YouTubeハイプとは?仕組み・導入背景・使い方をわかりやすく解説

動画マーケティング
公開日:2025年12月15日 / 最終更新日:2025年12月15日
YouTubeハイプとは?仕組み・導入背景・使い方をわかりやすく解説
山畑 達也
山畑 達也 株式会社VIDWEB 代表取締役社長

2024年後半から2025年にかけて、YouTubeに新たな応援機能「ハイプ(Hype)」が登場しました。これまでYouTubeでの評価といえば「高評価(Good)」や「コメント」が主流でしたが、ハイプは「これから伸びるクリエイター」を視聴者が直接押し上げることができる画期的な機能です。

山畑 達也

本記事では、YouTubeハイプ機能の概要や導入された背景、そしてマーケティング担当者が知っておくべき活用法についてわかりやすく解説します。

YouTubeハイプの機能は順次機能追加や変更が想定されています。可能な限り最新情報をお届けしますが、本記事の内容が古くなっている可能性もございますので、最新情報はYouTubeのオフィシャルブログもあわせてご参照ください。

この記事の要約
  • YouTubeハイプは登録者50万人未満の小規模クリエイターを応援できる新機能
  • 視聴者は無料ポイントで動画をハイプし、ランキング上位表示で露出を支援できる
  • 企業チャンネルはアルゴリズム外の露出経路として活用でき、初動ブーストが重要

YouTubeハイプとは(基本概要)

YouTubeハイプとは

YouTubeの「ハイプ(Hype)」とは、登録者数50万人未満の小〜中規模クリエイターを対象とした、新しい応援・発見機能です。 視聴者が気に入った動画に「ハイプ」を行うことで、その動画が専用のランキング(スコアボード)に掲載されやすくなり、これまでアルゴリズムによるおすすめだけでは埋もれがちだった動画が、多くの人の目に留まるようになります。

ハイプ機能の目的と特徴

ハイプ機能の最大の目的は、「才能ある新人クリエイターの早期発見」です。 従来のYouTubeでは、すでに人気のあるチャンネルの動画がおすすめに表示されやすく、新規参入者が注目を集めるには時間がかかる傾向にありました。ハイプ機能は、このハードルを下げ、視聴者の「熱量」によって新しいトレンドを生み出すことを目指しています。

ハイプで何ができるのか(視聴者・クリエイター双方の視点)

立場ハイプ機能によるメリット
視聴者自分の「推し」がランキングに入ることで応援の形を示せる。「自分が最初に見つけた」という満足感やファン心理(推し活)を楽しめる。
クリエイター登録者が少なくても、熱心なファンの支援によりスコアボード上位に入れるため、新規視聴者への露出や成長のチャンスが広がる。

ハイプ機能が導入された背景

なぜ今、YouTubeはこのような機能を導入したのでしょうか。そこにはプラットフォームとしての課題と、近年の視聴者行動の変化が関係しています。

YouTubeオフィシャルブログでの説明ページ

YouTubeオフィシャルブログでの説明ページ

新人クリエイター支援の強化

YouTubeの健全なエコシステムを保つためには、新しいクリエイターやコンテンツの登場が常に求められます。しかし、プラットフォームが成熟するにつれて、登録者数をゼロから増やすことは以前よりも難しくなってきています。 「ハイプ」は、小規模でも質の高いコンテンツを作るクリエイターにスポットライトを当て、モチベーション維持と収益化の機会を広げるための支援策です。

法人のYouTubeチャンネルではどうなの?特に法人チャンネルの場合、自社のサービス・製品に関心を持つ層以外にもリーチできる点がハイプ機能の特徴といえます。たとえば発表会や採用動画など、限定的なターゲット向けコンテンツでも、業界外や潜在層の認知拡大につながる可能性があります。従来のアルゴリズムや広告だけではカバーしきれなかった「新たな出会いのきっかけ」として活用できるため、BtoB企業や地方企業、採用広報など、限られたリソースでも効率的に注目を集めたい法人にとって有効な手段と考えられます。

スコアボードによる発見性の向上

新ランキング機能の仕組み

従来の「急上昇」タブは、すでに話題になっている大規模チャンネルの動画が中心でした。 これに対しハイプ機能による「スコアボード(ランキング)」は、小規模クリエイター限定のランキングです。これにより、視聴者は「まだ知られていない面白い動画」を能動的に探しやすくなります。

視聴者参加型の応援文化の拡大

スーパーチャット(投げ銭)」の普及に見られるように、視聴者は単に見るだけでなく、クリエイターを応援することに価値を感じています。ハイプ機能は、金銭的な支援だけでなく「人気を押し上げる」という形での参加を可能にし、コミュニティの結束を強める狙いがあります。

YouTubeハイプの仕組みとポイント

ハイプ機能は、単にボタンを押すだけでなく、ポイント制を用いたゲーム性のある仕組みになっています。

無料・有料ハイプの違い

ハイプには、無料で付与されるポイントと、購入可能な有料ハイプが存在します(※地域や実装段階により仕様が異なる場合があります)。

  • 無料ハイプ: 全ユーザーに毎週一定回数(例:週3回など)付与されます。ポイントは週ごとにリセットされるため、視聴者は毎週どの動画を応援するかを厳選する必要があります。
  • 有料ハイプ: 無料分を使い切った後、追加で応援したい場合に購入します。有料ハイプによる収益はクリエイターにも分配される仕組みとなっており、新たな収益源としても期待されています。

