ドローン撮影の費用と依頼の流れ|企業が空撮を頼む前に決めることと許可の要否を解説

動画制作
公開日:2026年10月9日
ドローン撮影の費用と依頼の流れ|企業が空撮を頼む前に決めることと許可の要否を解説
王野 陽介
王野 陽介 株式会社VIDWEB チーフディレクター

企業がドローン撮影を頼むときの費用は、空撮だけの料金表で比べるより、空撮を入れた動画1本の費用として考えるほうが実態に合う、と当社は考えています。

当社の実績ページで、ドローンの映像を使ったことが分かる事例は13本あり、すべてが地上の撮影と組み合わせた、60秒以上の動画です。空撮は、施設やキャンパスの全景、重機が並ぶ会場、海外の拠点の外観など、地上からでは全体をとらえにくいものを見せる場面で使っています。

費用を動かすのは、飛ばす時間と撮影の日数、撮る場所の数、手続きが必要な場所かどうか、地上の撮影とどう組み合わせるかです。依頼の前に、空撮で何を見せたいか、撮影日と予備日、撮影する場所の条件を社内で決めておくと、見積もりが早く、正確になります。

この記事では、会社紹介や施設紹介、採用、展示会などの動画に空撮を入れたい企業のご担当者に向けて、ドローン撮影の費用の目安と内訳、依頼の流れ、航空法などで許可や承認が要る場合、依頼の前に社内で決めておくことを、当社の事例とあわせてご説明します。

ドローン撮影の費用は、空撮を入れた動画1本で考える

ドローン撮影の料金を調べると、空撮だけを頼む場合の料金表がよく見つかります。ただ、企業の会社紹介や施設紹介の動画では、空撮は動画の一部です。建物やキャンパスの全景を空から見せ、そのあとは地上のカメラで、働く人や設備に寄っていく、という組み立てが基本になります。

当社でも、動画全体の中で空撮にどんな役割を持たせるかを、企画の段階から設計しています。費用も、空撮の部分だけでなく、企画、地上の撮影、編集を含めた動画1本で見るほうが、見積もりを比べやすいと考えています。1か所の空撮と簡単な編集だけの構成や、お手持ちの空撮の素材の編集だけを依頼したい場合にも対応しています。

ドローン撮影の費用の目安

当社では、空撮を入れた動画の費用の目安を、作る内容ごとに次のようにお伝えしています。

目安内容の例
49万円まで1日・1か所での空撮と許可などの申請、簡単な編集を含む最小の構成。物件の紹介、工事の進み具合の記録、イベントの記録など
50万円〜99万円空撮と地上の撮影を同じ日か続く日に行い、編集まで行う標準の構成。施設の紹介、観光のPR、不動産の物件の動画など
100万円〜299万円2〜5日、複数の場所での空撮に、ブランディングの演出を加えた構成。大学のキャンパス紹介、会社紹介、リゾート施設のPRなど
300万円から大規模なロケ、テレビCM、海外での空撮、特殊な機材を使う撮影

当社は料金ページでも、ドローンと地上の撮影を組み合わせた大学のキャンパス紹介の動画を、100万円〜299万円の予算帯の例として載せています。表の金額は一般的な事例をもとにした目安で、企画の内容や撮影の条件によって変わります。

ドローン撮影の費用を動かす4つの要素

当社は、空撮を入れた動画の費用を、次の4つの要素で考えています。

ドローン撮影の費用を動かす4つの要素

飛ばす時間と、撮影の日数

飛ばす時間が長く、撮影の日数が多いほど、操縦者や補助者、カメラマンが関わる時間が長くなり、費用が上がります。天候に備えた予備日も、日程の組み方に関わります。

撮る場所の数

撮る場所が増えるほど、移動と準備、飛ばす前の確認が場所の数だけ必要になります。

手続きが必要な場所か

人口が集中している地区の上空や、空港の周辺、夜間の撮影などは、国の許可や承認が必要です。重要な施設の周辺では、別の法律で飛行が禁止されている場所もあります。手続きが必要な場所ほど、申請と安全管理の準備に手間がかかります。詳しくは、後半の「ドローン撮影に許可は要るか」でご説明します。

地上の撮影とどう組むか

空撮だけを別に頼むより、地上の撮影とあわせて1つの撮影として組んだほうが、機材や人の移動がまとまり、費用の効率が上がります。

このほか、海外での空撮や、赤外線などの特殊な機材を使う撮影は、当社の目安では300万円からの構成の例にあたります。海外では国ごとにドローンの決まりが違うため、その確認も必要です。

費用を抑える方法としては、PR用や採用用のように複数の用途に使う映像を同じ日にまとめて撮る、地上の撮影とセットで頼む、予備日を複数決めておいて天気のよい日に撮る、工事の記録のように定期的に撮るものは年間の契約にする、といった方法があります。

