「広告なのに、思わず最後まで見てしまった」——そんな経験はないでしょうか。
TikTokやInstagramリール、YouTubeショートなど、縦型ショート動画の普及に伴い、企業のマーケティング手法も大きく変化しています。その中でも注目を集めているのが「ショートドラマ」という映像表現です。
従来の動画広告は「見せたい情報を短時間で詰め込む」ことが主流でした。しかし、情報過多の現代において、ユーザーは広告的なコンテンツを無意識にスキップする傾向が強まっています。ショートドラマは、そうした状況を打破するための新たなアプローチとして、多くの企業が取り入れ始めています。
ショートドラマとは何か
ショートドラマとは、数十秒から数分程度の短い尺で展開される物語形式の動画コンテンツです。1本で完結するものもあれば、シリーズとして続きものになっているケースもあります。登場人物の感情や日常の一場面を切り取り、視聴者が共感できるストーリーを通じてメッセージを印象的に届けます。
VIDWEB制作事例①:コミュニケーションロボット『Charlieチャーリー™』紹介動画(ヤマハ株式会社 様)
VIDWEB制作事例②:縦型ショートドラマシリーズ(エプソン販売株式会社 様)
VIDWEBでは完全にエンタメに振り切ったショートドラマではなく、ビジネスで違和感無く使用できる動画作りを得意分野としております!
「短い」のに記憶に残る理由
人間の脳は、単なる情報の羅列よりも「物語」として提示された情報を記憶しやすいという特性を持っています。これは「ストーリーテリング効果」と呼ばれ、マーケティングの世界でも広く知られている現象です。

ショートドラマが記憶に残りやすい理由は、まさにこの効果を活用しているからです。たとえば「この商品は便利です」と直接伝えるよりも、登場人物が困っている場面からその商品で解決する流れを見せる方が、視聴者の心に深く刻まれます。
また、感情を揺さぶるコンテンツは、SNSでのシェアにもつながりやすい傾向があります。「共感した」「感動した」という感情が、自然な拡散を生み出すのです。
SNS時代に最適化された映像表現
ショートドラマは、現代のSNSプラットフォームの特性と非常に相性が良い表現形式です。
TikTokやInstagramリールでは、ユーザーは高速でコンテンツをスワイプしながら視聴します。この環境で「見続けてもらう」ためには、冒頭から興味を引き、最後まで飽きさせない構成が求められます。ショートドラマは、物語の展開力によって視聴者を引き込み、最後まで見てもらえる確率を高めます。
さらに、縦型フォーマットとの親和性も高く、スマートフォンでの視聴体験に最適化された表現が可能です。フルスクリーンで展開されるドラマは、視聴者の没入感を高め、広告であることを意識させずにメッセージを届けることができます。
ショートドラマと一般的な動画の決定的な違い
ショートドラマと一般的な企業動画では、そもそもの設計思想が異なります。この違いを理解することが、効果的な動画マーケティングの第一歩となります。
情報伝達型 vs 物語体験型
一般的な企業動画(商品紹介動画やサービス説明動画など)は、「情報伝達型」の構造を持っています。伝えたい情報を整理し、わかりやすく説明することが主目的です。「この商品には〇〇という機能があります」「△△のメリットがあります」といった形で、情報を順序立てて伝えていきます。
一方、ショートドラマは「物語体験型」の構造です。視聴者に情報を「説明する」のではなく、物語を通じて「体験させる」ことを重視します。登場人物の感情に寄り添いながら、視聴者自身がその世界に入り込むような設計になっています。

この違いは、視聴者の受け止め方にも影響します。情報伝達型の動画は「勉強になった」という反応を得やすい一方、物語体験型のショートドラマは「共感した」「心に残った」という感情的な反応を引き出しやすいのです。
構成設計における考え方の違い
一般的な動画では、伝えたい情報を漏れなく盛り込むことが重視されます。商品のスペック、導入事例、価格、問い合わせ方法など、網羅的な情報設計が求められます。
ショートドラマの場合は、むしろ「何を削るか」が重要になります。限られた尺の中で物語を成立させるためには、本当に必要な要素だけを厳選しなければなりません。商品やサービスの直接的な説明は最小限に抑え、物語の力でメッセージを伝えることを優先します。

