今、TikTokをマーケティング施策に活用する企業が増えています。
TikTokはかつて若年層が動画投稿を楽しむSNSでしたが、ユーザーの平均年齢は年々上昇傾向にあり、幅広い層へのアプローチが可能になっています。
そこでこの記事では、企業のTikTokアカウントの成功事例をジャンル別に紹介します。
企業はTikTokアカウントをどうやって活用している?
企業のTikTokアカウントの活用方法には、大きく分けて「広告」と「運用」の2つがあります。
広告(PR) | ・ハッシュタグチャレンジ、ブランドエフェクト、運用型広告でブランディングを強化 ・クリエイター、インフルエンサーマーケティングで認知を拡大 |
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運用 | ・オーガニック投稿で企業活動や商品、サービスの認知を拡大 |
TikTokの広告メニューを利用している企業は、資金力を持つ大手や先行企業が多い傾向にあります。ただ、広告費を投下せずに、運用のみで優良顧客やファンを増やしている成功事例も多く見られます。
ここからは、広告系と運用系それぞれの成功事例を紹介します。
▼自社の商品やサービスがTikTokに向いているか知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【広告系】TikTok企業アカウント成功事例
TikTokを広告メインで使っている企業の成功事例を紹介します。
事例1.ローソン(@akiko_lawson)
フォロワー数:120K/いいね数:2.1M ※2023年2月現在
ローソンのTikTok公式アカウントは、フォロー・コメントキャンペーン、ハッシュタグキャンペーン、コラボCMなど、多種多様な広告施策を展開しています。
また、新商品のPRや取扱商品のアレンジレシピなど、1〜2日に1本以上のオーガニックな投稿を生み出しています。
事例2.ユニクロ(@uniqlo_jp)
フォロワー数:45.2K/いいね数:380.5K ※2023年2月現在
ユニクロは芸能人やインフルエンサーとのタイアップ、テレビ番組とのコラボキャンペーンなど、拡散性のあるクリエイティブを配信しています。
オーガニック投稿も1〜2日に1本のペースで更新しており、おすすめ○選、着比べ検証、新商品のアレンジコーデなどファッションに役立つ情報を発信しています。
事例3.銀のさら【公式】(@ginsarajp?lang=ja-JP)
フォロワー数:41.1K/いいね数:1.2M ※2023年2月現在
宅配寿司の銀のさらは、過去に数々のインパクトのあるテレビCMやWebCMを展開してきました。TikTokでは、潜在層をファンに引き上げることを目的としています。
投稿動画はシリーズ化されており、スマートフォンで日常の風景を撮影している最中に、面白いハプニングが起きてブランドメッセージを伝える流れになっています。
【運用系・商品アレンジ】TikTok企業アカウント成功事例
自社の商材に関する情報を発信しているTikTok企業アカウントの成功事例を紹介します。
事例4.【公式】ドミノ・ピザ(@dominos_jp)
フォロワー数:363.5K/いいね数:9.6M ※2023年2月現在
ドミノ・ピザは、メインのターゲット層であるZ世代に向けて、TikTokならではの世界観を意識したクリエイティブを制作しています。
オーガニック投稿では、コメントのリクエストに応じた動画や、お店の舞台裏、トッピングのアレンジ術などを紹介しています。
事例5.WEGO公式(@wego_official)
フォロワー数:59K/いいね数:1.8M ※2023年2月現在
WEGOはZ世代に向けて、着回しコーデやおしゃれなアレンジ術、ECと実店舗の最新情報をバランスよく発信しています。
WEGOにはインフルエンサーとして活動するスタッフが多く、インフルエンサーに会うために実店舗に足を運ぶユーザーもいます。こうした社内インフルエンサーの活用が、ブランドとファンのつながりを強化しています。
事例6.デリッシュキッチン【公式】(@delishkitchen)
フォロワー数:347.2K/いいね数:5.4M ※2023年2月現在
デリッシュキッチンは、レシピ動画をTikTokの縦型動画にアレンジして発信しています。
若い世代はTikTokをGoogle検索代わりに利用するケースもあるため、説明文に分量などのレシピを記載しています。さらに、説明文の末尾とプロフィール欄にアプリへの導線が確保されています。
事例7.キムチの家@佐渡ヶ島(@kimuti.house.jp.ne.co)
フォロワー数:220.6K/いいね数:6.5M ※2023年2月現在
