観光・旅行業界の動画活用 動画マーケティング成功のポイント

活用事例
公開日:2020年11月16日 / 最終更新日:2022年10月26日
観光・旅行業界の動画活用 動画マーケティング成功のポイント
監修者紹介
小澤信人
小澤信人 プロデューサー

観光・旅行業界は以前から動画の活用が比較的盛んな業界でしたが、2020年に入り旅行の自粛を余儀なくされてからは「旅のオンライン化」が進むなど、これまで以上に動画の活用が活発化しています。

今回は、これから観光・旅行業界で動画を活用したいと考えている担当者の方に向け、業種別の主な動画活用シーンと成功のポイントを事例とともに紹介していきます。

動画の活用を検討しているが、

  • どんな場面で動画を活用すれば良いかかわからない
  • 効果的な動画を作るにはどうすれば良いかわからない
  • オンラインマーケティングを強化したい

とお悩みの観光・旅行業界の方はぜひ参考にしてください。

旅行会社におすすめの動画活用シーン

旅行会社におすすめの動画活用シーン

ここでは旅行会社の主な動画活用シーンと制作ポイントを、事例とともに紹介します。

ツアー紹介動画

ツアーは写真だけだと魅力や雰囲気が伝わりにくくいため、「パンフレットでは楽しそうなツアーだったのに、実際に参加してみたら想像していたのと全然違った」と感じられてしまうこともあります。

顧客からすれば、そういった事態を極力避けるため、事前にツアー内容を詳しく知っておきたいと思うものです。

ツアー紹介動画は、ツアーの内容や雰囲気を具体的に伝えたいときに役立ちます。ツアーの主な流れとともに、実際にツアーに参加している人の映像を使うことで、顧客はよりツアーの内容を想像しやすくなるでしょう。

上記はパラオベラウツアーによる「ツアー紹介動画」です。ツアーを楽しむ人たちの映像とともに、ツアーのポイントや魅力をナレーションで説明しており、楽しさが伝わってくる動画構成となっています。

また、ツアースポットまでの移動手段も映像つきで紹介されているため、顧客が実際のツアースケジュールを想像しやすい動画となっています。

オンライン相談・説明動画

2020年に入ってから、旅行についての相談や説明などをオンラインで行っている旅行会社が増加傾向にあります。

これまでは直接旅行会社に来てもらって旅行商品を説明するのが主流でしたが、それだと顧客側の負担が大きく集客面で不利でした。しかしオンライン相談なら、顧客は家にいながら都合の良いときに相談ができるため、オフライン相談よりも参加ハードルが低く、「相談してみよう」と思ってもらいやすくなります。

上記はクルーズツアーのオンライン説明動画で、添乗員が船旅の魅力を解説したり、ツアー内容をスライドも交えて紹介しています。

船内や寄港地の映像をはさみながらクルーズツアーの詳細を説明することで、パンフレットでは伝えきれない魅力を伝えることができ、顧客にクルーズ旅行の雰囲気を想像してもらいやすい動画に仕上がっています。

オンラインツアー

オンラインツアーは2020年に入ってから注目されている新サービスで、HISやJTBなどの大手旅行会社を皮切りに、徐々に旅行会社に広まってきています。

現地ガイドが街を散歩したり、観光地の様子をZoomなどで生配信することで、顧客は実際に旅行に行っているかのような体験ができるというのが特徴です。

オンラインツアーをする際は、高機能な機材の使用をおすすめします。現地の様子をきれいに映してくれる高画質なカメラや、ガイドの声を確実に拾うマイクを使うことで、顧客側はストレスなくオンラインツアーを楽しむことが可能です。

歩きながらの撮影となるため、手振れ補正機能のついたカメラを選ぶとより映像が安定するでしょう。

採用動画

旅行会社は、華やかでやりがいのあるイメージと、忙しくて大変そうといったイメージをあわせもつ業界です。

Students labが大学生を対象に行った旅行業界のイメージ調査では、「旅行業界にどんなイメージを持っているか」という質問に対し、「楽しそう・華やかそう」と答えた人と、「大変そう」と答えた人の割合はほぼ同じくらいという結果が出ています。

採用動画では、業務が大変そうというイメージを払拭するために、勤務形態の透明性をアピールすることで信頼性が増し人材獲得につながるでしょう。また、楽しそうに仕事に取り組む姿を映し、やりがいを強調することも有効です。

