YouTubeの総再生時間(視聴時間)はなぜ重要?確認の仕方や増やす方法を解説

動画マーケティング
公開日:2023年6月9日 / 最終更新日:2024年9月10日
YouTubeの総再生時間(視聴時間)はなぜ重要?確認の仕方や増やす方法を解説
山畑 達也
山畑 達也 株式会社VIDWEB 代表取締役社長

YouTubeチャンネルを運営する際の指標のひとつ「総再生時間」について解説します。YouTubeの総再生時間とは、特定のチャンネルで動画が視聴された時間の合計のことです。

山畑 達也

では、総再生時間が増えると、チャンネル運営者にはどのようなメリットがあるのでしょうか。この記事では、YouTube総再生時間を伸ばすことで得られる効果や総再生時間を増やす方法について紹介します。

この記事の要約
  • YouTubeの総再生時間は、収益化に必要な重要指標である
  • 総再生時間を増やすためには、動画本数の増加や尺の長さの最適化が効果的
  • ショート動画や再生リストの活用も総再生時間向上に役立つ

YouTubeの総再生時間とは?

YouTubeの総再生時間とは、視聴者が動画を視聴した時間の合計のことです。単位は「時間」で表されます。

YouTubeにアップロードした動画を管理する「YouTube Studio」では、指定した期間の動画の総再生時間を表示できます。また、対象範囲も「コンテンツ(動画)ごと」や「チャンネル全体」などの項目で総再生時間を確認できます。

つまり、YouTubeの総再生時間は、一定期間のコンテンツごとの再生時間やチャンネル全体の再生時間の合計を計る指標であると覚えておきましょう。

YouTube総再生時間が重要な理由

YouTubeチャンネルを分析するための指標には

  • 「視聴回数」
  • 「平均視聴時間」
  • 「視聴維持率」
山畑 達也

上記のようにさまざまな観点があります。そのなかでも「総再生時間」はどのような点で重視されているのでしょうか。

総再生時間4,000時間が収益化条件

YouTubeの総再生時間が影響するもっとも重要なポイントは「チャンネルの収益化」です。

自身のYouTubeチャンネルの動画に広告を配信し、収益を得るためにはYouTubeが提供する「YouTubeパートナープログラム(通称 YPP)」に参加しなければなりません。このYPPの参加条件のひとつとして「チャンネルの総再生時間4,000時間以上」があります。YPPの詳細な資格要件は以下の通りです。

チャンネル登録者数が1,000人以上 かつ有効な公開動画の総再生時間が直近の12カ月間で4,000 時間以上である。

引用元:YouTube パートナー プログラムの概要と利用資格 – YouTubeヘルプ
山畑 達也

ここで注意したいのが、総再生時間にカウントされるのは「公開した動画」であることです。YouTube Studioでは「非公開」「限定公開」の再生時間も確認できますが、YPPの参加条件は公開した動画の総再生時間であることを認識しておきましょう。

また、近年では上記の参加条件以外にも「チャンネル登録者数1,000人以上かつ、有効な公開ショート動画の視聴回数が直近90日間で1,000万回以上」という選択肢が追加されました。これによりチャンネル運営者は「チャンネル登録者数1,000人以上」という絶対条件に加え「公開動画の総再生時間」または「ショート動画の視聴回数」のどちらかの条件をクリアすれば、収益化の要件を満たせるようになりました。

ただし、ショート動画が再生されたことによる視聴時間は、前述の「総再生時間4,000時間」にはカウントされないことに注意が必要です。YPP参加を目標とする場合、ショート動画はあくまで「視聴回数」が基準になることを覚えておきましょう。

YouTube総再生時間を増やすメリット

総再生時間を増やすことは、YouTubeチャンネルの収益化以外にもメリットがあります。それは、関連動画として自分の動画が表示されやすくなることです。

総再生時間が増加すると、YouTubeがチャンネルのテーマや視聴者の傾向を学習し、この動画をどんな興味を持つ人におすすめするべきか理解できるようになります。その結果、関連するテーマの検索結果や「次の動画」欄に表示されやすくなるのです。

このように、総再生時間を増やすことは多くの人に動画を見てもらうチャンスを広げることにもつながります。

YouTube動画を多くの人に見てもらうためには「視聴回数」を伸ばす工夫も必要です。視聴回数を増やす方法は以下の記事を参考にしてください。

YouTube総再生時間を確認する方法

次に、YouTubeの総再生時間を確認する手順をご紹介します。

  1. YouTube Studioにログインする。
  2. 左側メニューから「アナリティクス」を選択する。
  3. 表示された「視聴回数」「総再生時間」「チャンネル登録者」のタブから総再生時間を選択する。

なお、上記で確認できるのは「チャンネル全体」の総再生時間です。コンテンツごとの総再生時間を見たい場合、アナリティクスの詳細を表示し、統計情報の項目として「総再生時間」を選択すると確認できます。

