広報動画とは?会社紹介動画との違いと、広報の場面別の活用方法を解説

動画制作
公開日:2026年1月23日 / 最終更新日:2026年8月28日
広報動画とは?会社紹介動画との違いと、広報の場面別の活用方法を解説
桔梗 素直
桔梗 素直 株式会社VIDWEB クリエイティブコミュニケーション部

広報動画を作りたい、という相談を受けて実際に作られる動画は、会社紹介だったり、事業部の説明だったり、周年の記念映像だったりします。つまり広報動画というのは、特定の動画の種類を指す言葉ではありません。広報の仕事のどの場面で動画を使うか、という使い方の名前です。

実務では、広報のためだけに作られる動画はほとんどありません。1本の動画を、Webサイトでも、株主向けの説明でも、採用の会社説明でも使い回す。それが広報動画の実態です。当社が公開している事例を見ても、IR・広報の用途が付いている8件は、いずれも会社・企業紹介を兼ねており、うち4件は採用の場面でも使われています。

だから、広報動画で最初に決めるべきなのは「どんな動画を作るか」ではなく「どの場面で、誰に届けるか」です。この記事では、広報の仕事を場面ごとに分け、それぞれで動画をどう使うか、費用がどう決まるか、効果をどう測るかを解説します。

広報動画とは(会社紹介動画・ブランディング動画との違い)

広報とは、社外と社内のステークホルダー、つまり顧客、取引先、株主、地域、報道機関、そして従業員との関係をつくり、維持する仕事です。広報動画は、その仕事に使う動画の総称です。

似た言葉との関係を整理しておきます。よく混同されるのが、会社紹介動画とブランディング動画です。

広報動画は会社紹介動画・ブランディング動画と軸が違う。会社紹介は動画の種類、ブランディングは動画の目的、広報は広報の仕事のどの場面で使うかという区分
言葉何を指すか
会社紹介動画動画の種類。会社の事業・沿革・強みを紹介する動画そのもの会社案内、事業紹介
ブランディング動画動画の目的。会社や事業の印象を作ることを狙った動画コンセプトムービー
広報動画動画の使い方。広報の仕事のどの場面で使うかという区分プレスリリース添付、周年式典での上映

3つは並列の関係ではなく、重なります。1本の会社紹介動画が、印象づくりを目的に作られ、広報の場面で使われる、ということが普通に起こります。実際、当社の事例でも広報向けの8件のうち2件にはブランディングの用途が付いています。

言葉の整理より重要なのは、この重なりを前提に企画することです。会社紹介動画そのものの作り方は会社紹介動画の作り方で、印象づくりを目的とする動画の設計はブランディング動画の作り方で扱っています。この記事では、広報の場面ごとの使い方に絞ります。

広報動画の種類とメリット・デメリット

広報の場面で使われる動画を種類で分けると、おおむね次の6つに整理できます。

種類何を伝えるか主な使い先
会社・事業紹介会社や事業部の全体像Webサイト、説明の場全般
周年・記念会社や製品の歩み記念式典、Webサイト
啓発・協力依頼社会的なテーマへの理解と協力Webサイト、公共の場
トップメッセージ経営者の考えを本人の言葉でWebサイト、社内、株主向け
イベント・活動報告施設のオープンや活動の様子プレスリリース、SNS、社内報
インタビュー・対談人の言葉で語る事業や文化Webサイト、採用、社内報

文章や写真と比べたときの動画の利点と注意点は、次のとおりです。

内容
利点実際の様子や人柄がそのまま伝わる。1本で複数の場面に使い回せる。報道機関やSNSで引用されやすい素材になる
注意点制作に時間と費用がかかる。情報が変わると差し替えが必要になる。掲載しただけでは見られない(届ける設計が別に要る)

