説明動画とは、商品やサービスの特徴、使い方、ビジネスマナーなどの情報を視聴者に分かりやすく伝えるための動画です。
動画は紙や静止画に比べて、情報伝達や理解促進に優れているため、購買意欲や顧客満足度、ブランド認知度の向上が期待できます。
そこでこの記事では、説明動画の作り方とおすすめの制作ツール、参考事例について詳しく解説します。
- 動画制作が初めての方
- 効果的な説明動画を作成したい営業担当者やマーケターの方
- 制作ツールの選び方や外注する際のポイントについて知りたい方
説明動画とは?
説明動画とは、商品やサービスの特徴、魅力、使い方を分かりやすく伝えて、視聴者に購買やサービスの利用を促すための動画のことです。解説動画やマニュアル動画とも呼ばれます。
効果的な説明動画には、以下の3つの要素が含まれます。
- わかりやすさ…誰でも理解できる平易な言葉を使い、複雑な仕組みは図表やアニメーションを用いて説明している。
- 見やすさ…適切な画面構成やテロップ、アニメーションなどを効果的に取り入れ、視覚的に訴求力のある動画に仕上がっている。
- 聞きやすさ…適切なBGMや効果音を使用し、ナレーターの声が聞き取りやすいよう配慮されている。
制作スタイルの例
説明動画にはさまざまな制作スタイルが存在します。動画を制作する目的、ターゲット、メッセージ、予算などを踏まえて、最適なスタイルを選択しましょう。ここでは、いくつかの典型的な例を紹介します。
- プレゼンテーション方式…データや統計に基づいた情報の提示。
- デモンストレーション方式…商品やサービスの使い方、機能の実演。
- レクチャー方式…講義やセミナー形式の解説。
- キャラクター解説方式…VTuberやゆっくり解説(※)を使用した解説。
ビジネスでは、プレゼンテーション方式やデモンストレーション方式が好まれます。一方で、専門的な内容を深く掘り下げたい場合はレクチャー方式が、エンターテインメント性を取り入れたい場合はVTuberやゆっくり解説方式が適しています。
※ゆっくり解説…「ゆっくりボイス」と呼ばれる合成音声とキャラクターを使用して情報を解説している動画。
説明動画の作り方を5つのステップで解説
説明動画の作り方は以下の5ステップです。
- 目的の設定
- 情報収集
- 企画構成・ストーリーボード作成
- 動画素材の撮影および制作
- 動画素材の編集
それぞれについて説明します。
1.目的の設定
まず、説明動画の目的を明確にし、伝えたいメッセージ、解決したい問題、ターゲットを設定します。
目的、ターゲットの設定例
目的 | ターゲット | 内容例 |
---|---|---|
購買意欲を刺激して売上を増やす | 潜在顧客 | 商品やサービスの特徴、顧客の体験談、導入効果 |
製品やサービスの操作方法やFAQに答え、顧客満足度を向上させる | 既存顧客、潜在顧客 | 操作方法の解説、よくある質問への回答 |
新入社員のオリエンテーションや安全教育を通じて、従業員の知識とスキルを向上させる | 新入社員、従業員 | 業務に必要な技術や知識、職場での安全対策教育 |
会社の方針やビジョンを共有し、組織内の一体感とモチベーションを高める | 全従業員 | 企業の理念や将来像の紹介、プロジェクトの進捗状況や成功事例の共有 |
2.情報収集
目的に合わせて、必要な情報、データ、資料を収集します。信頼できる情報源を積極的に活用しましょう。
情報収集の例
- 企業の公式資料(製品マニュアル、プレスリリース、公式Webサイト)
- 業界報告書(業界団体や市場調査会社が発行する報告書)
- 顧客の体験談(ユーザーや顧客から直接収集したフィードバック)
- FAQ(企業のWebサイトや製品マニュアルにあるよくある問い合わせと回答例)
- 業務マニュアル(社内で使用されている業務プロセスやポリシーに関する文書)
- 専門機関の教材(特定の技術訓練に関連する認定機関や教育機関から提供される教材)
3.企画構成・ストーリーボード作成
動画の大まかな構成を決めて、ストーリーボードを作成します。
ストーリーボードとは、動画の1シーンを絵コンテ形式で表したものです。シーンごとに、カメラの動き、登場人物のアクション、画面の切り替え方など、視覚的に表現します。
ストーリーボードは手書きでも作成できますが、専用のツールを使うとより効率的です。おすすめはStoryboard Proのような専用ソフトや、Canvaなどのオンラインツールです。
4.動画素材の撮影および制作