新潟県の佐渡島でキムチを製造している「キムチの家」のTikTokアカウントです。季節の食材を用いたアレンジレシピが購買意欲を搔き立てます。
アカウント開設直後に手作りキムチの動画が300万再生を超えるヒットとなり、2ヵ月で売上が40倍に。ユーザー層は20〜30代が中心で、新商品入荷のタイミングでTikTokLIVEも配信しています。
【運用系・社員出演】TikTok企業アカウント成功事例
社長、社員が出演しているTikTok企業アカウントの成功事例を紹介します。
事例8.ANA🇯🇵✈️(@ana_allnipponairways)
フォロワー数:336.6K/いいね数:4.4M ※2023年2月現在
ANAは航空機や機内設備の紹介、客室乗務員や整備士などによるはやりダンス、離陸や機体洗浄のTikTokLIVE配信など幅広く発信しています。
TikTokを通じて普段飛行機に乗る機会の少ない若年層にリーチして、飛行機への憧れやANAへの就職を喚起するような企画を展開しています。
事例9.焼鳥どん日垣兄弟(@higakiyakitori)
フォロワー数:231.9K/いいね数:12M ※2023年2月現在
焼鳥どん日垣兄弟は、都内に3店舗を構える地域密着型の焼鳥屋です。
カリスマ店主が、飲食店アルバイト経験のある人が共感できる「飲食店あるある」のコントを発信しています。投稿は毎日19時、プロフィール欄にはアルバイト応募のリンクが貼ってあります。
事例10.大京警備保障/Daikyo Security (@dkykeibi_tokyo)
フォロワー数:2.9M/いいね数:60.7M ※2023年2月現在
大京警備保障は、西新宿にある平均年齢50歳の警備会社です。中高年の男性しか出演していませんが、フォロワー数は290万人を超えています。
同社はダンスやアニメの人気動画を投稿することで、海外ユーザーやアニメファンへのPRにも成功。出演者が楽しんでいる空気感が伝わってきます。
事例11.三和交通@TAXI会社
フォロワー数:188.7K/いいね数:3.4M ※2023年2月現在
三和交通は横浜に本社を置くタクシー会社です。ネクタイ姿で踊る「TikTokおじさん」は50代。高齢化が進む業界で、若い人にリーチするためにSNSを活用した広告戦略に乗り出しました。
動画は本業のタクシーとは関係のないものが大半であり、PR色はほとんど感じられません。全国のタクシードライバーの平均年齢は60歳といわれていますが、三和交通のドライバーは平均49歳を記録しています。
TikTok企業アカウントを成功させるポイント
TikTok企業アカウントを成功させるポイントは以下の3つです。
- 広告感をなくす
- ハッシュタグをフル活用
- 耳に残る楽曲を使う
それぞれについて説明します。
広告感をなくす
投稿動画は、なるべく広告感をなくすようにしましょう。
商品やサービスの魅力を単なるストーリーにしてしまうと、いわゆる広告っぽさが出てしまいます。また、動画の品質が高すぎても、押し売り感が出てスキップされてしまう可能性があるので注意が必要です。
TikTok動画はあえて作り込まずに、一般ユーザーが使っている素材やフォントを用いて制作します。そのうえで、見た人が思わずシェアしたくなるような企画を考える必要があります。
ハッシュタグをフル活用
TikTokにハッシュタグをつけるときは、流行しているワードと、投稿内容やターゲット層に適したワードを選定しましょう。
企業アカウントにおすすめのハッシュタグは以下の通りです。
ハッシュタグの数は3〜5個程度が良いと言われています。
耳に残る楽曲を使う
TikTok動画は、耳に残るキャッチーな楽曲を選ぶようにしましょう。
トレンドになっている楽曲や、これから流行る可能性のある楽曲を選ぶことで、たくさんの人に表示される可能性があります。また、選曲が良ければそれだけで最後まで視聴してもらえるケースもあります。
注意点として、企業アカウントは著作権侵害に十分注意しなければなりません。TikTok公式が提供している音源を利用するか、自社のオリジナル音源を使用するようにしましょう。
運用ルールを決めてTikTok企業アカウントを成功させよう
企業がTikTokを活用することで、接点の少ない潜在層にアプローチできます。成功事例を参考にしてアカウントを運用すれば、ターゲットやマーケティング戦略を見直すヒントが得られるでしょう。
ただ、TikTokはカジュアルで親しみやすい雰囲気の動画が好まれるため、企業としてどこまでラフにするべきか悩ましいのではないでしょうか。やりすぎれば企業のイメージが崩れてしまいますし、炎上のリスクもアップします。
そのため、ブランドイメージを維持しながら視聴者の共感を得られるラインを社内で協議して、運用ルールを定めてからアカウントを開設しましょう。