航空会社・空港における動画の効果的な活用方法・事例

活用事例
公開日:2020年11月23日 / 最終更新日:2023年11月19日
航空会社・空港における動画の効果的な活用方法・事例
監修者紹介
小澤信人
小澤信人 プロデューサー

サイバーエージェントの調査によると、2019年の動画広告市場は前年比141%の2,592億円に増加し、2023年には5,065億円にも伸びると予測されています。
動画・映像市場の伸びに伴い、企業も広報戦略の一つとして動画を活用し始めました。航空会社や空港も例外ではなく、すでに10万人以上の登録者数を誇るYouTubeチャンネルを持つ航空会社も少なくありません。

今回は、航空会社・空港における動画の効果的な活用方法を6つ紹介していきます。動画の活用を考えている航空業界関係者の方は、今回取り上げる活用方法をぜひ参考にしてください。
外出や旅行の自粛が観光業界全体に打撃を与え厳しい状況にありますが、動画を活用したオンラインマーケティングの参考になれば幸いです。

社内報・社内向けマニュアルとしての動画活用

動画は消費者だけでなく、社内向けのコンテンツとしても活用することができます。

例えば、社内報や社内向けのマニュアル動画としての活用です。テレワークを活用した働き方を推進する流れが強まると、時間・場所を問わず視聴できる動画の活用が重要になります。
JALでは下記のような作業の手順マニュアルを社内向け動画として作成したところ、非常に多くのアクセスが集まりました。

  • 整備作業
  • 空港作業
  • チェックイン時の作業

業務の手順を確認する際、「テキストベースの資料より動画の方がわかりやすい」という認識が社内に浸透したことで、推進せずとも動画が増えていくようになったようです。

JALの社内向け動画ポータル、いわば「社内向けYouTube」には現在1,600本の動画がアップされています。マニュアル動画以外に多いのが、社員同士の対談動画や役員から社員に向けたメッセージ動画です。

別部門の社員同士が対談した動画では、「自身の業務がどのように他の部門の役に立っているか」「他部門の業務が自身の部門でどのように活用されているか」がわかります。部門を横断して動画を共有することにより、部門間の相互理解、連携意識が深まる効果があるようです。

また、役員から社員に向けたメッセージ動画は、コロナ禍で減少したコミュニケーションを補うために活用されています。文書やWeb上のテキストで読むより、動画は発信者の表情を見ることができたり、声が聞けたり、感情を伝える手段として有効です。

社内向けの動画を作成することで、業務品質の向上、社内連携の強化が期待できます。

新型コロナ安全対策の説明に動画を活用

新型コロナウイルス感染防止対策の説明にも動画を活用することができます。
一般財団法人日本航空協会は、講演会で反響のあった「航空会社や空港の新型コロナウイルス対策」をYouTubeチャンネルに公開。他にもANAによる「エアラインにおける感染症対策について」、JALの「航空機内の機内空調と感染症対策」などをアップしています。

また、JALやANAもそれぞれの公式チャンネルで新型コロナ対策に関する動画をアップし、対策の万全さをアピールしています。具体的にパーテーションが設置されたチケットカウンターや機内を消毒しているシーンを映すことで、視聴者は空港や機内の様子をイメージしやすくなります

新型コロナウイルスの流行により、消費者は企業に万全な安全対策を求めています。ある機関の調査によると、現在消費者は、高品質・低価格といった付加価値より「ウイルス感染を防ぐための対策を講じていること」を重視していると報告されています。

新型コロナウイルスに対する万全な安全対策を実施しているということを、動画を活用してPRするべきでしょう。

企業ブランディングにもなる機内安全ビデオ

機内安全ビデオは、乗客の行動が制限される離陸前に流れるため注目してもらいやすく、さらに乗客の意思でスキップできないので、必ず最後まで流すことができます。

機内安全ビデオをしっかり見てもらうことは、乗客の安全意識の向上のために非常に重要です。
企業のブランディングにも役立ちますが、機内のルールや緊急時の対応などを盛り込まなければならないため、内容を差別化するのが難しいコンテンツでもあります。