この「引き算の設計」が、結果的に視聴者の想像力を刺激し、より強い印象を残すことにつながります。
エンゲージメントを生む仕組みの差
エンゲージメント(視聴者の反応や関与)の観点でも、両者には明確な違いがあります。
一般的な動画は、情報を受け取った後に「なるほど」と理解して終わることが多いです。視聴後のアクションとしては、問い合わせや資料請求など、比較的直接的な行動につながります。
ショートドラマは、視聴後に「誰かに話したくなる」「もう一度見たくなる」という感情を生み出しやすい特性があります。これがSNSでのシェアやコメント、保存といったエンゲージメント指標の向上につながります。また、シリーズ化することで「続きが気になる」という心理を生み、ブランドへの継続的な関心を維持することも可能です。

ショートドラマ制作の基本プロセス
ショートドラマの制作は、一般的な動画制作とは異なるプロセスを経ます。特に「物語を作る」という工程が加わるため、企画・脚本段階に十分な時間と労力をかけることが重要です。
企画・世界観設計
ショートドラマ制作の最初のステップは、企画と世界観の設計です。ここでは、以下のような要素を決定していきます。
- ターゲット視聴者の設定(誰に見てもらいたいか)
- 伝えたいメッセージやブランドイメージの整理
- 物語の舞台設定(いつ、どこで、どんな状況か)
- 登場人物のキャラクター設定
- 物語のトーン(コミカル、感動系、共感系など)
この段階で重要なのは、「何を売りたいか」ではなく「視聴者にどんな感情を届けたいか」という視点で考えることです。商品やサービスは物語の中に自然に溶け込ませる形で設計します。
また、配信するプラットフォーム(TikTok、Instagram、YouTubeなど)の特性を踏まえた企画設計も欠かせません。各プラットフォームのユーザー層や視聴傾向を把握したうえで、最適な表現方法を検討します。
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脚本を軸にした撮影
企画が固まったら、脚本(シナリオ)を作成します。ショートドラマにおいて脚本は、制作全体の設計図ともいえる重要な存在です。
脚本では、セリフだけでなく、登場人物の表情や動き、カメラアングル、場面転換のタイミングなども細かく設計します。短い尺の中で物語を成立させるためには、一つひとつのカットに意味を持たせる必要があるからです。
撮影は、この脚本をもとに進行します。一般的な企業動画では「素材をたくさん撮っておいて編集で調整する」というアプローチも多いですが、ショートドラマでは脚本に沿った計画的な撮影が求められます。
出演者については、俳優やタレントを起用するケースと、社員やモデルを起用するケースがあります。物語の完成度を高めるためには、演技力のあるキャストを起用することが望ましいですが、予算や目的に応じて柔軟に検討します。
編集・最終アウトプット
撮影した素材をもとに、編集作業を行います。ショートドラマの編集では、以下のような点が特に重要になります。
- テンポ感の調整:視聴者が飽きないリズムで物語を展開する
- 音楽・効果音の選定:感情を増幅させるBGMや効果音を適切に配置する
- テロップ・字幕の設計:音声なしでも内容が伝わるよう配慮する
- カラーグレーディング:物語の雰囲気に合った色調に調整する
縦型・横型の両方のバージョンを作成したり、尺の異なる複数バージョンを用意したりすることも多いです。配信先のプラットフォームに合わせた最適化を行い、最終的なアウトプットを完成させます。
ショートドラマ制作の費用感をつかむ
ショートドラマの制作費用は、規模や演出内容によって大きく異なります。ここでは、一般的な費用感と、コストに影響する主な要因をご紹介します。
制作規模別の費用イメージ
| 価格帯 | 内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| 50〜100万円 | シンプルな設定、少人数キャスト、1日撮影、基本的な編集 | SNS広告用のミニマルなショートドラマ。社員出演やモデル起用で費用を抑えるケース |
| 100〜300万円 | 本格的な脚本、プロの俳優起用、1〜2日撮影、複数ロケ地、演出にこだわった編集 | 多くの企業ショートドラマがこの価格帯。ブランディング目的にも対応可能 |
| 300万円以上 | 複数話のシリーズ制作、有名キャスト起用、複数日撮影、高度な演出・CG、大規模なプロモーション連動 | ドラマとしての完成度を追求するハイエンド案件 |
上記はあくまで目安であり、制作内容によって変動します。見積もりを依頼する際は、目的や希望するクオリティを具体的に伝えることが大切です。
同じ予算規模であっても1本だけではなく、複数パターンの制作を行い、A/Bテストを実施するケースもここ最近で増加しております。VIDWEBでは、なるべくコストを抑えて複数パターン制作することも可能です。
コストに影響する主な要因
ショートドラマの制作費用を左右する主な要因は以下の通りです。
- 脚本・企画の複雑さ:オリジナルストーリーの開発には時間と労力がかかります
- キャストの選定:俳優やタレントの知名度によってギャラが大きく変動します
- 撮影日数とロケ地:日数が増えるほど、またロケ地が複数になるほど費用は増加します
- 美術・衣装・小道具:世界観を作り込むための準備費用
- 編集・ポストプロダクション:特殊効果やカラーグレーディングの工数
- シリーズ展開の有無:複数話制作の場合はスケールメリットが生まれることも
予算が限られている場合でも、工夫次第で効果的なショートドラマを制作することは可能です。例えば、設定をシンプルにする、ロケ地を1箇所に絞る、社員やモデルを起用するなどの方法で、コストを抑えながらクオリティを担保することができます。
ショートドラマ制作会社のタイプを知る
ショートドラマの制作を外部に依頼する場合、制作会社にはいくつかのタイプがあります。自社の目的に合った会社を選ぶためにも、それぞれの特徴を理解しておきましょう。

