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「動画制作」と「映像制作」の違いって?2つの言葉から見えてくる業界の現状と未来

ひらさわ とも ひらさわ とも
2021年8月23日
「動画制作」と「映像制作」の違いって?2つの言葉から見えてくる業界の現状と未来
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「動画制作」と「映像制作」

いずれも最近耳にする機会が多い言葉ですが、国語辞典的な意味での、あるいは専門用語としての違いが定義されているわけではありません。それでもこの2つの言葉は似ているようで微妙に異なったニュアンスで使われています。そこから見えてくる映像業界の現状や、これからの課題について考えていきます

「動画」と「映像」、一般的な用法の違い

まずこの2つの言葉が世間でどのように使い分けられているかを見ていきましょう。

もともとは「映像」が主だった

「映像業界」という言葉はあれど「動画業界」という言葉はほとんど耳にすることがありません。このような呼称はある程度の時間をかけて形成された社会的な合意によって決まります。それが「映像業界」一択であるということは、伝統的には「映像」という言葉のほうが「動画」より一般的であったことを示しています。

事実、20年ほど前まではTVや映画で観ることのできる映像を「動画」と呼ぶことはほとんどありませんでした。「動画」という言葉がよく使われだしたのは、とある媒体上のコンテンツが静止画でないことを明示的に説明する必要が生じたからです。

このように静止画と動画が混在する媒体とは、言うまでもなくwebです。つまりインターネットの通信速度が向上し、静止画だけでなく動画コンテンツが一般的になるのと同時に「動画」という言葉も普及したのです。

「映像」は本格、「動画」はカジュアル?

上のような意味ではインターネット上に存在する動く画は全て「動画」であると言えます。Netflixなどはプロが作った映像作品を配信していますが、そのような事業を「動画配信サービス」と呼ぶのはこの使い方です。つまり、映画でもドラマでもネットに乗った途端に「映像」ではなく「動画」と呼ばれるようになる、というわけです。

しかしそのような「広義の動画」とは別に、もう少し狭い意味で動画という言葉が使われるケースもあります。それは一般の方がスマホなどで撮影したものを、本格的な映像作品ではない、というニュアンスを含めて「動画」と呼ぶような場合です。

技術の進歩により一般の方々が気軽に動画を撮影、投稿できるようになると、そのようなカジュアルな投稿がインターネット上の動画コンテンツの多くを占めるようになります。プロがいくら頑張っても本数では一般の方の投稿に到底対抗できないからです。このようにして「動画」という言葉を、一般の方が投稿したコンテンツと紐付けて使うような流れが生まれました。

現状はこのような「広義の動画」と「狭義の動画」、両方の使われ方が混在していると言えるでしょう。

急成長する「動画」マーケット

上に書いた中での「狭義の動画」、つまり一般の方が撮影、制作した動画に関連するビジネスが最近急拡大しています。

たとえばYouTuberの映像スキルはばらつきが大きいのですが、平均すれば「映像機材や映像アプリに詳しいハイアマチュア」くらいのレベルであると思われます。つまり彼らが作るものは上で言うところの「狭義の動画」ということになります。

YouTuberの動画よりもさらにカジュアル度が高いコンテンツも存在します。たとえばTikTokというプラットフォーム上で人気を博している投稿の多くはスマホで撮影した動画そのままか、その上にあらかじめ用意されたエフェクトを乗せるという非常に簡単な方法で作られています。

しかしこれらの動画に関して注目すべきなのは、その中の一部が視聴者から強く支持され、収益化にも成功しているという点です。普通に考えれば、映像制作を通じお金を稼ぐことができるのならその人は映像のプロです。その意味では一部の有力なYouTuberやTikToker(TikTokの投稿者)は申し分なくプロだと言えます。

「動画」と「映像」の境界が消える未来

前章で「一部の動画投稿者は申し分なくプロだ」と書きました。しかし彼らが投稿している動画は旧来の意味での「本格的な映像作品」とは大きく異なります。

では「本格的な映像」は今後どうなっていくのでしょうか。そしてそもそも「映像のプロ」とはなんなのでしょうか。カジュアルな「動画」の登場は私たちに、これらについての再考を促しているのです。

