縦型動画とは?横型との使い分け・企業の活用例・作り方を、縦型を前提に撮る制作会社が解説

動画マーケティング
公開日:2023年12月15日 / 最終更新日:2026年9月10日
縦型動画とは?横型との使い分け・企業の活用例・作り方を、縦型を前提に撮る制作会社が解説
山畑 達也
山畑 達也 株式会社VIDWEB 代表取締役社長

「横型で撮った動画があるので、縦型に作り直せますか」というご相談をよくいただきます。できる場合もありますが、多くの場合、横型の動画をそのまま縦型動画にはできません。縦に切り抜けば人物が画面から切れてテロップが外に出ますし、横型のまま縦の画面に置けば上下に余白が残ります。

縦型動画は、横型動画の派生ではなく、撮る前に決めるフォーマットです。どの画面で見られるかを先に決め、その画面に合わせて構図と尺を設計します。

この記事では、縦型動画とは何か、横型動画との違いと使い分け、企業がどの場面で使っているかを整理したうえで、撮る前に決めておくこと、縦の画面で撮影・編集するときの設計、1回の撮影で縦型と横型を両取りする方法を、当社の制作事例とあわせてご説明します。

縦型動画は「撮る前に決める」フォーマット

横型16:9の動画を縦型9:16に切り抜くと起こる3つのこと

横型16:9の動画を縦型9:16に切り抜くと、画面の横幅は3分の1以下になります。このとき起こるのは3つです。

1つめは、被写体が切れることです。横型の構図では、人物を左右に振り分けたり、背景を広く見せたりします。縦に切り抜くと、中央の人物しか残らず、2人が並ぶ場面は片方が画面の外に出ます。

2つめは、テロップが外れることです。横型の画面の下部に横長で置いたテロップは、縦の切り抜きでは左右が切れて読めなくなります。

3つめは、余白です。切り抜かずに横型のまま縦の画面に出すと、動画は画面の中央に横長で収まり、上下に余白が残ります。YouTubeのヘルプは、パソコンのブラウザで9:16の縦向き動画を見る場合など、動画とデバイスのアスペクト比によって余白が追加されることがあると説明し、動画自体に余白や黒い帯を足さないよう求めています。縦の画面で横型を流すと、この逆の現象が起きます。

当社が制作した縦型動画の事例5件は、いずれも縦型のフォーマットで制作したものです。横型も必要な案件では、撮影の段階で縦と横の両方を想定した構図を組み、1回の撮影から両方を書き出します。縦で使うと決まっているなら、縦で撮る。これが縦型動画の出発点です。

縦型動画の基礎知識

縦型動画とは

縦型動画とは、スマートフォンを縦に持ったまま全画面で見られる、縦横比9:16の動画です。YouTubeショート、TikTok、Instagramのリールなど、スマートフォンで見ることを前提にした配信面で使われます。

横型動画との違いと使い分け

縦型動画と横型動画の違いは、画面の形だけではありません。見る場所、尺、向く内容、構図まで変わります。

項目縦型動画(9:16)横型動画(16:9)
主に見る機器スマートフォンパソコン、テレビ、スマートフォンの横向き
主な配信面YouTubeショート、TikTok、Instagramリール、縦型の動画広告YouTubeの通常投稿、Webサイト、展示会、テレビCM
短い。数十秒が中心制約が少ない。数分の説明や会社紹介に向く
向く内容人物の表情や動き、1つのメッセージ、短い体験製品の全体像、複数人の会話、風景、順を追った説明
構図人物のアップが中心。横に並べにくい人物や物を横に配置できる。引きの画が使える

どちらがよいかは、どこで見てもらうかで決まります。スマートフォンで短く見てもらう場面なら縦型、パソコンやテレビでじっくり見てもらう場面なら横型です。両方の場面があるなら、最初から両方を想定して撮ります。

縦型動画のメリットとデメリット

メリットデメリット
スマートフォンを持ち替えずに見られ、画面全体を使って伝えられる横幅が狭く、複数の人物や広い風景を入れにくい
ショート動画の配信面に載り、フォロワー以外にも届く情報量が限られ、順を追った説明に向かない
短い尺で作れるため、複数本を用意して反応を比べやすいパソコンやテレビで見ると左右に余白が出る
表情や動きを大きく見せられる横型の既存素材をそのまま流用できない

