動画広告の出稿先としてLINEをご検討でしょうか。
日本国内を中心にLINEは多くのユーザーに利用されており、SNSはLINEしか使っていないという人の割合も多いです。そのため、リーチできるユーザーが多いという点が強みです。
本記事ではLINE動画広告について基礎知識をお伝えするとともに、成功事例や効果的な運用方法をご紹介していきます。
この記事では以下のような人に向けて「LINE動画広告」についてお伝えします。
- LINE動画広告について基本から理解したい
- 静止画広告より動画広告がいい理由を知りたい
- LINE動画広告を利用するとどれくらいの成果を得られるのか知りたい
LINE動画広告の基礎知識
LINE動画広告とは、コミュニケーションアプリ「LINE」が提供する、運用型広告サービス「LINE広告」を利用して発信する動画広告のことを言います。LINE広告は2016年に「LINE Ads Platform」としてサービス提供をスタートし、2020年に「LINE広告」に名称を変更しました。
商品やサービスの売り上げ拡大だけでなく、認知度アップや集客などさまざまな目的で利用されている広告配信プラットフォームです。
動画だけでなく静止画でも広告出稿でき、配信先や配信方法も豊富にあることから、より効果的に広告できるという特長があります。
LINE広告は日本でも最大級の運用広告メディア
LINE広告の大きな魅力が、LINEのもつリーチ力です。2021年3月時点でLINEには月間8,600万人もの利用者がいます。
日本の人口の約70%がLINEを利用しており、そのうち85%以上は毎日利用しているというデータもあり、もはや生活インフラとも言えるほどでしょう。その利用者数はTwitterやInstagramといった他の主要SNSに比べても圧倒的な数となっています。
また、他のSNSは利用しないけどLINEだけは利用するというユーザーは多く存在します。
LINEの調査によると、普段スマホでSNSを利用している利用者はのうち84.6%LINEを利用しているという結果が出ています。さらに、そのうち40%はTwitterやFacebookを利用せずにLINEだけというデータもあります。
LINEの利用率の高さを利用することで、他の媒体では届けられないユーザーにまで広告を届けられる可能性も高いといえるでしょう。
LINE静止画広告と比べた動画広告のメリット
LINE広告では、静止画広告と動画広告の2種類から選択できます。
ここでは、静止画広告と比べて際に得られる動画広告のメリットを解説します。動画広告のメリットには次のようなことがあります。
- 目に留まりやすい
- ユーザーが受動的でも情報を伝えやすい
- CTRが高い
動画広告の最大のメリットが、より多くの情報を動きや音と一緒に伝えられるユーザーの目にも留まりやすくなるということです。ユーザーは何もしなくても、広告が勝手に情報を発信するので、見ているだけで情報を伝えられる可能性が高くなります。商品やサービスを具体的に伝えられるだけでなく、広告にストーリーを盛り込むことでユーザーの感情を高められるなどの効果も得られるでしょう。
より多くのメッセージを伝えられ、ユーザーの意思決定を促せるようになるのが動画広告の強みです。
ただし、動画広告にはデメリットもあります。
動画広告のデメリットには次のようなことがあります。
- 静止画よりも制作コストが高い
- 再生キャンセルや広告がブロックされてしまう可能性がある
動画広告は静止画だけの広告に比べると、制作時間もコストもかかってしまうものです。また、LINE動画広告は、再生のキャンセルや広告のブロックが可能です。そのため、頻繁な広告や自分に合わない広告は見てもらえない可能性も高いといえます。
LINE広告では、最初の3秒で興味を引けるかで配信の効果に大きく影響すると言われています。一瞬で内容を判断できる静止画とは異なり、商品紹介などの重要なメッセージを後半に持ってくると途中でキャンセルされた場合、伝えられなくなるので注意が必要です。
2つの課金方式
- CMP(インプレッション課金)
- CPC(クリック課金)
CMP(インプレッション課金)とは、表示回数で課金される仕組みです。動画広告が1,000回表示されるたびに課金されます。スマホ画面上に100%広告が表示されないと回数にカウントされないため、認知度を高めたい場合などにおすすめの課金形態です。
もう一つのCPC(クリック課金)では、クリックされることで課金されます。広告が実際にクリックされ、リンク先に移動するまでは課金されないため、より広告に関心を持つユーザーにコストを掛けられる方法といえます。
LINE広告には、最低出稿金額がなく1円からでも広告配信が可能です。しかし、広告表示が入札制のため、あまりに低い予算では広告が表示されない可能性もあります。広告の目的や対象などによってどちらを課金利用するのか、予算をどうするのか慎重に検討するとよいでしょう。
LINE動画広告で成果が出た事例
ここでは、実際にLINE動画広告での成功事例を見ていきましょう。
ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社|1.9倍の認知を獲得
クレジットカードをはじめとする決済の国際ブランドである「Visa」。Visaでは専用リーダーにタッチするだけで決済できる「Visaのタッチ決済」の認知度アップのためにLINE広告が利用されたのです。
VisaでのLINE広告での活動には次のようなものがありました。
- LINEの金融サービスである「ウォレット」での2回の動画配信(1回目はテレビCMと同じ素材で2回目が改善を加えた動画の配信)
動画配信の結果広告に触れていない人に比べ1回目で1.4倍の認知、2回目で1.9倍の認知度を獲得することに成功したのです。
参照:クリエイティブの改善でブランドリフト効果が約2倍に!Visaの「LINE Expand AD」活用のポイントとは?
