「インプレッションのクリック率(YouTube)」とは?指標の説明、平均、上げる方法も解説

動画マーケティング
公開日:2023年6月16日 / 最終更新日:2024年8月27日
「インプレッションのクリック率(YouTube)」とは?指標の説明、平均、上げる方法も解説
山畑 達也
山畑 達也 株式会社VIDWEB 代表取締役社長

YouTubeは現代のビデオコンテンツの主要なプラットフォームとして、多くのユーザーに利用されています。しかし、YouTubeマーケティングで成功するためには単に動画をアップロードするだけでは不十分です。

山畑 達也

ビデオのインプレッションの数だけでなく、その中でのクリック率も重要な要素です。この記事では、YouTubeのインプレッションのクリック率について詳しく説明し、平均的なクリック率とクリック率を上げる方法について解説します。

この記事の要約
  • YouTubeのインプレッションクリック率:サムネイル表示回数に対するクリック割合を示す
  • 高クリック率の動画:アルゴリズム評価が高く、視聴回数増加につながる
  • クリック率向上策:魅力的なサムネイルと分かりやすいタイトルの作成

YouTubeの「インプレッションのクリック率」とは?

YouTubeチャンネルを運営し、より多くの視聴者に動画を見てもらいたい場合、自分のチャンネルに到達した視聴者の行動データを分析し、チャンネルの改善に活かすことが大切です。YouTubeチャンネルの運用結果を表すデータにはさまざまな種類がありますが、そのひとつに「インプレッションのクリック率」があります。

「インプレッションのクリック率」とは、YouTube動画のサムネイルが表示された回数(インプレッション数)のうち、クリックされた回数の割合を示した値のことです。わかりやすくいうと、フィードや検索結果、関連動画などに表示されたサムネイルを見て、どのくらいの人が興味を持ち、アクションを起こしたかを表す指標といえます。

山畑 達也

YouTube動画の評価は「再生回数100万回突破!」など「どれだけ見られたか(視聴回数)」に注目が集まりがちです。しかし、チャンネル登録者数がまだ多くないチャンネルでは、よほどの大ヒット動画にならなければ視聴回数のみを急激に伸ばすのは難しいことです。成長途中のチャンネルでは、視聴回数を伸ばすためにもインプレッションのクリック率を高めることが重要になります。

YouTubeにおけるインプレッション数とは?

「インプレッションのクリック率」をより理解するために「インプレッション」と「クリック率」それぞれの意味についても知っておきましょう。

YouTubeにおける「インプレッション数」とは、動画のサムネイルがホーム画面や検索結果、動画再生ページの関連動画(次の動画)などに表示された回数のことを表します。ただし、インプレッションとしてカウントされるのは、サムネイルの50% 以上の部分が 1 秒以上画面に表示されたときです。

インプレッション数については、こちらの記事も参考にしてください。

「インプレッションのクリック率」はなぜ重要?

YouTubeにおける「クリック率(CTR)」とは、上記で説明したサムネイルが表示された回数(インプレッション数)のうち、どのくらいの割合でクリックされたかを表す指標です。

では、さまざま指標のなかでも「インプレッションのクリック率」はなぜ重要なのでしょうか?

重要な理由1:アルゴリズムに評価される

第一に、クリック率の高い動画は、YouTubeのアルゴリズムで質の高い動画と評価されるからです。クリック率の高さは人気の動画であることを示しており、関連するテーマの動画を求める人の検索結果や関連動画に表示されやすくなります。これは、インプレッション数の増加につながります。

重要な理由2:リーチが広がる

第二に、インプレッション数が増えれば、動画を見てもらえるチャンスが増え、クリック率、視聴回数のさらなる増加も見込めます。つまり、インプレッション数とクリック率をどちらも増やすことが、視聴回数を伸ばす好循環になります。

「インプレッションのクリック率」確認方法

次に「インプレッションのクリック率」の見方を確認しておきましょう(※PCを想定)。

自分のYouTubeチャンネルのデータは、投稿した動画を管理するツール「YouTube Studio」から閲覧できます。

  1. 「YouTube Studio」にログインする。
  2. 左側メニューから「アナリティクス」を選択する。「アナリティクス」を選択
  3. 「コンテンツ」タブから「インプレッションのクリック率」の項目を確認する。「インプレッションのクリック率」で確認

上記「インプレッションのクリック率」タブでは、計測期間を指定して数値の変化をグラフで見られます。また、隣のタブでは「インプレッション数」「視聴回数」も確認できるため、各指標がどのように影響しているのかを確認できます。

「インプレッションのクリック率」平均

「指標の重要性は理解したけど、どのくらいを目指せばいいのかわからない」という方もいるでしょう。

YouTubeヘルプでは、YouTube の全チャンネルと全動画の半数でインプレッションのクリック率は2~10%の範囲におさまるといわれています。

ただし、動画の内容やチャンネルの状況によって差があることには留意が必要です。例えば、開設してまもないチャンネルや視聴回数が少ない動画では、さらにクリック率のバラつきが大きくなります。また、ホーム画面に表示されるなどしてインプレッションが急増した場合、母数の増加に合わせてクリック率が低くなることもあります。

