動画制作の契約書で発注者が確認すべき項目|修正・使用範囲・著作権の決め方とチェックリスト

動画制作
公開日:2025年1月10日 / 最終更新日:2026年9月11日
動画制作の契約書で発注者が確認すべき項目|修正・使用範囲・著作権の決め方とチェックリスト
桔梗 素直
桔梗 素直 株式会社VIDWEB クリエイティブコミュニケーション部

動画制作の契約書を前にして、条項を上から順に読んでいくと、どこが自社にとって大事なのかが見えにくくなります。秘密保持、解除、損害賠償といった条項はどの契約書にもあり、そこで問題になることはほとんどありません。

動画制作の契約で、あとから確認が必要になりやすいのは、納品のあとの取り決めです。修正を何回まで頼めるのか、その動画をどの媒体でいつまで使えるのか、別の用途に転用してよいのか。この3点が決まっていないまま納品を迎えると、追加費用の話になります。

制作会社として受注する立場から言えば、この3点は契約書の条項の一部というより、見積もりの段階で決めておくべき制作の条件です。当社では、修正の回数と範囲、使用する媒体と期間、二次利用の可否を、契約書だけでなく見積書の段階で書面にしています。契約書に書いてあるかどうかを最後に確認するのではなく、見積もりを比べる時点で決まっている状態にするためです。

この記事では、動画制作の契約書に入る条項を発注者が確認する順に整理したうえで、納品後に効いてくる3点の決め方、著作権の扱い、2024年11月に施行されたフリーランス法との関係、編集のみを外注する場合とショートドラマで増える論点をご説明します。末尾に、契約前に自社で確認するチェックリストを用意しました。

動画制作の契約書で先に決めておくのは「納品後の3点」

納品後に効いてくる3点(修正回数・使用範囲・二次利用)

動画制作の契約は、発注者と制作会社のあいだで業務委託契約として結ばれることが一般的です。経済産業省の事業で公開されている映像制作業務委託契約のひな形を見ると、条項は目的、制作と報告、再委託、納入、検収、対価、納入前の内容変更、保証と第三者の権利の処理、権利の帰属、クレジット、改変、原版の保管、と並びます。

どの条項も必要なものですが、契約書を読む前に押さえておきたいのは、あとから食い違いが出やすいのはどこかという点です。当社が受注側として見てきた範囲では、食い違いが出るのは条項の抜けではなく、次の3点が決まっていないことです。

決まっていないこと納品後に起きること
修正の定義と回数「ここを少し変えてほしい」が重なり、どこから有償かで認識がずれる
使用する媒体と期間Webサイト用に作った動画を展示会や広告に使ったとき、契約の範囲を超えていると指摘される。出演者の使用期間を過ぎている
二次利用と改変動画の一部を切り出してSNSに投稿した、別の会社に改変を頼んだ、といったときに権利の問題になる

この3点は、契約書の条項でいえば対価、権利の帰属、改変にまたがっています。条項ごとに読むと分散して見えますが、発注者にとっては「納品した動画をどう使えるか」という1つの問いです。契約書を確認するときは、この問いに契約書がどう答えているかを先に見てください。

