少子化が加速するなか、大学広報の重要度は高まる一方です。学生が自由に大学を選びやすくなった今の時代、受験生に向けた入試広報のみで成果を出すのは難しいかもしれません。
この記事では、志願者数を伸ばしている大学がどのような広報活動に取り組んでいるのか説明するとともに、動画プロモーションの活用事例についても紹介します。
大学広報に求められるものとは?
大学広報の役割は、大まかに以下の3つに分けられます。
広報の種類 | 対象 | 広報活動の内容 |
①入学志願者を増やすための入試広報 | 受験生、保護者 | 大学案内(紙・Web)、オープンキャンパス、入試情報公開、受験雑誌など |
②ブランド認知度を高める広報 | 受験生、保護者、教育者、自治体、在校生、在校生の親、卒業生、OB会など | オウンドメディア(Webサイトや動画コンテンツなど)の運用 |
③在校生や校友会向けの広報 | 在校生、在校生の親、卒業生、OB会 | 校友会向け冊子発行、イベント企画 |
どれも重要な施策ですが、今、大学広報に求められているのは大学のブランド認知度を高める広報です。以前の大学広報は、受験生を対象とした入試広報に特化していました。しかし、大学間の競争激化により、受験生周辺の関係者にも大学の魅力を発信する重要性が高まっています。
大学広報を成功させるポイントとは?
志願者数を堅調に伸ばしている大学は、どのような施策に取り組んでいるのでしょうか?
ここでは大学広報を成功させるポイントについて解説します。
プロモーション戦略に動画を活用する
志願者数の獲得に成功している大学は、プロモーション戦略に動画を活用しています。その背景には、各種プラットフォームの動画化とユーザー数の増加が関係しています。
たとえば、世界最大の動画プラットフォームであるYouTubeの月間利用者数は6,500万人を超えており、18~64歳のYouTube利用率は82%です。
大学広報の成功例としてよくメディアに取り上げられる近畿大学は、2010年にYouTubeチャンネルを開設しています。2022年8月現在のチャンネル登録者数は7.41万人、配信動画本数は929本です。
ほかの大学にはないインパクトのあるプロモーション動画を多数配信しており、唯一無二の「近大ブランド」を構築しています。志願者数にも反映されている大学広報の好例と言えるでしょう。
ライブ配信やバーチャル空間を活用したオンラインイベントの開催
大学広報において、イベントのオンライン化は必須です。オンラインイベントの開催により、来校が難しいエリアに住む受験生はもちろん、大学に興味のある保護者や教育者、卒業生を含めた幅広い層にアプローチできます。
具体的には、以下のような取り組みが主流になりつつあります。
【学校説明会のライブ配信】
日時を決めてリアルタイムに開催します。視聴者の情報を取得するため、事前申し込みを受け付けている大学がほとんどです。
【オープンキャンパスのハイブリッド開催】
完全オンラインではなく、来校とライブ配信の両方でイベントを開催するスタイルです。
【バーチャル空間を使った進路相談】
参加者はアバターを自由に動かして会場を回遊できます。メインステージでライブ配信を視聴したり、各ブースに入ってオンライン面談ができるように設計されています。
これらのオンラインイベントは、アーカイブ化して動画コンテンツとしても活用できます。また、来場者の属性や行動履歴も入手できるため、データを収集・分析して大学広報のプロモーション施策に活かすことができます。
大学広報の動画プロモーション活用事例7選
ここでは、大学広報の動画プロモーションの活用事例を紹介します。
事例1.上智大学|志願者向けPR動画
志願者にキャンパスライフをイメージしてもらうための動画です。映画やCMに使われるシネマカメラを使い、上智大学クラブ・サークル活動を紹介しています。臨場感あふれる映像と程よいテンポ感で、視聴者を飽きさせない工夫がなされています。
事例2.京都先端科学大学|インバウンド向けPR動画
技術者・研究者を目指す日本留学希望者を対象とした京都先端科学大学工学部のPR動画です。「What’s in KYOTO? What’s KUAS?」をテーマに、大学周辺の街の様子と学部の魅力を紹介しています。ピクトグラムアニメーションを用いることで、論点をわかりやすく伝えることに成功しています。
事例3.成城大学|志願者向けPR動画
成城大学の学部・学科の理解を深めるための動画です。「文芸学部の文芸って何?」「どんなことが学べる?」「将来役に立つ?」など、学生が抱えている疑問をホワイトボードアニメーションを用いて解決に導きます。ホワイトボードアニメーションはイラストや図を使って説明できるため、視聴者の理解力を深めるのに最適です。
事例4.十文字学園女子大学|学生向けPR動画
学部の内容をシンプルなアニメーションでわかりやすく表現している動画です。女子高校生向けのWebガイダンスに活用されています。スライド資料に対してナレーションを入れることで、より多くの情報を伝えることに成功しています。
事例5.桜美林大学|新施設PR動画
新キャンパスの施設紹介動画です。施設のみを撮影するのではなく、実際に学生が利用しているシーンを撮影することで、見ごたえのある映像に仕上がっています。学生が主体となって運営する食堂やカフェ、イベントスペース、電子図書館など、次世代キャンパスの魅力がリアルに伝わってきます。
事例6.早稲田大学|VRキャンパスツアー・複数形式のオープンキャンパス
早稲田大学はVRキャンパスツアーをWebサイトで公開しています。カーソルがVRポイントに到達すると学生のナレーションが再生され、24時間365日いつでも大学構内や施設内の見学ができます。
また、早稲田大学のオープンキャンパスは、事前予約制による「来場型」と「リアルタイム配信型」、大学体験WEBサイトの「オンデマンド型」の3つの形式で開催されています。受験生と大学との接触回数を増やすことで、質の高い学生の獲得にも成功しています。
事例7.龍谷大学 入試部|TikTokクリエイターとのコラボ
龍谷大学は、話題のTikTokクリエイター3組とスペシャルコラボを開催しています。
大学キャンパスをゲームの世界に変えて強敵と戦いながら魅力を発信したり、学生あるあるを在校生と再現したりするなど、Z世代を意識したコンテンツを多数ラインアップしています。
昨年もVチューバーとのタイアップ動画を配信するなど、目新しさ、話題性を重視しています。
まとめ:動画プロモーション戦略で大学広報を成功させよう
動画を活用して大学のブランド認知度を高めることで、志願者数の増加や質の良い学生の獲得が期待できます。ただ、どんなに素晴らしい動画を制作したとしても、ターゲットとするユーザー層に視聴されなければ思うような成果は得られません。
大学広報の動画プロモーション戦略を成功させるには、コンテンツごとに明確なターゲットと目標を設定し、数値を見ながら改善を繰り返す必要があります。
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