近年、採用活動におけるオンライン化が加速し、企業の魅力を効果的に伝えるツールである採用動画の重要性はますます高まっています。
優秀な人材の心を掴み、共感を呼ぶ採用動画を制作したいときは、最新トレンドを把握し、求職者が魅力的に感じる企業像や働き方を明確にすることが重要です。
そこでこの記事では、魅力的な採用動画を制作したい企業の採用担当者やマーケターの方に向けて、2024年の採用動画の注目トレンドと、トレンドに合わせた採用動画の作り方について詳しく解説します。
- 採用動画の最新トレンドを知りたい方
- 効果的なコンセプトと撮影手法で優秀な人材を惹きつけたい方
- 企業イメージを向上させる効果的な採用動画の制作方法について知りたい方
2024年の採用動画の最新トレンド | 参考事例あり
2023年から2024年の上半期にかけて約100本の採用動画を調査し、その傾向を分析した結果、以下のトレンドが明らかになりました。
- 「自分らしく」を採用コンセプトに打ち出す企業が増加
- 臨場感あふれるドキュメンタリータッチの撮影手法が増加
これらのトレンドの詳細と、参考事例を合わせて紹介します。
「自分らしく」を採用コンセプトに打ち出す企業が増加
採用動画で「自分らしく生きられる」「自分らしさを発揮できる」というコンセプトを打ち出す企業が増えています。
この傾向は、リサーチ会社マクロミルが新成人500名を対象に行った「自身の価値観や特徴」に関する調査結果からも明らかです。「自分らしさを大切にする」と答えた人が51.0%と最も多く、「仕事よりプライベートを重視する」42.8%、「多様性を重んじる」31.2%と続きます。
現代の若年層は、組織の一員として働くよりも、自分の価値観に合ったキャリアやライフスタイルを選びたいという意識が強いです。
このような価値観を持つ若年層に効果的にアピールするには、採用サイトでメッセージを掲げるだけでは不十分です。採用動画を通じて社員自らが語ることで、そのメッセージに説得力が増し、ターゲットに効果的に訴求できます。
以下の参考事例では、自分らしくありたい若年層のニーズに応えるために、コンセプトと構成が詳細に設計されています。
きのうのじぶんを超えていく、じぶんへ。 | デロイトトーマツ
社員一人ひとりの個性を尊重し、潜在能力を最大限に引き出す組織文化を紹介しています。
ともに歩もう。自分らしい道を。 | みずほフィナンシャルグループ
みずほフィナンシャルグループに入社した4人の新入社員が、自分らしさを追求し成長していく様子が描かれています。
あなたらしさとJINSらしさをつなげたら 知らなかったあなたが見えてくる | JINS
企業と社員の「らしさ」を追求することで、企業の多様性をアピールしています。
臨場感あふれるドキュメンタリータッチの撮影手法が増加
近年、臨場感あふれるドキュメンタリータッチの撮影手法がトレンドになっています。
このスタイルは、密着取材やインタビューを通して、社員の自然な姿や声を記録することで、企業のリアルな雰囲気を伝えることができます。
企業が臨場感あふれる採用動画を制作するメリットは、以下の3つです。
- 企業の誠実さや熱意が伝わる
- 社員同士の仲間意識を感じられる
- 企業への親しみやすさや愛着が湧く
社員の日常業務やチームワークがリアルに映し出されることで、視聴者はその企業の文化や価値観に共感しやすくなります。また、社員の葛藤や成長のストーリーをドラマチックに描くことで、視聴者に「この会社で働きたい」という憧れや愛着を抱かせることができます。
このように、臨場感あふれる採用動画は、単なる情報伝達以上の効果を持ち、視聴者との深い繋がりを築くことができます。
以下は、企業のありのままを伝えることを意識して制作された採用動画の事例です。
高校生向け採用動画 | 松本工業
若手社員が会社の魅力を語ることで、視聴者はより親近感を抱きやすくなります。
#エンジニア視点でのプロダクト開発編 | リクルート
社員がプロダクト開発について語る対談形式の採用動画です。SNS拡散用に最適化されています。
最新トレンドに合わせた採用動画の作り方
2024年の採用動画のトレンドは、「自分らしさ」を活かせる職場をアピールし、台本に頼らないリアルな表現を追求するスタイルです。
ここでは、1日密着形式の採用動画の制作の流れについて説明します。
事前準備
まず、撮影をスムーズに進めるために事前準備を行います。
- ターゲットの設定
新卒採用、キャリア採用、職種別採用など、採用目的に応じてターゲットを絞り込むことが重要です。複数のターゲットに訴求するときは、動画を分けて制作することをおすすめします。
- 出演者の選定
視聴者が自分自身を投影できるような内容にするために、ターゲットの属性や特徴に合致する社員を選定します。採用区分における社員選定のポイントは以下の通りです。
|
- インタビューに基づいた動画構成の作成
動画構成を作成するために、社員の仕事に対する考え、やりがい、入社以来の経験、1日のスケジュールなどをヒアリングします。密着シーンは、ミーティング、ランチタイム、クライアントとの打ち合わせなど、社内の雰囲気が伝わりやすいシーンを選定します。社外での撮影が必要な場合は、事前に撮影許可を取得する必要があります。
- 進行台本と質問リストの作成・共有
社員に自然な対話をしてもらうため、進行台本と質問リストを作成します。動画のテーマ(目的)を社員と共有し、全体を通して一貫性のある回答を心がけてもらうようにします。
- 撮影班の編成
