動画生成AIとは、生成AIの技術を動画制作に応用したものです。テキストや画像、既存の動画などを基に、新たな動画を生成できるため、従来の動画制作プロセスを大幅に効率化できます。
生成AI…テキストや画像、動画などのデータを学習し、そのパターンや特徴を捉えることで、新たなコンテンツを生み出す技術のこと。 |
この記事では、動画生成AIの概要からその活用メリット、今話題の動画生成AIサービスまで幅広く解説します。
動画生成AIの機能
動画生成AIは、主に以下の3つの機能を備えています。
- テキストや画像から動画を生成する
- 動画のスタイルを変更する
- 高画質で滑らかな映像に変換する
それぞれについて詳しく説明します。
テキストや画像から動画を生成する
テキストや画像などの指示文(プロンプト)に基づき、AIが動画を生成します。たとえば、「ハワイのワイキキビーチでサーフィンを楽しむ人々」といったプロンプトを入力すると、その情景をリアルに表現した動画が生成されます。
アイデアを素早く形にできるため、コンテンツの制作スピードが格段にアップし、短時間で複数の動画パターンを比較検討できます。
動画のスタイルを変換する
既存の動画や新たに生成した動画のスタイルを自由自在に変換できます。自然風景をアニメーション風にアレンジしたり、実写映像の背景を別の風景に差し替えたりと、その可能性は無限大です。
従来の動画制作では、撮影や編集に多くの時間を費やす必要がありました。しかし、スタイル変換を使えば、ロケで映り込む人物や建造物、天候に悩まされることはなくなります。
高画質で滑らかな映像に変換する
低いフレームレートで撮影された動画やスローモーション映像は、動きがカクついて見えることがあります。動画生成AIは、既存のフレームの前後を分析し、中間フレームを生成することで、見かけ上のフレームレートを向上させ、滑らかな映像を実現します。
この機能は、スポーツ映像の分析やアクションシーンの編集などで特に効果を発揮し、動画の品質を大幅に向上させます。
動画生成AIを活用するメリット
動画生成AIの最大のメリットは、何と言っても動画制作プロセスの効率化です。撮影や編集に関わる多くのプロセスがAIによって自動化されるため、時間とコストを大幅に削減できます。
さらに、動画生成AIは企業の動画マーケティングにも新たな可能性をもたらします。AIの高度なカスタマイズ性により、一度ベースとなる動画を制作すれば、ターゲットとするユーザーのニーズに合わせて動画の内容やスタイルを自在に調整できます。
これにより、各ターゲット層に最適化されたパーソナライズ動画コンテンツを効率的に作成し、マーケティング効果を最大化できます。
動画生成AIの種類
ここでは、代表的な動画生成AIサービスを紹介します。
Runway「Runway Gen-2」
Runway Gen-2は、米国のRunway社が提供する動画生成AIです。多様なメディア形式への対応や、直感的に操作できるユーザーインターフェースを備えています。
主な機能
- Text to Video(テキストから動画)
- Image to Video(画像から動画)
- Video to Video(動画から動画)
- スタイライゼーション(スタイル変換)
- レンダリング
生成できる動画の長さ
最大16秒
料金
プラン | Free | Standard | Pro | Ultimate |
月額費用 | 無料 | $12 | $28 | $76 |
Gen-2の利用制限 | 25秒まで | 125秒まで | 450秒まで | 無制限 |
OpenAI「Sora」
画像引用:OpenAI「Creating video from text」
Soraは、ChatGPTで知られる米国のAI開発企業「OpenAI」が開発した動画生成AIです。高度な自然言語処理と画像生成技術を組み合わせることで、複雑なシナリオや抽象的なイメージまで、リアルな動画を生成します。
主な機能
- Text to Video
- Image to Video
- Video to Video
- 動画の拡張・編集
- 画像の生成
- 高度なシュミレーション
生成できる動画の長さ
最大60秒
料金
未定
※2024年後半に一般公開予定
Google「Veo」
画像引用:Google DeepMind「Veo」
VeoはGoogleが開発した動画生成AIです。1080pの高解像度動画を1分以上生成でき、自然言語処理や視覚読解技術により、詳細な指示を含む長文プロンプトも正確に反映した動画を作成できます。将来的にはYouTubeショートなどにも導入予定です。
主な機能
- Text to Video
- Image to Video
- マスク編集(動画の特定のエリアのみを再生成)
- 電子透かし「SynthID」の埋め込み
生成できる動画の長さ
1分強
料金
未定
※2024年5月現在、公開の予定はなし
「動画生成AI」まとめ
この記事では、動画生成AIの基礎知識と主なサービスを紹介しました。動画生成AIを活用すれば、高品質な動画をスピーディーかつ手軽に制作できるため、コスト削減や作業効率の向上にもつなげられます。
自社のニーズに最適な動画生成AIを選び、ぜひ動画制作の効率化とクオリティアップを実現しましょう。