実写の場合は、この段階で撮影を行います。映像の質は説明動画の仕上がりに大きな影響を与えるため、撮影テクニックや機材には一定以上の品質が求められます。
アニメーションやグラフィックを中心とした説明動画の場合は、Adobe After EffectsやAdobe Illustratorなどの制作ソフトを使用して、視聴者の目を引くビジュアル素材を制作します。
5.動画素材の編集
撮影した映像や制作したグラフィックを、ストーリーボードに従って編集し、説明動画を仕上げます。
Adobe Premiere ProやFinal Cut Proなどの編集ソフトを使い、各シーンを適切にカットし、視聴者を惹きつけるテロップやエフェクトを追加します。
さらに、各シーンにマッチしたBGMやナレーションを挿入することで、動画の理解度を高め、説明動画の魅力を最大限に引き出します。
説明動画におすすめの動画編集ツール3選
説明動画の制作には、動画編集ツールが欠かせません。
ここでは、説明動画におすすめの動画編集ツールを3つご紹介します。
Adobe Premiere Pro
画像引用:Adobe Premiere Pro
Adobe Premiere Proは、Adobe社が提供する動画編集ソフトです。高度なAI機能を多数搭載しているため、編集作業を効率化できます。プロ向けの機能が充実していますが、初心者でも使いやすいインターフェースを備えています。
製品の特長
- 高度な編集機能
- 豊富なテロップとエフェクト
- サポート面が充実
料金
月額3,280円(税込)※7日間の無料トライアルあり
Filmora
画像引用:Filmora
Filmoraは、初心者でも直感的に操作可能な動画編集ソフトです。基本的な編集機能に加え、AIが不要物を自動選択したり、動画に合ったテキストを生成したりして、編集作業を効率化します。豊富なテンプレートやエフェクトも用意されており、初心者でもプロ並みの動画作成が可能です。
製品の特長
- シンプルな操作性
- テンプレートが豊富
- AI自動編集
料金
毎月1,999円(税込)※7日間の無料トライアルあり
Final Cut Pro
Final Cut Proは、Apple社が開発・販売するMac専用の動画編集ソフトウェアです。直感的な操作性とデータ処理の高速化を特徴としており、プロの動画編集者にも多く愛用されています。高度な機能を備えながらも、UIがシンプルでわかりやすいため、初心者でも比較的使いやすいと評価されています。
製品の特長
- Mac専用
- 直感的な操作
- オリジナルのエフェクト作成
料金
36,800円(買い切り価格)※90日間の無料トライアルあり
説明動画の参考事例
ここでは、説明動画の参考事例をいくつか紹介します。
サービス説明動画【株式会社Hacobu】
トラック予約受付サービス「MOVO Berth」のサービス説明動画です。訴求したい内容を、2分でわかりやすくまとめています。リブランディングに合わせ、アイソメトリックイラスト(立体的なイラスト手法)を用いてシンプルで洗練されたデザインを実現しています。
会社説明動画【ナブテスコ株式会社】
幅広い領域で事業を展開するナブテスコ社の採用向け会社説明動画です。統計データや数値などを、グラフや図表、イラストなどを用いて視覚的に分かりやすく表現することで、学生の理解と興味を引くように工夫しています。
海外事業部の説明動画【鹿島建設株式会社】
現地スタッフの視点から、グローバルに展開する鹿島建設・海外事業部の一日の業務を紹介している説明動画です。現地で撮影した素材を活用して、建設現場の活気、チームワーク、そして鹿島建設の高い技術力が伝わる内容に仕上がっています。
会社説明動画【トーカロ株式会社】
表面改質技術の国内トップシェアを誇るトーカロ株式会社の会社説明動画です。親しみやすいキャラクターのカエルンジャーとオタマジャクシのキャラクターによる会話形式で、飽きることなく視聴できます。この動画を通して、トーカロ社の事業内容や強みを理解できます。
海外向け製品説明動画【住友電気工業株式会社】
住友電気工業株式会社の海外向け製品説明動画です。融着型現地組立コネクタを実際に使用するユーザーが製品の特徴を理解できるように、作業シーンをデモで表現しています。数多くの配線が繋がっている状況でも、取り付け・取り外しが非常に簡単であることが一目で理解できます。
留学プログラムの説明動画【学校法人東洋大学】