動画制作の契約書に入る条項一覧と、発注者が確認する点

条項の全体像を、発注者が確認する点と、定めていないと何が起きるかの2つの軸で整理します。

条項何を定めるか発注者が確認する点定めていないと起きること
目的・委託内容何のための動画を、どの範囲で委託するか目的の記載が自社の用途と合っているか。動画の内容が別紙や発注書で特定されているか完成した動画が想定と違っても、何を基準に直すかが決まらない
制作の進め方・報告内容の決め方、資料の提供、進捗の報告構成や台本を誰が決めるか。自社が用意する資料と期限資料の遅れが納期の遅れになったとき、責任の所在が曖昧になる
再委託制作会社が外部のクリエイターに再委託できるか再委託の可否と、再委託先の管理責任が制作会社にあるか誰が作っているか分からないまま進む
納入・検収納期、納品の形式、検収の期間と方法納品形式(ファイル形式、解像度、媒体)。検収期間内に確認できる社内体制があるかいつ合格になったかが決まらず、修正の締め切りと有償・無償の境目で認識がずれる
対価・支払い金額、支払時期、範囲外の使用の扱い金額に何が含まれるか。着手金や中間金の有無。使用範囲を超える場合の協議使用範囲外の利用で追加費用が生じる
納入前の内容変更制作途中で内容を変えたいときの手続き変更時に納期と追加費用を書面で合意する手順があるか口頭の変更が積み重なり、納期と金額が読めなくなる
保証・第三者の権利素材や出演者の権利処理を誰が行うか自社が提供する素材の権利は自社が保証する。動画内の音楽や出演者の権利処理は誰が行い、費用は誰が持つか公開後に第三者から権利の主張を受けたとき、対応する側が決まっていない
権利の帰属完成した動画と未編集素材の著作権がどちらに帰属するか譲渡か許諾か。譲渡なら、改変や別の動画への作り替えの権利まで含むか。未編集素材の扱い動画を改変したり素材を再利用したりできない
著作者人格権制作側が人格権を行使しないこと制作側が人格権を主張しないという取り決め(不行使特約)があるか著作権を譲り受けても、改変に制作側の同意が要る
クレジット著作権表示や制作会社名の表示表示の要否と方法公開後に表示をめぐる行き違いが起きる
改変納品後に動画を改変するときの手続き自社で改変できるか。第三者に頼むときの手順更新のたびに制作会社の同意が要る
原版の保管編集データや撮影素材を誰がいつまで保管するか保管期間と、期間後の扱い。編集データの引き渡しの有無数年後に更新しようとしたときに素材がない
一般条項秘密保持、解除、損害賠償、不可抗力、裁判管轄など秘密保持の範囲と期間。解除の条件紛争時の手続きが決まっていない

条項の細かい文言は、法務部門や弁護士に確認する領域です。発注担当者が見るべきなのは、右の2列です。自社の使い方に照らして、確認する点に答えられるか、定めていないと起きることが自社に関係するかを見ていくと、読むべき条項が絞れます。

工程のどこで何を決めるか。見積もりから納品後まで

動画制作の工程ごとに契約書で決めること

契約書は、発注のタイミングで一度に読むものではありません。動画制作の工程のそれぞれで決めることがあり、契約書はそれを書き留める場所です。当社の動画制作の依頼から納品までの流れに沿って、どの工程で何を決めるかを整理します。

工程決めること契約書との関係
1. ヒアリング目的、用途、公開先、納期、参考動画。将来使う可能性のある媒体目的・委託内容の条項と別紙の元になる
2. 企画・見積もり動画の内容、尺、本数。修正の回数と範囲、使用する媒体と期間、二次利用の可否。何が金額に含まれるか対価、権利の帰属、改変の条項の内容がここで決まる
3. 発注・契約秘密保持、著作権の帰属、出演者の肖像権の範囲、支払時期契約書を結ぶ。見積もりで決めたことが反映されているかを確認する
4. 制作(撮影・編集)途中で内容を変えるときの手続き、確認の窓口納入前の内容変更の条項を使う
5. 納品・検収検収の期間、修正の締め切り、納品形式納入・検収の条項を使う
6. 納品後使用期間の管理、更新や改変の手続き、原版の保管改変、原版の保管の条項を使う

このように、契約書の中身は2の企画・見積もりの段階で大半が決まります。ここで決めていないことは、契約書に書かれないか、ひな形の文言のまま残ります。

見積もりを複数社から取る場合は、金額だけでなく、修正の回数と範囲、使用の媒体と期間、二次利用の可否が見積書や提案書に書かれているかを比べてください。書かれていない見積もりは、その分が金額に入っているのか、後から別途になるのかが分かりません。社内で稟議を通す段階でこの3点を書いておくと、契約時の確認が短く済みます。企画書の書き方は動画制作の企画書の作り方で整理しています。

