YouTube動画の成功を測る重要な要素のひとつ、「視聴者維持率」についてご紹介します。
自身のYouTubeチャンネルでより多くの人々に動画を視聴してもらうには、動画の視聴者数や視聴時間といった観点から、どのような改善策が必要かを知ることが大切です。
- YouTube視聴者維持率は、視聴者が動画をどれだけ見続けるかを示す重要指標である
- 視聴者維持率を高めると、動画が検索結果や関連動画に表示されやすくなる
- サムネイルと内容の一致、冒頭30秒の工夫、テンポの良い構成が視聴者維持率改善のポイントである
YouTubeの視聴者維持率とは?
YouTubeの「視聴者維持率」とは、視聴者が動画をどのくらい継続して視聴したかを表す指標です。
ユーザーとしてYouTubeで動画を見るとき、宣伝が長かったり、見たい情報がなかなか出てこなかったりしたときに、視聴を途中でやめたり、別の動画へ移動したりした経験がある人は多いと思われます。
YouTubeは検索結果や関連動画などを通して、ユーザーが「求める動画に的確にたどり着けるように」「さまざまな動画に出会えるように」に設計されています。
このような機能は、ユーザーとしてYouTubeを利用する際には便利なものですが、投稿者から見ると「離脱につながりやすい」仕組みであるともいえます。そのため、視聴者維持率を確認することは、その動画が「視聴者のニーズを満たしているか」を確認する指標にもなります。
視聴者維持率はなぜ重要?
では、なぜ視聴者維持率を意識し、高めるようにしなければいけないのでしょうか。
視聴者維持率の高い動画は、YouTube独自のアルゴリズムにおいて「ユーザー満足度の高い動画」であると認識されます。YouTubeから高く評価された動画は、ホーム画面や検索結果、関連動画などに表示されやすくなり、結果的に多くの人に動画を見てもらえるチャンスが広がります。
このように視聴者維持率を高めることは、間接的に再生回数アップにつながります。
視聴者維持率の平均
YouTubeにおける視聴者維持率の平均は公式には発表されていませんが、一般的な目安としては40%以上をめざすのが良いといわれています。トータル10分の動画で視聴者維持率が40%の場合、平均して約4分間視聴されていることになります。
ただし、視聴者維持率は、尺の長い動画では低く、短い動画では高くなります。このように、理想的な視聴者維持率は動画の長さや動画のジャンルによっても異なりますが、後述する施策などを行ったうえで40〜50%以上を目指すとよいでしょう。
視聴者維持率を確認する方法
次に、YouTubeに投稿した動画を管理するツール「YouTube Studio」を使って視聴者維持率を確認する方法をご紹介します。
- YouTubeから「YouTube Studio」にログインする。
- 左側メニューから「コンテンツ」を選択する。
- 動画の一覧から、視聴者維持率を確認したい動画の「アナリティクス」(グラフのマーク)を選択する。
- 「エンゲージメント」タブを選択する。
視聴者維持率の分析方法
上記の手順でYouTubeアナリティクスで視聴者維持率を表示させると、動画中のどこで離脱が「多い」または「少ない」かを読み取れます。視聴者維持率から視聴者の傾向や、動画の弱点を分析する方法を紹介します。
視聴者維持率にかかわる重要なシーンを見つける
YouTubeアナリティクスの視聴者維持率を表すグラフでは、視聴者維持率に大きく影響を与えるシーンが水色にハイライト表示されます。この重要なシーンは「イントロ」「トップモーメント」の大きく2つに分けられます。
イントロ
「イントロ」を選択すると、動画の冒頭30秒を超えて、視聴を継続したユーザーの割合が示されます。動画の冒頭は、視聴者が視聴を続けるかを判断する重要な部分です。イントロの視聴者維持率が高い場合、動画のサムネイルやタイトルを見て視聴者が抱いた期待に、動画の内容が応えていると判断できます。