ドローン撮影の費用の内訳

空撮を入れた動画の費用は、主に次の4つで構成されます。

内訳主な中身
企画・構成の費用何を空から見せるか、地上の撮影とどうつなぐかの設計。飛ばす場所の条件の下調べ、飛行の計画
撮影の費用操縦者と補助者、カメラマンなどのスタッフ、ドローンと地上の撮影の機材
編集の費用空撮と地上の映像の編集、ナレーション、音楽、色の調整
その他の費用許可や承認の申請、撮影場所までの移動、宿泊、車両など

空撮の分だけを取り出した金額より、動画全体でどこに費用がかかるかを見るほうが、見積もりを比べやすいと当社は考えています。動画制作全体の費用の考え方は、動画制作の費用相場でご説明しています。

ドローン撮影は、主に全景と大きさを見せる場面に使う

当社の事例では、空撮で見せたものは、次のような場面でした。

  • 敷地や校舎、キャンパスの全景と広さ
  • 重機が並ぶ会場の様子
  • 海外の拠点の外観と、海外の事業の規模
  • 動きのある映像で、見る人を飽きさせない
  • 見る人の目を引く、印象に残る撮り方

どの事例でも、空撮は動画の中の一部です。多くは、残りを地上で撮った人や設備の映像で組み立てています。当社は、ドローンを飛ばすこと自体を目的にせず、空からでないと伝わらないものは何かを先に決めることをおすすめしています。手法から企画を考えると、何を伝える動画なのかが決まらないまま進んでしまうためです。この考え方は、ブランディング動画の作り方でもご説明しています。

施設の紹介の中で空撮をどう使うかは、施設紹介動画の作り方でもご紹介しています。

ドローン撮影の依頼の流れ

空撮を入れた動画の依頼から公開までは、次の流れで進みます。

ドローン撮影の依頼から撮影までの流れ
  1. 相談: 空撮で見せたいもの、撮影したい場所と時期をお伝えいただく
  2. 場所の条件の確認: 飛ばす場所が、許可や承認が必要な場所か、飛行が禁止されている場所かを調べる
  3. 企画と見積もり: 空撮と地上の撮影の組み立て、日数、費用を決める
  4. 申請: 必要な場合は、国への許可・承認の申請などを行う
  5. 撮影: 予備日を含めて日程を組み、当日の天候で飛ばせるかを判断する
  6. 編集・確認・納品

国土交通省は、許可や承認の申請を、飛行を始める予定日の少なくとも10開庁日以上前に出すよう求めています。申請の内容に不備があると確認に時間がかかるため、予定日から3〜4週間ほどの余裕を持つよう案内しています。なお、操縦者が人口集中地区の上空や夜間などの飛行について、期間を決めた包括の許可・承認を受けている場合は、撮影ごとに申請しなくてよいことがあります(飛行計画の通報は毎回必要です)。空港の周辺、150m以上の高さ、催しの上空などは、飛ばす日時や経路を決めて申請します。どちらに当たるかは場所と飛ばし方で決まるため、手続きが必要な場所で撮る場合は、撮影日の1か月ほど前には場所を決めて、制作会社に伝えておくと安心です。

ドローン撮影に許可は要るか

ドローン撮影に国の許可や承認が要るかは、どこで飛ばすかと、どう飛ばすかで決まります。国土交通省は、この手続きを、重さ100g以上の機体を屋外で飛ばす場合のものとして案内しています。100g以上の機体は、国への登録も必要です。

ドローン撮影の許可は飛ばす場所で、承認は飛ばし方で決まる

航空法の許可と承認が要る飛行

飛ばす場所については、空港などの周辺、緊急用務空域、地表や水面から150m以上の高さ(地上や水上の建物などから30m以内の空域を除く)、人口集中地区の上空で飛ばす場合に、国土交通大臣の許可が必要です。このうち緊急用務空域は、捜索や救助などで航空機が飛ぶときに国が指定する空域で、ほかの空域の許可があっても、原則として飛ばせません。人口集中地区は、国勢調査の結果をもとに定められた、人や家屋が密集している地区です。ただし、国土交通省の告示により、2026年7月1日から工業専用地域はこの扱いから外れています。

飛ばし方については、夜間の飛行、機体を目で見ない飛行、人や物件との間に30mの距離を保てない飛行、お祭りや展示会などの催しが行われている場所の上空での飛行、危険物の輸送、物を落とす飛行をする場合に、国土交通大臣の承認が必要です。

