テレビCMの費用相場とは?コストを抑えるためのポイントを紹介

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公開日:2022年9月23日 / 最終更新日:2023年11月17日
テレビCMの費用相場とは?コストを抑えるためのポイントを紹介
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VIDWEBコラム編集部
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短い放映時間で視聴者にインパクトを残せるテレビCM。テレビCMを活用したいと考えている企業も多いのではないでしょうか?

テレビCMは幅広い世代にアプローチできますし、商品・サービスの購買を促進することができます。一方で、テレビCMの制作や放映にかかるコストを懸念する企業も少なくありません。

そこで今回の記事では、テレビCMの制作や放映にかかる費用の決まり方、費用相場、コストを抑えるためのポイントを紹介します。インターネット広告との違いについても言及しますので、ぜひ参考にしてみてください。

テレビCMの制作や放映にかかる費用

テレビCMの費用は基本的に「制作」と「放映」から構成されています。制作会社にテレビCMの制作を発注する際や、放送局にテレビCMの放映を依頼する際にコストがかかるということです。

どのようなテレビCMを制作するか、どのエリアと放送局で放映するかなどによって、テレビCMにかかる費用は変わってきます。以下で、制作と放映にかかる費用の内訳を詳しく確認しましょう。

制作費用の主な内訳

制作会社にテレビCMの制作を依頼する場合、以下の項目に費用を支払う必要があります。

  • 企画
  • 機材
  • 出演者
  • 人件費
  • 動画編集

企画段階では、まずどのようなテレビCMを目指すかを決めていきます。コンセプトやターゲットに伝えたいメッセージ、シナリオや撮影方法などを明確にした上で、その後の流れを計画します。

続いて、テレビCMを撮影するために機材をそろえたり、出演者にオファーを出したりして、撮影の準備を進めていきます。最後にテロップや音楽、ナレーションを加えるなどして撮影した動画を編集します。

なお、これらの工程ごとにコストが発生しますし、テレビCM制作の全体でかかる人件費も考慮する必要があります。

放映費用が変動する主な要因

それでは、放映費用はどのように決まるのでしょうか?

  • CMの種類
  • 放送局
  • 視聴率

放映費用はCMの種類、つまり「タイムCM」か「スポットCM」かによって費用が異なります。

タイムCMはスポンサーが契約している番組の放送中に流すCMです。一方、スポットCMは番組ではなく時間帯を指定して放映するCMを指します。

また、キー局(全国向けの番組を多く放映する放送局)か、ローカル局(一定のエリアで番組を放映する放送局)など、放送局のタイプによってもコストは変動します。

さらに、スポットCMの場合は視聴率をもとにして契約費が決まります。

【制作】テレビCMの費用相場

それでは、具体的にテレビCMにはどれくらいの費用がかかるのでしょうか?ここでは、テレビCMの制作にかかる費用相場を確認していきましょう。

工程費用
企画3万円〜35万円
撮影10万円〜80万円
出演者の報酬出演者により異なる
動画編集15万円〜40万円

テレビCMの制作費用が決まる要因はさまざまですが、どれくらいの長さのCMを作るかによって制作コストは変わってきます。例えば、15秒CMの場合は企画費用が3万円程度で収まることがありますが、30秒以上のCMの場合は10万円以上の費用が必要となることがあります。ただし、CMの長さ以外にも制作費用が変動する要因は多岐にわたり、ロケーションや撮影方法、カメラマンを含むスタッフの人数、使用する機材などによってさまざまです。出演者の報酬に関しても知名度や人気度によって変動しますが、人気タレントを起用する場合は年間契約や1クール契約などの契約形態を問わず、数千万円のコストが必要になります。

動画編集にかかる費用はCMの長さやエフェクト、加工方法などによって決まります。

【全国放映(BS放送・CS放送)】テレビCMの費用相場

続いて放映にかかる費用を確認していきましょう。ここでは全国放映にかかる費用を紹介します。

放送局費用(※15秒1本あたり)
CS放送1.8万円~3.5万円
BS放送5万円~10万円

全国放送であるCS放送とBS放送にかかる費用目安は上記の通りになります。

ちなみに、CS放送は通信衛星を使用した放送で、BS放送とは放送衛星を使用した放送のことです。これらの放送局では映画やスポーツ、海外ドラマ・バラエティ、アニメ、ドキュメンタリー、音楽など、さまざまな番組が放送されています

地上波の全国放送と比較すると価格を抑えられるので、予算に制限がある会社におすすめです。

【地域放映(地上波放送)】テレビCMの費用相場

それでは、地域放映にかかる費用はどれくらいなのでしょうか?

