IR動画を制作するポイントとは?株主総会や決算説明会で動画を活用・配信する方法も紹介

動画制作
公開日:2022年5月20日 / 最終更新日:2024年9月17日
IR動画を制作するポイントとは?株主総会や決算説明会で動画を活用・配信する方法も紹介
桔梗 素直
桔梗 素直 株式会社VIDWEB クリエイティブコミュニケーション部

今、IR動画のニーズは高まっています。野村インベスター・リレーションズ株式会社「企業が行うIR活動に関する調査 2021」によると、機関投資家やアナリストが望ましいとする情報発信の手法は「ハイブリッド開催(会場開催+ライブ配信)」が77.7%と最も多く、「読み原稿(ノート付)の決算説明資料の掲載(53.0%)」、「オンデマンド配信(46.9%)」と続きます。

桔梗 素直

「オンライン説明会の方が効率的」「WEB参加によって効率的なリサーチ活動ができるようになった」などの声も上がっており、今後もIRイベントの動画活用は拡大することが予測されます。この記事では、IRに特化した動画制作のポイントと、IR動画の活用シーンについて解説します。

この記事の要約
  • IR動画は短時間で多くの情報を効果的に伝え、好印象を与える
  • 株主総会や決算説明会など、さまざまなIRイベントで活用される
  • 高品質な制作には専門スキルが必要で、配信形式も多様化している

なぜIR動画を導入する企業が増えているのか?

株主総会や決算説明会などのIRイベントで動画を活用する企業が増えています。企業がIR動画を制作するメリットを紹介します。

IR動画のメリット①ステークホルダーに好印象を与えやすい

動画は株主や投資家、アナリストなどのステークホルダーに好印象を与えられます。なぜなら、テキストに比べて短時間で多くの情報を伝えられるからです。シトラスジャパン株式会社の資料によると、1分間の動画には、180万字分の情報伝達力があると記載されています。400字詰め原稿用紙に換算すると4,500枚分に値するため、いかに効率的であるかがわかります。

また、パワーポイントなど静止画のIR資料はどれも似たり寄ったりで魅力が伝わりにくい傾向にあります。ステークホルダーは取締役や監査役の人物像、表情などの情報も重視しているため、IR動画を制作することでより密度の高い情報を提供できます。

IR動画のメリット②ユーザーの関心度や理解度を深められる

IR動画はユーザーの関心度や理解度を深められます。紙やスライドなどの静止画は、資料を目で追いながら耳で説明を聞かなければなりません。対して動画は、視覚的な要素や構図を工夫することで、ユーザーが受動的に情報を消費できます。

企業によっては事業内容の専門性が高く、資料や口頭だけでは説明が難しいケースもあるのではないでしょうか。IR動画を活用することで、複雑な事業内容や決算資料を短時間にまとめてわかりやすく解説できます。

IR動画のメリット③情報共有に適している

IR動画は株主や投資家に限らず、不特定多数のユーザーとの情報共有に適しています。自社サイトにIR資料を掲載しただけでは、内容にネガティブな情報が含まれていると不要な臆測を呼んでしまう可能性があります。

IR動画をSNS公式アカウントやIR動画配信サービスで配信することで、ユーザーの知りたい情報を余すことなく伝えられます。また、ネガティブな情報はCEOが説明責任を果たすことで、問題をクリアにできる場合があります。

IR動画の活用シーン

IR動画を活用できるシーンは主に「株主総会」「決算説明会」「個人投資家向け説明会」の3つです。制作したIR動画は広報・プレリリースなどにも活用できます。

IRイベント株主総会決算説明会個人投資家向け説明会
ターゲット・株主・機関投資家
・アナリスト
・個人投資家
・非上場の場合はエンジェル投資家、 VC、CVC
開催回数・定時株主総会(年1回)
・臨時株主総会(不定期)
本決算後と中間決算後に開催する企業が多い(年2回~)年2~4回開催している企業が多い
開催形態・会場
ハイブリッド型
バーチャルオンリー型
(コロナ禍のみ例外)
企業による企業による
内容/目的・会社の経営に関わる事項
・役員の選任・解任、報酬
・株主の利害に関わる事項
・決算資料の説明
・事業戦略のアピール
・新規株主の獲得
・既存株主への情報提供
・企業、ブランドの認知
IR動画の活用シーン

参考URL:経済産業省「場所の定めのない株主総会(バーチャルオンリー株主総会)に関する制度

IR動画の配信方法

IR動画の配信方法は、イベントによって使い分ける必要があります。

IR動画の配信方法①オンライン配信

オンライン配信は、インターネットを介してリアルタイムでユーザーに動画を配信する方法です。会場の撮影が必要となるハイブリッド型の株主総会などに活用されています。

桔梗 素直

IRイベントをオンライン配信するには、撮影用の機材の準備はもちろん、会場の演出やカメラワークなど専門的なスキルやノウハウが必要です。撮影や配信などシステム周りは動画制作会社に依頼するのもひとつの選択肢です。

