建設会社や建築設計事務所で動画を作ることになったとき、最初につまずくのは企画ではありません。撮影の段取りです。
撮影日は工期と天候で決まり、現場には安全教育を受けてから入ることになり、完成した姿は竣工するまで撮れません。この3つの制約が、他の業種の動画制作とは違う判断を求めてきます。つまり、用途を決めた次に決めるのは「何を撮って、何を撮らずに作るか」です。
当社が公開している不動産・建設業界の事例は9本あり、そのうち建設会社と建築設計事務所のものが5本です。この5本のうち3本は、撮影した素材だけで作ってはいません。ご支給いただいた素材を組み合わせたもの、購入素材を足したもの、3DCGを重ねたものです。海外事業部を紹介した動画にいたっては、撮影は現地で行い、当社は日本から遠隔でディレクションしました。
この記事では、建設・建築業界の担当者が動画を発注するときに決めることを、用途ごとに何を見せるか、どの表現を選ぶか、現場でどう撮るか、撮れないものをどう見せるか、費用と期間はどれくらいか、の順にご説明します。総合建設会社、専門工事会社、建築設計事務所の広報・採用・営業のご担当者を想定していますが、段取りや費用の考え方は会社の規模が変わっても同じです。なお、物件そのものを紹介する不動産向けの動画については不動産・建設業界向けの動画制作でまとめていますので、そちらをご覧ください。
建設・建築業界で動画が使われる5つの用途と、見せるもの
建設・建築の動画は、用途によって撮るものがはっきり変わります。同じ現場を撮っても、施工実績のPRなら構造物の大きさと工程の経過を撮り、採用なら働く人の表情と1日の流れを撮ることになります。ここを曖昧にしたまま「とりあえず現場を撮っておく」と、どの用途にも中途半端な素材が残ります。
まず、5つの用途と見せるものを一覧にします。
| 用途 | 主に見せるもの | 向く表現 | 見る人 |
|---|---|---|---|
| 施工実績・技術力のPR | 構造物の大きさ、工程の経過、他社が持たない工法 | 空撮+地上撮影、定点記録 | 発注者、元請け、海外のパートナー |
| 採用 | 現場で働く人、1日の流れ、キャリアの広がり | 実写(インタビュー+現場) | 学生、転職検討者 |
| 安全教育・技能伝承 | 手順、危険が生まれる瞬間、熟練者の手の動き | 実写、アニメーション、3DCG | 自社と協力会社の作業者 |
| 完成イメージ・デジタルツイン | まだ存在しない建物、内部の空間、設備の仕組み | 3DCG、VR、360度 | 施主、入居者、自治体、投資家 |
| 海外事業・コーポレートPR | 拠点の広がり、各国での対応力、会社の姿勢 | 実写(現地撮影)、支給素材の構成 | 海外の発注者、取引先、株主 |
この表のうち、当社の公開事例で裏づけられるのは採用、完成イメージ、海外事業・コーポレートPRの3つです。施工実績のPRと安全教育については、公開している自社事例がありません。以下では、事例のある用途は事例に基づいて、事例のない用途は設計上の考え方としてご説明します。
なお、建設・建築の動画は、広報や採用より先に現場の教育から検討が始まることが多い分野です。当社の検索流入を見ても、安全教育や作業手順のマニュアル化に関する調べものが最も多くなっています。動画を作るかどうかを決める前に、まず日々の教育に使えるかどうかを確かめたい、という順序で情報を集めている方が多いのだと思います。
施工実績・技術力のPR。規模と工程の経過を見せる
施工実績の動画で効くのは、写真では伝わらない2つの情報です。1つは構造物の大きさで、もう1つは時間の経過です。
橋やトンネル、大規模な造成工事のような大きな構造物は、地上から撮った映像だけでは大きさが伝わりません。人の目に一度に収まらないからです。そこで、まず空撮で全体を見せ、そのあと地上の作業に寄っていく流れが基本になります。時間の経過は、同じ位置から定期的に撮った素材をつなぐことで見せます。基礎から躯体、仕上げまでを数十秒に圧縮した映像は、工事の規模と進め方を言葉より早く伝えます。
この定点記録は、月次や週次で同じカメラ位置から撮り続けるため、制作というより運用に近い仕事になります。当社では年間の契約という形でご対応しています。1本の動画を作って終わりにするか、工期を通して記録し続けるかは、発注の前に決めておくと進行が楽になります。