エリア費用(※15秒1本あたり)
北海道4万円~6.5万円
関東30万円~100万円
※独立局の場合は2.5万円~4万円
関西4万円~12.5万円
※独立局の場合は1.5万円~2.5万円
東海4万円~25万円
※独立局の場合は1.5万円~4.5万円
福岡2.5万円~6万円

関東圏には日本テレビ、TBSテレビ、フジテレビジョン、テレビ朝日、テレビ東京のキー局が集中しており、価格帯が他のエリアと比較すると高い傾向にあります。

一方、北海道や関西、東海、福岡などのエリアでは費用を抑えて放送することが可能です。

テレビCM費用を抑えるためのポイント

ここまでテレビCMの制作や放映にかかる費用相場を確認してきました。それでは、コストを抑えるためにできることはあるのでしょうか?

静止画やアニメーションを使用する

テレビCMとして放映する動画を静止画やアニメーションで制作することで、費用を抑えられる可能性があります。

実写ではなく静止画やアニメーションで制作すれば、キャスティングや撮影地、機材などにかかるコストを削減できるためです。

静止画やアニメーションは表現の幅が広く、オリジナリティあふれる世界観を表現でき、視聴者に届けたいメッセージにフォーカスすることができます。

なお、モーショングラフィックスや3Dアニメーション、インフォグラフィックスなど、アニメーションにはさまざまな種類があります。アニメーションの種類については、以下の記事で詳細を紹介しています。

ローカル局で放映する

ローカル局で放映するのも費用を抑えるひとつの手段です。

全国に向けて放映すれば多くの人に視聴してもらえる可能性が高まりますが、その分コストが高くなってしまいます。そこで、エリアを絞ってローカル局で放映することで費用を抑えられるのです。

例えば、日本テレビやTBSテレビなどのキー局で放映する場合は最低でも30万円は必要になりますが、東京MXテレビやテレビ神奈川などのローカル局を選べば4万円以下で放映できます。

このように、放送局によってはコストを大きく抑えられるので、ターゲットを踏まえた上で最適な放送局を選定しましょう。

予算を踏まえた上で出演者との契約期間を決める

テレビCMの予算にあわせて出演者との契約期間を決めることが大切です。

キャスティングを行う場合、出演者に報酬を支払わなくてはいけません。その報酬額は年間契約なのか、1クール契約なのかなど、契約期間によって変わってきます。

放映や制作にかかる費用を踏まえた上で出演者との契約期間を決めましょう。また、出演者を選定する際もどれくらいの報酬を支払う必要があるか、候補者それぞれの費用感を確認することをおすすめします。

可能なところまで自社で対応する

可能なところまで自社で対応することで、テレビCM制作にかかる費用を抑えられる可能性があります。自社では対応できない業務のみを依頼することで、発注コストを削減できます。

例えば、自社で素材を用意すれば撮影にかかるコストを削減できますし、コンセプトをある程度決めておくことで企画にかかる手間や時間を省略できます。

しかし、テレビCMを初めて制作する、自社に対応できるスタッフがいないなどの場合、自社で対応してしまうと時間がかかってしまい、余計な人件費が発生する可能性があるので注意が必要です。

テレビCMの費用対効果を高める5つの方法

まとまったコストがかかるテレビCMの効果を最大化させたいと考える企業は多く存在します。テレビCMの費用対効果を高めるにはどうすればいいのでしょうか?

1. ターゲットを設定する

テレビCMの効果を高めるためには、明確なターゲット設定が欠かせません。ターゲットが定まっていないと放映するエリアを絞れず、時間帯も定められないためです。

例えば、ビジネスパーソンをターゲットにしたテレビCMであれば、都市部に向けた放送局で通勤前の朝や就業後の時間帯などを狙って放映することで、ターゲットに視聴してもらえます。

テレビCMを制作することを決めたら、まず誰に向けてテレビCMを放映するのかを確認しましょう。

2. メッセージを明確にする

テレビCMを制作する際は、メッセージを明確にすることを意識しましょう。15〜30秒以内のテレビCMに複数のメッセージが混合していたり、メッセージが抽象的だったりすると、結局何を伝えたいのか視聴者は理解することができません。

また、ターゲットにあわせてメッセージを考えることも重要です。過去に大手ビールメーカーが地上デジタル放送で初めてエリア別にメッセージを変えたCMを放映したことが話題になりました。

そのテレビCMを見た視聴者にどのような行動を取ってほしいのか(もしくはどのようなことを知ってほしいのか)を考え、テレビCMで伝えるメッセージを考えることが重要です。

3. 出稿するタイミングを考える

出稿するタイミングは、ターゲットにテレビCMを視聴してもらえるかを左右します。ターゲットがテレビを視聴する時間帯を狙ってテレビCMを放映するようにしましょう。

例えば、学生に向けたテレビCMであれば、若い世代に人気のある番組の放送中や登校前・帰宅後のタイミングで放映することで、ターゲットに視聴してもらえる可能性が高まります。