※有料ハイプは2025年12月現在Android でのみ利用可能

ボーナスポイントと小規模クリエイター優遇設計

ハイプ機能は「登録者数が少ないクリエイターほど有利になる」ようなポイント倍率(ボーナス)が設計されています。 これは「小さなチャンネル」を応援するインセンティブとなり、すでに数十万人の登録者がいるチャンネルよりも、数千〜数万人のチャンネルの方が、1回のハイプによるスコア上昇への影響度が大きくなるよう調整されています。

ランキングへの影響

ハイプされた数(ポイント数)が多い動画は、当該国・地域の「上位100位」などのスコアボードに掲載されます。このランキングは通常の検索結果やおすすめとは別の専用枠として表示されるため、純粋に「今、熱量が高い動画」として露出されます。

ハイプ機能の使い方(視聴者向け)

実際にハイプ機能を利用する際の手順と注意点です。

ハイプを付与する手順

  1. 動画を開く: ハイプ対象(登録者50万人未満など)の動画再生ページを開きます。
  2. ボタンを押す: 高評価ボタンや共有ボタンの並びにある「ハイプ」ボタンをクリック(タップ)します。
  3. ハイプ完了: 手持ちのポイントが消費され、動画のハイプ数に加算されます。

ハイプボタンが表示されない場合のチェックポイント

ハイプボタンが表示されない場合、以下の理由が考えられます。

  • 対象外のチャンネル: チャンネル登録者数が50万人を超えている、またはハイプ機能の利用条件(500人以上など)を満たしていない。
  • 動画の公開期間: ハイプができるのは、動画公開から一定期間(例:7日以内)に限定されています。古い動画にはハイプできません。
  • 地域制限: まだ機能が提供されていない国や地域からのアクセスである場合。
  • 使用端末: デスクトップなど、スマートフォン以外では実装されていない場合がある。

取り消しの可否や注意点

一度付与したハイプは、原則として取り消すことができません。毎週のポイント数には限りがあるため、「本当に応援したい動画」かどうかを考えてから使用することが推奨されます。

ハイプを活用したクリエイター側のメリット

企業が自社のYouTubeチャンネル(登録者50万人未満)を運用している場合、ハイプ機能は大きな武器になります。

YouTube「ハイプ機能」3つのメリット

アルゴリズムに依存しない露出経路の確保

最大のメリットは、アルゴリズムに依存しない露出経路の確保です。 SEO(検索対策)や関連動画対策に加え、「ファンの応援」という別軸で露出が増えるため、チャンネル開設初期の「誰にも見られない期間」を短縮できる可能性があります。

初動ブーストやシリーズ動画との好相性

ハイプ機能は「公開から7日以内」という時間制限があるため、動画公開直後の「初動」が非常に重要になります。 「毎週〇曜日に投稿します」と予告してファンに待機してもらう、シリーズ物で続きを期待させるなど、公開直後にハイプを集める工夫がランキング入りの鍵となります。

新たな収益源の創出

有料ハイプが適用される場合、広告収益やスーパーチャット以外の新たな収益源となります。特に、再生回数はまだ少ないが熱狂的なファンがいる「ニッチなジャンル」の企業チャンネルにとって、活動を継続するための重要な資金源になり得ます。

他ツールとの違い・比較

YouTubeには他にも様々な評価機能があります。それらとの違いを整理します。

スーパーチャット・高評価との違い

機能目的費用主な効果
ハイプ発見・応援無料(一部有料)ランキング掲載による露出拡大
高評価評価・フィードバック無料おすすめ表示アルゴリズムへの影響
スーパーチャット収益支援・交流有料クリエイターへの直接的な金銭支援、コメント強調

ハイプが向いているケース

  • チャンネル立ち上げ期: まだ登録者が少なく、認知を広げたいフェーズ。
  • ファン参加型企画: 「みんなでランキング入りを目指そう」といった一体感を醸成したい場合。

利用時の注意点・制限事項

YouTubeハイプ機能を活用する上で、いくつかの注意点と制限事項を理解しておくことが重要です。ここでは、提供地域や利用条件、ルール遵守について詳しく解説します。

提供地域・利用条件

ハイプ機能は順次展開中であり、国によって利用可否が異なります。また、クリエイター側も「YouTubeパートナープログラム(YPP)」への参加が必要な場合があるなど、利用には一定のハードルがあります。

ルール遵守と安全な利用

不正な手段でハイプ数を水増しする行為や、ハイプの見返りに金品を提供するなどの行為はポリシー違反となる可能性があります。健全な応援文化の中で活用することが求められます。

まとめ:注目のYouTubeハイプ機能を最大限活用しよう!

YouTubeハイプ機能は、企業チャンネルやマーケティング担当者にとっても注目の新機能です。

  • これから伸びるインフルエンサーの発掘(コラボ相手の選定)
  • 自社チャンネル(50万人未満)の認知拡大

この両面において、ハイプ機能を理解し活用することは、動画マーケティングの新たな一手となるでしょう。 まずは自社がよく視聴するジャンルの「スコアボード」をチェックし、どのような動画がトレンドになっているかを確認することから始めてみてはいかがでしょうか。

山畑 達也
山畑 達也 株式会社VIDWEB 代表取締役社長

20年以上にわたりオンラインマーケティング、オンライン広告業界に身を置き、数々の新規サービスや新規事業の立ち上げと事業運営、会社経営に携わる。2021年に動画制作から動画広告、動画マーケティングまでを総合的に提供する株式会社VIDWEB(ビッドウェブ)の代表取締役に就任。

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