オンライン・マーケティングをはじめ、研修、商品紹介のツールとして動画の導入を本格的に検討されている企業担当者も多いと思います。
動画制作の基本を押さえるために、まずは動画に関する基本用語を知っておくことが大切です。以前は動画制作というと特定の業界の人だけが関わっており、専門用語が多く、制作スタッフの方々の会話を理解するのに苦労した経験がある担当者の方も見受けられました。
現在は動画のハードルも下がり、多く人が動画制作に関わるようになってきましたが、やはり専門用語が多く、わかりにくい部分が多いのが現状です。
- 動画制作やマーケティングに関する基本用語を解説
- 用語は解像度、ビットレート、エンコードなど、動画制作の各工程に関する内容
- 基本用語を押さえることで、動画制作現場でのコミュニケーションが円滑になる
動画の基本用語
まず動画の基本的な用語からご説明します。お手持ちのスマートフォンやタブレットで動画を見る際にも使用される用語ですので、改めて確認しておきましょう。
さらに掘り下げた用語解説記事もございます。
解像度
解像度とは、画像の密度を示す数値です。横×縦の形で表示し、単位はピクセル(画素)が使われます。解像度が高いほうが映像の細かいところまできれいに表示できます。
機種によっては画質が悪くなることがあるので、あらゆる機種に対応した解像度にあわせることが大切です。
アスペクト比
アスペクト比とは、画像の横と縦の比率です。解像度から計算できます。例えば、テレビの日本規格ハイビジョンの画面サイズ(アスペクト比)は、16:9です。アスペクト比の異なる画像を表示すると、昔の番組(アスペクト比4:3)をテレビに映したときのように、不自然な余白ができます。
広告の種類によって、最適なアスペクト比が異なりますので、掲載先の要件をしっかりと確認するようにしましょう。Twitterに投稿できる動画の規格については以下の記事で紹介していますので、興味のある方はご確認ください。
マルチデバイス
マルチデバイスとは、動画コンテンツをいろいろな種類の端末(デバイス)で利用できる状態を指します。スマートフォンでもタブレットやパソコンでも、テレビでも見られる状態です。インターネットに投稿されている動画は、基本的にマルチデバイスに対応しています。マルチデバイス対応できていないと、機会損失につながり、動画広告の効果を最大化することができません。
ビットレート
ビットレートとは、動画1秒間に使われているデータ量をビット数(Kbps)で表したものです。同じ解像度でもビットレートが違うと、動画の美しさが異なります。ただし、ビットレートが大きいほど鮮明な画像になりますが、その半面、重くて再生しにくくなるため、バランスを見極めることが重要です。
コーデック
コーデックとは、動画や音声ファイルを圧縮・解凍するプログラムです。視聴したい動画であっても、ファイル形式に対応したコーデックがないと再生できません。多くのプレーヤーでは、標準でいくつかのファイル形式に対応したコーデックがインストールされています。
動画撮影の基本用語
動画撮影時の基本的な用語をご紹介します。この用語を知っていれば、撮影現場に行ってもスタッフの方々との会話も迷うことがないでしょう。
ロケハン
ロケハンとは、ロケーションハンティングの略で、撮影場所(ロケ地)を探すことです。撮影したい動画のイメージに合わせて、背景として考えている街や自然を探し、下見を兼ねてテスト撮影します。ロケハンでロケ地を決めたら、本番の撮影に移ります。
映材
映材とは、撮影に必要な消耗品のことです。照明用カラーフィルターやパラフィン紙、遮光シート、テープ、バック紙など、いろいろな種類があります。映材を専門に扱う「映材屋」と呼ばれる業者や、撮影機材一式をレンタルする業者もあります。
カムコーダ
カムコーダとは、一般的に言うところの「ビデオカメラ」です。撮影用カメラの1種で、ビデオカメラ(撮影する部分)とビデオデッキ(録画する部分)が一体化しています。1台で撮影と録画が可能で、バッテリー式なので、移動電源がないところにも持ち運ぶことができ、撮影用カメラの主流になっています。
被写界深度
被写界深度とは、焦点深度とも呼びます。撮りたいものにピントをぴったり合わせて撮影したときに、ピントがボケずに映る範囲です。被写界深度は環境が同じでもレンズにより異なります。また、同じレンズを使用しても光量により異なります。
インサートカット
インサートカットとは、場面と場面の間に入れるつなぎのカットです。全体の見栄えが良くなり、次のシーンで場所や時間が突然変わるときも自然に見えます。編集のつなぎ目の不自然さを隠すこともできるので、長い本編をカットするときにも使えます。
動画編集の基本用語
撮影した動画を編集する際に使われる用語です。
アフターエフェクト
アフターエフェクトは、正式には「Adobe After Effects(アドビ・アフター・エフェクツ)」といい、Adobe社が販売している動画・映像制作、合成ソフトウェアです。エフェクト作成に特化していて、オープニングなどの派手な映像によく使われます。新しいバージョンは3D機能が強化されています。
なお、主要な動画編集ソフトは以下のページで紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
マルチリンガル
マルチリンガルとは、1つの動画に日本語と英語など2種類以上の音声が含まれているものです。日本語でも英語でも再生できますが、一度に再生できるのはどちらか片方の言語のみです。海外向けのサービスや商品をPRする場合や、海外企業などのクライアントと商談する際に使用する場合などに用いられます。
スーパー
スーパーとは、スーパーインポーズの略で、元の画面に何かを重ねることを指します。外国語の翻訳や聴覚障害者への助けとなる字幕を入れるときに使われ、この方法で付けられた字幕を「字幕スーパー」といいます。表示・非表示が切り替えられます。
