会社紹介動画の事例を探すとき、多くの担当者は「かっこいい動画」を基準に選びがちです。ただ、私たちの経験では、その選び方は高い確率で失敗につながります。見栄えの良い動画を真似ても、採用向けに必要な構成と、営業向けに必要な構成はまったく別物だからです。
私たちVIDWEBは、会社紹介動画のカテゴリだけで62件の制作実績を公開しています。この記事では、その公開実績62件を構成パターン別に整理したうえで、目的別の代表事例13本を制作期間・費用帯の実データつきで紹介します。すべて当社が制作した実例です。自社の目的に近い事例から、構成・期間・予算の目安を逆算してください。
会社紹介動画の事例13選。すべて当社の制作実例
まず13本の全体像です。目的とパターン、制作期間、価格帯(当社料金ページの予算別実例に掲載しているもの)を一覧にしました。
| 事例 | 主な目的 | 構成パターン | 表現 | 制作期間 | 価格帯 |
|---|---|---|---|---|---|
| 伊藤忠丸紅鉄鋼 | 採用 | 密着ドキュメンタリー | 実写(海外ロケ) | 2ヶ月 | 300万円〜 |
| 日本道路 | 採用 | ストーリー・ブランディング | 実写(3本構成) | 3ヶ月 | 100〜299万円 |
| ナブテスコ | 採用 | インフォグラフィック解説 | アニメーション | 3ヶ月 | – |
| HmletJapan | 採用・ブランディング | インタビュー | 実写 | 2ヶ月 | – |
| 鹿島建設 | 営業・事業紹介 | 事業紹介 | 実写(米国ロケ) | 4ヶ月 | 300万円〜 |
| エキスパートスタッフ | 展示会・営業 | アニメ解説 | アニメーション | 1.5ヶ月 | 〜49万円 |
| トーカロ | IR・広報 | キャラクター解説 | アニメーション | 3ヶ月 | – |
| UMI | IR・会社紹介 | アニメ解説 | アニメーション | 2.5ヶ月 | – |
| Arithmer | 会社紹介・展示会 | 3DCG・アニメ解説 | 3DCG+アニメ | 2ヶ月 | 50〜99万円 |
| 東京海上アシスタンス | ブランディング | コンセプトムービー | 実写 | 4ヶ月 | – |
| エイジス | ブランディング・IR | ブランディング | 実写(日英4種) | 2ヶ月 | – |
| サーモス | 会社案内 | 事業紹介(大型) | 実写+アニメ+ドローン | 8ヶ月 | – |
| 桜美林大学 | 学校紹介 | 施設・キャンパスツアー | ドローン+実写 | 2ヶ月 | 100〜299万円 |
以下、目的別に見どころを解説します。
採用向けの事例
当社が制作した伊藤忠丸紅鉄鋼の「海外勤務の1日密着」は、新卒採用向けに海外駐在員の1日をドキュメンタリーで追った実写シリーズです。タイ・バンコクで撮影した第1弾は制作期間2ヶ月、300万円以上の価格帯で、現在はアブダビ編・社員紹介編まで6本のシリーズに育っています。「働く姿を飾らず見せる」構成は、入社後のギャップを減らしたい採用課題と相性が良い形です。
日本道路の採用動画は「道の先の未知を切り拓く」というコンセプトを立てた実写のブランディング型です。長編・ダイジェスト・広告用の3本を一度の制作でまとめ、YouTubeと採用イベントで使い分けています。制作期間3ヶ月、100〜299万円の価格帯です。
ナブテスコの採用向け会社紹介動画は、事業データをイラスト化したインフォグラフィック型のアニメーションです。BtoB企業の事業内容は言葉だけでは学生に伝わりにくいため、統計を絵で見せ、字幕で無音視聴にも対応させています。制作期間は3ヶ月です。
HmletJapanのブランディング・採用向け動画は、社員インタビューを軸にした実写です。制作期間2ヶ月と標準的な規模で、人の言葉で会社の空気を伝えたい場合の基本形になります。
営業・展示会向けの事例
鹿島建設の海外事業部サービス・特徴紹介動画は、米国ロサンゼルスでの現地撮影を日本からの遠隔ディレクションで実施した実写の事業紹介型です。制作期間4ヶ月、300万円以上の価格帯で、海外拠点の実在感をそのまま営業ツールにしています。
エキスパートスタッフの企業紹介動画は、展示会向けに「問題定義→解決策→サービス→実績」の4部構成で作ったアニメーションです。制作期間1.5ヶ月、49万円以下の価格帯で、YouTube向けの修正パターンも同時に制作しました。中小企業が最初の1本を作る際の現実的なモデルケースです。
IR・広報向けの事例