これらのどれにも当たらない飛行は、航空法上の許可や承認の手続きは要りません。一方で、許可が要る場所や、承認が要る飛ばし方での飛行(特定飛行)をする場合は、飛ばす前に飛行計画を国に通報し、飛行日誌を備える必要があります。なお、操縦者が国家資格の技能証明を持ち、機体が認証を受けている場合などは、許可や承認が不要になることがありますが、飛行計画の通報と飛行日誌は変わらず必要です。

30mの距離を保つ相手になる「人」は、飛行に関わっていない第三者を指します。国土交通省の解釈では、飛行の目的を操縦者と共有していて、操縦者がその人を飛行の目的に関わっていると判断し、機体が思わぬ動きをしたときの指示と安全上の注意を受けていて、関わるかどうかを自分で決められる人は、第三者に当たらないとされています。例として、映画の空撮での俳優やスタッフが挙げられています。社員の方が出演する撮影でも、事前に操縦者から説明を受けて進めることで、この考え方が当てはまる場合があります。判断は、操縦者が撮影の条件を見て行います。

重要施設の周辺と、道路・公園で撮る場合

航空法とは別に、小型無人機等飛行禁止法により、国会議事堂や首相官邸、大使館、自衛隊の施設、対象の空港、原子力事業所などの重要な施設と、その周囲おおむね1,000mの上空では、ドローンの飛行が禁止されています。この範囲は、2026年7月14日に施行された法改正で、それまでのおおむね300mから広がりました。施設の管理者の同意を得た場合などは例外になりますが、その場合も、飛ばす48時間前までに、警察署を経由して都道府県公安委員会に通報する必要があります。

道路の上空を飛ばすだけなら、原則として道路使用許可は要りません。ただし、道路で離着陸する、補助者を立たせる、看板を置く、といった作業をする場合は、警察が内容に応じて許可の要否を判断します。公園は、公園の管理者が条例などで飛行を禁止したり許可制にしたりしている場合があるため、確認が必要です。土地の上空を飛ばす場合に、いつも土地の所有者の同意が要るわけではありませんが、自治体の条例で飛行が禁止されている場所もあります。

手続きは誰がするか

航空法の許可や承認の申請は、飛ばす側が行います。当社にご依頼いただく場合は、国への申請、自治体の条例の確認、撮影場所の承諾などの手続きを当社で行います。お客様にお願いするのは、撮影当日の立ち会いと、敷地の中での移動や立ち入りの調整です。

建設現場での空撮と手続きの例は、建設・建築業界の動画活用でもご説明しています。

ドローン撮影を依頼する前に、社内で決めておく5つのこと

当社は、空撮を入れた動画を依頼する前に、次の5つを社内で決めておくと、企画と見積もりが早く進むと考えています。

空撮で何を見せるか

敷地の広さ、建物の全景、周りの環境、会場の規模など、空から見せたいものを1つか2つに絞ります。見せたいものが決まると、飛ばす場所と高さ、必要な日数が決まります。

撮影日と予備日

ドローンは、強い風や雨の日には飛ばすのが難しくなります。当社では、予備日を複数決めておき、撮影の前日から当日の朝に天候を判断しています。

注意が要るのは、開業の日や式典の日のように、その日にしか撮れない場面を空から撮りたい場合です。予備日を取れないため、天候で飛ばせなかったときにどうするかを、事前に決めておきます。たとえば、地上のカメラだけで撮る構成を用意しておく、空撮の部分は別の日に撮った全景で補う、といった方法です。

撮影場所の条件

撮りたい場所の住所と範囲、周りにある建物や道路、施設の近くに重要な施設や空港がないか、を分かる範囲でお伝えください。手続きが必要かどうかと、必要な日数の見通しが早く立ちます。

当日の立ち会いと、敷地の中の調整

撮影の当日は、敷地の中で機体を離着陸させる場所や、撮影中に人の出入りを控えてもらう場所が必要になります。社内の関係する部署や、同じ建物に入っている会社、来訪者への周知は、発注する側で進めていただくとスムーズです。

社員や来訪者の映り込み

空から撮ると、敷地の外の人や車、近くの住宅まで映ることがあります。総務省は、ドローンで撮った映像をインターネットで公開する場合について、住宅にカメラを向けない、人の顔や車のナンバー、表札などが映ったらぼかしを入れる、といった配慮を、望ましい取り組みとして示しています。社員や来訪者が映る場合は、公開する前に本人の了承を得ておくと安心です。