修正回数・使用範囲・二次利用の決め方

納品後に効いてくる3点を、それぞれどう決めるかをご説明します。

修正の定義と回数

修正で食い違いが出る原因は、回数が決まっていないことより、何を修正と呼ぶかが決まっていないことにあります。テロップの誤字を直すことと、構成を変えることと、撮り直しをすることは、どれも「修正」と呼べますが、制作側の作業量は桁で違います。

決めておくのは3つです。

  1. 何が修正に含まれるか。テロップや色味の調整のような編集内の修正と、構成の変更や追加撮影のような制作のやり直しを分けます
  2. 無償の修正は何回までか、どの段階での修正か。初稿に対する修正と、納品後の修正は分けて数えます
  3. 有償になる修正の単価か、見積もりの取り方

当社では、修正の回数と範囲を見積もりに書いています。あわせて発注側にお願いしているのは、修正の指示を社内で集約して1回でまとめて出すこと、窓口を1人に絞ること、直したい箇所を何分何秒のカットまで特定して伝えることの3つです。修正の往復が1回増えるごとに納期は数日から1週間単位で延びるため、回数の上限は費用だけでなく納期の約束でもあります。

なお、経済産業省のひな形には、納入前に発注者が内容の変更を希望した場合、変更内容と納期、追加費用の有無を協議して書面で合意する条項があります。制作途中の変更を口頭で積み重ねないための仕組みで、発注者にとっても、変更のたびに納期と金額が確定する利点があります。

使用媒体と使用期間

動画をどこで、いつまで使うかは、対価の前提です。経済産業省のひな形では、委託費は、制作の対価と、別紙で定めた条件・範囲での使用の対価の合計として定義され、範囲を超える使用は別途協議とされています。使用範囲が広いほど、制作側の権利処理の範囲も広がります。

使用範囲を決めるときは、次の3つを書き出してください。

  • 媒体。自社サイト、SNS、展示会、営業資料、YouTube広告、テレビCM、交通広告など。将来使う可能性がある媒体も含めます
  • 期間。公開日から何年か、または期限なしか
  • 地域。国内限定か、海外の拠点や展示会でも使うか

ここで注意したいのは、著作権が発注者に帰属する契約にしても、動画を無限定に使えるとは限らないことです。ひな形の解説にもあるとおり、タレントやモデルを起用した場合は、所属事務所の意向で映像の使用期間が限定されることがあります。出演者の権利は著作権とは別に管理する必要があり、自社の社員が出演する場合も、退職後の扱いを事前に合意しておくことをおすすめしています。当社の料金ページでも、動画制作後にかかる費用として、出演者の契約期間の更新費用を挙げています。

二次利用と改変

二次利用とは、完成した動画を当初の用途と別の形で使うことです。本編から30秒を切り出してSNSに投稿する、英語版を作る、テロップを差し替えて別のキャンペーンに使う、といった使い方が該当します。

改変については、著作権の扱いと結びついています。著作者には、意に反して作品を改変されない権利(同一性保持権)があり、この権利は譲渡できません。そのため、発注者が動画を改変できるようにするには、著作権の譲渡または許諾に加えて、制作側が著作者人格権を行使しないという特約が入っているかを確認します。経済産業省のひな形の解説では、著作権が制作会社に帰属している場合、発注者が自らの判断で動画の内容を改変することはできないのが原則とされ、まず制作会社と協議し、条件が合わなければ制作会社の協力のもとで第三者に改変を委託できる、という条項が置かれています。

二次利用で見落とされやすいのが、動画の中で使っている素材の権利です。音楽、写真、フォント、ナレーションの音声は、当初の用途と媒体を前提にライセンスを取っていることがあります。動画そのものの著作権を譲り受けても、素材のライセンスが別の媒体に及んでいなければ、そのままでは使えません。音楽の扱いは音楽・BGMの著作権で詳しく解説しています。

