シネマグラフとは、静止画の一部分だけが動いて見える表現のことです。本来動くはずのない写真の一部が動いて見えることで、見ている人に驚きを与えたり、注目を集めたりする効果があります。この記事では、シネマグラフの概要や作り方を紹介します。
シネマグラフとは?
シネマグラフとは、静止画の一部分が動いてみえる画像(動画)のことです。
たとえば、女性が写った写真であれば、静止画なのに、髪の毛だけが風に揺れるようになびいて見える表現などがあります。
シネマグラフのよくある作品例
- 川の流れの部分だけが動いて見える
- 炎だけが動いてみる
- カップの湯気だけが動いて見える
など
シネマグラフは写真のように見えますが、実際には動画をもとに「静止画にする部分」と「動画として見せる部分」を組み合わせて作られています。ファイル形式は、GIFであることが一般的です。Webサイトなどに掲載されるシネマグラフは、短いGIFアニメーションをループ再生させて作られています。
シネマグラフの例
文章だけではイメージしにくいため、シネマグラフの具体例を動画で見てみましょう。
以下の動画は、Adobe社が提供するAdobe Creative Cloudを使ったシネマグラフの制作方法を解説した動画です。動画内では、コーヒーカップの様子が描かれていますが、カップが動いていないのに、コーヒーの水面だけが動く不思議な世界観が表現されています。
シネマグラフの中には、特に液体の動きを見せる表現が多く「注ぎ続けているのにこぼれない水」「まわりが動いていないのに揺れる水面」などを表現したシネマグラフがよくあります。実際にはあり得ない不思議な状況が、見る人の目をより引き付けるポイントになっています。
シネマグラフが見られるWebサイト
上記のほかにも、シネマグラフの事例が見られるWebサイトを紹介します。
「Kevin Burg & Jamie Beck」という海外のクリエイターのシネマグラフを集めたWebサイトです。洗練された写真、動かす部分にこだわったクリエイティブなセンスが光るシネマグラフ作品がたくさん紹介されています。
海外発のクリエイターのWebサイトです。「シネマグラフ」のカテゴリには、アートのようなシネマグラフ作品が多数掲載されています。静かな世界観の中で「ドキっとする」「ゾクっとする」ような動きが秀逸です。
シネマグラフを作れるアプリを提供しているメーカーのWebサイトです。TOPページからシネマグラフが採用されているほか、制作過程を示した動画でもさまざまなシネマグラフを見ることができます。
シネマグラフの効果
不思議な魅力があるシネマグラフですが、シネマグラフを活用すると具体的にどのような効果が得られるのでしょうか。シネマグラフを活用するメリットを紹介します。
見る人の目を引き付ける
一見すると静止画に見える画像の一部が動くため、見る人をその部分に引き付ける効果があります。また、現実にはない不思議な感覚があることから、思わず見続けてしまうような魅力があります。
動画よりも低容量
前述のように、シネマグラフはGIFアニメーションであることが一般的なため、動画よりもデータ容量を小さく抑えられます。
上記のような効果から、シネマグラフはWeb広告のクリエイティブやWebサイトのメインイメージなどで幅広く活用されています。
シネマグラフの作り方
次に、シネマグラフの作り方を紹介します。
シネマグラフは、できあがりは静止画のようですが、動画の素材をもとに作られます。主な手順は以下の通りです(画像加工ソフトの使用を想定した制作方法です)。
- もとになる動画素材を用意する(背景が固定されたもの)。
- 動画から静止画にしたいシーンを選び、静止画に変換する。変換した静止画のレイヤーを動画の前面になるように配置する。
- 動画として表示させたい部分を選択し、静止画レイヤーにマスクをかける(選択した部分だけ、静止画レイヤーの下に配置した動画が透けて見えるようになる)。
- ループ再生して、開始点・終了点のつなぎ目に違和感がないように編集する。
- GIFアニメーションとして書き出す。
上記で紹介した作り方以外にも、シネマグラフを簡単に作成できるアプリも提供されています。シネマグラフを作れるアプリについては以下の記事を参考にしてください。
注目を集められるシネマグラフを活用しよう
上記でご紹介したように、シネマグラフは見る人の目や心を引き付ける不思議な魅力を持った表現方法です。商品の広告やWebサイトのデザインなどですでに活用されているケースも多いですが、工夫次第でさまざまな表現を実現できる分野でもあります。また、制作に必要な技術もそれほど難しいものではないため、センスやアイデアが重要です。
最近では、手軽に制作できるアプリなどもあるため、海外のクリエイティブな作品なども参考にしながら、より人の目を引き付けるシネマグラフの作成に挑戦してみましょう。