株式会社バンダイナムコエンターテインメント|2.5倍のリーチ数を獲得
スマホ向けゲームを中心としたコンテンツを展開する「株式会社バンダイナムコエンターテインメント」。株式会社バンダイナムコエンターテインメントでのLINE広告での活動には次のようなものがありました。
- ゲームタイトルごとにターゲットを限定した配信ができる「LINEデモグラフィックデータ配信」を利用
- 認知度アップのためにトークリスト上での広告を利用
LINE動画広告の結果、他の認知目的の広告と比較し、トークリスト上の広告では2.5倍ものリーチ数となり、ブランディングに貢献したのです。
参照:激戦区のゲーム市場を勝ち抜くターゲット戦略 — バンダイナムコエンターテインメントの「LINE広告」活用法
エーザイ株式会社|美チョコラが売り上げ5倍に
医薬品の製造販売を展開する「エーザイ株式会社」。エーザイ株式会社では、商品の新規定期顧客獲得のためLINE広告を利用しました。
LINE動画広告での活動は次の通りです。
- はじめに静止画で広告し、効果の良かったクリエイティブをアレンジして動画広告
- Verticalを使ったタイムラインでの動画広告
動画広告の結果、新規定期購入者が前月比1,200件以上のアップ。獲得率も配信前に比べ22倍に拡大、結果として、美チョコラの売り上げが配信前の5倍以上になったのです。
参照:「人物より商品、静止画より動画」。エーザイがLINE広告で重視した他社との差別化ポイントとは
LINE動画を効果的に運用するための3つのポイント
LINE動画広告の効果を上げるためのポイントとして次の3つがあります。
- ターゲットに合った配信
- 配信面に適した動画サイズフォーマットを選ぶ
- 複数の配信面で広告する
それぞれ見ていきましょう。
ターゲットに合った配信
LINE動画広告は、さまざまな配信機能があります。年齢や性別・趣味や関心ごとなど、自社のターゲットの合わせたて配信することでより効果を高めることが可能です。
主な配信機能には次のようなものがあります。
- LINEデモグラフィック配信
- オーディエンス配信
- 類似配信
LINEデモグラフィック配信
LINEデモグラフィック配信とは、年齢や性別などのデータによって、配信するユーザーを設定する方法です。ユーザーがLINEに登録した情報や、購入履歴やアカウントの友達履歴などから形成されるユーザー属性をもとに区分された層へ配信できます。
オーディエンス配信
オーディエンス配信では、サイト訪問者やアプリのアクションデータなどを利用して、既存顧客を見つけて配信する方法です。一般的には、サイトの訪問者に再度広告を出す方法(リターゲティング)や、過去に商品を購入したユーザーに再び広告を出す方法などがあります。
類似配信
類似したユーザーを探し出して広告を配信する類似配信があります。アップロードした顧客情報に類似したユーザーに対して広告を配信します。コンバージョン率が高ければ配信人数が限られ、コンバージョン率を下げるほど多く配信できるという特徴があります。
それぞれの配信方法の中から、ターゲットや目的に応じてどの配信が良いのか検討して決めるようにしましょう。
配信面に適した動画サイズフォーマットを選ぶ
LINE動画広告の配信サイズには次の3つがあります。
それぞれ使えるサイズが異なるので、制作時には注意が必要です。
- Card
- Square
- Vertical
Card
16:9の横長のサイズです。動画だけでなく静止画でも利用でき、トークリスト上の広告やタイムライン・LINEマンガなどほとんどの配信先に対応しています。
Square
1:1の正方形サイズのSquare。こちらも動画・静止画に対応しています。Cardよりもスマホ画面で大きく表示されるという特徴があり、ほとんどの配信先での広告が可能です。
Vertical
9:16の縦長サイズで、動画のみに対応しています。配信先もタイムラインのみとなり、広告表示時には3:4の比率で上下がトリミングされてしまうので、テキストなどの表示には注意が必要です。
複数の配信面で広告する
LINE広告の配信面は豊富にあります。LINEアプリ内だけではなく、他のサービスのユーザーにも広告できるものもあるので、複数の配信面を組み合わせることで配信の効果を高められます。。