トーカロの会社紹介動画は、同社の既存キャラクターに新キャラクターを加えた会話形式のアニメーションです。表面処理という専門的な事業を、キャラクターの掛け合いで平易に翻訳しています。制作期間は3ヶ月です。
UMIの事業紹介動画は、投資・インキュベーション事業をアニメーションで整理したIR・広報向けの1本です。制作期間2.5ヶ月で、後に英語版も制作しています。
Arithmerの企業紹介動画は、高度数学を応用するAIスタートアップの事業を3DCGとアニメーションで表現しました。制作期間2ヶ月、50〜99万円の価格帯です。実写素材が少ないスタートアップでも、CG・アニメなら会社の世界観を立ち上げられます。
ブランディング向けの事例
東京海上アシスタンスのコンセプトムービーは、サービスの世界観を描く実写のブランディング型で、制作期間は4ヶ月です。事業説明を並べる代わりに「らしさ」を映像の質感で伝える作り方です。
エイジスの企業ブランディング動画は、日本語・英語×長尺・短尺の4パターンを一度に制作した実写です。制作期間2ヶ月で、国内外の商談・IRの場面ごとに使い分けられる設計にしました。
サーモスの会社案内動画は、実写・アニメーション・ドローンを組み合わせ、マレーシア工場の撮影まで含めた大型案件です。制作期間は8ヶ月で、当社の会社紹介動画では最長クラスです。多拠点・多要素を1本に束ねる場合の規模感の参考になります。
学校・施設紹介の事例
桜美林大学のキャンパス紹介動画は、ドローンと実写でキャンパスを見せる施設ツアー型です。制作期間2ヶ月、100〜299万円の価格帯です。当社の会社紹介動画カテゴリでは、学校法人・大学の実績が全体の約3割を占めており、施設・キャンパスの空気感を伝える定番の型になっています。
目的×構成パターンで選ぶ。62件の実測でわかった7つの型
当社が公開している会社紹介動画の実績62件を整理すると、構成は7つのパターンに分類できます。

- インタビュー・座談会型。社員や経営者の言葉で語る。採用・ブランディング向き
- 密着ドキュメンタリー型。働く1日や現場を追う。採用向き
- ストーリー・コンセプトムービー型。世界観と物語で見せる。ブランディング向き
- 事業紹介型。事業・サービス・拠点を実写で整理する。営業・会社案内向き
- インフォグラフィック・アニメ解説型。データと図解をアニメで見せる。IR・採用・展示会向き
- 施設・キャンパスツアー型。空間そのものを見せる。学校・施設向き
- AIアバター型。アバターとAI音声で短期間に量産する。研修・説明向き
62件の分布は次のとおりです。最多はインフォグラフィック・アニメ解説型の17件で、実写のイメージが強い会社紹介動画でも、実際はアニメーションが4分の1以上を占めています。撮影調整が不要で、事業内容を図解できることが、BtoB企業と学校法人に選ばれている理由です。

選び方の軸はシンプルで、まず目的を1つに絞り、その目的の欄で自社の伝えたいものに合う型を選びます。採用なら人を見せる型(インタビュー・密着)、営業なら事業を見せる型(事業紹介・アニメ解説)、ブランディングなら世界観を見せる型(ストーリー・コンセプト)が起点になります。かっこいい事例から入るのではなく、目的から型を決めて、その型の事例を見比べるのが失敗しない順序です。
会社紹介動画とは。目的とメリットを整理する
会社紹介動画は、事業内容・強み・社風といった会社の全体像を、社外(採用候補者・顧客・株主)に短時間で伝えるための動画です。企業VP(ビデオパッケージ)とも呼ばれます。定義や制作フローの詳細は企業VPの解説記事にまとめているため、ここでは要点を表で整理します。
| 項目 | 要点 |
|---|---|
| 主な活用場面 | 採用サイト・説明会、商談・展示会、株主総会・IR、Webサイト・SNS |
| 文章・写真に対する強み | 事業の動きと人の空気感を短時間で伝えられる。1本で複数の場面に転用できる |
| 向いている会社 | 事業内容が言葉で伝わりにくいBtoB企業、拠点・施設が価値になる会社、採用で社風を見せたい会社 |
| 注意点 | 目的を絞らないと「全部入り」の平板な動画になる。使う場面を先に決めてから作る |
会社紹介動画の費用相場
一般的な相場は、当社の動画制作の費用相場の解説で整理しているとおり、会社紹介・企業案内の動画で50万〜400万円程度です。作りによる幅が大きいため、企業VPの解説記事では、シンプルな構成で20万〜50万円、標準的な作りで50万〜150万円、作り込むと150万円以上という3段階で目安を示しています。