エンコード
エンコードとは、ビデオカメラなどで撮影した動画のデータを一定の規則に基づいて圧縮・暗号化し、別の形式に変換することです。特に動画投稿サイトへ投稿するときには、Web配信に適したサイズに圧縮し、指定の形式に変換する必要があります。例えば、動画編集ソフトの「Windowsムービーメーカー」や「QuickTime」はエンコーダー(エンコードを行うソフト)としての役割も担います。
オーサリング
オーサリングとは、動画、音声、テキスト、画像など、いろいろな要素を編集・統合し、1つのコンテンツを作成することです。異なる種類のデータを組み合わせて配置します。また、完成したコンテンツをDVDなどに焼いてソフトウェアにするという意味もあります。
横文字動画用語
ここではさらに、やや専門性の高い動画用語をご紹介します。映像制作だけでなく、著作権に関する用語やコンピューターの関ここでは、比較的専門性の高い動画用語をご紹介します。動画・映像制作だけでなく、著作権に関する用語やコンピューターの関連用語もあります。
3DCG
3DCGとは、3次元グラフィックスともいいます。3次元にあるものを3D画像で描画した画像や映像です。映画やアニメ、ゲームなどいろいろなジャンルで使われています。作成するには専用のソフトウェアと専門のCGクリエイターが必要です。
以下のページでは、VIDWEBがこれまでに手掛けた3DCGの動画制作実績について紹介しています。興味のある方はぜひご参照ください。
SaaS
SaaS(サース)は「Software as a Service(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)」の略で、ソフトウェアの中でも主にアプリケーションを利用する形態の1つです。ソフトウェアはサーバー上に置き、ユーザーは必要なものだけネットワーク経由で利用できるようにする方法です。
DRM
DRMは「Digital Rights Management(デジタル・ライト・マネジメント)」の略で、デジタル著作権管理と訳されます。デジタルコンテンツを暗号化し、不正使用を防止するための仕組みです。主に再生する端末や再生可能期間の制限、コピーガードという形で実現されています。
API
APIは「Application Programming Interface(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)」の略で、ソフトウェアが他のソフトウェアと通信できるように設計されたインターフェースです。APIを利用すると、そのアプリケーションの機能を利用したプログラミングが簡単にできるようになります。
MA
MAは「Multi Audio(マルチ・オーディオ)」の略で、撮影した映像に音楽や効果音、ナレーションをつけて、完成品を作るための仕上げ作業のことです。映像の出来を左右するのはMAといっても過言ではないほど重要な工程です。
動画マーケティング用語
動画マーケティングではどのような言葉を知っておくべきなのでしょうか?ここでは、コンテンツマーケティングでよく使われる用語について紹介します。
スキップ可能なインストリーム広告
スキップ可能なインストリーム広告とは、YouTubeの動画内で表示される広告のことです。視聴者はインストリーム広告を「スキップ」することが可能で、数秒間経過した後は広告を途中で終わらせることもできます。
YouTubeの動画の始まりや終わり、動画の途中で表示される広告は、このインストリーム広告に該当します。
ユーザーは動画コンテンツを引き続き楽しむために、最初の数秒間は広告を視聴しなくてはいけないため、商品やサービスの認知拡大などを目指している場合に効果的です。
バンパー広告
バンパー広告とは、スキップ可能なインストリーム広告と同様にYouTubeで表示される動画広告のことで、短い時間で表示する広告を意味します。スキップ可能なインストリーム広告とは違い、ユーザーは動画をスキップできないのが特徴的です。
バンパー広告はユーザーがコンテンツを視聴するために見る必要があるので、商品・サービス、ブランドなどの認知拡大に役立ちます。
動画アクションキャンペーン
動画アクションキャンペーン(VAC)とは、動画内にユーザーのアクションを促すフレーズやタイトル(サブタイトルも含まれる)、ディスクリプションを表示できるYouTube広告のことです。「今すぐ購入」「問い合わせてみる」などの行動を促すテキストを設置できるので、コンバージョンを促進したい企業におすすめの広告手法になります。
まとめ:動画制作の基本用語・知識を身につけよう
今回の記事では、動画撮影や編集、マーケティングなどの場面で使用する基本用語を解説しました。基本用語を押さえておくと、やりとりをする際に理解しやすいので、まずは興味のある分野の用語から覚えてみましょう。今回紹介した用語を覚えておけば、動画制作や編集の現場に行っても知らない単語が出てきて困ることは少なくなります。
ただし、動画に関する用語は、幅広いジャンルがあり、他にもさまざまな用語が存在します。また、それぞれの業務や役割によって使用する用語は異なるので、一度に全部覚えようとするのではなく、得意な分野の用語から覚えて、円滑なコミュニケーションを目指すことが大切です。
VIDWEBでは動画制作の他に、動画広告・リスティング広告の運用代行サービスも提供しています。興味のある方は、以下のページをご確認ください。
そこで今回の記事では、動画制作・編集に欠かせない動画の基本用語を解説します。この記事を読むことで、動画制作・編集を実践していく上で求められる用語の意味合いについても理解を深められますので、ぜひ参考にしてみてください。