外国人観光客の訪日が再開し、観光業界が活気を取り戻しています。このような背景の中、訪日インバウンドを目的とした動画制作の需要が再び高まっています。この記事ではインバウンド動画の最新の事例をまとめて紹介するほか、より効果的なインバウンド動画を制作するためのコツも解説します。
- 旅行や観光業界に携わっている方
- 留学生を誘致したい教育機関の方
インバウンド動画・最近の傾向
「インバウンド」とは「外から中に入ってくる」活動のことです。とくに観光分野では「海外から日本へ訪れる観光客」を指しており、訪日外国人観光客を増やすために行うさまざまな活動を「インバウンド需要促進」「インバウンドプロモーション」などと呼びます。
「インバウンド」を促進するため、観光局や地方自治体、観光業事業者などが動画を使って宣伝する施策は以前から行われていました。しかし、2020年以降、新型コロナウイルスの感染対策によりインバウンド観光客は大幅に減少しました。コロナ禍の際には、現地に行かなくても観光の疑似体験ができるVRを使ったインバウンド動画が登場しました。
2023年、上半期の訪日外国人観光客数はコロナ禍以前(2019年)の約6割まで回復しています。市場の縮小と再興を経て、インバウンド動画の活用方法も多様化しました。とくに、インフルエンサーなどとコラボレーションし、ユーザー目線で旅先の魅力やリアルな体験・感想をシェアする動画が増えています。また、近年では留学生を誘致するための学校紹介動画も増加しています。
インバウンド動画の事例6選
インバウンド動画は、目的や制作方法によって大きく3つのカテゴリに分けられます。
※記載の参考事例は他社事例を含む場合がございます。
- 観光旅行・観光地への訪問を促す動画
- 主に地方自治体や自治体の観光局、観光事業者(観光施設の運営会社、交通事業者、ホテルなど)などが、観光地や観光スポット、宿泊施設などの魅力をアピールするために作る動画です。
自治体の動画活用については以下の記事も参考にしてください。
- インフルエンサーが観光地の魅力を紹介する動画
- YouTubeやInstagramなどで多くのフォロワーを持つインフルエンサーが、観光地の魅力を動画で紹介する内容です。観光事業者がプロモーションの一環としてインフルエンサーに動画制作を依頼する場合と、インフルエンサーが自主的に制作する場合があります。
- 留学生向けの学校紹介動画
- 日本の大学や専門学校などに、外国人留学生を誘致するため、学校や地域の魅力をピーアールする動画を制作する場合もあります。
以下では、それぞれのカテゴリごとにインバウンド動画の事例を紹介します。
観光旅行・観光地への訪問を促す動画
はじめに紹介するのは、自治体や観光局が制作するインバウンド動画の事例です。
神戸観光局「Find the JOY in KOBE」
2023年に公開された最新の観光プロモーション動画です。セリフやナレーションはほとんどなく、音楽に合わせたイメージビデオのような雰囲気で、神戸の街を魅力的に見せています。
大阪観光局「So, the Story Begins – ようこそ、あなたの物語がはじまる街へ」
英語のナレーションをベースに、大阪の歴史、文化、現代の魅力をさまざまな視点で描写しています。ダイナミックなカメラアングルが印象的です。
インフルエンサーが観光地の魅力を紹介する動画
次に紹介するのは、SNSで活躍するインフルエンサーが観光地を紹介するタイプのインバウンド動画です。
Jaychel「Why You NEED To Experience Japan」
世界中を旅するインフルエンサーカップルが日本で訪れるべきスポットを美しい映像で紹介しています。外国人観光客がどんなスポットや体験に魅力を感じているのか、当事者の視点がわかります。
Tokyo Creative「24 Hours in Tokyo with」
日本のスポットや体験を紹介する人気インフルエンサー「@AbroadinJapan」「@sharlainjapan」と「東京ベイ潮見プリンスホテル」がコラボレーションした動画です。ホテル周辺の観光スポットと、ホテル内の施設・サービスがひとつの動画で詳しく紹介されています。
留学生向けの学校紹介動画
最後に紹介するのは、留学生募集を目的とした学校紹介動画です。
大東文化大学「外国人留学生向け大学紹介動画(中国語 / 繁体字字幕版)
大東文化大学が制作した、留学を検討している学生のためのキャンパスライフ紹介動画です。実際に大学に通う留学生に質問しながら校内を見学する構成で、学生の疑問や不安に応える内容になっています。
京都先端科学大学工学部「インバウンド向け学部PR動画」
国内外の優秀な人材を募集する京都先端科学大学工学部の外国人学生向けPR動画です。英語ナレーションとアニメーションで京都の歴史を紹介するほか、ドローン撮影で美しいキャンパスを魅力的に見せています。
集客に強い!インバウンド動画を制作するコツ
インバウンド動画の主要な目的は、観光客の集客や学生の誘致です。では、集客に効果を発揮するインバウンド動画を制作するには、どのような点に気をつければよいのでしょうか。インバウンド動画の制作のポイントを紹介します。
ターゲット目線を意識した内容・構成を重視する
インバウンド動画を制作する際、作り手側が「紹介したいところ」を並べた構成になるのは、よくあるケースです。しかし、インバウンド動画をより多くの人に見てもらい、行動してもらうためには、外国人のニーズに合ったシーンを盛り込むことが重要です。ターゲットの視点に立ち、魅力を感じてもらえる訪問先・体験を検討しましょう。
景色だけでなく体験を伝えることを意識する
美しい風景の写真だけならInstagramなどでも配信できます。しかし、動画を制作するのであれば、動画だからこそ伝わる「体験」のおもしろさを訴求するように工夫してみましょう。よりリアリティのある体験の様子を伝えることで「おいしそう」「楽しそう」「行ってみたい」などの感動・共感を喚起することが大切です。
出演者にも配慮する
家族旅行、団体旅行、個人旅行、ハネムーン、学生など、想定しているターゲット層によって共感のわく人物も変わります。動画に出演するモデルやインフルエンサーは、どのような人物像がいいのかも慎重に検討しましょう。
具体的なアクセス方法などの情報を付加する
動画の視聴者を集客につなげたい場合、どのように情報にたどり着けるかを明確にアナウンスすることが大切です。YouTubeの概要欄にリンク先や詳細を掲載する場合、動画の中でも概要欄に情報があることを紹介しましょう。
マルチに使いこなす!インバウンド動画・活用のポイント
インバウンド動画は汎用性が高いこともメリットです。Webサイト、SNS、YouTube、動画広告、プレスリリース、イベントなどマルチチャネル(複数の集客媒体や集客経路)で使いこなすことで、より効果を高められます。
動画を使いまわす場合には、配信するメディアの規定や特性に合わせて、画面のサイズ、尺、編集などを変えるとより効果的です。さまざまな媒体で使う予定がある場合は、制作を委託する動画制作会社に事前に相談すると良いでしょう。
VIDWEBで制作する動画も各種配信媒体に合わせたフォーマットでご納品可能です。詳しくはご相談ください!
成功事例を参考にインバウンド動画を有効活用しよう
アフターコロナのインバウンド需要が本格化し、円安も進むなか、観光事業者にとっても改めて日本のアピールポイントを見直す機会が来ています。事例を参考に理解を深め、インバウンド動画を積極的に活用しましょう。
こちらはVIDWEBの制作実績になります!制作期間は約4か月ほどとなっております。