著作権の扱い。譲渡と許諾の違い、素材の権利

契約書の権利の条項を読むために、必要な範囲で著作権の仕組みを整理します。基礎から読みたい場合は動画制作の著作権の基本をご覧ください。

著作権法では、著作者の権利は2つに分かれます。1つは著作権で、複製や公衆送信、翻案などの権利の束です。もう1つは著作者人格権で、公表権、氏名表示権、同一性保持権の3つからなります。著作権は全部または一部を譲渡できますが、著作者人格権は著作者に専属し、譲渡できません。

発注者が完成した動画の権利を確保する方法は2つあります。

方法内容発注者が確認する点
譲渡動画の著作権を発注者に移す動画を改変する権利と、改変した動画を使う権利(翻案権と二次的著作物の利用に関する権利)まで譲渡に含むと書かれているか。書かれていないと、この2つは制作側に残ったものと推定される。制作側が人格権を主張しないという取り決め(不行使特約)があるか
許諾著作権は制作会社に残し、発注者に一定の範囲での使用を認める許諾の範囲(媒体、期間、地域、改変の可否)。範囲を超える使用の手続き

この2つの権利を確認するのは、著作権法に、譲渡の契約でこの2つを譲渡の対象としてはっきり書いていないときは譲った側に残ったものと推定する、という定めがあるためです。動画の英語版を作る、尺を変えて別の動画にする、といった二次利用はこの権利に関わります。「著作権を譲渡する」とだけ書かれた契約書では、この部分が残ります。

許諾の場合は、許諾を受けた側は、許諾で決めた使い方と条件の範囲内で使える、と法律に定められています。範囲の書き方がそのまま使える範囲になるため、前の章で書き出した媒体、期間、地域を許諾の範囲に反映します。

契約で帰属を決めていない場合、法律の原則に戻ります。動画のような映画の著作物では、著作者が製作への参加を約束しているとき、著作権は映画製作者、つまり製作を発案して責任を負う者に帰属すると定められています。発注した側に自動的に著作権が移るわけではありません。契約書で帰属を書くのは、この原則に委ねないためです。

もう1つ、動画の中の素材の権利は動画の著作権とは別です。経済産業省のひな形では、発注者が提供した資料が第三者の権利を侵害しないことを発注者が保証し、動画の内容と定めた範囲での使用が第三者の権利を侵害しないことを制作会社が保証する、という分担になっています。第三者との権利処理が必要な場合の手続きと費用負担は協議事項です。当社では、海外撮影を含む案件でも権利関係の業務は当社が担当しており、出演者の起用提案から二次利用の範囲の交渉までを窓口としてまとめています。契約書では、誰がどの権利を処理するかが書かれているかを確認してください。

フリーランス法で変わった書面の明示

2024年11月1日に、フリーランス法(正式名は特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)が施行されました。対象は、従業員を使用しない個人、または代表者以外に役員がなく従業員も使用しない法人への業務委託で、動画の制作委託も対象に含まれています。

発注する企業が個人のクリエイターに動画制作を直接委託する場合、この法律の義務を負うのは発注する側です。詳しい内容は動画制作を個人・フリーランスに外注する場合の実務でまとめていますので、ここでは契約書との関係だけを整理します。

  • 業務を委託したら直ちに、仕事の内容、報酬の額、支払期日などを、書面かメール・電子契約などの電子的な方法で示す義務があります。明示する事項は公正取引委員会の規則で定められており、両者の名称、委託した日、仕事の内容、納品の期日と場所、検査を終える期日、報酬の額と支払期日などです。契約書にこれらが書かれていれば、契約書がこの明示を兼ねられます。取引条件の明示を口頭だけで済ませることはできません
  • 従業員を使用する発注者は、報酬の支払期日を、納品を受けた日から60日以内のできる限り短い期間内に定める必要があります。月末締め翌々月末払いのような支払サイトは、受領日によって60日を超えるため、個人へ発注する場合は自社の支払条件を確認してください
  • 従業員を使用する発注者が1か月以上の業務委託をする場合は、受け取りの拒否、報酬の減額、やり直しの強制などが禁止されています。当初の仕様にない修正を無償で繰り返し求めることは、やり直しの強制に当たる可能性があります。修正の定義と回数を最初に決めておくことは、この法律への対応でもあります