採用。現場で働く人の1日を見せる
建設業の採用動画は、業界イメージとの距離をどう詰めるかが論点になります。きつい、危険といった印象が先にあるため、仕事の内容だけを説明しても、応募のためらいは消えません。
有効なのは、現場で働く人そのものを見せることです。当社が制作した日本道路株式会社様の採用動画は「道の先の未知を切り拓く」という採用コンセプトを軸に、インタビューと勤務シーンで構成しました。インフラを支える仕事の手応えを、社員の言葉と実際の作業から伝える組み立てです。
この案件で特徴的なのは、長編、ダイジェスト、動画広告用と、使用目的に合わせて複数本を制作している点です。採用サイトでじっくり見せる本編と、説明会の冒頭で流す短い版、広告で配信する版では、必要な長さも構成も違います。1本を使い回すのではなく、最初から複数本を前提に撮影すると、後から編集し直す手間がかかりません。採用動画の企画全般については採用動画の事例15選で詳しくご説明しています。
安全教育・技能伝承。手順と危険を再現して見せる
建設業の教育動画には、他業種にない事情が2つあります。
1つは、危険が生まれる瞬間そのものを撮れないことです。転落、挟まれ、飛来落下といった災害は、実際に起こしてみせるわけにいきません。ここはアニメーションか3DCGで再現するのが現実的です。文字で読むより、危険が起きる順序が伝わります。
もう1つは、熟練者の技術が言葉になっていないことです。長年の経験で身につけた手の角度や力の入れ方は、本人も説明できないことが多くあります。作業の手元を寄りで撮り、繰り返し見られる形にしておくことは、技能伝承の記録として意味があります。
言語の問題もあります。外国人技能者が多い現場では、日本語のナレーションだけでは伝わりません。字幕を多言語化する方法もありますし、ナレーションを使わず映像と図解だけで手順を示す方法もあります。どちらを選ぶかは、視聴する環境と作業の複雑さで決まります。動画マニュアルの作り方そのものはマニュアル動画の作り方と外注の判断基準で扱っていますので、あわせてご覧ください。
完成イメージ・デジタルツイン。まだない建物と、目に見えない仕組みを見せる
建築の動画で相談が多いのが、まだ存在しないものを見せるケースです。着工前の建物、設計変更後の空間、地中に埋まって見えなくなる設備。これらはカメラでは撮れません。
もう1つは、すでに建っている建物の、目に見えない情報を見せるケースです。現実の建物をデータで再現したデジタルツインを使えば、設備の配置や管理の仕組みのように、カメラには映らない情報を建物の映像に重ねて見せられます。
当社が制作した株式会社梓設計様のデジタルツイン紹介動画は、後者の例です。同社が制作当時に進めていた、HoloLens(Microsoftの複合現実ヘッドセット)を使った施設管理のDXの取り組みを、新社屋で撮影した実写にグラフィックを重ねて表現しました。設計データや3Dモデルをお持ちの会社であれば、実写とCGを重ねるこの形が自然です。
VRや360度動画を使えば、視聴者が自分で見回す体験も作れます。ただし、どのデバイスで見るかによって作るものが変わります。ブラウザやスマートフォンで見る360度動画と、ヘッドセットで体験する本格的なVRコンテンツは、制作の規模も費用も別物です。誰がどこで見るのかを先に決めてください。3DCGの表現については3DCG動画制作にまとめています。
海外事業・コーポレートPR。拠点と人のつながりを見せる
海外で事業を展開している建設会社では、動画の役割が国内向けと変わります。見る人が海外の発注者やパートナーになるため、日本国内での実績をそのまま並べても意味が通じません。
当社が制作した鹿島建設株式会社様の海外事業部向けの動画3本は、いずれもこの課題に向き合ったものです。サービス・特徴紹介の動画では、各国の設計基準や厳しい施工ルールに柔軟に対応できることを伝えるため、1つのロケーションではなく複数のロケーションから撮影しました。対応できる範囲の広さを、説明ではなく映像で示す設計です。
