ブランデッドムービーとは?メリットや動画の制作事例を紹介

動画制作
公開日:2022年7月15日 / 最終更新日:2022年10月19日
ブランデッドムービーとは?メリットや動画の制作事例を紹介
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VIDWEBコラム編集部
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近年、企業の間で注目度が高まっているブランデッドムービー。実際に導入を考えている企業も多いのではないでしょうか?

ブランデッドムービーは、企業やブランドのストーリー、コンセプトなどを音声や映像を使って伝えられるコンテンツです。SNSとの親和性も高く、ブランディングを確立することで長期的なファンを獲得できるため、ブランデッドムービーを活用する企業は増加しています。

しかし、ブランデッドムービーに興味はあるものの、メリットや活用方法がよくわからないという方も少なくありません。そこで今回の記事では、ブランデッドムービーの基礎概要を解説します。

ブランデッドムービーについて理解を深めて、成果につながるコンテンツを制作しましょう。

ブランデッドムービーとは

ブランデッドムービーとは、「ブランディング」を目的に配信する動画のことです。企業やブランドのメッセージ、コンセプトを動画で伝えることで、視聴者の共感を獲得し、ブランド価値の確立を目指します。

商品・サービスについての説明や紹介、プロモーションというよりは、企業やブランドの理念や商品・サービスに込められた想いなどをメインで伝えます。

ブランデッドムービーは自社サイトやSNS、動画サイトなど、さまざまなチャネルで配信することができます。

動画広告とブランデッドムービーの違い

動画広告とブランデッドムービーの主な違いは、「目的」と「視聴方法」です。

ブランデッドムービーはファンを育成することや、メッセージを伝えることを目的にしていますが、動画広告は「商品・サービス購入を促進する」ことを目的にしています。つまり、動画広告の方がプロモーションの要素が強いコンテンツということです。

また、動画広告はSNSのフィードや、動画配信サイトなどで配信され、視聴者は受動的に動画を視聴します。一方、ブランデッドムービーは自社サイトなどの訪問者が能動的に再生します。

動画広告は視聴者の意思を問わず再生されるのでスキップされる可能性がありますが、ブランデッドムービーは視聴者が自分の意思で再生するため、最後まで見てもらえる可能性が高まるのです。

動画広告ブランデッドムービー
動画の目的販売促進ファンの育成
動画が配信される場所主にYouTubeなどの動画配信サイトなど主に自社のウェブサイトなど
視聴のされ方受動的能動的

コンセプトムービーとブランデッドムービーの違い

コンセプトムービーとブランデッドムービーの違いとしては「目的」が挙げられます。

そもそもコンセプトムービーとは、企業理念や商品・サービスに込められたメッセージを伝える動画のことです。この点はブランデッドムービーと類似していますが、コンセプトムービーは「視聴者にアクションを起こしてもらうこと」を目的としています。

一方、ブランデッドムービーは先述した通り「ブランディング」が主な目的です。コンセプトムービーのように、商品・サービスをプロモーションする内容を含みません。

ただ、両者の定義は曖昧で、コンセプトムービーとブランデッドムービー双方の要素をもった動画も存在します。

コンセプトムービーについて以下の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

ブランデッドムービーが注目を集める背景

それでは、どうして企業はブランデッドムービーを活用するようになったのでしょうか?ここでは、ブランデッドムービーが注目を集める背景を紹介します。

動画広告のデメリットが課題になっている

動画広告のデメリットを補うために、ブランデッドムービーを導入する企業が見受けられます。

動画広告は商品・サービスのプロモーションを目的にしているので、表現によっては押し売り感を与えてしまう可能性がありますし、スキップされて最後まで視聴されないケースもあります。

そのため、商品・サービスに込められたメッセージやストーリーなどを伝えられず、視聴者の共感を得たり、エンゲージメントを高めたりするところまでは、カバーできていないことが課題視されています。

一方、ブランデッドムービーは視聴者が能動的にコンテンツを見るため、ファンを獲得する、ブランディングを確立するといった目的を達成しやすいのです。

エンゲージメントの重要性が高まっている

近年は、エンゲージメントの重要性が高まっており、ブランデッドムービーはその手段として活用されています。エンゲージメントとは、顧客が商品・サービスに対して信頼感を抱いたり、愛着を覚えたりする「企業と顧客の関係性」のことです。

新規顧客を獲得するには多大なコストが必要になるといわれています。そこで、顧客のエンゲージメントを高めてリピート率を向上させることで、顧客獲得コストを抑えることができるのです。