ドローン撮影の事例と、空撮で見せたもの

実績ページで公開している当社の事例のうち、本文にドローンの使い方が書かれている8本をまとめます(映像表現の欄にドローン撮影が入っていないものも含みます)。

事例空撮で見せたもの制作期間
帝京大学様 八王子キャンパス 施設紹介動画広大なキャンパスを伝えるため、朝から夜の時の流れに沿った構成の中でドローンを使った1.5ヶ月
桜美林大学様 キャンパス紹介ドローンと手持ちの安定器(ジンバル)で、キャンパスの大きさと動きのある映像を作った2ヶ月
桜美林大学様 新キャンパスコンセプトムービードローンとジンバルなどの機材を使い、見る人を飽きさせない映像にした2ヶ月
成城学園初等学校様 学校紹介動画新しい校舎の全景をドローンで収めた4ヶ月
京都先端科学大学様 工学部 インバウンド向け学部PR動画印象に残る映像にするため、飛んでいるドローンを別のドローンが追いかけて撮影した4ヶ月
荒井商事様 名古屋会場オープンPV開業の当日に撮影し、重機が並ぶ会場をジンバルとドローンで撮った2ヶ月
伊藤忠丸紅鉄鋼様 海外勤務の1日密着 アメリカ・シンシナティ編海外の職場の外観をドローンで撮影した(現地の撮影はアメリカを拠点とする日本人のクリエイターが担当し、編集は日本で行った)2ヶ月
伊藤忠丸紅鉄鋼様 MISI海外オフィスツアー アブダビ編撮影場所はオフィスとヤードの2か所だけだったが、ドローンの空撮素材と車で移動する場面を使い、海外の事業の規模を見せた(撮影は現地のカメラマン、編集は日本)4ヶ月

どの事例も、空撮は動画の一部で、多くはキャンパスや会場の大きさ、拠点の外観を見せる場面で使っています。映像表現にドローン撮影を含む事例は、ドローン撮影・空撮動画の動画制作・映像制作実績でご覧いただけます。海外での撮影の進め方は、海外撮影の進め方でご説明しています。

ドローン撮影でよくある質問

ドローン撮影の費用はいくらですか?

当社では、空撮を入れた動画の目安を、1日・1か所での空撮と簡単な編集で49万円まで、空撮と地上の撮影を組み合わせた標準の構成で50万円〜99万円、複数日・複数の場所での撮影で100万円〜299万円、海外や特殊な機材を使う撮影で300万円からとしています。飛ばす時間と撮影の日数、撮る場所の数、手続きの難しさ、地上の撮影との組み合わせで変わります。

ドローン撮影の許可は誰が取りますか?

航空法の許可や承認は、ドローンを飛ばす側が申請します。当社にご依頼いただく場合は、国への申請や自治体の条例の確認を当社で行い、お客様には撮影当日の立ち会いと敷地の中の調整をお願いしています。

雨や風でドローン撮影ができない日はどうなりますか?

当社では、撮影の予備日を複数用意し、前日から当日の朝に飛ばせるかを判断しています。その日にしか撮れない場面を撮る場合は、飛ばせなかったときの代わりの撮り方を事前に決めておきます。

社員が映るドローン撮影で気をつけることは?

出演する社員の方が、撮影の前に操縦者から飛行の目的と安全上の注意を聞いておくことです。飛行に関わっていない来訪者や通行人は航空法上の第三者にあたり、30mの距離を保てない場合は国の承認が要ります。映像を公開する前には、映った方の了承を得ておくと安心です。

ドローン撮影で、空撮の素材だけを頼むことはできますか?

当社では、空撮を動画全体の中で設計する進め方をおすすめしていますが、1日・1か所での空撮と簡単な編集の構成からご相談いただけます。お手持ちの空撮の素材を編集だけ依頼したい場合にも対応しています。

まとめ: ドローン撮影は、何を見せるかと撮影日・場所の条件を先に決めて依頼する

企業がドローン撮影を頼むときの費用は、空撮だけの料金より、空撮を入れた動画1本で考えるほうが実態に合う、と当社は考えています。実績ページで公開している当社の事例でも、ドローンを使った動画はすべて地上の撮影と組み合わせたもので、空撮は主に全景や大きさを見せる場面で使っていました。

費用を動かすのは、飛ばす時間と撮影の日数、撮る場所の数、手続きの難しさ、地上の撮影との組み合わせです。手続きが必要な場所では、国への申請に3〜4週間ほどの余裕を見ておく必要があります。

依頼の前に、空撮で何を見せるか、撮影日と予備日、撮影場所の条件、当日の立ち会いと敷地の中の調整、映り込みへの配慮を社内で決めておくと、企画と見積もりが早く進みます。ドローン撮影は、ドローン撮影・空撮動画制作で承っています。

王野 陽介
王野 陽介 株式会社VIDWEB チーフディレクター

映画専門学校を卒業後、大手ポストプロダクション、映像制作会社を経て、VIDWEBへ入社。CM、VP、配信など様々な映像・動画制作を経験。 クライアントが求める以上のクリエイティブをモットーとし、豊富な経験とノウハウを活かして、高いクオリティで具現化することを大事にしている。

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