種類から入るより、次の2つの章のように、社外と社内のどの場面で使うかから考えるほうが、企画は速く進みます。

社外広報での活用場面

広報動画が使われる場面。社外広報はWebサイト・SNS・プレスリリース・記者発表・展示会・株主向け、社内広報はトップメッセージ・社内報・周年式典・社員総会

Webサイト・SNSでの発信

最も基本の置き場所です。会社情報のページに会社紹介動画を、ニュースやトピックスに活動報告の動画を置きます。SNSで使う場合は、横型の動画をそのまま流用するより、縦型への切り出しを前提に撮影段階から設計しておくと、追加の撮影なしで展開できます。

プレスリリースへの動画添付

報道機関への発信に動画を添えると、記事化されたときに動画ごと引用される可能性が生まれます。実務上の注意点として、たとえば配信サービスのPR TIMESでは、動画ファイルを直接添付することはできず、YouTubeにアップロードした動画の埋め込みに限られます。YouTube上で非公開の動画は埋め込めないため、情報解禁のタイミングと動画の公開設定を合わせて管理する必要があります。ショート動画も埋め込みに対応していません。配信サービスごとに仕様が異なるため、リリース配信日から逆算して、動画の公開手順を先に決めておいてください。

記者発表・発表会での上映

新製品発表や事業発表の場では、口頭の説明より先に短い動画で全体像を見せると、その後の質疑が具体的になります。会場では音声を十分に出せない場合や、登壇の合間に流す場合があるため、ナレーションがなくても伝わるテロップ設計にしておくと使える場面が広がります。

展示会・イベント

ブースでの上映は、音声なしで、遠くからでも読める文字で、繰り返し流せる構成が前提になります。設計がWebサイト向けの動画とは大きく異なるため、詳しくは展示会動画の作り方で解説しています。

株主・投資家、社会的な発信

株主や投資家に向けた発信は、決算説明会や株主総会という開示イベントと結びつくため、広報動画の中でも独立した設計が必要です。IR動画の活用方法で扱っています。環境や社会への取り組みを伝える動画も、開示や報告書との整合が関わるため、CSR動画の作り方に分けて解説しています。

社内広報での活用場面

広報の仕事の半分は社内に向いています。ここは広報動画の記事でほとんど扱われませんが、実務では社外向けと同じくらい動画が使われる領域です。

トップメッセージ

期初の方針や節目の挨拶を、経営者本人の映像で全社に届けます。文章の社内通達と違い、表情と声のトーンまで伝わるため、方針の背景にある熱量が残ります。拠点が分散している会社ほど効果が大きく、撮影も社内で完結するため、制作のハードルは低い部類です。

社内報・社内共有

イベントの報告、部門の紹介、社員インタビューなど、文章の社内報で扱ってきた題材は動画に置き換えられます。すべてを動画にする必要はなく、人柄や現場の空気が伝わることに価値がある題材から動画にするのが順当です。

周年・記念式典

周年は社内広報の最大のイベントです。当社が制作した学校法人北里研究所様の記念動画は、法人創立110周年の記念式典の会場で上映されました。歩みを振り返る映像は、式典で一度使って終わりではなく、その後もWebサイトや採用の場面で会社の歴史を伝える素材として使い続けられます。周年のタイミングは動かせないため、式典の日程から逆算した制作計画が必要です。

社員総会・キックオフ

年度の振り返りや表彰の場で、1年の活動をまとめた映像を流す使い方です。イベントの熱量を高める演出としての役割が大きく、社内で撮りためた素材を編集だけ外注する形でも成立します。

当社が制作した広報動画の実例

広報の場面で使われている当社の事例から、種類の違うものを紹介します。

VIDWEBの事例のうちIR・広報の用途が付く8件の内訳。8件すべてが会社・企業紹介を兼ね、採用やブランディング、イベント、施設紹介と重なる
事例種類制作期間映像表現
トーカロ 会社紹介動画会社紹介3ヶ月アニメーション
荒井商事 オークション事業部紹介事業部紹介3ヶ月実写
ナブテスコ 採用向け会社紹介動画会社紹介3ヶ月アニメーション
エイジス 企業ブランディング動画企業ブランディング2ヶ月実写
日本赤十字社 さい帯血提供に関するご協力依頼 PR動画啓発・協力依頼2ヶ月アニメーション
学校法人北里研究所 創立110周年・大学創立60周年記念動画周年記念3ヶ月3DCGとアニメーション