山畑 達也

このように「インプレッションのクリック率」は、チャンネルの人気度や動画の内容によっても変わるため、一概に「何%以上あれば良い」とは言い切れません。そのため、一般的な平均値を目指すよりは、自分のチャンネル内で動画を比較・改善するための指標や、広告の効果検証に活用するとよいでしょう。

「インプレッションのクリック率」を上げる方法

最後に「インプレッションのクリック率」を上げる方法を紹介します。「インプレッション数」「クリック率」で対策が異なるため、それぞれに分けて紹介します。

インプレッション数を上げる方法

YouTubeで「インプレッション数」を伸ばすポイントには以下のような方法が考えられます。

定期的に動画を投稿し、動画数を増やす

YouTubeでインプレッション数を伸ばすためには、総再生時間(チャンネルまたは動画ごとの視聴時間の合計)を増やすことも有効とされています。YouTubeに自分のチャンネルのテーマや視聴者層を理解してもらうためには、ある程度の動画本数が必要です。動画を定期的に投稿することでチャンネル全体のコンテンツ量と再生時間を増やしましょう。

動画テーマに合ったキーワードを含むタイトルをつける

YouTube検索では、タイトルや動画の説明に含まれるキーワードをもとに結果を表示します。そのため、YouTubeに投稿する動画のタイトルには、ターゲットとなるユーザーが検索するときに使うと思われるキーワードを含めることが大切です。また、この動画を見るとわかることやメリットが明確に伝わるようなタイトルをつけることは、クリック率の向上にもつながります。

需要のあるテーマ、ジャンルの動画を作る

こだわって制作した動画でも、見たいと思う人が多くなければインプレッションにはつながりません。YouTubeでより多くの人に動画を見てもらいたい場合には、需要のある動画ジャンルやテーマを選択することも重要です。

チャンネルのテーマ、ターゲットを統一する

テーマやターゲットを統一してチャンネルを運営することで、YouTubeがチャンネルのコンセプトを理解しやすくなり、チャンネルや動画に合ったユーザーに動画が表示されやすくなります。また、テーマに関心のある人が「また後でほかの動画も見よう」とチャンネル登録すれば、登録チャンネル画面などで表示される可能性が高まります。

このほかにも、動画のテーマやターゲットを統一することは、関連する動画を続けて見てもらえる可能性が高まるなど、クリック率の向上にも貢献します。

エンゲージメント率を高める

エンゲージメント率が高い動画も、YouTubeから「人気の動画」であるとの評価が高まり、インプレッション増につながります。

YouTubeにおけるエンゲージメント率とは、動画に対して視聴者が「反応した」割合を示す指標です。この「反応」には、視聴回数のほか高評価数、視聴維持率、コメント数が含まれます。YouTube動画の中で「Goodボタン(高評価)」を促すYouTuberが多いのはこのためです。

クリック率を上げる方法

続いて、インプレッションから「クリック率」を高める方法を紹介します。

サムネイルをわかりやすく、魅力的にする

表示されたサムネイルのクリックを促すには、サムネイル画像の内容が「見たい」と思わせる内容になっていることが大切です。「動画のタイトルや重要なポイントを大きく目立つように表示する」「動画内の見どころがわかる画像を使用する」などの工夫でクリックを促しましょう。

サムネイルの作り方については、こちらの記事も参考にしてください。

動画のタイトルを工夫する

YouTube動画のタイトルは、サムネイルの下に表示される文字情報のことです。ユーザーはサムネイルだけでなく、タイトルも見て動画を「見る・見ない」を判断しています。そのため、タイトルの表現を工夫し、クリックを促すことも重要です。

具体的には、動画の内容をわかりやすく表現するのはもちろん、例えば「正直レビュー」「保存版」など動画のベネフィットがわかるようなフックをつけるのも効果的です。

既存のチャンネル登録者の興味を引く内容にする

クリック率を高めるためには、既存のチャンネル登録者の存在を意識することも必要です。すでにチャンネル登録している人は、そのチャンネルが発信する内容に興味のある人のため、動画を見てくれる可能性が高いユーザー層といえます。

前述の「チャンネルのテーマ、ターゲットを統一する」でも述べたように、既存のチャンネル登録者が興味を持つような内容の動画を投稿することは、クリック率の向上につながります。

まとめ:インプレッション数、クリック率どちらも見ることが大切

YouTubeにおける「インプレッションのクリック率」はサムネイルが表示された回数のうち、クリックされた割合を示す指標であることを解説しました。

山畑 達也

ご紹介したように「インプレッション数」を伸ばす対策と「クリック率」を高める対策には重なる部分があります。どちらの指標もチェックしながら、相互の指標をバランスよく高める施策を行うことで「インプレッションのクリック率」の最適化を目指すことが大切です。

山畑 達也
山畑 達也 株式会社VIDWEB 代表取締役社長

20年以上にわたりオンラインマーケティング、オンライン広告業界に身を置き、数々の新規サービスや新規事業の立ち上げと事業運営、会社経営に携わる。2021年に動画制作から動画広告、動画マーケティングまでを総合的に提供する株式会社VIDWEB(ビッドウェブ)の代表取締役に就任。

動画制作・映像制作の相談