反対にイントロの視聴者継続率が低い場合、後述する対策を行う必要があります。
トップモーメント
「トップモーメント」を選択すると、視聴を停止した人がほぼいなかった部分がハイライトされます。これは、動画の中でもっとも魅力的な部分と読み取れます。
視聴者が注目している部分を把握することで、その後の動画制作や他の動画の改善に役立てられます。
視聴者維持率の傾向を知る
上記のほかにも、グラフの形状によって、視聴者が動画の最中にどのような行動をとっているか、傾向を分析できます。
平坦パターン
グラフの形状が平坦な場合、長い時間継続して視聴されていることを表します。視聴者維持率のグラフが、最初から最後まで平坦に近ければ、離脱する人が少ない理想的な状態であるといえます。
下降パターン
グラフの形状がある時点から下降している場合、時間とともに動画への関心が失われていることを表します。一般的に、YouTube動画は徐々に視聴者が離脱するのが自然であり、緩やかな下降であれば正常の範囲です。しかし、急激に下降するポイントがある場合は、その時点に視聴者が離脱する原因があることが考えられます
山パターン
グラフが山状になり、急激に上昇する箇所がある場合、2つの可能性が考えられます。ひとつは、動画の中に注目される箇所があり、何度も視聴された場合です。視聴者がチャプタ機能を利用して目的の箇所までスキップしていることも考えられるでしょう。一方で、音声が聞き取りにくいなど、マイナス要素で何度も視聴されている可能性も考えられます。
谷パターン
グラフが谷状になり、急激に下降している箇所は、視聴をやめた視聴者が多くいたことを表しています。また、視聴者がその箇所で動画をスキップしたり、別の箇所に移動したりした可能性があります。
視聴者維持率を上げる方法・施策
最後に、視聴者維持率を高めるための施策を紹介します。
サムネイルと動画の内容を一致させる
前述のように、動画の冒頭(イントロ)で多くの視聴者が離脱している場合、ユーザーがサムネイルやタイトルを見て抱いた期待値に、本編が応えられていない可能性があります。
動画の内容を修正できれば理想的ですが、難しい場合はサムネイルやタイトルを動画に合った表現に修正しましょう。
動画の冒頭30秒を魅力的にする
上記のように、動画の冒頭は視聴を継続するかを決める重要な部分です。動画の冒頭で「求めていた内容ではない」「つまらない」印象を与えると、視聴者は簡単に視聴をやめてしまいます。動画の冒頭30秒は、その動画の見どころを端的に伝えるなど、視聴を継続したくなるような内容を盛り込みましょう。
テンポのよい構成にする
「知りたい情報がなかなか出てこない」「出演者がダラダラ話すだけで、内容がわかりにくい」などメリハリのない構成では、視聴者が途中で飽きてしまう恐れがあります。動画の中に「視聴者への問いかけ」と「答え」をちりばめる、冗長なシーンはカットするなど、テンポのよい構成にすることで視聴者を飽きさせないことが大切です。
音量やBGMを適切に使用する
大きすぎる音、騒々しい状態が長く続く動画は、うるさい印象を与え、離脱につながる場合があります。YouTubeに投稿する動画の音量は、一定以上になると自動的に調整されますが、視聴者に不快感を与えないような音声であることを意識するのは大切です。
また、BGMは盛り上がるポイントを演出するなど、効果的に使うことで構成にメリハリをつけ、飽きにくくする効果もあります。
まとめ:成功パターンを見つけ、視聴者維持率を改善しよう
このように、YouTubeにおける視聴者維持率は、視聴者にとって満足度の高い動画であるかどうかを見極める指標にもなります。
視聴者維持率を分析することで、自分のチャンネルに合った成功パターンを見つけ、チャンネル全体の改善につなげましょう。
本記事では、その中でも特に重要な要素である「視聴者維持率」に焦点を当て、どのようにして視聴者が動画を継続して視聴するかをご紹介します。目標の目安である視聴者維持率40%を目指す方法についても解説しています。