テロップ(英語:Telop)とは、動画上にのせる文字情報のことです。
テロップは、Television Opaque Projectorの略で、テレビ放送業界で誕生した技術です。
テロップはもともとテレビ業界における静止画表示装置を指す語でしたが、日本の放送業界では単に「字幕」を意味する語として用いられるケースが多くなっています。
テロップの役割
動画は、文字情報が持ちえないビジュアル情報や音声情報、また、静止画では伝えられない臨場感などを伝えるために用いられます。そのため動画の訴求力は、一般的に文字情報や静止画より強いと考えられています。
文字 には情報を正確に素早く伝えるというメリットがあります。動画と文字(テロップ)を組み合わせることで相乗効果を発揮し、よりわかりやすい表現にすることが可能です。
テロップを「あおり」に使えば、演出ツールにもなります。
例えば、強力な洗浄力を持つ洗剤をPRする動画をつくるとき、「がんこな汚れシーン」→「 洗剤で見事に汚れが落ちるシーン 」という演出にしたとします。このとき、2つのシーンの間にテロップで「こんな汚れが落ちるわけがない!」と入れることで、視聴者の興味を引くことができます。
YouTubeなどを始めとした動画広告においても表現技法の一つとしてテロップは有効活用されています。
プレゼンテーション用の動画や専門的な知識を解説するための動画の場合、テロップを多用することでより正確な情報を伝えることができます。
プレゼン用動画や解説動画の視聴者は、エビデンス(主張の根拠となる証拠やデータ)を知りたいので、テロップを注意深く読む傾向があります。解説でテロップを使うときは、視聴者に伝わりやすい文章表現や表示時間などに配慮してみてください。
テロップを効果的に使う方法と注意点
テロップは上手に活用すれば視聴者の利便性を向上させる有用なものですが、使い方を間違えてしまうと視聴者満足度を大きく損なう可能性のある重要な要素です。
以下の視点でテロップを効果的に使う方法を紹介します。
- 文字の大きさ(フォントサイズ)
- 文字色・背景色
- フォント
- 配置
文字の大きさ(フォントサイズ)
テロップを入れるときは、文字の大きさに注意してください。大きい文字はインパクトが強いので、視聴者の注意を引くことができます。ただ、テロップのインパクトが強すぎると、動画の印象を弱めてしまうかもしれません。
小さい文字は、本編を邪魔しませんが、視聴者は読みにくいと感じます。視聴者は、テロップを短時間で読みたいと思うので、文字が小さいと的確に伝えられないかもしれません。
上記を考慮に入れ、編集の段階で適切な文字の大きさを検討してみてください。
動画の視聴者はさまざまなデバイスで動画を視聴するため、多くの画面サイズで視認性の高いフォントサイズを選ぶようにしましょう。
視聴者の主な視聴環境
- スマートフォン
- タブレット端末
- デスクトップパソコン
- ノートパソコン
- テレビ画面
文字色・背景色
テロップは文字や文字の背景をデザインすることができます。動画の内容に合わせてテロップをデザインすることで、演出効果が高まります。
テロップを加飾するときは、文字や文字の背景の色に注意してください。派手な色や原色は、情報を強調する効果は高いのですが、動画の色調とマッチさせにくくなります。
テロップの文字の色を工夫するときは、本編と調和させるようにしましょう。
フォント
テロップの文字のフォントでも、制作者の意図を視聴者に伝えることができます。
例えば「明朝体」は、
- 「知的」
- 「静けさ」
- 「中立」
- 「高級感」
といったイメージを持たせることができます。
例えば、高級一戸建て住宅の宣伝動画の場合、明朝体やそれに類似したフォントを使うことで「落ち着いた雰囲気の家」というイメージを強めることができます。
「ゴシック体」やそれに類似したフォントを使うと、
- 「力強さ」
- 「インパクト」
- 「強固さ」
といったイメージを持たせることができます。
動画で強く主張したいとき、ゴシック体の大きな文字で短い文章のテロップをつくるとよいでしょう。
配置
テロップは画面下部に配置することが多いのですが、これは動画の画像を邪魔しないためです。また、視聴者には、テロップは画面下部に来るという先入観があるので、そこに配置することで視線を自然に動かすことができます。
本編の画像で、画面下部に重要なビジュアル情報があった場合、テロップを右端や上部などに移動させましょう。強く主張したい言葉は、画面中央に配置すると効果的です。