機内安全ビデオを企業ブランディングに役立てるには、ストーリー性を持たせたり、航空会社の特色を活かしたり、乗客が飽きないよう工夫することが重要です。

例えば、ニュージーランド航空は、映画「ホビット」にちなんだ壮大なストーリー仕立ての機内安全ビデオを公開しました。

ニュージーランド航空は、他にもユニークな機内安全ビデオを多く制作しており、「面白い航空会社」というブランディングに役立てています。

機内を疑似体験できる「360度動画」

JALは、2016年に「新・間隔エコノミー」の顧客獲得のために「360度動画」を公開しました。「新・間隔エコノミー」とは、2013年からスタートした従来より足元のスペースが広いエコノミークラスの座席です。

360度動画は、テレビCMや交通広告で「新・間隔エコノミー」に興味を持った顧客が座席を疑似体験できるように作成されました。

利用客からは好評の声が多かった一方、体験してみないと良さがわからないという課題があったようです。そこで「足元のスペースが広いことで得られる快適さ」を具体的に体験してもらうために、360度動画が採用されました。
また、360度動画を取り入れることで「新しい技術を使っていて面白い・興味深い」という会社のブランドイメージを伝えることにもつながったようです。

リアルな体験が味わえる360度動画は、商品ではなく体験を提供する航空業界と非常に相性が良い手法です。JALをはじめとした航空会社だけでなく、旅行代理店のHISでも街並みを体験する手段として使われています。

空港でのデジタルサイネージの活用

動画は、空港のデジタルサイネージで表示することもできます。デジタルサイネージとは、平面ディスプレイやプロジェクタなどに映像や文字を表示する広告媒体です。
空港のデジタルサイネージに表示する動画は、ツアーや都市のプロモーション、乗客の案内に役立ちます。

過去には羽田空港のデジタルサイネージに配信された動画が、Facebookで10万回再生を超える反響を呼びました。深夜バス利用の促進のために作成された、深夜バスの乗車券の購入方法や乗車方法に関する動画でした。

搭乗ゲート案内として、改札機の通過方法をアニメーション動画にして、デジタルサイネージに表示させることもできます。文章や絵だとわかりづらい動作も、アニメーションなら理解しやすくなります。ANAで使われている動画では、日本語と英語の両方を表示させて、外国人にも理解できるよう工夫されています。

デジタルサイネージに動画を活用することで、プロモーションや案内を効果的に伝えることができるのです。

採用マーケティングにおける動画活用

新型コロナウイルスの影響で対面による説明会が難しくなっている現在、動画を使った採用が有効です。

採用のために企業のPR動画を作れば、

  • 会社のブランディング
  • 社長の思い
  • 社内の様子
  • 先輩社員のメッセージ
  • 業務内容

などをわかりやすく伝えることができます。クオリティの高い動画を作ることができれば、説明会を開催するコストを削減できるでしょう。

特に航空会社は事務職、整備士、パイロット、客室乗務員など、同じ会社でもたくさんのポジションがあり、働く場所も異なります。それぞれの仕事に密着した動画を作れば、応募者もイメージがしやすく、採用後「イメージと違う」と感じてしまうことも避けることができます。

他の業界でも導入が増えている動画を使った採用は、多くの職種を抱える航空業界にぴったりの動画活用方法です。

航空業界は飛行機や旅行をイメージさせる華やかな魅力があるため、動画との相性が非常に良い業界と言えます。ぜひ今回紹介した6つの活用法を参考に、動画を取り入れてみてください。

どれほど素晴らしい動画を制作しても、ターゲットとなる人に届かなければ意味がありません。
ターゲットに効率よく動画を配信するための戦略設計や動画広告の配信について学習したい方は以下の記事が参考になります。

監修者紹介
小澤信人
小澤信人 プロデューサー

大学卒業後、テレビ番組制作会社、CM制作会社、WEB動画制作会社を経て現在に至る。金融、不動産、IT、製造、小売などで業界を問わず、1500本以上の動画制作に携わる。動画のほかweb、紙面、イベントなど様々な媒体を駆使してコンサルティングの観点からクライアントの課題を解決する。プロデューサー業務のほか、ディレクター、カメラマン、エディター業務を兼ね、若手クリエイターの教育にも尽力している。

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