一方、従業員を使用する法人の制作会社に発注する場合はフリーランス法の対象ではなく、2026年1月に施行された中小受託取引適正化法(取適法。旧下請法)の対象になることがあります。発注先がフリーランス法の対象に当たるかどうかで、発注側が守る法律が変わります。

編集のみを外注する場合と、ショートドラマの場合に増える論点

契約書の基本は同じでも、依頼する内容によって確認する点が増えるものがあります。

動画編集だけを依頼する契約

撮影は自社で行い、編集だけを外注する場合、素材は発注者が用意します。このとき、素材の権利は発注者が保証する側になります。撮影した映像に映り込んだ人物や場所、使いたい音楽の権利処理を自社で済ませているかを、契約前に確認してください。

編集のみの契約で決めておきたいのは、次の3点です。

  1. 編集データの引き渡し。完成した動画ファイルだけでなく、編集ソフトのプロジェクトデータや使用素材を受け取れるか。受け取れれば、次回以降の更新を自社や別の会社で行えます
  2. 修正の定義。編集のみの依頼は修正が細かくなりやすいため、テロップの文言変更、カットの入れ替え、尺の変更のどこまでが1回の修正に含まれるかを決めます
  3. 使用する素材のライセンス。制作側が用意する音楽や素材のライセンスが、自社の使用媒体に対応しているか

ショートドラマや出演者のいる動画の契約

ショートドラマのように出演者がいる動画では、著作権に加えて出演者の権利処理が契約の中心になります。当社がショートドラマの作り方で整理しているとおり、確認するのは二次利用の範囲、使用期間、社員が出演した場合の扱いの3つです。

SNSアカウントへの投稿と、広告としての配信は、出演者との契約上は別の扱いになることがあります。投稿用として撮った動画を後から広告に転用しようとして契約の範囲外だった、という事態を避けるため、どこでどう使うかを制作前に決めます。長期に配信する前提なら、最初から使用期間を長く取っておくほうが、更新の手間と費用を抑えられます。

契約書では、出演者の権利処理を誰が行うか、使用期間が過ぎたときの手続き、期間の延長にかかる費用の考え方が書かれているかを確認してください。

動画制作の契約前チェックリスト(ダウンロード)

契約書を受け取る前に、自社で決めておくべきことをチェックリストにまとめました。26項目を、契約の相手と形、成果物と納期、費用と支払い、修正、使用範囲、権利、出演者と素材、納品後の8つに分けています。空欄のまま契約に進むのではなく、決まっていない項目は「要相談」と書いて制作会社に渡してください。制作会社側は、その項目を提案と見積もりに反映できます。

契約前チェックリスト(Excel)

契約前チェックリスト(PDF)

このチェックリストは、経済産業省の映像制作業務委託契約のひな形の条項と、当社の依頼の流れ、料金ページの費用の構造をもとに、本記事用に作成したものです。当社が実際の契約で使用している書式とは別のものです。ダウンロードできます。

チェックリストは、ヒアリングシートと対になっています。ヒアリングシートが「何を作るか」を制作会社に伝えるものであるのに対し、チェックリストは「作ったものをどう扱うか」を自社で決めるものです。ヒアリングシートは動画制作のヒアリングシートからダウンロードできます。

契約書のひな形そのものが必要な場合は、経済産業省の事業で公開されている映像制作業務委託契約のサンプル(骨董通り法律事務所 小林利明弁護士による解説付き)と、文化庁の著作権契約書作成支援システムが公的な参照先です。文化庁のシステムは、著作物の創作や利用を職業としない人どうしの契約を想定して作られており、会社のイメージ映像や社員研修用映像の作成に対応するひな形がありますが、著作権の譲渡のひな形は提供されていません。実際の契約では、ひな形をそのまま使わず、自社の条件に合わせて手直ししたうえで、法務部門や弁護士の確認を受けてください。

動画制作の契約書でよくある質問

動画制作の契約書は制作会社が用意してくれますか?

