リモートワークで研修動画を活用する方法とは?動画制作のポイントやオンライン研修ツールも紹介

動画制作
公開日:2024年6月21日 / 最終更新日:2024年6月20日
リモートワークで研修動画を活用する方法とは?動画制作のポイントやオンライン研修ツールも紹介
桔梗 素直
桔梗 素直 株式会社VIDWEB クリエイティブコミュニケーション部

リモートワーク環境下での研修動画は、時間や場所にとらわれずに学習できる効果的なツールとして注目されています。動画は一度制作してしまえば繰り返し使用できるため、コスト削減や研修プログラムの効率化など、多くのメリットがあります。

しかし、対面での研修と比べて、参加者の集中力の維持や管理が難しいという課題も存在します。参加者の注意を引きつけるためには、さまざまな工夫が必要です。

この記事では、リモート環境で効率的に研修動画を運用したい企業の担当者に向けて、研修動画のメリットとデメリット、リモートでの公開・配信方法、自社で研修動画を制作する際のおすすめツールなどを紹介します。

こんな方におすすめの記事です
  • リモート研修プログラムの導入・改善を検討している方
  • 新入社員研修を充実させたい研修担当者の方
  • 業務のデジタル化を加速したい経営層の方

リモートワークで研修動画を活用するメリット

近年、リモートワーク環境における研修動画の活用が急速に広まっています。従来の紙資料や講師による直接指導とは異なり、研修動画は以下の3つの大きなメリットがあります。

  • コスト削減と効率的な研修運営が実現できる
  • 参加者の理解度を高める
  • 全従業員が同じ内容を学べる機会を提供できる

それぞれについて説明します。

コスト削減と効率的な研修運営が実現できる

研修動画は一度制作すれば繰り返し利用できるため、場所や時間、講師の手配にかかるコストを大幅に削減できます。

初期投資として制作費やシステム利用料が発生しますが、自社で制作・運用することでさらにコストを抑えることが可能です。また、中長期的には企業の人材開発コストの削減にもつながります。

参加者の理解度を高められる

音声と映像を組み合わせたアプローチにより、情報伝達の正確性が向上し、参加者の理解度も高まります。複雑な概念やプロセスも、図やイラスト、ナレーションを用いることで、直感的に伝えられます。

また、動画は必要な箇所だけ繰り返し視聴できるため、参加者は自分のペースで学び、理解が不十分な部分を何度でも確認できます。

全従業員が同じ内容を学べる機会を提供できる

研修動画は、全従業員に均一な学習機会を提供可能です。通常の研修では、講師や参加者によって内容にバラつきが生じやすく、社員が均等に学べる機会が限られています。会社の理念やビジョン、業務内容を徹底的に周知する必要がある場合、この課題は特に深刻です。

研修を動画化することで、場所や時間を問わず、すべての社員がアクセスしやすい形で情報を提供でき、どの社員も同じ材料を用いて同じ内容を学べるようになります。

リモートワークにおける研修動画のデメリット

リモートワークにおける研修動画の運用は多くのメリットがありますが、以下のようなデメリットも存在します。

  • 双方向的なコミュニケーションが難しい
  • 参加型の研修に比べると集中力が途切れやすい
  • システム利用料や動画制作コストがかかる

研修動画を導入する際には、これらのデメリットを十分に理解し、自社の状況に合った運用方法を検討する必要があります。

双方向的なコミュニケーションが難しい

研修動画は事前に収録された一方通行のコンテンツであるため、リアルタイムでの質問や即時フィードバックが難しいです。しかし、ライブ配信型の研修を組み合わせることや、視聴後にディスカッションの場を設けることで、この問題はある程度解決できます。

参加型の研修に比べると集中力が途切れやすい

対面研修と比較すると、研修動画では参加者の集中力が途切れやすい傾向があります。そのため、一方的に情報を発信するのではなく、視聴中にクイズや選択肢など、双方向的なコンテンツを取り入れることで参加者の集中力や関心を高められます。

システム利用料や動画制作コストがかかる

研修動画の運用を始める際には、システム利用料やメンテナンス、動画制作などの初期費用がかかります。導入を検討する際には、費用とメリットを比較検討し、自社にとって最適な方法を選択することが大切です。

リモートで研修動画を公開・配信する方法

自社で動画コンテンツを制作・手配する場合と、社外の動画コンテンツを利用する場合では、リモートで研修動画を公開・配信する方法が異なります。

自社で研修動画を制作・手配する場合

自社で動画コンテンツを用意できる場合は、主に以下4つの方法で研修動画を公開・配信できます。

  • 無料プラットフォーム
  • クラウドストレージ
  • 有料の動画配信プラットフォーム
  • Web会議ツール

それぞれの方法について説明します。

無料の動画配信プラットフォーム

YouTubeなどの無料プラットフォームを利用して研修動画を配信する方法です。アップロードした研修動画を「限定公開」に設定することで、リンクを知っている人だけが研修動画を視聴できます。

コストを抑えて研修動画を配信できる点がメリットですが、パスワード設定はできないため、リンクが外部に流出すれば誰でも視聴できてしまいます。そのため、動画に機密性の高い情報が含まれている場合は不向きです。

