YouTube広告は人によって違う?パーソナライズド広告の仕組みと自分の広告ジャンルを確認する方法

動画マーケティング
公開日:2023年5月12日 / 最終更新日:2023年11月3日
YouTube広告は人によって違う?パーソナライズド広告の仕組みと自分の広告ジャンルを確認する方法
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VIDWEBコラム編集部
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YouTube広告は、人によって違う内容が配信されます。これはGoogle広告の「パーソナライズド広告」という機能によるものです。では、どのような仕組みで人によって違う広告が配信されているのでしょうか。この記事では、パーソナライズド広告の仕組みをわかりやすく解説します。

また、自分がGoogleにどのように見られているのか確認する方法や、広告を消す方法、表示される広告のジャンルを変える方法も紹介するため「広告を消したい」「特定の広告を表示させないようにしたい」方は参考にしてください。

YouTube広告が人によって違うのはなぜ?

YouTubeを見ていると、関心のある商品の広告や、自分が過去に閲覧したサービスの広告が表示されることがあります。YouTubeにおいて人によって異なる広告が配信されるのは、Google広告の「パーソナライズド広告」という機能が適用されているからです。

パーソナライズド広告の仕組み

パーソナライズド広告とは、YouTubeを利用する個々のユーザーの属性・嗜好に合った広告を表示する広告配信技術のことです。Googleはユーザーのアカウント情報や過去に検索したキーワード、閲覧したWebページ、広告のクリック履歴などを活用し、ユーザーの興味・関心を分析しています。パーソナライズド広告は、広告主にとっては商品・サービスのターゲット層に効率的に広告を配信できるのがメリットです。

一方で、パーソナライズ広告はユーザーにとっても利点があります。

YouTubeは基本無料で利用できますが、広告が非表示となる有料の会員制度(YouTube Premium)も提供しています。

つまり、無料でYouTubeを利用する限り、ユーザーは広告表示を受け入れなければなりません。それならば、まったく興味のない分野の広告より、自分好みの商品・サービスと出会える可能性のある広告の方が魅力的ではないでしょうか。

広告主はどうやって配信先を選ぶ?ターゲティングの仕組み

では、広告主はどうやって興味・関心の高い配信先を選んでいるのでしょうか?

Web広告の分野では、広告主が商品・サービスのターゲットとなる配信先を絞り込み、設定することを「ターゲティング」といいます。ここでは、広告主側がどのような基準で配信先を設定しているか、わかりやすく紹介します。

YouTube広告のターゲティングとは?

広告主はYouTube広告のターゲティングを設定する際に、以下のような項目を検討しています。

  • どんな属性(性別、年齢など)を持つユーザーに情報を届けたいか
  • どんなトピックに興味を持つユーザーにアプローチしたいか
  • どんな場所(YouTube動画やチャンネル)に広告を表示したいか

例えば、女性向けスポーツウェアの広告なら、以下のようなターゲティングが考えられます。

  • 属性を「女性」、興味・関心トピックを「フィットネス」に絞って広告を配信する。
  • 属性を「女性」、配信場所にフィットネスに関連した人気チャンネルを指定して配信方法する。

このように、YouTube広告のターゲティングは広告を配信する「人」や「場所」を組み合わせて対象を絞り込んでいます。Web広告の用語では「人」で絞り込むターゲティング方法を「オーディエンスターゲティング」、「場所」を絞り込む手法を「コンテンツターゲティング」といいます。

オーディエンスターゲティングで設定できる項目の例

  • 属性:性別、年齢、子どもの有無。世帯収入、配偶者の有無、就業状況 など
  • 興味・関心:スポーツ、テクノロジー、ニュース・政治、買い物好き など
  • ライフイベント:マイホーム購入、大学卒、定年退職、引っ越し、新しいペット など

コンテンツターゲティングで設定できる項目の例

  • キーワード:特定のキーワードに関連する動画を視聴するユーザーに広告を表示する
  • トピック:「自動車」「キャンプ」などのトピックに関連するYouTube動画に広告を表示する
  • プレースメント:特定のYouTubeチャンネル、YouTube動画を選んで広告を表示する

YouTube広告のターゲティングについて、より詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

過去に見た商品の広告が表示されるのはなぜ?

上記のように、広告主が「ターゲティング」という手法を使って興味のありそうなユーザーに広告を配信していることは理解していただけたかと思います。

一方で、WebサイトやYouTube動画で見たことのある商品の広告が表示され「自分の情報が漏れているのでは」「行動を監視されているのでは」と不安に感じたことのある人もいると思います。このようなことが起こるのは、YouTube広告の「リマーケティング」という広告配信技術が使われているからです。

YouTube広告のリマーケティングとは?