グローバルネットワークを紹介した動画では、海外事業部の1日の流れをたどる構成にし、ご支給いただいた素材を活用しながらグローバル感のある映像に仕上げました。ブランディング動画では、海外進出は冒険の連続であるという捉え方をストーリー調で表現し、購入素材と撮影素材を組み合わせています。このとき購入素材は演者に合わせて選定したため、実写部分との継ぎ目が目立ちません。
海外拠点の撮影については海外撮影の進め方で、言語ごとの展開については多言語動画制作で、それぞれ詳しくご説明しています。株主や投資家に向けた発信を考えている場合はIR動画もご覧ください。

建設・建築の動画で使う4つの表現と向き不向き
用途が決まったら、次は表現を選びます。建設・建築で使う表現は、おおむね次の4つです。組み合わせて使うのが一般的で、1つに絞る必要はありません。
| 表現 | 向いているもの | 注意すること |
|---|---|---|
| 地上での実写 | 人、作業、質感、現場の空気 | 工期と天候に左右される。稼働中の現場は安全管理が要る |
| 空撮 | 全景、立地、周辺環境、工事の進捗 | 場所や飛ばし方によって許可や承認などの手続きが要る。風で飛べない日がある |
| 3DCG・デジタルツイン | 未完成の建物、内部構造、設備の仕組み | 設計データの有無で工数が大きく変わる |
| VR・360度 | 空間の体験、遠隔での現場確認、モデルルーム | 視聴デバイスを先に決める必要がある |
選び方の基準はひとつで、「撮れるかどうか」です。撮れるものは撮ったほうが速く、情報量も多くなります。撮れないものだけをCGに回してください。逆の順序、つまり見栄えを理由に撮れるものまでCGにすると、費用も期間も膨らみます。
現場で撮る段取り。工程・許可・安全・音
ここが、建設・建築の動画で他業種と最も違うところです。オフィスでのインタビュー撮影と、稼働している建設現場での撮影は、必要な準備がまったく違います。
当社の経験でいえば、建設現場の撮影が動く原因は機材のトラブルではありません。ほとんどが、工程と手続きに関わることです。次の4つは、企画より先に確認しておくと進行が安定します。
撮影日は工程表から逆算する
見せたい場面は、工事のどの段階にあるかで決まっています。基礎、躯体、仕上げ、竣工検査は一度しかなく、過ぎてしまえば二度と撮れません。工程表を見ながら「この工程が見えるのはいつか」を先に洗い出し、そこから撮影日を置いていきます。
同時に、外で撮る以上は天候の予備日が要ります。雨天で中止した場合に、同じ工程がまだ残っているかどうかまで確認しておくと安心です。工期が後ろにずれた場合は撮影日も動きますので、制作会社には早めに共有してください。
空撮には手続きが要る場合がある
ドローンで空撮するとき、手続きが要るかどうかは「どこで飛ばすか」と「どう飛ばすか」の2つで決まります。
まず、どこで飛ばすかです。航空法では、空港の周辺、地上から150メートル以上の高さ、人口集中地区の上空などが、国の許可がなければ飛ばせない場所とされています。人口集中地区とは、人や家屋が密集している地域として、国勢調査の結果をもとに定められた地区のことです。市街地の建設現場の多くはここに入るため、街なかの現場を空から撮るなら、国土交通大臣の許可を取るのが基本だと考えてください。ただし、工場やプラントが集まる工業専用地域は、2026年6月30日の国土交通省の告示で、この人口集中地区の扱いから外れました。工業専用地域の中にある現場であれば、この許可が要らない場合があります。
航空法とは別の法律にも注意が要ります。小型無人機等飛行禁止法により、国会議事堂や首相官邸、大使館、自衛隊の施設、対象の空港、原子力事業所といった重要な施設の周囲おおむね1,000メートルでは、ドローンの飛行が禁止されています。この範囲は2026年7月の法改正で広がり、東京都内では多くの場所が対象になります。敷地の所有者の同意を得て、その敷地の上空を飛ばす場合などは例外になりますが、その場合も飛ばす前に都道府県公安委員会などへの通報が要ります。