カメラマンとインタビュアーで構成される少人数の撮影チームを編成します。出演する社員が当日リラックスできるように、ビデオ会議ツールや電話などで撮影チームと事前に顔合わせを行い、1日のスケジュールを伝えておきます。
1日密着の撮影~編集の流れ
1日密着動画の制作は以下のステップで進めます。
- インタビュー動画・音声の収録
インタビューを挿入する場合は、静かな環境で質問リストに基づいてインタビューを撮影・録音します。
- 密着取材
社員の業務に密着し、ドキュメンタリータッチで撮影します。業務の様子や社員同士の交流が自然に記録されるよう、周囲の社員にも通常通りの業務遂行を依頼します。
- 編集
撮影した映像を統一感のある流れにまとめて、一つの大きなメッセージを形成します。スマートフォンでの視聴を考慮し、無音状態でも内容が理解できるようにテロップや字幕を適切に挿入します。
VIDWEBが制作した採用動画の事例
弊社が制作した採用動画を紹介します。
海外勤務の1日密着 | 伊藤忠丸紅鉄鋼様
新卒採用向け、世界4カ国の海外支店に1日密着した動画です。現地での撮影は各国に拠点を置く日本人クリエイターが担当し、日本で編集しました。仕事の内容や、海外勤務ならではの苦労と喜びを視聴者が共感できる形で描いています。
【タイ・バンコク編】
勤務風景に加え、社外でのプライベートシーンも撮影し、海外生活のリアルを伝えています。
【アメリカ・シンシナティ編】
勤務風景とプライベートシーンの他に、職場の外観をドローンで撮影しています。
【ドイツ・デュッセルドルフ編】】
オフィスシーンでは、テンポ良くさまざまなカットを使用し、視聴者が飽きないようにしています。
【ベルギー・アントワープ編】
多国籍の社員が集まる会議やランチシーンでは、ダイバーシティの重要性を印象づけています。
社員インタビュー | 日本道路株式会社様
「道の先の未知を切り拓く」という採用コンセプトのもと、インタビューや勤務シーンを通じて、日本のインフラを支える仕事の魅力、日本道路ならではの働き方、社員たちのやりがいなどを生き生きと描いています。長編のほかにも、ダイジェスト、動画広告用のパターンを制作しています。
インターンシップ「REAL Tech」 | アウトソーシングテクノロジー様
社員の情熱が感じられる表情や声、チームワークあふれる様子をテンポ良く切り替えることで、学びの場が体感できるように編集されています。参加することで得られる貴重な経験や、将来の可能性を想像させるような映像で、視聴者の参加意欲を高めています。
採用動画の料金相場
採用動画の料金は、撮影内容や使用する機材、編集工数などにより異なり、大体50万円から200万円の範囲です。
- 社内風景+インタビュー:50万円から
- 数日間密着取材:80万円から
- 海外密着取材:100万円から
採用動画は企業説明会だけでなく、就活・転職サイトやSNSなどさまざまな場面で活用できます。一度制作すれば繰り返し利用可能なため、利用シーンが多いほどコストパフォーマンスが向上します。
採用トレンドを取り入れた動画制作が得意な制作会社の探し方
採用動画の制作を検討する際に、適切な制作会社を選ぶことは、効果的な動画を制作するために重要です。制作会社を選ぶ際の主なチェックポイントは以下の3つです。
- 採用動画の制作実績は豊富か
- 撮影技術のバリエーションがあるか
- 担当者のコミュニケーションは円滑か
それぞれについて説明します。
採用動画の制作実績は豊富か
動画制作会社を選ぶ際には、過去の制作実績、クライアントからの評価、口コミなどを参考にしましょう。
自社の雰囲気や理念を効果的に伝える採用動画を制作したい場合は、企業規模、業界、ターゲット層、動画のテイストなど、自社と類似する案件で経験豊富な制作会社を選ぶことが重要です。
撮影技術のバリエーションがあるか
多彩な撮影技術を駆使しているかどうかは、動画制作会社を選ぶ際の重要な選定基準の一つです。豊富な撮影技術を駆使することで、視聴者の記憶に深く刻まれるような、魅力的な採用動画を制作できます。
具体的には、インタビュー、密着取材、ドローン撮影、タイムラプス撮影、モーショングラフィック、CGなどをはじめとした、幅広い撮影手法を駆使して、企業の魅力を多角的に表現できるかどうかをチェックしましょう。
担当者のコミュニケーションは円滑か
制作会社担当者とのコミュニケーションが円滑であれば、意思疎通がスムーズになり、高品質な採用動画を納品してもらえる可能性が高くなります。
初回ミーティングでは、プロジェクト全体のスケジュールを明確に提示してくれるか、定期的な進捗報告はあるか、見積書に詳細な内訳が記載されているかなどを確認しましょう。
トレンドを取り入れた採用動画で企業の魅力を最大限に引き出す
近年の採用動画は、単なる企業情報の羅列や用意された台本の棒読みではなく、社員の等身大の姿を映し出し、求職者の共感を呼ぶような内容になっています。
このようなトレンドを取り入れた採用動画を制作することで、企業の魅力と独自性を効果的に伝え、より多くの優秀な人材を惹きつけることができます。
VIDWEBは、高品質な動画を低コストかつスピーディに提供する映像制作会社です。豊富な採用動画の制作実績を持ち、ターゲット層に合わせた企画・構成やシナリオ作成、効果的な映像表現を提案します。動画マーケティングのサポートも行っておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください!
各社は社員に本音で語ってもらい、感情に訴えかける動画を制作しています。