主な配信面と仕様

配信面ごとの仕様は変わることがあるため、公式の情報で確認しながら書いています。

配信面縦横比尺・仕様
YouTubeショート縦向き(9:16)または正方形最大3分まで。アップロードできる最大解像度は1080p
YouTubeショート動画広告縦向き9:16が推奨ショートフィードで再生されるのは最初の60秒
TikTok、Instagramリール縦型9:16が基本各サービスのヘルプで最新の上限を確認

YouTubeショートは、2025年3月31日から視聴回数の数え方が変わり、再生が開始された回数が視聴回数として数えられるようになりました。最短の再生時間の要件はなくなっています。

縦型動画が増えている背景

国内の動画広告市場は2025年に8,855億円で前年比122.2%でしたが、そのうち縦型動画広告は2,049億円で前年比155.9%と、市場全体より速く伸びています(サイバーエージェント・デジタルインファクト共同調査、2026年3月発表)。スマートフォンの画面を縦のまま全面で使う配信面が、広告でも投稿でも主戦場の1つになっています。

企業は縦型動画をどう使っているか

企業の縦型動画の使い方は、大きく4つに整理できます。

使い方内容向く配信面
商品・サービス紹介商品の使い方や特長を、人物の手元や表情で短く見せるInstagramリール、TikTok、YouTubeショート
採用社員の1日や職場の雰囲気を、本人が語る形で伝えるYouTubeショート、Instagramリール
展示会・営業製品デモを縦の画面で見せ、ブースやタブレットで再生する会場のサイネージ、営業用のタブレット
広告ショート面に出す動画広告。同じ商品を複数の切り口で用意して反応を比べるYouTubeショート動画広告、TikTok広告、Instagram広告

縦型はBtoCの商材に向いていると言われますが、BtoBでも成立します。採用動画で社員の日常を描く、導入前の課題から導入後の変化までを短い物語にする、展示会や営業の現場のあるあるを共感型で描く、といった使い方があります。当社が制作した縦型の事例も、プリンターのサポートサービスや、コミュニケーションロボットといった、商品の理解が要る商材のものです。

縦型動画の作り方。撮る前に決める3つのこと

縦型動画で撮る前に決める3つのこと。配信面・尺・音の前提

縦型動画の作り方で最も差が出るのは、撮影や編集の技術ではなく、撮る前に決めておくことです。

1. どの面で使うかを先に決める

投稿として出すのか、広告として配信するのか。YouTubeショートか、Instagramリールか、TikTokか。ここで尺の上限、音の扱い、画面に重なる要素が決まります。使う面を決めないまま撮ると、後から尺を切り詰めたり、テロップの位置を直したりすることになります。

横型も要るかどうかも、ここで決めます。YouTubeの通常投稿やWebサイトにも載せるなら、縦と横の両方を想定した撮影にします。

2. 尺を決める

配信面の上限と、実際に見られる長さは違います。YouTubeショートは最大3分まで作れますが、視聴者は次々に送りながら見ています。伝えたいことを1つに絞り、冒頭の数秒で何の動画かが分かる構成にします。当社の縦型の事例は、いずれも15秒から60秒の尺です。

3. 音の前提を決める

投稿として出す動画は、音を出さずに見る人が多い前提で作ります。台詞や状況はテロップでも伝わるようにし、音がなくても内容が分かる状態にします。

広告として配信する場合も、無音で伝わる設計は変わりません。加えて、YouTubeショート動画広告では、Googleが音楽やナレーションといったサウンドと、テキストオーバーレイの両方の使用を推奨しています。広告の縦型クリエイティブの設計はYouTubeショート動画広告の出し方で詳しく整理していますので、広告が前提ならそちらもご覧ください。

縦の画面で撮る・編集するときの設計

1回の撮影で縦型と横型を両取りするときの構図

縦型9:16には、横型16:9とは違う演出のルールがあります。当社が縦型の制作で前提にしているのは、人物のアップを中心にすること、カットの切り替えを速くすること、テロップを重視すること、音を出さずに見る視聴者を前提にすることの4つです。

人物はアップ、カットは速く

縦の画面は横幅が狭いため、複数の人物を横に並べる構図や、風景を広く見せる構図が使いにくくなります。その分、人物の表情に寄った構図が中心になります。1つのカットに入れられる情報が少ないので、カットを短く切り替えて情報を足していきます。撮影の段階から、寄りのカットを多めに撮っておくことが編集の自由度につながります。

