縦型動画は、今や動画マーケティングに欠かせないコンテンツの一つです。
新商品のPRやSNS運用に縦型動画を活用したいと考えているマーケターの方は、具体的な活用事例や作り方のコツについて詳しく知りたいのではないでしょうか。
そこでこの記事では、縦型動画の特徴とメリット、活用事例、作り方のポイントについて詳しく紹介します。
- これから動画マーケティングを始めたみたい
- YouTubeチャンネルをすでに運用中だが、視聴回数の伸ばし方に悩んでいる
縦型動画とは?
縦型動画とは、スマートフォンを縦に持ったまま視聴できる動画形式のことです。この形式は、スマートフォンの普及とともに人気が高まり、特にYouTubeショート、TikTok、InstagramリールなどのSNSプラットフォームでよく見られます。
縦型動画と横型動画の違い
以下は縦型動画と横型動画の比較表です。
推奨事項 | 縦型動画(9:16) | 横型動画(16:9) |
---|---|---|
デバイス | スマートフォン | パソコン・テレビ |
再生時間 | 数秒~2分の短尺 | 2分以上の長尺 ※広告は短尺推奨 |
ジャンル | ・新商品のPR ・商品レビュー ・パフォーマンス | ・製品情報 ・サービス詳細 ・インタビュー |
プラットフォーム | ・YouTubeショート ・TikTok ・Instagramリール ・Instagramストーリーズ ・Facebookリール ・Facebookストーリーズ ・LINE VOOM | ・YouTube ・X(旧Twitter) ・ニコニコ |
縦型動画はスマートフォンに最適化されており、一方、横型動画はパソコンやテレビでの視聴に適しています。動画コンテンツの効果を最大化するためには、内容や投稿場所に応じて縦型と横型を使い分けることが重要です。
縦型動画の特徴とメリット
縦型動画の特徴とメリットは以下の4つです。
- スマホをシームレスに使える
- 視聴者に没入感や臨場感を提供できる
- SNSのショート動画と相性がよい
- 再生回数とエンゲージメント率の向上が期待できる
それぞれについて説明します。
スマホをシームレスに使える
縦型動画は、視聴者にシームレスな体験を提供できます。スマホユーザーの多くはデバイスを縦向きに持ち、複数のアプリを同時に起動するため、横向きに持ち直す動作を負担に感じます。
縦型動画はスマートフォンを持ち替えることなく視聴でき、他のアプリも同時に操作しやすいため、視聴のハードルを下げることができます。
視聴者に没入感や臨場感を提供できる
縦型動画は、画面全体で視覚的な情報を伝えられるため、視聴者に没入感や臨場感を提供できます。
米国を拠点とする動画配信サービスvimeoの調査データ<sub>※1</sub>によると、Facebookにおける縦型動画は、正方形の動画と比べて可視性が13.8%向上し、画像付きの投稿と比較して視認性が90%高いとのことです。
動画の没入感や臨場感は、視聴者がコンテンツを楽しむための重要な要素であり、視聴後の満足度が向上します。
※1 Wibbitz | 7 stats that show why vertical video is king on social media
SNSのショート動画と相性がよい
縦型動画はインパクトがあるため、長尺だと疲れるというデメリットもあります。しかし、この特性こそが、気軽に楽しめる短尺コンテンツと相性が良い理由です。
最近では、TikTokが広告収益分配プログラムを開始し、Instagramが投げ銭機能を導入するなど、縦型動画で収益を得られるSNSが増加しています。これらの動向から、縦型動画の需要は今後も増え続けることが予想されます。
再生回数とエンゲージメント率の向上が期待できる
SNSユーザーは年々増加傾向<sub>※2</sub>にあり、縦型動画は魅力的なコンテンツであるため、再生回数やエンゲージメント率の向上が期待できます。
TikTok公式によると、横型を縦型動画に編集したとき、視聴率が約4倍、エンゲージメント率が9倍以上に増加したというデータがあります。
「1.縦型に切り出し」の手法で編集した広告動画の効果はより高く、横型動画(上下のスペースに黒み)に比べて、6秒視聴率が391%、エンゲージメント率は923%と9倍以上だった。
引用:TikTok For Business | 「TikTok広告クリエイティブTips」公開 〜横型動画を縦型に編集することで、効果を最大化〜
自社の商品やサービスをより多くのユーザーにアピールしたい場合、縦型動画は有効な手段となります
※2 厚生労働省 | 令和4年版 情報通信白書
本編は通常の動画を作成し、要点のみを切り取った複数の縦型動画(ショート)を展開することで、1つの動画を有効活用しているクライアントさまもいらっしゃいます!