縦型・SNS最適化に強い制作会社
TikTokやInstagramリールなど、縦型ショート動画に特化した制作会社です。SNSプラットフォームのアルゴリズムやトレンドを熟知しており、「バズる」コンテンツの作り方を理解しています。
このタイプの会社の強みは、SNSでの拡散を意識した企画力と、スピーディーな制作体制です。プラットフォームごとの最適な尺やフォーマット、冒頭のフック(引き)の作り方など、実践的なノウハウを持っています。
一方で、ドラマとしての深みや演技の質よりも、SNSでの反応を優先する傾向があるため、ブランディング目的で高い映像品質を求める場合は注意が必要です。
【縦型・SNS最適化に強い制作会社の例】
| 動画制作会社名 | 公式サイト |
|---|---|
| 株式会社フェリエスト | https://hibidora.feriest.com/ |
| 株式会社CREAVE | https://creave.co.jp/service/short-drama/ |
| FILMOQ株式会社 | https://filmoq.co.jp/ |
ストーリー・脚本力に特化した制作会社
映画やテレビドラマの制作経験を持つスタッフが在籍し、ストーリーテリングの専門性を強みとする制作会社です。脚本の質や演出力、俳優の演技指導などに長けています。
このタイプの会社は、感動的なストーリーや視聴者の心を動かす物語を作ることに強みがあります。ブランドの世界観を深く表現したい場合や、シリーズ化を前提とした本格的なショートドラマを制作したい場合に適しています。
ただし、SNSのトレンドへの感度や、デジタルマーケティングの知見は相対的に弱い場合もあるため、配信戦略については別途検討が必要なこともあります。
【ストーリー・脚本力に特化した制作会社の例】
| 動画制作会社名 | 公式サイト |
|---|---|
| nowhere film株式会社 | https://nowhere-film.jp/ |
| 株式会社 B4B | https://b4b.co.jp/ |
| 株式会社GOKKO | https://gokkoclub.jp/ |
マーケティング視点を持つ制作会社
動画制作だけでなく、マーケティング戦略全体を見据えた提案ができる制作会社です。ターゲット設定、KPI設計、配信戦略、効果測定まで一貫してサポートできることが特徴です。
このタイプの会社は、「動画を作る」ことがゴールではなく、「ビジネス成果を出す」ことを目的として動いてくれます。ショートドラマを広告キャンペーンの一部として位置づけ、他の施策との連携も含めた総合的な提案を受けられます。
企業のマーケティング担当者にとっては、「作って終わり」ではなく、成果につなげるパートナーとして心強い存在です。ただし、純粋な映像制作のクオリティという点では、専門の制作会社に及ばない場合もあります。
【マーケティング視点を持つ制作会社の例】
| 動画制作会社名 | 公式サイト |
|---|---|
| 株式会社VIDWEB | https://vidweb.co.jp/ |
| 株式会社Global Japan | https://gjc.me/shortdrama/ |
| 株式会社プルークス | https://proox.co.jp/tateto_shortdrama/ |
当社VIDWEBも「マーケティング視点を持つ制作会社」に含まれます!
失敗しないショートドラマ制作会社の選び方
ショートドラマ制作を外部に依頼する際、どのような基準で制作会社を選べばよいのでしょうか。ここでは、失敗を避けるためのポイントを整理します。
目的と制作タイプの一致が最優先
まず明確にすべきは、「なぜショートドラマを制作するのか」という目的です。
- SNSでの認知拡大・バズを狙いたい
- ブランドイメージを向上させたい
- 商品やサービスの魅力を感情的に伝えたい
- 採用活動で企業の雰囲気を伝えたい
目的によって、適した制作会社のタイプは異なります。SNSでの拡散を重視するならSNS特化型、ブランディングを重視するならストーリー力のある会社、マーケティング成果を重視するならマーケティング視点を持つ会社、というように、目的と制作タイプを一致させることが成功への第一歩です。
また、「自社の業界やターゲット層を理解しているか」という点も重要です。BtoB企業とBtoC企業では訴求の仕方が異なりますし、ターゲットの年齢層によっても最適な表現は変わります。初回の打ち合わせで、自社のビジネスをどこまで理解しようとしてくれるかを確認しましょう。
実績を見るときのチェックポイント
制作会社を選ぶ際、過去の実績(ポートフォリオ)を確認することは基本です。ただし、ショートドラマの実績を見る際には、以下のポイントを意識してチェックすることをおすすめします。
- ストーリーの質:物語として成立しているか、視聴者の感情を動かす構成になっているか
- 演技・演出の質:出演者の演技が自然か、映像としての完成度は高いか
- ブランドとの統合:商品やサービスが物語に自然に溶け込んでいるか、違和感がないか
- プラットフォームへの最適化:縦型フォーマット、テロップの見やすさ、冒頭のフックなど
- 実際の成果:可能であれば、再生回数やエンゲージメント率などの数値
実績を見る際は、「自社が作りたい動画のイメージに近いか」という視点を持つことが大切です。制作会社ごとに得意なテイストや表現スタイルがあるため、自社のブランドイメージと合致するかどうかを確認しましょう。
また、見積もりの透明性も重要なチェックポイントです。何にどれくらいの費用がかかるのか、追加費用が発生する条件は何か、といった点を事前に明確にしておくことで、予算オーバーや認識の齟齬を防ぐことができます。