テクノロジーの進化で「動画」の質は上がり続ける

まず「本格的な映像」についてですが、「実写にCGを合成した映像」を例に考えてみましょう。

スピルバーグが監督した「ジュラシック・パーク」は、フォトリアルなCGが存在感を発揮する映画の元祖です。恐竜の造形自体ももちろん画期的だったのですが、ここではその恐竜を実写に合成する際の技術を例に話を進めます。

CGの恐竜を静止した実写背景の上に合成することは、位置を合わせればいいだけなのである意味簡単です。でも実写の背景が手ブレしていたら、その揺れに追従しなければならないので難度が一気に上がる分説得力も増します。恐竜の精密な造形のみならず、この説得力のある合成を最初に実現したのも「ジュラシック・パーク」だったのです。

「ジュラシック・パーク」の当時はごく限られたスタジオにしか手ブレ追従合成はできなかったのですが、やがてその機能は多くの映像クリエイターが使う定番アプリAfter Effectsに実装されました。これも当時としては画期的だったのですが、今ではそれに近いことをスマホのARアプリで実行できます。

これはほんの一例ですが、このようにかつて「本格的な映像」を構成する要件と思われたことの多くがテクノロジーの進歩によりカジュアル化しています。「動画」のクオリティはどんどん上がり、「本格的な映像」の領域を侵食しつつあるのです。

凄そうなだけの「映像」が評価されない時代

そもそも「ジュラシック・パークのCGが凄い」という価値観自体が過去のものになりつつあります。

「ジュラシック・パーク」をリアルタイムで観た世代がその映像に感動したのは、それ以前の素朴なCGと比較したからです。今の若い観客にとってフォトリアルなCGや手ブレ追従合成は「苦労して達成されたテクノロジー」ではなく「はじめからそこにあるもの」で、空気と同じです。

多くの映画製作者は「重要なのはストーリーだ」と言いつつも「技術面もそれとは別枠で評価してくれ」と何パーセントかは思っています。でも、後者の配点はどんどん減りつつあります。

TikTockerがARをベースにした動画加工を楽しむのは、ARが凄そうだからではなく単に楽しいからです。テクノロジーが空気化した状態はテクノロジーの目的が達成された状態とイコールですが、そのような段階では「凄そうな映像」という評価軸は消滅し、「動画」と「映像」の境界もなくなると考えられます。

問われる、企画と演出の真価

ちなみに「ジュラシック・パーク」で手ブレ追従合成を当時の最精鋭CGスタッフに指示したのはスピルバーグです。彼はCGの専門家ではないのに、CGに説得力を持たせる方法について専門家以上に洞察していたことが分かります。

しかしそのようなCGは、これまで見てきたように今では当たり前になっています。では現代においてはスピルバーグすら存在価値を失ってしまうのかといえば、そうではありません。

「ジュラシック・パーク」には恐竜が登場する前に足音だけが聞こえ、そのたびにコップの水が揺れるというシーンがあります。「ジュラシック・パーク」はシリーズ化されており、別人が監督した続編のほうがCG自体は進化しています。それでも最初の作品を評価する声が高いのはこのようなスピルバーグの演出が圧倒的に優れているからです。

そして優れた演出の価値は、テクノロジーの進化により時代がどう変わってもあまり減衰することがないのです。

これからの時代のプロとは

最後に、そんな時代における「映像のプロ」とはどうあるべきかを考えたいと思います。

それに対する簡単な答えはもちろん「優れた企画立案や演出のできる人」というものです。でもそれを実践しようとすると一筋縄でいかないのは、「優れた企画や演出」を簡単には定義できないからです。

「ジュラシック・パーク」におけるコップの演出が優れているからといって、恐竜が出てこない作品でコップの水を揺らしても意味がありません。結局それぞれの作品における「コップの演出」は何かという、定式化できない問題を解くしかないのです。

YouTuberやTikTokerの人気度合いを決めるのも結局は広い意味での企画力や演出力です。彼らは初めからその点において掛け値なしの勝負をしています。むしろ昔のプロはCGなどの技を駆使することで下駄を履くことができたのですが、これまで見てきたようにその下駄はだんだん無効になりつつあります。(ちなみに筆者自身も基本的にはCG側の人間ですが、だからこその自戒を込めてこの記事を書いています。)

最終的に全てのクリエイターが同じ条件で同じ土俵に立った時に、一体どんなメッセージを視聴者に送ることができるのか。それが今問われているのです。

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