時間帯の例

  • 主婦層に向けたCMなら昼間の時間帯
  • アルコール飲料のCMなら夜のスポーツニュースの時間帯
  • ビジネスパーソンに向けたCMなら通勤前や就業後のニュース番組の時間帯

など

同じ理由でターゲットにあわせて放映するエリアを設定するのも重要です。ターゲットにアプローチできるタイミングとエリアを設定しましょう。

4. GRP(延べ視聴率)を測定する

テレビCMを放映する際は「GRP(Gross Rating Point)」を測定しましょう。GRPとは「延べ視聴率」のことで、広告出稿回数と視聴率を掛け合わせた数値です。GRPが高いほうが多くの人にリーチできているということを意味し、テレビCMの効果測定における指標のひとつとして使われます。

しかし、GRPを使った効果測定ではターゲットが視聴しているか、アクションを誘発できたかなどの細かい分析を行うことはできません。

また、GRPと併せて用いられる指標に「フリークエンシー」があります。フリークエンシーは「1回でも広告に接触した人が平均して何回広告に接触したか」を測るための指標です。フリークエンシーでユーザーが広告に接触した回数や頻度を測定することで、テレビCMがどれくらい深く届いているかを分析することができます。

分析結果にあわせて広告の出稿方法を調整したいという企業は、テレビCM以外の広告も視野に入れると良いでしょう。

5. 魅力的なコンテンツを制作する

テレビCMを飽きずに視聴してもらうためには、魅力的なコンテンツを制作する必要があります。

CMの内容がつまらないものだと、視聴者はスマートフォンを操作するなどしてテレビから目を離してしまう可能性があります。しかし、CMの内容が視聴者にとって興味のあるものであれば最後まで視聴してもらえる可能性が高まります。

魅力的なコンテンツを制作するためには、人気のあるタレントを起用したり、制作会社にコンセプトを提案してもらったりすることが大切です。

また、コンセプトが決まったら、テレビCMの型を意識することが必要です。よく用いられる代表的な4つの型を紹介します。

商品直接型商品そのものを前面に押し出すテレビCM。商品のメリットをはっきりと伝えるCM。
商品間接型世界観やストーリーを重視し、商品はあえて脇役とし間接的にアピールするCM。
理念直接型企業の理念やメッセージをそのままストレートに表現するCM。
理念間接型一見すると何のCMなのかわからない。ストーリーを重視した展開で、最終的に企業の理念やメッセージに結びつくCM。

インターネット広告(Web広告)とテレビCMの違い

近年はインターネット広告(Web広告)の市場規模が拡大しています。そんな注目度が高まっているインターネット広告とテレビCMにはどのような違いがあるのでしょうか?

テレビCMインターネット広告
ユーザー数幅広い世代にリーチ可能特定のターゲットに有効
ターゲティング細かい設定は不可細かい設定が可能
効果測定細かい設定は不可細かい設定が可能
料金体系広告枠を買い取る広告タイプによって異なる
(主にオークション形式が主流)
予算まとまった額が必要少額からスタート可能
強み情報を信頼してもらいやすい効果測定やA/Bテストなどがしやすい

このようにインターネット広告とテレビCMにはさまざまな違いがあることがわかります。

コストはかかるものの、信頼してもらいやすい情報を多くの視聴者に発信したいという企業はテレビCMを活用するとよいでしょう。

一方、予算に制限がある企業や精度の高いターゲティングを実施したい企業はインターネット広告が向いています。効果測定も細かく行えますし、SNSを活用すれば二次的に拡散してもらえる可能性があります。

インターネット広告の種類については以下の記事で紹介しています。

テレビCMとインターネット広告を組み合わせるメリット

テレビCMとインターネット広告を組み合わせることで、相乗効果を期待することができます。

テレビCMでは多くの視聴者にリーチできますが、インターネット広告を配信することでテレビを視聴しない層にも広告を見てもらうことが可能です。

また、テレビCMは視聴者のアクションを誘導するのは難しいですが、インターネット広告は購入ページやお問い合せフォームなどにアクセスしてもらえるので、視聴者のアクションを促進できます。

さらに、サイズや尺を調整すればテレビCMの素材をそのままインターネット広告に使用できます。

このようにテレビCMとインターネット広告を同時に配信することで、効果の最大化を目指すことができます。

まとめ:テレビCMの費用対効果の最大化を目指そう

今回の記事では、テレビCMの制作を検討している企業に向けて、テレビCMの制作や放映にかかる費用の決まり方、費用相場、コストを抑えるためのポイントを紹介しました。

テレビCMは制作と放映それぞれにコストがかかるので、ある程度まとまった費用を用意する必要があります。また、細かいターゲティングや効果測定を実施できず、効果を実感できない可能性もあります。

そのような事態を避けるためにも、魅力的なコンテンツを制作したり、インターネット広告と組み合わせたりすることが重要です。

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