東洋大学の「国際教育センタープログラム」の紹介動画です。パンフレット1冊分に相当する大量の情報を、アイコンを使用したアニメーションにより約7分でわかりやすく紹介しています。動画の後半部分では、留学経験者のインタビューを通して、実際の留学体験が語られています。
説明動画の制作ポイントと注意点
説明動画を制作するにあたり、視聴者の注意を引きつけ、最後まで見てもらうために重要なポイントと注意点がいくつかあります。
- 動画の尺はなるべく短く
動画の長さが短ければ短いほど、視聴者が最後まで視聴する可能性が高くなります。重要な内容を選び出し、要点を凝縮して伝えることで、メッセージを効果的に理解してもらえます。
- 内容はシンプルかつ明確に
複雑な情報をシンプルに分解し、視聴者が容易に理解できるようにします。専門用語の使用は極力避け、平易な言葉で説明しましょう。課題解決型のストーリーを組み込むと、内容が視聴者に伝わりやすくなります。
- 音声がなくても理解できる
音声に頼らなくても内容が伝わるように、ビジュアル面での工夫が必要です。インフォグラフィック、アニメーション、字幕を効果的に使用し、視覚的に訴求力のあるコンテンツを作成しましょう。
- 配信媒体に合わせて編集する
動画はスマートフォン、PC、タブレット、展示会での大画面など、さまざまな媒体で視聴されます。各媒体に最適化された解像度やテキスト、イラストのサイズ調整が重要です。
- 外注を検討するのも選択肢
説明動画は、商品やサービス、さらには企業イメージに直結するため、高い専門性が求められます。必要に応じて、外部の制作会社に依頼することも一つの選択肢です。
説明動画に精通した制作会社の選び方
説明動画制作において、自社に最適な制作会社を選ぶことは、思い通りの動画に仕上げるために非常に重要です。ここでは、失敗を避けるために特に抑えておきたい3つのポイントをご紹介します。
実績と評判
制作会社の過去の実績、クライアントの評価、口コミを調査して、自社が求めるクオリティやスタイルに合致しているかどうかを確認しましょう。
たとえば、実写で製造プロセスを説明する動画を制作したい場合、アニメーションやSNS動画広告の実績が多い制作会社に依頼しても、希望通りのクオリティの動画が制作できる可能性は低くなります。
自社のニーズに合致した実績を持つ制作会社を選ぶことが重要です。
ビジネスやマーケティングへの理解
説明動画を制作する際、いくら映像技術が優れていても、伝えたい内容が視聴者に伝わらなければその動画は意味を成しません。そのため、自社のビジネスやマーケティング戦略を深く理解している制作会社を選ぶことが非常に重要です。
発注前に、動画を通じて達成したい目的と、その目的に対する制作会社の理解度をチェックしましょう。ビジネスへの理解が不足している制作会社に依頼しても、望んだ成果を得られない可能性が高いです。
費用と制作プロセスの透明性
信頼できる制作会社を選ぶ際は、費用と制作プロセスの透明性が極めて重要です。
動画制作には、ヒアリングから企画、発注、制作、納品まで多くのステップがあり、これらの各ステップで制作会社と密なコミュニケーションが求められます。
特に重視すべき点は以下の3つです。
- 見積もりが具体的な根拠に基づいており、理解しやすい形で提示されている。
- プロジェクトの進行状況を分かりやすく報告できる体制が整っている。
- 目標達成に向けて、意見交換や提案ができる担当者がいる。
このような制作会社を選ぶことで、予算内で最大限の効果を得られます。
説明動画の費用目安
説明動画の制作費用は、制作会社によって大きく異なり、一般的には数十万円から数百万円の範囲で変動します。費用を左右する主な要素は以下の通りです。
- 動画の長さ:動画の長さが長くなるほど、制作にかかる時間やリソースが増える。
- 構成の複雑さ: 企画や編集により多くの時間と労力が必要となる。
- アニメーションや特殊効果の使用: 高度な技術を持つ人材が必要になる。
発注前に、動画の長さ、スタイル、希望納期などを具体的に伝えることで、より正確な見積もりを取得できます。
効果的な説明動画を制作し、目的に合わせた情報伝達を実現
説明動画は、商品やサービスの魅力や使い方などを、より詳しくわかりやすく伝える手段として、さまざまな場面で活用が進んでいます。特に、言語化しにくい複雑な内容や、視覚的に説明した方が効果的な内容を伝える際に、その真価を発揮します。
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