ブランデッドムービーはメッセージを音声や映像で表現し、細かいニュアンスまで伝えることができるので、ファンを育成しやすく、エンゲージメントを向上させることができます。

SNSが普及している

現在は、Instagram(インスタグラム)やFacebook(フェイスブック)、Twitter(ツイッター)などをはじめとしたSNSが多くの人に利用されています。

ブランデッドムービーはこういったSNSとの親和性が高いコンテンツです。メッセージが視聴者の心に響けば、SNS上でシェアしてもらえる可能性があります。

SNSユーザーの中で広く拡散されれば、コストをかけずに認知度向上を目指すことができます。

また、いいね数やシェア数、クリック率などをプラットフォーム上で確認できるので、SNSユーザーのリアクションを分析することもできます。

ブランデッドムービーのメリット

ここでは、ブランデッドムービーを制作するメリットを紹介します。

商品・サービスの価値を高められる

ブランデッドムービーを視聴してもらうことで、自社が展開している商品・サービスの価値を高められます。

商品・サービスの使い方や基本情報だけでなく、商品・サービスに込められたメッセージや背景、こだわりなどを伝えられるため、競合他社との差異化を図れますし、ブランディングを確立できます。

加えて、企業やブランドの価値が高まることで、「その企業のサービスを利用したい」「そのブランドから商品を購入したい」といったように、顧客のモチベーション向上にもつなげられるのです。

長期的なファン獲得につながる

ブランデッドムービーによって、長期的なファン形成を目指すことができます。

特定の商品・サービスではなく、企業やブランドに対してのイメージが向上すれば、顧客の囲い込み(リピーターの育成)を成功させることができます。

また、ブランデッドムービーは既存顧客にワンランク上の商品・サービスを利用してもらう「アップセル」や、検討中の商品・サービスとあわせて別の商品・サービスを購入してもらう「クロスセル」の手段としても有効です。

このように顧客との信頼関係を築く上で、ブランデッドムービーは重要な役割を担います。

SNSで拡散される可能性がある

ブランデッドムービーはSNSで拡散される可能性があります。

メッセージ性が高く、視聴者の心を動かすようなコンテンツであれば、SNSでシェアしてもらいやすくなります。結果的に、より多くの人々にブランデッドムービーを見てもらう機会が増え、認知拡大や新規顧客の獲得につなげることができます。

そのためには、視聴者がSNSでシェアしたいと思うようなストーリー性のある動画や、クオリティの高い動画を制作することが大切です。

ブランデッドムービーの活用方法・配信先

ブランデッドムービーは、さまざまな配信先で活用できます。

  • 自社サイト
  • SNS
  • YouTubeチャンネル
  • 有料広告

自社サイトに設置すれば、比較的関心度の高い訪問者(​​自社サイトに能動的にアクセスしているユーザー)に動画を視聴してもらえる可能性があります。

また、SNSやYouTubeチャンネルにアップロードするコンテンツとしても活用できますし、有料広告として出稿することもできます。

複数の媒体を組み合わせて動画を配信することも可能です。このように、ブランデッドムービーの活用方法は多岐にわたります。

ブランデッドムービーを配信する際の注意点

ブランデッドムービーを配信する際は、どのような点に注意すればいいのでしょうか?留意しておくべきポイントを確認しましょう。

コストを回収できるまで時間がかかる

ブランデッドムービーは、動画広告のように短期的ではなく、長期的な施策です。

動画広告が視聴者に商品・サービスを購入してもらったり、視聴後に問い合わせを増やしたりすることを目指すのに対して、ブランデッドムービーは、企業やブランドに良いイメージを持ってもらうことを目的としています。

動画広告のようにすぐに売上につながるわけではないので、長期的な視点で効果を判断する必要があるため、コストを回収するまでに時間がかかることをチーム内であらかじめ共有しておくことをおすすめします。

効果測定が難しい

ブランデッドムービーを配信する場合、効果測定が難しいことを留意しておきましょう。

動画広告であれば視聴からどれだけの「売上や問い合わせ」につながったかなど、その成果、コンバージョンを把握できます。一方、ブランデッドムービーが目的とする「企業やブランドイメージの向上」は数値で出しにくいため、効果を把握するのが難しいのです。