この記事の事例13選に付記した価格帯は、当社料金ページの予算別実例に掲載しているものです。49万円以下のアニメーション(エキスパートスタッフ)から、海外ロケを含む300万円以上(鹿島建設・伊藤忠丸紅鉄鋼)まで分布しており、金額を分けているのは撮影の規模(ロケ地・日数・海外か国内か)と表現手法(実写かアニメかCGか)です。尺の長さではありません。
制作期間の実測。3つの層に分かれる
事例13本と公開実績の制作期間を並べると、会社紹介動画の期間は3つの層に分かれます。

| 層 | 期間の目安 | 該当する作り方 |
|---|---|---|
| AIアバター型 | 数日〜1週間程度 | アバター+AI音声の説明動画。当社のAIアバターサンプルは3〜7日で制作 |
| 定型・確立済み構成 | 1.5〜2.5ヶ月 | アニメ解説、インタビュー、素材が揃った実写。事例ではエキスパートスタッフ1.5ヶ月、HmletJapan・エイジス・桜美林2ヶ月 |
| 企画重視・作り込み | 3〜4ヶ月 | コンセプトムービー、海外ロケ、複数本同時制作。事例では日本道路・ナブテスコ・トーカロ3ヶ月、鹿島建設・東京海上アシスタンス4ヶ月 |
多拠点・海外撮影を重ねる大型案件では、サーモスの8ヶ月のような例外もあります。逆に、素材と構成が固まっているほど期間は短くなります。展示会や採用説明会など使用日が決まっている場合は、企画重視型なら4ヶ月前、定型なら2.5ヶ月前には着手してください。
1本で終わらせない。シリーズ化する会社が7割
公開実績62件を発注元で見ると、複数本を制作しているクライアントが12社43本で、全体の約7割を占めます。伊藤忠丸紅鉄鋼は密着シリーズから社員紹介・オフィスツアーへ6本、成城学園は学部紹介・海外研修PRで6本、EPSホールディングスは座談会とアニメ解説を組み合わせて5本という形です。
シリーズ化が多い理由は費用構造にあります。1本目で確立した構成・トーンを流用できるため、2本目以降は企画工程が軽くなり、1本あたりの単価と期間を下げられます。最初の1本を作る段階で「シリーズ化するなら何を増やすか」まで想定して構成を設計しておくと、この効果を最大化できます。
発注前に決めておく5つのこと
事例の分析をそのままチェックリストに落とすと、発注前に決めるべきことは次の5つです。
- 目的を1つに絞る(採用か、営業か、IRか、ブランディングか)
- 使う場面を具体的に決める(説明会、商談、展示会、Webサイト。転用先も含めて)
- 目的に合う構成パターンを選ぶ(この記事の7分類と図を使う)
- 予算の帯と期間を確認する(定型1.5〜2.5ヶ月、企画重視3〜4ヶ月)
- シリーズ化の可能性を伝える(2本目以降の単価が変わる)
この5つが決まっていれば、制作会社からの提案は具体的になり、見積もりの比較も容易になります。
会社紹介動画のよくある質問
会社紹介動画の相場はいくらですか?
一般的な相場は50万〜400万円程度です。シンプルなアニメーション構成なら20万〜50万円から成立し、海外ロケやキャスティングを含む作り込み型では300万円を超えます。金額を動かすのは撮影規模と表現手法です。詳しくは動画制作の費用相場の解説をご覧ください。
会社紹介動画はどうやって作りますか?
企画・構成、撮影(またはアニメーション制作)、編集・MAの順で進みます。標準的な期間は1.5〜4ヶ月です。工程ごとの流れは動画制作の依頼から納品までの流れで解説しています。
会社紹介動画にはどんな効果がありますか?
採用では会社の空気感を事前に伝えて入社後のギャップを減らし、営業・展示会では口頭説明のばらつきをなくし、IRでは事業の全体像を短時間で伝えられます。効果を出す前提は、目的を1つに絞って構成を選ぶことです。
制作期間はどのくらいかかりますか?
当社の実例では、AIアバター型で数日〜1週間程度、定型的な構成で1.5〜2.5ヶ月、企画重視の作り込み型で3〜4ヶ月です。使用日が決まっている場合は逆算して着手してください。
中小企業でも会社紹介動画を作るべきですか?
事業内容が言葉で伝わりにくい会社ほど効果があります。当社が制作したエキスパートスタッフの例のように、アニメーション構成なら49万円以下の価格帯でも展示会・YouTube兼用の1本が成立します。最初から大作を狙わず、目的を絞った1本から始めるのが現実的です。中小企業の事例は中小企業の会社紹介動画の事例7選でも紹介しています。
まとめ。事例は「目的→型→実例」の順で見る
会社紹介動画づくりで最初に決めるべきは、見た目のテイストではなく目的です。目的が決まれば構成パターンが絞られ、パターンが決まれば参考にすべき事例と、期間・費用の目安まで逆算できます。当社の公開実績62件の分布が示すとおり、会社紹介動画の正解は1つではなく、目的の数だけあります。
1,000社5,000本の実績