上記は旅工房の採用動画です。社員へのインタビューを通して、顧客に最高の旅行プランを提供する楽しさややりがいをアピールしています。

実際に社員が働いている映像も使っており、職場環境がわかりやすい動画構成になっています。

観光地・自治体におすすめの動画活用シーン

観光地・自治体におすすめの動画活用シーン

次に、観光地・自治体の主な動画活用シーンと制作ポイントを、事例とともに紹介します。

現地紹介動画

旅行を考えている人が行先を決める際、現地の紹介動画を見てから決めるケースが増えてきています。

Googleが2014年に行った「The Travelers Road to Decision」によると、旅行者の約4割が旅行に関する動画を視聴していることがわかっており、現地の紹介動画で観光地の魅力をアピールすることは、観光客の誘致に大いに役立つといえるでしょう。

現地の紹介動画では、観光地の魅力や、現地でしかできない体験などを具体的にアピールすることで、視聴者に「そこにしかない魅力」を感じてもらいやすくなります。

地元の人には普通のことでも、地方の人からすれば魅力的に映る場所やイベントを動画で紹介することで、旅行客の誘致につながるでしょう。

上記は阪急交通社によるモロッコの現地紹介動画です。モロッコの代表的な観光スポットのほかに、現地人がよく行く商店街などを紹介しています。

動画の最後では、実際にモロッコへ行った人たちが感想を述べており、モロッコの魅力が伝わる動画となっています。

インバウンド対策動画

インバウンド対策動画は、外国人に日本ならではの文化や魅力を視覚と聴覚を通して伝えることができるため、パンフレットよりも訴求力が高く、外国人観光客の誘致に役立ちます。

動画が魅力的だと感じてもらえれば、TwitterやInstagramなど世界中の人々が利用しているSNSで拡散される場合もあり、国籍を問わず動画を見てもらえる機会が増えるという特徴もあります。

インバウンド対策動画を制作する際は、国によって興味を引く内容や習慣が違うため、ターゲットとする国別で動画構成を変えることをおすすめします。しかし、予算の関係上複数の動画を作れない場合は、世界中の人に見られることを想定し、字幕やナレーションなしでも意味や魅力が伝わる動画構成にするのが良いでしょう。

インバウンド対策動画では、日本の魅力のほかに、観光スポットのマナーや習慣を紹介するのも効果的です。例えば、お寺での参拝方法や飲食店での注文方法などを動画でわかりやすく紹介することで、日本文化への理解度が深まり旅行もより楽しいものとなるでしょう。

ホテル・旅館におすすめの動画活用シーン

ホテル・旅館におすすめの動画活用シーン

最後に、ホテル・旅館の主な動画活用シーンと制作ポイントを紹介します。

施設紹介動画

旅行者は宿泊先を決める際、インターネットでホテル・旅館の写真や詳細情報を見て決めますが、写真とテキストだけの紹介では実際の雰囲気が伝わりにくく、泊まってから「写真とイメージが違う」と感じられてしまうことがあります。

施設紹介動画では、客室やロビーの様子などを映すことでホテルの雰囲気を具体的に伝えることができるため、視聴者は悪い意味でのギャップを感じにくくなるでしょう。

施設紹介動画を制作する際は、客室やロビーのほかに、スタッフによるおもてなしの様子などを入れることで、施設全体の雰囲気が伝わりやすく、ホテルのイメージ向上にもつながります。

地域の商店街・飲食店紹介動画

観光目的の宿泊客のために、地元の商店街や飲食店などを「地元民がおすすめするスポット」として紹介すれば、ガイドブックでは知ることのできない素敵な場所に出会えるため顧客満足度の向上が期待できます。

例えば、実際に商店街や飲食店をめぐり、地元で愛されるローカルフードを食べ歩く動画にすれば、街並みと一緒に食べ物の魅力も伝えることが可能です。

商店街・飲食店紹介動画は、現時点で活用しているホテルは少ないため、他のホテルとの差別化にもなるでしょう。

旅行の魅力は写真よりも動画で伝わる

旅行の醍醐味といえば、美しい景色を見たりそこでしかできない体験をしたり、おいしいものを食べることです。

動画では、景色の美しさや壮大さ、体験の楽しさなどをさまざまな表現方法でダイレクトに伝えることができるため、「楽しそう」「行ってみたい」と感じてもらいやすくなります。

2020年は旅行・観光業界にとって苦しい年となりましたが、動画をうまく活用して成功している企業も少なくありません。まだ旅行・観光業界で動画を活用していないという場合は、これを機に動画を制作してみてはいかがでしょうか。

監修者紹介
小澤信人
小澤信人 プロデューサー

大学卒業後、テレビ番組制作会社、CM制作会社、WEB動画制作会社を経て現在に至る。金融、不動産、IT、製造、小売などで業界を問わず、1500本以上の動画制作に携わる。動画のほかweb、紙面、イベントなど様々な媒体を駆使してコンサルティングの観点からクライアントの課題を解決する。プロデューサー業務のほか、ディレクター、カメラマン、エディター業務を兼ね、若手クリエイターの教育にも尽力している。

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