クラウドストレージ

GoogleドライブやDropboxなどのクラウドストレージサービスに研修動画をアップロードし、動画ファイルのリンクを共有する方法です。

アクセス権限を適切に設定することで、参加者のみが研修動画を視聴できます。また、研修動画をダウンロード不可に設定することも可能です。ただ、参加者多数で個別にアクセス権を付与する場合、管理が煩雑になるのであまりおすすめできません。

有料の動画配信プラットフォーム

有料の動画配信プラットフォームを利用して研修動画を配信する方法です。多くのサービスは、視聴時間、視聴完了率、テスト結果などの視聴データや、研修管理システムが搭載されており、研修の効果をリアルタイムで測定できます。

また、参加者にIDとパスワードを発行することで、個々の視聴権限を簡単に設定・管理でき、個人の研修進捗の把握もスムーズに行えます。後ほど、研修動画の配信に役立つおすすめのツールを紹介します。

Web会議ツール

ZoomやMicrosoft TeamsなどのWeb会議ツールを使用してライブ配信した研修を録画し、その後オンデマンドで配信する方法です。これらのツールは多くの企業で既に導入されており、追加の設備投資なしですぐに利用開始できます。

注意点として、Web会議ツールで直接共有できるのは、そのサービスで録画されたオンデマンド配信のみです。自社で別途用意した研修動画を共有する場合は、プラットフォームやクラウドストレージで共有することになります。

社外の動画コンテンツを利用する場合

自社で動画を制作せず、社外の研修動画を活用する場合、eラーニングシステムの導入が選択肢となります。多くのeラーニングシステムでは、幅広い業界や職種に特化した専門的な研修動画が用意されており、進捗管理や成果測定のツールも充実しているため、リモートワーク研修を効果的に実施できます。

ただし、企業理念や自社独自の業務フローに関する動画は、eラーニングシステムだけでは対応できません。また、システム利用料も、自社で運用するよりは高コストです。研修カリキュラムの柔軟性や独自性を重視するのであれば、オリジナルの研修動画を制作した方が良いでしょう。

桔梗 素直

リモートで本格的に研修動画を運用するのであれば、有料の動画配信プラットフォーム、またはWeb会議ツールのオンデマンド配信がおすすめです。自社に研修のノウハウがない場合は、eラーニングシステムの導入を検討してみてください。

リモート研修に利用できる動画配信プラットフォームおすすめ3選

ここでは、自社で撮影・編集した研修動画をリモート環境で共有できる、おすすめの動画配信プラットフォームを3つ紹介します。

ULIZA(ウリザ)

ULIZA(ウリザ)

画像引用:ULIZA

ULIZAは、株式会社PLAYが提供する動画配信プラットフォームです。分析機能や会員管理機能なども搭載されており、配信する動画はあるが、動画を掲載するサイトがないという企業に向けて、オリジナルの動画配信サイトを作りたいという方に向けて、配信サイト作成機能も搭載されています。

月額料金

  • ミニ:9,000円
  • スタンダード50,000円
  • プロ:100,000円

※スタンダード以上は初期費用:50,000円~

SmartSTREAM(スマートストリーム)

SmartSTREAM(スマートストリーム)

画像引用:SmartSTREAM

SmartSTREAMは、NTTスマートコネクト株式会社が提供する動画配信プラットフォームです。限定配信や、パスワード認証を設定したセキュアな配信が強みであり、動画制作から配信、学習管理までをサポートするプランも用意されています。研修動画の制作にリソースをかけられない企業におすすめです。

月額料金

  • シンプルプラン:52,800円
  • セレクトプラン:49,500円~

※ライブ配信は別途プランあり

Kaltura(カルトゥーラ)

Kaltura(カルトゥーラ)

画像引用:Kaltura

Kalturaは、コレオス株式会社が提供する動画配信プラットフォームです。リモート研修に必要な機能を網羅しており、特に分析に強みがあります。研修動画の視聴数、視聴時間、再生率、離脱ポイントなどを分析したレポート機能が搭載されており、参加者単位で個々の学習進捗を把握できます。

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リモートワークで効果的な研修動画を作成するには?

研修動画を制作する際、自社で制作する場合も、動画制作会社に依頼する場合も、事前準備が非常に重要です。ここでは、事前準備で抑えておきたいポイントを紹介します。

動画制作の目的とターゲットを明確にする

まず、研修動画を誰に視聴してもらいたいのか、視聴後にどのような課題を解決できるのかを明確にし、研修動画の制作目的を定義しましょう。ターゲットが明確でないと、内容がぼやけてしまい、受け手に適切なメッセージを伝えることができません。

動画用に研修のカリキュラムを再構築する

動画用にカリキュラムを再構築する場合は、以下のポイントを意識しましょう。

  • 短時間で理解しやすい構成
  • 基礎から応用へ
  • 事例や図解を盛り込む

視聴者の集中力を維持できるように、シーンを短く区切り、研修内容が身につくように、段階的に内容を構成します。抽象的な説明がある場合、図やイラストを用いてわかりやすくします