画面の上下と右端はUIに隠れる

縦型の配信面では、画面の下部にアカウント名や説明文が、右端に高評価やコメント、共有のボタンが重なります。上部にも配信面の要素が出ることがあります。画面の端に置いた文字や商品は、これらに隠れるか読みにくくなります。伝えたい要素は中央寄りに置き、端は空けておきます。重なる位置は配信面や端末によって変わるため、実際の配信面で確認してから書き出します。

テロップは少なく、大きく

縦の画面では1行に入る文字数が少なく、小さな文字はスマートフォンで読めません。テロップは1画面に1つの短い句にし、大きく置きます。ナレーションの文章をそのまま載せると読み切れないので、単語か短い句に切り詰めます。

1回の撮影で縦型と横型を両取りする方法

縦と横の両方が要る案件では、撮影の段階で両方を想定した構図を組みます。考え方は単純で、横型16:9のフレームの中央に、縦型9:16の領域を置いて撮ることです。

人物や商品といった主要な要素は、中央の9:16の領域に収めます。横型で使うときは左右の余白を背景として生かし、縦型で使うときは中央の領域を切り出します。テロップは撮影後に、それぞれの画面に合わせて別々に入れます。

この撮り方をしておくと、1回の撮影から縦型と横型の両方を書き出せます。当社では、TikTok、Instagramリール、YouTubeショートが中心なら縦型9:16、YouTubeの通常投稿やWeb広告も含めるなら横型16:9も、と配信面で判断し、両方が要る場合は1回の撮影から両方のバリエーションを同時に書き出す設計にしています。撮影を2回に分けるより費用を抑えられます。

注意が要るのは、両取りを前提にすると、縦型だけの撮影に比べて構図の自由度が下がることです。左右に広がる動きや、横に並ぶ複数人の場面は使いにくくなります。縦型だけで十分な案件は、縦型に絞って撮ったほうが表現の幅は広がります。

横型素材を転用するときに起こること

すでにある横型の動画を縦型に使いたい場合、選択肢は2つです。中央を切り抜くか、横型のまま縦の画面に置くかです。切り抜けば人物が切れ、テロップが外れます。そのまま置けば、上下に余白が残り、縦型で作られた周囲の動画と並んだときに見劣りします。既存の素材を生かす場合でも、縦型として構成し直すことをおすすめします。横向きの素材をショート広告に流用する場合の注意は、YouTubeショート動画広告の出し方の「横向きの素材をそのまま流用しない」の節で整理しています。

縦型動画の制作費用と期間

縦型動画の制作費用は、撮影の有無、出演者の起用、本数で変わります。当社では広告用の動画・CMの制作費用を50万円から300万円程度としており、縦型の動画広告もこの中に入ります。ショートドラマ・縦型動画の予算設計では、30秒から90秒の単発が49万円まで、3話から5話のシリーズが50万円から99万円、5話から10話の連続ドラマが100万円から299万円が目安です。

制作期間は、当社の縦型の事例5件で2ヶ月から3ヶ月です。同じ商品を4本の場面に分けて撮ったエプソン販売様のシリーズは各2ヶ月、キャスティングから対応したヤマハ様の案件は3ヶ月でした。

縦型動画の制作事例

当社が制作した縦型動画の事例です。いずれも実写で、尺は15秒から60秒の縦型動画です。

事例配信面・用途縦型として設計したこと制作期間
エプソン販売様 縦型ショートドラマ広告(写真印刷版)WebCM、ショートSNS写真印刷のエラーをサポートが解決する場面。インフォグラフィックを多用し、縦の画面で情報を図で見せる2ヶ月
エプソン販売様 縦型ショートドラマ広告(ドキュメント印刷版)WebCM、ショートSNS提出書類の印刷でエラーが出る場面。落ち着いた女性ナレーションとインフォグラフィック2ヶ月
エプソン販売様 ショート動画広告(引取料金無料版)WebCM、ショートSNS子どもがサービスの魅力を語る構成。人物を中心に置いた縦の画面2ヶ月
エプソン販売様 ショート動画広告(遠隔サポート版)WebCM、ショートSNS初期設定の不安をオペレーターの対応で解消する様子。子どもがナビゲーター2ヶ月
ヤマハ様 コミュニケーションロボット『Charlie』紹介動画縦型、WebCM。ホームページとYouTubeで使用歌って会話するロボットの魅力を映像で表現。キャスティングから対応3ヶ月