縦型動画の作り方
縦型動画の作成方法には、自社で制作する方法と、動画制作会社に依頼する方法の2つがあります。SNSアカウントの投稿数を増やしたいときは、自社で制作することをおすすめします。
しかし、広告運用の検討や、社内リソースが不足しているときは、縦型動画のノウハウを持つ動画制作会社に依頼することで、マーケティングの効果を高められる可能性が高いです。
次に、それぞれの作り方のポイントを紹介します。
自社で縦型動画を制作する場合
自社で縦型動画を制作するときのポイントは以下の4つです。
- シリーズ化できる企画を立案する
商品やサービスの使い方、社長のインタビューなど、シリーズ化できる企画を立案しましょう。企画の構成→撮影→編集→投稿→分析→修正というサイクルを繰り返すことで、縦型動画を最適化できます。
- 最初の数秒で何の動画かわかるようにする
視聴者にスキップされないように、最初の数秒で何の動画かわかるように制作しましょう。冒頭は人物から始め、テロップや音声で情報を補足することで、視聴者の関心を引きつけることができます。
- 横型動画がある場合はリサイズして活用する
YouTubeチャンネルに投稿済みの横型動画がある場合は、縦型にリサイズして活用しましょう。動画の詳細欄にリンクを掲載することで、視聴者をYouTubeチャンネルに誘導できます。
- あえて作り込みすぎない
オーガニック投稿する場合、作り込みすぎた縦型動画は広告感が強いため、ユーザーがコメントや「いいね」をつけにくくなる可能性があります。適度に余白を残すような企画や構成を考えることで、エンゲージメントを高められます。
動画制作会社に依頼するときのポイント
動画制作会社に依頼するときのポイントは以下の3つです。
- 縦型動画の制作実績の豊富さ
広告や商品PR、ブランディング目的で縦型動画を制作する場合は、縦型動画の実績がある会社に依頼しましょう。カジュアルな形式といえど、動画品質が商品やサービスと直結する可能性があるからです。
- 制作ジャンルの幅広さ
SNSでは、さまざまな企画やコンテンツ形式を試して、その結果をもとに改善を繰り返します。そのため、実写、アニメなど、多様なジャンルに対応できる制作会社を選びましょう。
- 運用サポートの有無
動画を制作するだけでなく、運用サポートがある制作会社を選びましょう。より効果的な動画マーケティングを展開できます。
縦型動画の活用事例5選
縦型動画は一度作ってしまえば、加工して複数のSNSアカウントに投稿したり、動画広告に活用したりできます。ここでは、企業の活用事例をいくつか紹介します。掲載の事例は他社事例を含んでおります。
1.味の素株式会社(YouTubeショート)
画像引用:味の素KK公式チャンネル(AJINOMOTO OFFICIAL)
味の素KKの公式チャンネルは、YouTubeに投稿しているレシピ動画や、テレビCMを縦型動画にリサイズして投稿しています。テロップや字幕が入っているので、ミュートにしていても内容を理解できます。
2.トゥモローゲート株式会社(YouTubeショート)
画像引用:西崎康平 ブラックな社長
ブランディング会社のトゥモローゲートは、代表や社員へのインタビュー動画を公開しています。縦型動画にテロップやエフェクトを追加することで、最後まで飽きずに視聴できるよう工夫されています。また、縦型動画の続きとして、YouTube動画のリンクがコメント欄に貼ってあります。
3.小田急百貨店 新宿店 デパ地下(Instagramリール)
画像引用:小田急百貨店 新宿店 デパ地下|スイーツ&グルメ【公式】
小田急百貨店 新宿店は、デパ地下店舗の来店レポートやフェスの告知、お惣菜やスイーツのテーブルコーディネート動画を投稿しています。商品の魅力をダイレクトにPRしている動画のため、視聴者の購買意欲を刺激します。
4.株式会社CODE SHARE(Instagramリール)
画像引用:fifth公式Instagram
CODE SHAREが運営するファッション通販「fifth」のInstagramアカウントです。着回しコーディネートや新作紹介などの定番コンテンツから、同じアイテムを色や身長で比較した動画など、独自の視点でおすすめ情報を提供しています。
5.アイリスオーヤマ株式会社(TikTok)
画像引用:アイリスオーヤマ【公式】
アイリスオーヤマは、TikTokで日常生活に役立つ情報を定期的に発信しています。直接的な商品PRは一切行わず、ライフハックやお悩み解決を通じて、自然と商品に対する興味を引き出す構成になっています。
縦型動画を活用してマーケティングの効果を最大化しよう
スマートフォンの普及により、縦型動画はマーケティングの重要なツールとなりました。視聴者がシームレスにコンテンツを楽しむことができ、エンゲージメントを高めることができます。しかし、動画の効果を最大化するには、動画の内容や構成、投稿のタイミングなど、さまざまな要素を考慮する必要があります。
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