YouTube総再生時間を増やす6つの方法

ここからは、YouTubeの総再生時間を増やす方法を紹介します。さまざまなアプローチがあるため、自身のチャンネルの状況に応じて優先順位を決めて取り組みましょう。

動画の投稿本数を増やす

YouTubeの総再生時間を伸ばすためには、動画の投稿本数を増やすことが有効です。

そもそも動画の本数が少なければ、自分の動画が再生されるチャンスも少なくなります。定期的に動画を投稿し、チャンネル内のコンテンツ数を増やせば、表示される機会、視聴される機会が増え、必然的に再生時間の増加につながります。

また、一定数の動画を投稿すれば、最後まで視聴される動画(総再生時間が伸びやすい動画)とそうでない動画が出てくるでしょう。このように、視聴者が動画をどれくらい見続けたかを表す指標を「視聴者維持率」といいます。

視聴者維持率が高い・低い動画を分析すれば、再生時間の増加に貢献する動画の傾向をつかむこともできます。この傾向をもとに動画のテーマや構成、編集を工夫することで、視聴者により長く見てもらえるコンテンツを作れるようになるでしょう。

質を維持したうえで動画の尺を長くする

総再生時間は動画再生時間の総合計のため、長い動画を最後まで見てもらえれば、当然、総再生時間も増加しやすくなります。

ただし、やみくもに動画の長さを長くすればいいわけではありません。尺の長い動画は構成が間延びしやすく、視聴者が途中で飽きれば離脱につながります。収益化を目指して総再生時間を伸ばしたい場合でも、ムダに長い動画ではなく、内容があり、視聴を継続したくなるような構成の動画を制作することが重要です。

動画の最適な長さは、動画のジャンルによっても異なります。例えば、メイク、料理、DIYなど工程が重要かつ、完成がどうなるのか気になるジャンルでは、動画の尺が長くても最後まで視聴される可能性が高くなります。動画の尺を検討する際には、同ジャンルの動画を参考にして傾向をつかむようにしましょう。

動画の冒頭30秒を魅力的にする

視聴者は、YouTube動画の冒頭30秒程度で視聴をやめるか、そのまま見続けるか判断することが多いといわれています。

動画のサムネイルやタイトルをみて「自分が求めている動画」だと思って再生しても、なかなか見たい内容が始まらなければ離脱につながってしまいます。

これを防ぐためには、動画の冒頭30秒部分をよりわかりやすく魅力的にする必要があります。イントロ(導入の説明)では短く、わかりやすく動画の見どころを伝え、すみやかに本題に入るとよいでしょう。また、冒頭で動画の後半に出てくる情報やメリットを予告し、視聴を続けたくなるように促すのも効果的です。

シリーズ化する

同じテーマの動画をシリーズ化し、複数の動画を公開することも総再生時間の増加に貢献します。

例えば「Part1、Part2…」「前編・後編」などで構成されるいわゆる「続きモノ」は、継続して複数の動画を視聴する動機になります。また、シリーズの動画を順次公開すれば、公開された際にまた視聴できるようにチャンネル登録するきっかけにもなります。

シリーズ動画や同じテーマの動画が複数そろった際には、次の項目で紹介する「再生リスト」化するのも効果的です。

再生リストを作成する

YouTubeの「再生リスト」とは、チャンネル運営者が動画をリストとして登録できる機能です。視聴者が「再生リスト」を再生すると、リストに含まれる一連の動画が自動的に、連続して再生されます。

通常であれば、視聴者はひとつの動画を見たら、同じテーマの違うチャンネルの動画に移ってしまう可能性が高いものです。しかし、テーマを決めて再生リスト化することで、視聴者に自分のチャンネルの動画をより多く、長く見てもらえる可能性が高まります。チャンネル内のコンテンツ数が一定数たまったら、ぜひ実施したい施策です。

ショート動画を活用する

YouTubeショートとは、60秒以内の短い縦長動画を公開できるYouTubeの投稿フォーマットです。

近年は、TikTokやInstagramストーリーズなどの流行から尺の短い動画の需要が高まっており、YouTubeでもショートの活用が活発化しています。

前述のように、YouTubeショートの再生時間は収益化の条件である「公開動画の総再生時間」にはカウントされません。しかし、ショートを活用することでチャンネル全体の総再生時間・視聴回数を伸ばし、YouTubeからのチャンネル評価を高める効果が期待できます。

YouTubeショートについてもっと知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

継続的な施策でYouTube総再生時間を伸ばそう!

この記事では、YouTubeの総再生時間の基礎知識と確認方法、総再生時間を増やすためのポイントを紹介しました。

6つのポイントを解説しましたが、YouTubeの総再生時間はひとつの施策を行えば爆発的に伸びるというものではありません。「立ち上げたばかりのチャンネルで動画の数が少ない」「動画の数はあるが内容・構成に改善の余地がある」など、課題によって打ち手はさまざまです。チャンネルの状況に合わせて、複数の施策を組み合わせながら継続的に対策を実施しましょう。

山畑 達也
山畑 達也 株式会社VIDWEB 代表取締役社長

20年以上にわたりオンラインマーケティング、オンライン広告業界に身を置き、数々の新規サービスや新規事業の立ち上げと事業運営、会社経営に携わる。2021年に動画制作から動画広告、動画マーケティングまでを総合的に提供する株式会社VIDWEB(ビッドウェブ)の代表取締役に就任。

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