この6件から、広報動画の実務で押さえておきたい設計を3つ拾います。

  1. 1本を複数の場面で使う前提で作る:荒井商事様の事業部紹介は、Webサイトでの発信だけでなく、採用時の企業説明にも使われています。企画の段階で使い先を洗い出しておくと、同じ制作費で動画が働く場面が増えます。
  2. 言語と尺のパターンを最初に決める:エイジス様の企業ブランディング動画は、日本語と英語、長尺と短尺の計4パターンを制作しました。海外への発信や短い場面での上映が想定されるなら、1本を作ってから派生させるのではなく、最初からパターン展開を前提に設計するほうが効率的です。
  3. 難しいテーマはアニメーションで柔らかくする:日本赤十字社様のさい帯血提供の動画は、医療という繊細なテーマを、温かみのあるアニメーションで出産を予定されている方に届ける設計です。実写では硬くなりすぎる、または撮影が難しいテーマは、表現から考え直すと解けることがあります。

なお、事業部単位の動画は、荒井商事様のように事業部ごとに1本ずつ積み増していく運用ができます。全社で1本の大作を作るより、伝える単位を絞った動画を増やすほうが、使える場面は広がります。

社内で企画を通すときに揃えるもの

広報動画の相談で、制作以前につまずくことが多いのがここです。動画は金額が大きく、効果が数字で示しにくいため、社内の承認が最後の関門になります。

私たちがご相談をいただいたとき、まず伺うのは動画の内容ではなく、次の4つです。この4つが埋まっていない企画は、見積もりを出しても社内で止まります。

  1. 目的:何のために作るか。認知を広げたいのか、理解を深めたいのか、印象を変えたいのか。ここが曖昧なまま「とりあえず会社紹介動画」となると、完成後に評価のしようがなくなります。
  2. 使い先:どこに置き、どの場面で流すか。Webサイト、プレスリリース、記者発表、展示会、社内、採用。使い先の数が多いほど、1本あたりの費用対効果は上がります。稟議では、この一覧がそのまま金額の根拠になります。
  3. 公開時期:いつまでに必要か。式典や発表会など動かせない日程があるなら、それが実質的な締め切りです。
  4. 判断の体制:誰が確認し、誰が決裁するか。広報部門で決まるのか、経営会議まで上がるのか。ここが多層になるほど、確認と修正の往復に時間がかかります。

見積もりを取る段階では、これに加えて、尺、本数、撮影の有無、言語のパターン、納品形式を決めておくと、各社の見積もりを同じ条件で比較できます。条件を揃えずに複数社から見積もりを取ると、金額だけが並んで中身を比べられません。制作会社の比べ方と見積もりの読み方は動画制作会社の選び方で解説しています。

社内を通しやすくする実務的な工夫として、初回に大作を1本作るのではなく、使い先の多い動画から着手して、実績を作ってから本数を増やす進め方があります。当社の事例でも、荒井商事様のように事業部ごと、会場ごとに動画を積み増していく形が続いています。

広報動画の制作費用

当社は制作費を公開しています。料金ページの価格帯は、49万円まで、50万円から99万円、100万円から299万円、300万円以上の4つに分かれています。

広報動画という単独の相場はありません。冒頭で述べたとおり広報動画は使い方の名前なので、費用は作る動画の種類で決まります。目安として、当社の種類別の相場では、会社紹介・企業案内の動画が50万円から400万円、IR動画が30万円から80万円です。

金額が動く要因は、動画の長さ、撮影日数、スタッフの人数、出演者、ロケ会場、CGやアニメーションの有無です。広報の動画で特に効いてくるのは撮影日数と言語対応です。複数の拠点や事業部を撮れば撮影日数が増え、英語版を作れば翻訳とテロップの再配置が加わります。将来の多言語展開が少しでも視野にあるなら、テロップを映像に焼き込まず、後から差し替えられる形で作っておいてください。