制作会社が用意する場合と、発注者側の書式を使う場合の両方があります。当社では、見積書の段階で修正の回数と範囲、使用の媒体と期間、二次利用の可否を書面にしたうえで、契約書はどちらの書式でも対応しています。発注者側の書式を使う場合でも、この3点が反映されているかを確認します。個人のクリエイターに直接依頼する場合は、フリーランス法により、取引条件を書面か電子的な方法で示すことが発注者の義務になります。

動画制作の契約書に収入印紙は必要ですか?

動画制作の業務委託契約書は、仕事の完成を約束して報酬を支払う請負に関する契約書として、印紙税法の第2号文書に該当することがあります。国税庁のタックスアンサーでは、請負に関する契約書の印紙税額は契約金額に応じて定められており、記載された契約金額が1万円以上100万円以下なら200円、100万円を超え200万円以下なら400円、200万円を超え300万円以下なら1,000円、契約金額の記載のないものは200円で、1万円未満は非課税です。営業者間で継続する取引の基本条件を定める契約書は第7号文書に該当することがあります。契約書の内容によって取り扱いが変わるため、個別の判断は税理士または所轄の税務署にご確認ください。

動画制作の納品後の修正は何回まで無料ですか?

法律や業界の一律の決まりはなく、契約と見積もりで決めます。当社では、修正の回数と範囲を見積もりに書いています。多くの制作会社が初稿に対する修正回数を見積もりに含めています。当社では、納品後の修正は初稿への修正とは別に扱っています。確認するのは、何が修正に含まれるか(テロップの修正と構成の変更は別)、無償の回数とその段階、有償になる場合の単価の3点です。

制作した動画の著作権は発注者のものになりますか?

発注しただけで自動的に発注者のものになるわけではありません。帰属は契約で決め、契約に定めがなければ著作権法の原則によります。著作権を譲渡する契約であれば発注者のものになりますが、動画を改変する権利と改変した動画を使う権利は、譲渡に含むとはっきり書いていないと制作側に残ったものと推定されます。また、著作者人格権は譲渡できないため、発注者が契約の範囲内で改変できるようにするには、制作側が人格権を主張しないという取り決め(不行使特約)も確認します。著作権が発注者に移っても、出演者の使用期間や動画内の音楽のライセンスは別に管理する必要があります。

まとめ: 納品後の3点を見積もり段階で書面にする

動画制作の契約書であとから食い違いが出るのは、条項が足りないからではなく、納品後の3点、つまり修正の定義と回数、使用する媒体と期間、二次利用と改変が決まっていないからです。この3点は契約書の対価、権利の帰属、改変の条項にまたがっており、条項ごとに読むと見えにくくなります。

3点が決まるのは、契約のときではなく、企画と見積もりの段階です。複数社の見積もりを比べるときに、金額と一緒にこの3点が書かれているかを見てください。当社では、この3点を見積書の段階で書面にしています。

著作権については、譲渡か許諾かに加えて、改変と作り替えの権利まで譲渡に含むか、制作側が人格権を主張しない取り決めがあるか、動画内の素材と出演者の権利は誰が処理するかを確認します。個人のクリエイターに直接依頼する場合は、フリーランス法により、取引条件の明示が発注者の義務になり、従業員を使用する発注者には60日以内の支払いも義務づけられます。

契約前に決めておくことは、チェックリストに26項目でまとめました。決まっていない項目は要相談として制作会社に渡していただければ、当社では提案と見積もりに反映します。費用の構造と制作後にかかる費用は料金ページでご案内しています。

桔梗 素直
桔梗 素直 株式会社VIDWEB クリエイティブコミュニケーション部

大学卒業後大手保険代理店に5年間勤務。その後動画市場の将来性を感じ、オンラインスクールにて動画マーケティングや制作方法を学び、VIDWEBへ入社。丁寧親切且つ的確なコンサルテーションと提案に定評があり、クライアントが動画制作によって抱えている課題を親身になって日々解決している。

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