商品やサービスの購入を検討している人にとって、先に購入した人の感想は、セールストークではない、現実味のある意見としてとても参考になります。このような「お客様の声」を動画にしてWebサイトなどで公開することは、購入検討中の人の背中を押し、売り手側である企業の信頼を高める効果があります。
この記事では「お客様の声」動画を制作する効果や、動画制作会社が考える効果的な作り方を解説します。
- 「お客様の声」を作成して成約率を高めたい方
- これまではテキスト情報で発信してきた「お客様の声」を動画化したいとお考えの方
「お客様の声」動画が普及する背景
インターネットが普及した現代では、商品・サービスを購入する前に情報を収集し、比較・検討する習慣が定着しています。
購入を検討する人は、インターネット上で商品・サービスの内容はもちろん「先に購入した人がどのような評価をしているか」を知りたがります。身近な例では、通販サイトで買い物をする際、購入者のレビューを参考にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
このことからもわかるように、購入を検討する人は、商品の販売主ではない、第三者の客観的な意見やリアルな体験にもとづいた情報から「その商品を選ぶ理由」を得たいと考える傾向があります。
BtoBの分野でも、従来より「お客様の声」を営業活動に役立ててきました。BtoBの場合、以前は営業担当者が一社一社のお客様に導入事例や顧客の成果を紹介していました。
しかし今では、消費者の購買行動が変化したことに対応して、商品・サービスに関するさまざまな情報をWebで公開する必要性が高まっています。そこで「お客様の声」を動画で制作して配信するケースが増えてきました。
「お客様の声」動画の活用シーン
では「お客様の声」動画は、どのような場面で使われているのでしょうか。主にBtoB分野での例をご紹介します。
商品・サービスの導入事例として紹介
商品・サービスを購入したお客様が購入に至った決め手や、購入後の感想を紹介します。
顧客の成功体験や課題解決の事例として訴求
商品・サービスを購入したことで、どのような成果が得られたのかを紹介します。検討中の顧客は成果を求めているため、成功事例は購入を後押しする要素になります。
「お客様の声」に動画を活用する効果・メリット
次に「お客様の声」を動画にすることの効果。メリットを紹介します。
顧客の立場からの商品・サービスの客観的な評価を伝えられる
「お客様の声」動画は、多くの場合、インタビュー形式で制作されます。商品・サービスの評価が顧客の口から語られることで、客観的な情報である印象を与えられます。
マイナス評価であってもあえて隠さずに盛り込むことで信頼性向上につながるケースもあります。マイナス評価に対する真摯な対応や今後の品質向上につなげていく姿勢をアピールしましょう。
顧客の姿を見せることで信頼感のある会社であることを表現できる
「お客様の声」動画には、顧客の担当者などに出演してもらうのが一般的です。これは商品・サービスを提供する企業と顧客の間に「動画に出演してもらえるほどの信頼関係がある」ことを示す効果もあります。お客様が出演する動画を見せることは「顧客と良好な関係を築ける会社である」という良い印象につながります。
BtoC企業は個人を対象としているのでサクラ(おとり)であると誤解されやすいことに注意。BtoB企業は社内や部署名などを明示することが多いので、より信頼性が高まる傾向にあります。
リアルな課題解決の事例を見聞きすることで共感を得られる
先に購入したお客様と検討中のお客様は、同様の課題や悩みを抱えている場合が多くあります。先に購入した顧客が語る「従前の課題」や「解決のプロセス」は、検討中の顧客の共感を呼び「自社もこれで解決できるのでは」という思考を促します。
「お客様の声」はインタビュー動画がおすすめ
「お客様の声」動画は、自社の社員やアバターがお客様の事例を紹介するなどの制作方法も考えられます。
しかし、先述のメリットを活かすためには、インタビュー形式を採用するのがおすすめです。顧客のリアルな言葉で語られる姿を動画で見せることで説得力が圧倒的に増します。
効果的な「お客様の声」動画を制作するポイント
動画制作会社の視点から、より説得力のある「お客様の声」動画を制作するためのポイントを紹介します。
商品・サービスを購入する前に抱えていた課題を確認
お客様が商品・サービスを購入する前に感じていた課題と導入効果を動画に反映します。検討中の顧客も同様の課題を抱えている場合が多く、視聴者の共感につながります。
購入に至ったきっかけ・決め手を聞き出す
商品・サービスを購入したお客様が、最終的に購入に至った決め手を聞き出し、動画の内容に反映します。他社が購入に踏み切った理由は、共感を呼び、購入を後押しする効果があります。
現場を知る人に出演してもらい、リアルな言葉を引き出す
「お客様の声」動画に出演する顧客の人選は、できるだけ購入検討や導入の現場を知る担当者にするのがおすすめです。商品・サービスの購入後の率直な感想や導入効果、時にはマイナス評価も隠さずを語ってもらうことで、より購入検討者に響く、リアリティのある内容になります。
「お客様の声」動画を作る前に必要な準備
「お客様の声」動画は、顧客に出演してもらう必要があるため、撮影に至る前の準備を丁寧に行うことが重要です。ここでは、動画の撮影・編集は制作会社に委託することを前提に、作り方の手順を紹介します。
営業担当者に出演候補者を選出してもらう
日頃、顧客とやりとりする自社の営業部門に「検討中の見込み顧客にとって参考になる事例」をピックアップしてもらいます。
候補の顧客に協力依頼・出演交渉する
候補にあげられた顧客から撮影・出演協力を依頼する企業を決め、交渉します。
依頼する際は、出演者の不安を取り除くためにも、動画の利用目的、配信期間、配信場所などを明確に伝えることが大切です。
撮影前に質問事項を共有する
撮影時に、インタビューにスムーズに答えてもらうため、事前に質問内容を共有しましょう。
動画制作会社と協力し撮影・編集する
撮影日程、撮影場所などを調整し、動画制作会社と協力して撮影・編集を行います。
動画制作の具体的な流れは、以下の記事を参考にしてください。
公開前に必ず内容のチェックを受け、掲載許可を得る
編集が完了した動画は、出演者側の確認を受け、修正があれば対応します。必ず公開前に出演者の掲載許可を得ましょう。
「お客様の声」動画の成功事例
YouTubeに公開されている「お客様の声」動画の中から、参考になるものをご紹介します。※記載の事例は他社事例を含みます。
在庫管理ソフト「ロジクラ」有限会社陶秀 インタビュー動画
インタビュー形式の動画ですが、15秒にまとめられており、短い時間で要点を把握できます。
Fortinet Japan「フォーティネット導入事例インタビュー」
セキュリティ製品の導入事例を顧客のインタビューと工場の風景で紹介しています。共感を呼ぶ顧客の言葉がテロップで効果的に強調されています。
まとめ:動画ならではのリアルな顧客体験で共感を創出
動画だからこそ伝えられるリアリティのある体験談は、見ている人の共感を得られることが最大の利点であり、自社の強力な営業ツールとなります。「お客様の声」を動画化することで信頼性が高く、説得力のあるコンテンツを発信しましょう。
Webサイトにテキストベースの「お客様の声」を設置している例は多く見られますね。近年は動画化する動きが進んでいます。