動画の長さ「長尺」と「短尺」の考え方

2019年4月17日

動画の長さ「長尺」と「短尺」の考え方

動画の長さをどうするべきか?「長尺がいいのか、それとも短尺にすべきか」――動画マーケティング・動画広告の担当者にとって、動画の長さをどうするかは、常に悩みのタネ。「Instagramストーリーズ」をはじめとする短尺動画は認知度を高めることに効果的といわれますが、ブランディングのためには数十秒から数分かかる長尺動画が良いともいわれます。一体、動画の長さはどのくらいに設定するのが適切なのでしょうか。適切な「尺」は目的によって違う事は分かってはいるが、予算の関係でそんなに多くの種類は作れない。そんな動画の「長尺」と「短尺」について考えてみたいと思います。

長尺か、短尺か…動画広告の長さと効果の関係

日本のテレビCMの長さは15秒か30秒にほぼ統一されています。一方、ネットで配信する動画広告の場合は、6秒以内で終わる「バンパー広告」から数分以上かかるものまでタイプはさまざまです。

Googleが調査分析データを提供しているサイト「Think With Google」に、「In Video Advertising, Is Longer Stronger?」という記事があります。この記事では、同じブランドの商品について15秒、30秒、2分17秒と長さの違う3パターンの動画広告を用意し、視聴者の反応を分析した結果が掲載されています。その結果、次のようなことがわかりました。

■「15秒バージョン」


15秒バージョンは、主にブランド名とイメージを投影した動画になっています。家族の一家団欒とその中で利用される商品の様子が父親のナレーションとともに流れます。動画は短いですが、計5秒以上(全体の約33%)の間、商品やロゴ、タグラインが何度か表示され、ブランドを強く告知します。

■「30秒バージョン」


30秒バージョンでは、父親が仕事に向かうシーンをはじめ、簡単なストーリーが加わります。商品が画面に現れる時間は15秒バージョンとほとんど変わらず、ロゴを含めた告知時間は全体の30%程度(10秒間)ですが、動画が長くなったこととストーリーの効果でブランドのイメージをより強く印象づけています。

■「2分17秒バージョン」


2分17秒のロングバージョンでは、父親に加えて母親、娘、祖母のインタビューが入って、動画に登場する家族のストーリーがより掘り下げられます。商品は1分17秒まで登場しません。さらに、商品やロゴの登場時間もわずか計12秒で、全体の9%です。それでも、ストーリーが充実している分、テーマ性が強調されて視聴者の心に届く内容になっています。

3つの動画に対するユーザーの反応を調査した結果、「ビュースルーレート」(VTR)は30秒バージョンが最も高く、15秒バージョンより30秒バージョンのほうが30%も高くなっています。

一方、「広告想起」(Ad Recall)という点では、15秒バージョンの圧勝でした。ユーザーが広告を思い出すこと、すなわちブランドの認知度を高めるという点では短尺が優っていることがわかります。

また、「ブランド好感度」(Brand favorability)は、30秒と2分17秒バージョンの勝ちでした。

したがって、短尺動画でブランドの認知度を高め、長尺動画で好感度を上げるという戦略が最も効果的だといえます。

【引用】In Video Advertising, Is Longer Stronger?

ポイントは目的に合わせて動画の長さを変えること

動画の尺は目的に合わせて変えることが大切です。短尺動画、長尺動画、それぞれのケースを見てみましょう。

●InstagramやSnapchatなど短い動画の目的は?

短尺動画の目的はブランドや商品を認知させ、思い出してもらうことが主です。そのため、短い時間の中に商品名、ブランド名、ロゴ、タグラインなどを盛り込み、視聴者に不快感を与えないように注意しながら、わかりやすく提示することが重要です。

短尺動画はすぐに見終わるため、視聴者も視聴を完了させることにそれほど抵抗を感じないでしょう。スマートフォンで見るのにも向いています。
若い世代の利用者が多いInstagramやSnapchatには、その世代のユーザーを意識した短尺の動画広告が見られます。
また、YouTubeには、スキップできない6秒広告のバンパー広告があります。
こうした短尺の動画広告の大半は、認知度の拡大や広告想起を目的としたものといえます。

●長い動画の目的は?

長尺動画の主な目的は、ユーザーのカスタマー化とコンバージョンです。短尺動画で引きつけたユーザーに対して、ブランドや商品の価値、魅力などをストーリーの形で提示し、好感度やユーザーの納得感を上げることで、コンバージョンにつなげます。

長尺動画は、PCで見るのに向いています。しかし、最後まで見てもらえる動画を作成するのはなかなか大変です。YouTubeでは今後、スキップできない30秒広告を廃止する方向で動いています。そのため、視聴者を飽きさせないための企画力や工夫、作り込みが重要です。

Facebookは長尺ほど上位に表示

Facebookでは、ニュースフィードに表示するコンテンツの順位を決めるアルゴリズムが変わり、視聴維持率の高い長尺動画を優先的に評価することになりました。

視聴維持率とは、「その動画がユーザーに全体の何%まで視聴されたか」を見る指標です。最後まで視聴されたということは、その動画がユーザーにとって興味深いものだと判断できるという考え方です。しかし、それだけでは、数秒で視聴完了できる短尺動画のほうが有利になってしまいます。

そのため、視聴維持率が同じなら長尺動画を上位表示させるということです。Facebookとしては、視聴維持率の高い長尺動画が増えれば、Facebookの滞在時間が長くなるというメリットがあります。

ただし、具体的に何分以上の動画を長尺とするかといった定義はFacebookにありません。また、この評価の対象になるのはオーガニックコンテンツとしての動画、ライブ配信のアーカイブ、おすすめ動画などで、動画広告は含まれていません。

これからのFacebookではインパクトがあって視聴されやすいサムネイルのついた長尺動画が増えていく可能性があります。

まとめ

短尺動画にも長尺動画にもそれぞれにメリット・デメリットがあり、どちらかが絶対的に優れているとは言えません。
YouTubeでも、バンパー広告とTrueView広告の組み合わせが効果的だとしています。目的やユーザーの属性、商品やブランドの特徴などをよく考慮した上で、短尺動画と長尺動画の両方を作成し、適切に組み合わせて表示させることが認知度拡大やCVRの改善に役立つでしょう。またA/Bテストを行い媒体ごとにどの長さがCVRの向上につながるか、データで検証しながら決めていきましょう。

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