まとめ:ショートドラマ制作で“心に残る”動画マーケティングを実現するために
ショートドラマは、SNS時代における新しい動画マーケティングの形として注目を集めています。従来の「情報を伝える」動画とは異なり、「物語を体験させる」ことで視聴者の心に深く刻まれるコンテンツを作ることができます。
ただし、効果的なショートドラマを制作するためには、企画・脚本段階からの丁寧な設計と、目的に合った制作会社の選定が欠かせません。「短い動画だから簡単に作れる」という認識は誤りであり、むしろ短い尺の中でメッセージを届けるからこそ、高度な構成力と表現力が求められます。
「ショートドラマに興味はあるが、自社に合うかどうかわからない」「どのような企画が効果的か相談したい」という場合は、まずは経験豊富な制作会社に相談してみることをおすすめします。

VIDWEBでは、企業のマーケティング課題に寄り添い、ショートドラマを含む動画コンテンツの企画から制作、配信戦略までをワンストップでサポートしています。SNS向けの縦型ショートドラマから、ブランディング目的の本格的なストーリー動画まで、目的に応じた最適なご提案が可能です。まずはお気軽にご相談ください。

この記事では、ショートドラマとは何か、一般的な動画との違い、制作の流れ、費用感、そして制作会社の選び方まで、企業のマーケティング担当者や広報担当者の方に向けてわかりやすく解説します。