リマーケティング広告は、以前にWebサイトや動画を見た、商品やサービスに関心が高いと思われるユーザーに広告を表示する仕組みのことです。

ユーザーが商品・サービスを紹介するWebサイトに訪れると、ユーザーのWebブラウザにはクッキー(Cookie)と呼ばれる一時ファイルが保存されます。広告主はこのクッキーIDを分析することで、ユーザーの行動をトラッキング(追跡)できるようになります。

前述のように「見たことのある商品の広告が表示される」場合、広告主がクッキーIDを含むリストを広告の配信先に指定しています。

「行動を追跡する」などと聞くと、個人情報の流出が気になる方もいるかもしれません。実際、Web業界ではクッキーの利用を規制する動きが広がっています。

例えば、WebブラウザのSafari(サファリ)は、利用者のプライバシーを守るため、サードパーティクッキー(※)を利用した行動データの収集を規制しています。また、YouTubeを運営するGoogleもWebブラウザ・Chromeでサードパーティクッキーの利用を2024年後半から段階的に廃止すると発表しています。

Web広告業界では、クッキーを使用しない広告配信方法が模索されている最中ですが、広告にプライベートな情報を利用されるのが気になる方は、次の項目を参考にしてください。

※クッキーには主に2つの種類があり、

  • 実際に訪問したWebサイトのドメインから発行されるクッキーを「ファーストパーティクッキー」
  • Web広告など第三者のドメインが発行するクッキーを「サードパーティクッキー」

といいます。

Googleが自分をどう見ているか確認する方法

ここまで、Googleはユーザーの属性・行動などを常に分析しており、広告主はその仕組みを利用して広告配信先をターゲティングしていることを説明しました。しかし、この機能が成り立つのはユーザーのプライバシーが保護されていることが前提です。Googleはプライバシーポリシーにもとづき、ユーザーの同意を得たうえで情報を収集しています。

また、自分に表示される広告の設定はGoogleが提供する広告設定サイト「マイアドセンター」で簡単に確認できます。マイアドセンターには、Googleが分析したおすすめの広告トピックがジャンルごとに表示されており、ここを見れば自分がGoogleにどのような嗜好を持つ人だと見られているのかがわかります。

自分に表示される広告ジャンルを変えたい場合は、この「マイアドセンター」をカスタマイズすることが可能です。

YouTube広告を消去・変更するには?

YouTubeに表示される広告の種類を変更する方法やYouTube広告を消したい場合の方法、プライバシー流出が気になる方のための対策をご紹介します。

表示されるYouTube広告を変更する方法

上記で紹介した「マイアドセンター」では、Google 検索、YouTube、Discoverで表示される広告のトピックや興味のある企業・サービスを追加・削除してカスタマイズできます。手順は以下の通りです。

  1. マイアドセンターのメニューから「広告をカスタマイズ」をクリック
  2. 「トピック」「企業やサービス」「デリケートなトピック」のタブに現れる項目を好みに応じて追加・削除する

また、マイアドセンターでは、パーソナライズド広告機能のオン・オフ自体も切り替えられます。

そもそも人によって違う広告が表示されることを好まない場合は、パーソナライズド広告をオフにすることが可能です。しかし、パーソナライズド広告をオフにしてもYouTubeに広告が表示されなくなるわけではありません。個人に合った広告は表示されなくなりますが、ランダムな広告が表示されます。

マイアドセンター

YouTube広告を消す方法

YouTube広告を表示しないようにするもっともオフィシャルな方法は、YouTubeが提供するサブスクリプションサービス「YouTube Premium(プレミアム)」に加入することです。この有料プランを利用することでWebブラウザでも、アプリでも、広告なしで動画を見られるようになります。

また、広告ブロック機能を持つWebブラウザやアドオン(拡張機能)にはYouTubeの広告を非表示にできるものもあります。アプリではなく、Webブラウザを使用してYouTubeを見る場合は、このような製品を利用するのも選択肢のひとつです。広告ブロック機能を持つブラウザの例には「Brave」、アドオンの例には「Adblock」などがあります。

気になるプライバシーを守るには?

プライバシーにかかわる情報が広告に利用されるのが気になる方は、Googleアカウントのプライバシー設定を確認しましょう。

「マイアドセンター」には「プライバシーの管理」という設定項目があり、パーソナライズド広告に使用されたくない情報(属性、行動履歴など)の提供をオフにできます。

また、リマーケティング広告の対策には、Webブラウザでクッキーを無効にする方法が有効です。ChromeなどのWebブラウザはクッキーの有効・無効を切り替えできます。

また近年では、個人情報保護の観点から、ユーザーに対しクッキーの使用可否を確認するポップアップメッセージを表示するWebサイトが増えています。クッキーを利用した追跡型の広告表示を避けたい場合は「クッキーの利用を許可しない」を選択しましょう。

まとめ:パーソナライズド広告の仕組みを理解し、活用しよう

YouTube広告が人によって違うのは、Googleのパーソナライズド広告やリマーケティング広告の影響であることを紹介しました。

インターネット上の行動を見られているかのような広告表示に疑問を感じていた方も、広告配信の仕組みを知ることで、少しは安心できたのではないかと思います。YouTubeを無料で利用する限り、広告は避けられないものです。広告ジャンルをカスタマイズしたり、プライバシー設定を変更したりするなどして、YouTube広告とうまく付き合う方法を見つけましょう。

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