ただ、コンテンツ自体に対する評価は視聴回数やクリック数、完全視聴率などを通して分析できるので、視聴者のリアクションに応じて動画を改善していくことはできます。

ブランドイメージを下げないように注意が必要

ブランデッドムービーを公開する場合、ブランドイメージが低下しないような配慮が必要です。

動画の内容によってはブランドイメージが向上するのではなく、逆にイメージが下がってしまうことがあります。例えば、差別的な表現が使われていたり、過剰な演出が含まれていたりすると、不快感を覚える人も出てきます。

動画によって人が傷つくことはないか、伝えたいメッセージが誤解されないか、多角的な視点でコンテンツを配信前に精査することが重要です。

ブランデッドムービーを制作する際のポイント

視聴者に共感してもらえるブランデッドムービーを制作するにはどうすればいいのでしょうか?ここでは、動画制作時のポイントを紹介します。

明確な目的を設定する

まず、ブランデッドムービーを配信する「目的」を明確にすることが大切です。目的によってどのようなメッセージを伝えるか、どのように配信すべきかが変わってきます。

例えば、「競合他社と差異化を図りたい」、「企業理念に共感してもらいたい」など、会社によって重きを置くポイントはさまざまです。

目的が曖昧なままだと、伝えたいメッセージや、そのメッセージを届けたいターゲット像も明確にできません。コンテンツ制作前に目的を設定するようにしてください。

ターゲットを設定する

目的が定まったら、続いて「ターゲット」を設定しましょう。ターゲットが明確になっていれば、ブランデッドムービーの配信方法やコンテンツの内容などを考えやすくなります。

また、誰に向けたメッセージか不明瞭であると、メッセージが伝わりにくくなる可能性があります。

より効果の高いブランデッドムービーを目指したい場合、ターゲットに加えて「ペルソナ」を設定することもおすすめです。視聴者の年齢やライフスタイルなど具体的な人物像を定めることで、コンテンツのメッセージがより伝わりやすくなります。

ターゲットやペルソナを設定して、コンテンツの効果を高めましょう。

メッセージやストーリーを意識する

ブランデッドムービーを制作する際は、動画の「メッセージやストーリー」を意識するとよいでしょう。

メッセージはシンプルで視聴者の心に残りやすいフレーズを使用すると効果的です。企業理念やブランドコンセプトからキーワードを選出したり、コピーライターに提案してもらったりして、オリジナリティのあるメッセージを考えましょう。

また、動画を最後まで視聴してもらうために、ストーリー要素を取り入れることが大切です。メッセージに説得力をもたせられますし、視聴者に共感してもらいやすくなります。

ブランデッドムービーの事例

実際にブランデッドムービーはどのように活用されているのでしょうか?ここでは、ブランデッドムービーの事例を紹介します。

ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ株式会社

ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ株式会社が展開するオーディオ製品のブランデッドムービーです。「Music Bridges Us」というブランドコンセプトに基づいて、クラシックの本場であるドイツで撮影を実施しました。ヴァイオリニストによる圧巻の演奏シーンと、オーディオ製品を身につけている人物を描くことで、アーティストとリスナーに寄り添ったブランドビジョンを伝えています。

上智大学

上智大学の課外活動団体(文化部)を紹介する動画です。大学入学前の高校生に向けて、大学でどのようなキャンパスライフが送れるのか、どのような活動に取り組めるのかが伝わるように動画を制作しました。シネマカメラで撮影を実施することで臨場感を演出しており、上智大学の学生が精力的に活動している様子が伝わるようになっています。また、キャンパスライフに期待を抱いてもらえるようにスタイリッシュな仕上がりを目指しました。

リノベる株式会社

リノべる株式会社の東京本社オフィスを紹介する動画です。新オフィスのコンセプトである「Crossing Field」にどのようなメッセージが込められているのか、社員の想いが伝わるようにインタビューを実施しました。実際にオフィスの様子が伝わる画像を差し込むことで、リノべる株式会社のこだわりが伝わるような仕上がりになっています。

ブランデッドムービーを活用しよう

今回の記事では、ブランデッドムービーの基本的な知識について解説しました。

動画広告で思うような効果を得られない企業や、エンゲージメントに課題を感じている企業は、ブランデッドムービーを活用することで、顧客との信頼関係を構築し長期的な売上拡大を目指せます。

ただ、このような効果を得るには、ブランデッドムービーで伝えたいメッセージを明確にする必要がありますし、視聴者の共感を得られるコンテンツを制作する必要があります。

自社でクオリティの高い動画を制作できるか不安という場合は、動画制作会社に依頼するのも一つの手段です。専門知識を兼ね備えた映像プロデューサーやコンサルタントが、企業の抱える課題や目的に沿った動画を提案します。

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