エプソン販売様の4本は、同じサポートサービスを4つの場面に分けて1本ずつにしたシリーズです。縦の画面で人物の表情とインフォグラフィックを大きく見せ、語り手を女性ナレーションと子どもの2つのトーンに分けています。1本で当てにいくのではなく、複数の切り口を用意した構成です。ショートドラマとしての設計はショートドラマ制作の流れと作り方で詳しくご説明しています。

ヤマハ様の案件は、縦型の紹介動画をホームページとYouTubeチャンネルの両方で使っている事例です。縦型で作った動画を、SNSだけでなく自社サイトでも使う形です。

縦型動画のよくある質問

縦型動画とは何ですか?

スマートフォンを縦に持ったまま全画面で見られる、縦横比9:16の動画です。YouTubeショート、TikTok、Instagramリールなど、スマートフォンで見ることを前提にした配信面で使われます。横幅が狭いため、人物のアップと短い尺が基本になります。

動画は縦型と横型どちらがいいですか?

どこで見てもらうかで決まります。スマートフォンで短く見てもらうならYouTubeショートやリール向けの縦型、パソコンやテレビでじっくり見てもらうならYouTubeの通常投稿やWebサイト向けの横型です。両方の場面があるなら、撮影の段階で両方を想定した構図を組み、1回の撮影から両方を書き出します。

なぜ縦型動画が増えているのですか?

スマートフォンで動画を見る人が増え、縦に持ったまま全画面で見られる配信面が広がったためです。国内の縦型動画広告は2025年に2,049億円で前年比155.9%と、動画広告市場全体の伸びを上回っています。企業にとっては、フォロワー以外にも届く配信面に載せられることが大きな理由です。

縦型動画はどうやって作りますか?

撮る前に、どの配信面で使うか、尺をどうするか、音を出さずに見る前提にするかの3つを決めます。撮影では人物のアップを中心にし、カットを短く切り替え、伝えたい要素を画面の中央寄りに置きます。テロップは1画面に1つの短い句にして大きく入れます。横型も要る場合は、横型のフレームの中央に縦型の領域を置いて撮ると、1回の撮影で両方を書き出せます。

横型の動画を縦型に作り直せますか?

中央を切り抜く方法と、横型のまま縦の画面に置く方法がありますが、どちらも縦型として撮った動画には及びません。切り抜けば人物が切れてテロップが外れ、そのまま置けば上下に余白が残ります。既存の素材を生かす場合でも、縦型として構成し直すことをおすすめします。

縦型動画の制作費用はいくらですか?

当社では広告用の動画・CMを50万円から300万円程度としており、縦型の動画広告もこの中に入ります。ショートドラマ・縦型動画の予算設計では、30秒から90秒の単発が49万円まで、3話から5話のシリーズが50万円から99万円が目安です。撮影の有無、出演者の起用、本数で変わります。

まとめ: 縦で使うなら、縦で撮る

縦型動画は、横型動画を切り抜いて作るものではなく、撮る前に決めるフォーマットです。どの配信面で使うか、尺をどうするか、音の前提をどうするかを先に決め、人物のアップと短いカット、中央寄りの配置、少なく大きなテロップで組み立てます。

縦と横の両方が要るなら、横型のフレームの中央に縦型の領域を置いて撮り、1回の撮影から両方を書き出します。横型の既存素材を転用するより、縦型として構成し直すほうが、縦の配信面で見やすく、意図が伝わりやすくなります。

縦型動画の制作については、ショートドラマ・縦型の動画制作で予算の目安と制作の型をご案内しています。縦型の動画広告の制作と配信は動画広告・リスティング広告の制作・運用代行サービスをご覧ください。

山畑 達也
山畑 達也 株式会社VIDWEB 代表取締役社長

20年以上にわたりオンラインマーケティング、オンライン広告業界に身を置き、数々の新規サービスや新規事業の立ち上げと事業運営、会社経営に携わる。2021年に動画制作から動画広告、動画マーケティングまでを総合的に提供する株式会社VIDWEB(ビッドウェブ)の代表取締役に就任。

1,000社5,000本の実績
実績豊富な動画制作会社

マーケティング支援体制を持ち、課題の解決から成果の最大化までを一貫してご提案。

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