IR動画の配信方法②ライブ配信

ライブ配信はリアルタイムでユーザーに動画を配信するとともに、チャット機能を使って双方向のコミュニケーションが取れる配信方法です。ユーザー参加型の配信方法であるため、質疑応答や追加取材が必要なイベントで活用されています。オンライン配信と同じく、撮影用の機材や配信用のプラットフォームが必要です。

IR動画の配信方法③オンデマンド配信(バーチャル説明会・事前撮影)

オンデマンド配信とは、企業が用意しておいた動画を、ユーザーが好きなタイミングで視聴できる配信方法です。IRイベントにおいては、オンライン配信やライブ配信の様子を後日編集してからオンデマンド配信している企業が増えています。配信先はYouTubeやIR動画配信サービスなどです。

IRに特化した動画制作で押さえておきたい6つのポイント

ここでは、IRに特化した動画制作のポイントを6つ紹介します。

1.誰に向けて何のために作るのかを明確にする

動画制作に取り掛かる前に、誰に向けて何のために作るのかを明確にします。IR動画のターゲットは、IRイベントの種類や、上場・非上場企業かどうかで異なります。ターゲットユーザーが求めている情報や、競合他社がターゲットに提供している情報をリサーチして、ユーザーニーズを満たす要素を洗い出します。

2.本当に必要な要素だけを盛り込む

IR動画の目的は、財務状況など投資の判断に必要な情報を提供することです。動画は短時間で多くの情報を伝えられますが、内容を盛り込み過ぎると伝えたいメッセージがぼやけてしまいます。ユーザーが知りたい情報を中心に構成を考えましょう。

3.公正性・透明性を意識した演出

IRイベントは企業にどれだけ体力があるのかを示す場でもあります。だからこそ、ネガティブな要素に対する情報開示の姿勢が重視されます。演出をニュース形式にしたり、質疑応答の時間を多めに確保するなどして公正性や透明性をアピールしましょう。

4.翻訳機能や翻訳サービスを活用して英語版を制作

外国人投資家向けに英語版のIR動画も用意します。動画配信用プラットフォームにある翻訳機能の活用、または動画内の音声吹き替えに対応している翻訳サービス会社に依頼します。

5.テロップやトランジションは最小限に留める

IR動画のユーザーは、動画を通じて開示資料をより効率的に理解したいと考えています。過剰な演出は、資料の内容や取締役のアクションを邪魔してしまう可能性があります。テロップやトランジション(画面切り替えの効果)は必要最低限に留めましょう。

6.高品質なナレーション音声

IRイベントに司会進行が必要なときは、ナレーターやアナウンサーに音声を依頼します。プロのナレーションが加わることで、クオリティの高いコンテンツに仕上がります。

IR動画の活用事例3選

動画制作の参考になるIR動画を3つ紹介します。

ソフトバンクグループ株式会社 決算説明会

テンポ良く要点のみ編集してあるIR動画です。シーンチェンジのスピードとテロップの使い方に注目してみてください。

トヨタ自動車株式会社 株主総会質疑応答

質疑応答部分を中心に編集されているIR動画です。すべての発言に字幕がついており、右上に議題が表示されています。どこから視聴しても流れが理解できるようになっています。

三菱食品株式会社 個人投資家向け説明会

個人投資家向けの動画はわかりやすさが重要です。司会進行にアナウンサーの女性を起用しており、スライド資料の表示時間も長めに確保しています。

まとめ:IR動画は動画制作サービスを活用しよう

IR動画はわかりやすさが重要です。株主や投資家の期待に応えられる動画を制作したり、不特定多数のユーザーに自社をアプローチしたりするには、動画制作のスキルだけではなく、動画マーケティングに関する知識やノウハウが必要です。

桔梗 素直

株式会社VIDWEBは、幅広いジャンルの動画活用を支援する会社です。高品質な動画を低コストかつスピーディーに提供できます。リモートでのご相談・ご依頼も承っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

桔梗 素直
桔梗 素直 株式会社VIDWEB クリエイティブコミュニケーション部

大学卒業後大手保険代理店に5年間勤務勤務。その後動画市場の将来性を感じ、オンラインスクールにて動画マーケティングや制作方法を学び、VIDWEBへ入社。丁寧親切且つ的確なコンサルテーションと提案に定評があり、クライアントが動画制作によって抱えている課題を親身になって日々解決している。

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