このように、研修カリキュラムを動画用に再構築することで、視聴者は効率的に研修内容を理解できるようになります。研修動画の制作にあたっては、視聴者のニーズや目的に合わせた構成と内容の検討が重要です。

目的に合わせて適切な形式を選定する

研修動画は、大きくセミナー形式、マニュアル形式、ドラマ形式の3つに分けられます。

セミナー形式
特徴 30分程度のセミナーを1台のカメラで撮影。予備校の授業風景のようなイメージ。
コスト
メリット リアルで研修を実施している場合は、撮影と簡単な編集のみで制作できる。
デメリット 情報量が少なく、編集技術が足りないと、視聴者が飽きる可能性がある。
マニュアル形式
特徴 パソコンと動画編集ツールで動画制作を完結できる。
コスト
メリット 必要最低限の情報提供が可能。
デメリット 編集技術が足りないと、視聴者が飽きる可能性がある。
ドラマ形式
特徴 プロのキャストや特殊機材を使用。安全対策研修など危険を認知する動画に適している。
コスト
メリット 視聴者の理解度とエンゲージメントを高められる。
デメリット 制作に時間がかかる。
形式特徴コストメリットデメリット
セミナー形式30分程度のセミナーを1台のカメラで撮影。予備校の授業風景のようなイメージ。リアルで研修を実施している場合は、撮影と簡単な編集のみで制作できる。情報量が少なく、編集技術が足りないと、視聴者が飽きる可能性がある。
マニュアル形式パソコンと動画編集ツールで動画制作を完結できる。必要最低限の情報提供が可能。編集技術が足りないと、視聴者が飽きる可能性がある。
ドラマ形式プロのキャストや特殊機材を使用。安全対策研修など危険を認知する動画に適している。視聴者の理解度とエンゲージメントを高められる。制作に時間がかかる。
桔梗 素直

動画の目的に合わせて適切な形式を選択することで、研修の効果を最大限に引き出せます。

リモート研修動画の制作にかかる費用目安

以下は、リモート研修動画の制作にかかる費用目安です。

種類企業側の準備費用相場
セミナー形式研修風景の撮影のみ5万円〜
マニュアル形式研修の目的、カリキュラムの提供10万円〜
ドラマ形式研修の目的を伝達80万円〜200万円

上記はあくまでも目安であり、実際の費用は制作内容や業者によって異なります。動画の品質は成果に直結するので、重要度の高いリモート研修動画は、研修動画の制作に精通している動画制作会社への外注の検討をおすすめします。

研修動画で気を付けたい!リモートハラスメント(リモハラ)防止対策

リモート環境における研修は、場所や時間の制約を受けにくいため、参加しやすいというメリットがあります。しかし、その利便性ゆえに、リモートハラスメント(以下、リモハラ)対策が軽視されがちという課題も存在します。

リモハラは、個人の問題ではなく、企業が責任を持って取り組むべき課題です。ここでは、研修動画を運用する前に、気を付けたいポイントをお伝えします。

業務時間外に研修を強要しない

研修動画の内容に関わらず、研修は実務の一部と捉え、業務時間外での視聴を強要することは避けてください。従業員のワークライフバランスを尊重し、ストレスなく参加できる環境を整えることが、効果的な学習成果につながります。

また、研修スケジュールは事前に計画することが大切です。不意に研修が割り当てられるとストレスを感じる人もいるため、各自がスケジュールを組み立てやすいよう意識し、積極的な活用を促しましょう。

カメラ・音声オンの状態を強要しない

研修動画視聴中に、カメラ・音声のオンを従業員に強要することは避けましょう。研修中のプライバシーを尊重し、快適な学習環境を提供することで、学習効果の向上につながります。

ただ、企業側としては、参加状況や参加者の反応を把握したいというニーズもあります。そのような場合、研修プログラムの改善を目的として、動画配信プラットフォームのレポート機能(研修管理機能)を活用し、参加者の進捗や活動を追跡しましょう。

桔梗 素直

リモハラは、誰にでも起こり得る問題です。社員を守るために、リモハラについて理解を深め、積極的に防止策に取り組んでいきましょう。

リモート研修動画を活用して社員のスキルアップを図ろう

技術の進歩と共に、研修のあり方も大きく変化しています。リモート研修動画は、効率的な人材育成を目指す企業にとって、なくてはならないツールです。動画を効果的に活用することで、効率的かつ効果的な研修プログラムを実現できます。

VIDWEBは、高品質な動画を低コストかつスピーディーに提供する動画制作・映像制作会社です。新入社員研修、スキルアップ研修、安全対策研修向けの動画など、さまざまな研修動画の制作実績があります。効果的な動画の活用方法も提案できますので、どうぞお気軽にお問い合わせください!

桔梗 素直
桔梗 素直 株式会社VIDWEB クリエイティブコミュニケーション部

大学卒業後大手保険代理店に5年間勤務勤務。その後動画市場の将来性を感じ、オンラインスクールにて動画マーケティングや制作方法を学び、VIDWEBへ入社。丁寧親切且つ的確なコンサルテーションと提案に定評があり、クライアントが動画制作によって抱えている課題を親身になって日々解決している。

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