ホワイトペーパーとは、自社の商品やサービスに関連するお役立ち情報が掲載されている資料のことです。元々は政府や公的機関が発行する「白書」を意味する言葉ですが、昨今はマーケティング用語として使われるケースが増えています。
マーケティング施策の一つであるホワイトペーパーは、Web広告やオウンドメディアの記事コンテンツ、メルマガ、SNSなどからターゲットユーザーを無料ダウンロードページに誘導して、個人情報の入力や、見込み客の購買意欲を高めることを目的としています。
ホワイトペーパーはサービス紹介資料(営業資料)と混同されがちですが、サービス紹介資料は見込み客が商品やサービスを後押ししたり、他社との比較・検討をサポートしたりすることが目的です。ホワイトペーパーはあくまでお役立ち資料であり、個人情報の入力と引き換えにダウンロードを促すコンテンツです。
企業がホワイトペーパーを作成するメリット
企業がホワイトペーパーを作成する主なメリットは以下の4点です。
- 見込み客(新規リード)を獲得できる
- 見込み客を育成(リードナーチャリング)できる
- 顧客と良好な関係を築ける
- 社内稟議用の資料として提供できる
それぞれについて説明します。
見込み客(新規リード)を獲得できる
ホワイトペーパーダウンロード用のランディングページを作成することで、見込み客の情報を効率的に収集できます。潜在顧客が興味を持ちそうなトピックをホワイトペーパーにまとめて、Web広告や記事コンテンツにコンバージョンポイント(ダウンロードフォーム)を設置することで、新規リードを獲得できます。
見込み客を育成(リードナーチャリング)できる
ホワイトペーパーは、見込み客との関係維持や、購買意欲を高めるためのコンテンツとしても活用できます。たとえば、記事コンテンツやメルマガ内でホワイトペーパーを紹介し、ユーザーがダウンロードしたコンテンツに基づいて、リードスコアリングが可能となります。
顧客と良好な関係を築ける
既存顧客向けに、他社の成功事例や業界の最新動向、視聴調査の結果をまとめたホワイトペーパーを提供することで、休眠化や離反を防止したり、顧客接点を増やしたりできます。また、休眠顧客の反応率を高めるコンテンツとしても活用できます。
社内稟議用の資料として提供できる
ホワイトペーパーは、社内稟議用の資料としても役立ちます。特にBtoB商材の場合、購入決定に至るまでに複数の役員や経営層の承認が必要です。製品比較や活用事例が含まれたホワイトペーパーを提供することで、説得材料を増やすことができます。
ホワイトペーパーの種類
ここでは、ホワイトペーパーの種類を紹介します。ターゲットに合わせて使い分けましょう。
入門ガイド・用語集
業界の用語集や、ノウハウなどをホワイトペーパーにまとめます。自社サービスに関連する特定の事柄だけでなく、より広範なターゲット(潜在層)に興味を持ってもらえる魅力的なテーマを選ぶことが重要です。
テーマ例
- 初心者のための始め方講座
- コスト最適化に向けた取り組み
- 選び方、機能一覧
マーケットリサーチ
政府関係機関や業界団体が作成している調査レポートや業界動向をホワイトペーパーに要約します。自社で実施したアンケート結果や、分析データなども活用しましょう。
テーマ例
- 商品・サービスの利用動向調査
- ○○に関する市場調査の結果
- アンケート結果
製品紹介・サービス比較
商品やサービスの概要、比較項目をホワイトペーパーにまとめます。複数の商材を紹介する場合は、公平にメリット・デメリットを記載しましょう。
テーマ例
- おすすめ○選
- ○○の製品比較
- ランキング
成功事例・活用事例
自社の商品、サービスの成功事例、活用事例を紹介します。社名や担当者名、具体的な数値を掲載することで、ホワイトペーパーの信頼性を高められます。
テーマ例
- ○○施策の成功事例
- 成功事例から学ぶ○○の秘訣
- 導入活用事例
セミナー資料・展示会レポート
自社開催のセミナー、展示会に関する報告をまとめます。イベントで実際に使用した資料や参加者の声、会場の雰囲気が伝わる画像も盛り込みましょう。
テーマ例
- 研修資料一覧
- ○○公開講座
- 視察・開催結果・報告会
チェックリスト・テンプレート
ユーザーに役立つチェックリストやテンプレートを提供します。各項目のポイントを説明し、自社の商品やサービスが課題解決にどのように役立つかも含めてみましょう。
テーマ例
- ○○の業務に役立つチェックリスト
- 導入前のセルフチェックシート
- ビジネス支援テンプレート
ホワイトペーパーの作り方のコツ
ホワイトペーパーの作り方のコツは以下の3つです。
- タイトルや目次で続きが見たいと思わせる構成にする
- 本当に役に立つ内容だけを掲載する
- 情報を常にアップデートする
それぞれについて説明します。
タイトルや目次で続きが見たいと思わせる構成にする
タイトルや目次、最初の数ページでもっと続きが見たいと思わせる構成に仕上げましょう。ホワイトペーパーの流入経路は多岐にわたります。Web広告や記事コンテンツ、メルマガでは、表紙や目次(見出し)、最初の数ページをチラ見せしてダウンロードページに誘導するため、以下の要素が重要です。
- 表紙や目次にメインキーワードを取り入れてユーザーの興味を惹く
- 顧客が得られるベネフィット(効果や利益)を具体的に提示する
- 客観的な数値や顧客の声(VOC)で信頼性を高める
本当に役に立つ内容だけを掲載する
自社の商品・サービスの押し売りはせずに、ユーザーにとって本当に役立つ情報を記載しましょう。ホワイトペーパーはあくまでリード獲得を目的としたお役立ち資料であり、サービス紹介資料とは異なります。特定の商品やサービスのみを紹介した内容だった場合、大幅なイメージダウンにつながる可能性があります。
情報を常にアップデートする
ホワイトペーパーの内容は、常にアップデートしましょう。古い情報や、市場の変化によって誤った情報を含んでいると、信頼を損なう可能性があります。定期的にリライトして情報の鮮度を保ち、流入経路となるWebサイトや記事コンテンツの内容も更新しましょう。
ホワイトペーパーで良質な見込み客を獲得しよう
ホワイトペーパーは、複数のコンテンツと組み合わせて流入経路を充実させることで、成果を最大化できます。マーケティング施策にホワイトペーパーを取り入れて、良質な見込み客の獲得や、営業活動を効率化しましょう。