配信面は以下の通りです。
- Smart Channel (Talk Head View)
- LINE NEWS
- タイムライン
- LINE マンガ
- ウォレット
- LINE BLOG
- LINE ポイント
- LINE ショッピング
- LINE 広告ネットワーク
- LINEクーポン
Smart Channel (Talk Head View)
Smart Channelは、LINEのトークリスト上部の表示される広告のことです。LINEユーザーが最も見るページともいえるので、利用率の高さを生かした大規模な広告に適しています。
タイムライン
6,800万人以上のユーザーを誇り、そのうち半分にあたる4,900万人以上は月1回以上タイムライン上の広告に接していると言われています。タイムラインの特徴が、公式アカウントのブロック状態にかかわらずリーチできるという点です。また、どの商材にも適した配信面のため、他のSNSで接触できないユーザーにもアプローチできる可能性が高いでしょう。
LINE NEWS
LINE NEWEはアクティブユーザーが6,800万人と利用者の多さに特徴があります。利用者は、一般ユーザーと比較し購入意欲が高い傾向がありインフルエンサー要素も高いため、新商品情報などでの利用がおすすめです。
LINE マンガ
マンガやノベルが気軽に楽しめるLINEマンガでは、10~20代といった比較的若いユーザーが多いという特徴があります。国内ダウンロード数が2019年8月には2,300万を突破し、マンガアプリダウンロード数一位という結果もあるのです。毎日マンガを読むというユーザーも多いので、若い世代をターゲットとして広告に適しているといえます。
ウォレット
財布という意味のウォレットでは、多種多様な金融サービスの管理を目指しており、LINEPayを中心にさまざまなサービスの窓口となっています。月5,400万人の利用者がおり年齢層も10~50代と幅広いため、幅広い人ユーザーへのリーチが可能です。
LINE BLOG
著名人なども多く登録しているブログサービスであるLINE BLOG。他のブログサービスと異なるのが、ブログを更新するとタイムライン上にも自動で投稿されるという点です。2019年2月時点で、2,500組以上の公式ブロガーによるブログサイトがオープンしており、女性の利用率が高いという特徴があります。
LINE ポイント
LINEポイントは、動画視聴や友達追加などのミッションをクリアすることでポイントが貯まるサイトです。PV数平均が3.2億と国内でも最大級のリーチ力があります。40~50代のユーザーが多く、女性比率も高いという特徴があるので、ターゲットの年齢層が高い場合に利用するとよいでしょう。
LINE ショッピング
洋服や雑貨・コスメなどの買い物をLINEアプリから楽しめる、LINEショッピング。女性の利用者で7割を占められており、年齢層も25~44歳が半数以上という特徴があります。ショッピングや流行に関心が高い女性へのアプローチでの利用がおすすめです。
LINE 広告ネットワーク
LINE関連サービスでの広告だけでなく、広告ネットワーク上の他のアプリへも広告配信できるのがLINE広告ネットワークです。ライフスタイルや漫画などの多くのジャンルのメディアでの広告が可能となり、より幅広いユーザーへのアプローチが可能だといえます。
LINEクーポン
スーパーやコンビニ・レストランなどで利用できるクーポンが配信されるLINEクーポン。40~50代を中心とし、女性の利用者が多いのが特徴です。お得な情報に敏感な主婦など40~50代女性をターゲットとしている場合に利用するのがおすすめだといえます。
今からでも遅くない!LINE動画広告を始めてみよう
LINE動画広告の配信面や成功事例・運用のポイントをお伝えしました。国内最大級のユーザーを誇るLINE広告では、LINEの持つ強いリーチ力を生かした広告で、より多くのユーザーにアプローチできます。配信サイズや配信先も豊富にあり、ターゲットや目的に合わせて組み合わせることで、広告の効果を高められます。
広告の出稿先を検討しているのであれば、まずはLINE動画広告を始めてみてはいかがでしょうか。