囲に同じエフェクトを追加したいときでも、一つひとつ範囲を選択して編集しなければいけません。
エフェクトやBGMの追加部分が少ない短い動画なら、1範囲ずつ手作業することでも問題ないでしょう。しかし、長い動画の構成を一括で変更したくなったとき、膨大な作業量になる場合があります。
複雑な構成の動画を作りたい方は一括操作ができないことを考慮しておきましょう。
小さな画面をタッチ操作するため、誤操作のリスクが高い
iPadはスマホよりは画面が大きいですが、パソコンに比べると小さいため、細かい作業には繊細な操作が必要になります。
iPadでは、カット範囲やエフェクト追加部分を指先やタッチペンで選択しなければなりません。マウスやフラットポイントを使ったクリックに比べ、タッチパネルは誤って操作してしまうことが多いです。
ただスクロールしただけのつもりがファイルの長さを変えてしまったり、選択した場所が移動していたり、誤操作のリスクが高いので気をつけて作業しましょう。
大容量の動画編集が難しい
iPadでの動画編集には、データサイズの大きい動画を扱うのが難しいというデメリットがあります。iPadで本格的な動画編集がしたい場合、音声ファイルやレイヤーとして使いたい写真や動画などを保存しなくてはいけません。
ファイルを合わせるほど容量は大きくなってしまうので、徐々にiPadの処理速度が遅くなったり、書き出しができなくなったり、不具合が起きる可能性があります。
iPadで複数ファイルを組み合わせた動画を作りたい場合は、最低でも256GB以上の容量があるモデルを選ぶことをおすすめします。256GB未満だと、動画データの読み込みや保存の際に容量不足を感じることがあるでしょう。
アプリ選びが大事!iPadで快適な動画編集を
iPadはスマホより操作性が良く、パソコンより気軽に作業できるので、基本的な動画編集をするには十分なデバイスです。上記のような注意点もありますが、動画制作の目的や作りたい動画の内容から、自分にあった編集アプリを検討することで、効率よく魅力的な動画を制作できます。
ぜひ今回紹介した動画編集アプリを参考に、iPadで動画を作ってみてくださいね。