制作期間は、当社の広報向けの事例8件ではすべて2ヶ月から3ヶ月に収まっています。周年式典や発表会など日程が動かせない場面で使う場合は、上映日から逆算して、遅くとも3ヶ月から4ヶ月前には制作に着手することをお勧めします。

広報動画の効果測定

広報動画の効果は、再生回数だけでは測れません。同じ動画でも、どの場面で使ったかによって見るべき数字が変わるからです。

使った場面見る数字何が分かるか
Webサイト視聴維持率、離脱の箇所どこで飽きられたか。次の構成の判断材料になる
プレスリリース記事での引用、記事経由の流入報道機関に素材として使われたか
記者発表・展示会その場の反応、後日の問い合わせ会場で伝わったか
社内視聴した従業員の割合、アンケート全社に行き渡ったか、意図が伝わったか
採用説明会での視聴後の質問の変化志望者の理解が進んだか

再生回数だけを目標に置くと、広報の目的とは関係のない数字を追うことになります。社内向けのトップメッセージは全従業員が見れば十分で、再生回数が伸びること自体に意味はありません。逆にプレスリリースに添えた動画は、再生回数が少なくても記者に見られて記事になれば成功です。

もう1つ、動画を作る前に決めておいてほしいのが、いつ見直すかです。当社の経験でいえば、広報の動画で最も多い失敗は、作った動画が古くなったまま公開され続けることです。オフィスも、製品も、従業員も変わります。公開から2年、3年と経った動画が会社の入口に置かれたままだと、更新されていない会社という印象になります。制作の段階で、変わりやすい情報(数値、拠点、人物)と変わりにくい情報(理念、事業の考え方)を分けて構成しておくと、数年後に部分的な差し替えで対応できます。

広報動画のよくある質問

広報動画と広報映像は違うものですか?

同じものを指します。広報の現場では映像という言葉が使われることが多く、動画制作の業界では動画と呼ぶことが多い、という言葉の習慣の違いです。制作会社に相談する際は、どちらの言葉でも問題なく通じます。

自治体や官公庁の広報動画も同じ考え方ですか?

使い方から逆算する考え方は同じですが、自治体や官公庁の場合は、入札や仕様書の作成、年度内の納品といった調達の手続きが加わります。公的機関の動画活用は自治体の動画活用で詳しく整理しています。

プレスリリースに動画ファイルをそのまま添付できますか?

主要な配信サービスでは、動画ファイルの直接添付はできないことが多いです。たとえばPR TIMESでは、YouTubeにアップロードした動画の埋め込みに限られ、非公開設定の動画やショート動画は埋め込めません。配信日までに動画を公開できる状態にしておく段取りが必要です。

制作期間はどのくらいかかりますか?

当社の広報向けの事例8件では、すべて2ヶ月から3ヶ月に収まっています。ここに社内の確認プロセスの時間が加わります。式典や発表会など使う日が決まっている場合は、その日から逆算して3ヶ月から4ヶ月前の着手をお勧めします。

広報動画は、使う場面から逆算して作る

広報動画は、動画の種類ではなく使い方の名前です。当社の事例でも、広報向けの動画はすべて会社紹介や採用など複数の場面と兼用で使われています。

だから企画の出発点は「どんな動画を作るか」ではありません。広報の仕事のどの場面で、誰に、何を届けたいか。それが決まれば、作るべき動画の種類も、尺も、言語のパターンも、逆算で決まります。

当社では、会社紹介やトップメッセージから、周年記念、啓発動画、英語版の展開まで対応しています。使う場面が固まっていない段階のご相談でも構いませんので、IR・広報の動画制作からお気軽にご相談ください。

桔梗 素直
桔梗 素直 株式会社VIDWEB クリエイティブコミュニケーション部

大学卒業後大手保険代理店に5年間勤務。その後動画市場の将来性を感じ、オンラインスクールにて動画マーケティングや制作方法を学び、VIDWEBへ入社。丁寧親切且つ的確なコンサルテーションと提案に定評があり、クライアントが動画制作によって抱えている課題を親身になって日々解決している。

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