次に、どう飛ばすかです。航空法では、昼間に飛ばすこと、機体とその周りを目で見ながら飛ばすこと、人や建物、車などから30メートル以上離して飛ばすことが決められています。夜間の工事を撮る、建物の陰に回り込んで機体が見えなくなる、隣の建物や道路を走る車に30メートルより近づけて撮る、といった飛ばし方をする場合は、事前に国土交通大臣の承認が要ります。建設現場は街なかにあることが多いため、撮りたい映像によっては30メートルの距離を保てないことがあります。
なお、国家資格である操縦者の技能証明と機体の認証がある場合や、飛行経路の下に人が立ち入らないよう管理する場合には、必要な手続きが変わります。当社では立地を事前に調べたうえで、許可が取得できる見込みと必要な日数をお伝えしています。手続きには時間がかかりますので、撮影日が決まったら早めにご相談ください。

現場に入るための手続きを確認する
撮影クルーの入場手続き、新規入場者に求められる安全教育、必要な保護具、立入禁止区域。これらは現場ごと、元請けごとにルールが違います。撮影は現場にとって通常の作業ではないため、来客とは別の確認が必要になることがあります。
あわせて、誰の許可が要るのかも整理しておいてください。施主の許可、元請けの許可、協力会社の許可。竣工前の建物を公開してよいかどうかは施主の判断になりますし、現場で作業している協力会社の社員が映る場合は、その会社への説明が必要です。撮影が終わってから「この部分は使えない」となると、編集をやり直すことになります。
音は現場では録れないことが多い
建設現場は音が大きい場所です。重機の稼働音、風の音、金属音。これらが入った音声からインタビューのコメントを聞き取れる形にすることは、後からの編集ではできません。
現場でのコメントが必要な場合は、ピンマイクを使うか、静かな場所で別に録るか、ナレーションを後から乗せる前提で構成を組みます。逆に、現場の音そのものを聞かせたい場合は、それを狙って収録します。どちらにするかは撮影前に決めることで、当日に判断するものではありません。

発注側が用意するもの
制作会社に依頼する際、自社側で用意していただくものがあります。早い段階で揃っているほど、企画の精度が上がり、撮影のやり直しが減ります。
| 用意するもの | 何に使うか | いつまでに |
|---|---|---|
| 工程表 | 撮影日の設定、撮れる工程の洗い出し | 企画の前 |
| 図面、CAD・BIMデータ | 3DCGや完成イメージの制作 | 企画の段階 |
| 過去の施工写真、既存の映像素材 | 撮影できない工程の補完 | 企画の段階 |
| 出演者の候補と社内調整 | インタビュー、現場シーンの手配 | 撮影日が決まったら早めに |
| 撮影許可の確認結果 | 施主、元請け、協力会社への説明 | 撮影日の決定前 |
| 公開範囲の線引き | 映してよい場所、伏せる場所の共有 | 撮影日の決定前 |
| ロゴ、コーポレートカラー等の規定 | テロップやグラフィックの制作 | 編集の前 |
このうち、建設・建築に固有なのが図面とCAD・BIMデータです。次の章でご説明します。
撮れないものをどう見せるか。BIM・CAD・支給素材
撮れないものには3種類あります。まだ存在しないもの、立ち入れないもの、遠すぎるものです。それぞれに対処の仕方があります。
まだ存在しないものは、設計データから起こす
着工前の建物や設計変更後の空間は、3DCGで作ります。このとき、ゼロからモデリングするか、既存の設計データを流用するかで、工数が大きく変わります。
当社ではSTEP、IGES、OBJ、FBX、SolidWorks、Rhino、IFC、Revitといった主要なフォーマットに対応しています。BIMやCADのデータをお持ちであれば、それを起点にすることでモデリングの工程を圧縮でき、費用と期間の両方を抑えられます。建設・建築の会社はこれらのデータを持っていることが多いため、動画化のイメージが湧かない段階でも、まずデータの有無をお知らせいただければ提案の幅が変わります。
なお、設計が変わる可能性がある段階でCGを作る場合は、後から差し替えやすい作り方にしておくことをおすすめします。建物全体を作り込むより、見せたい部分を機能単位で分けておくほうが、変更時の手戻りが小さくなります。
立ち入れないものは、支給素材でつなぐ
安全上の理由や機密の都合で撮影できない場所は、既存の写真や映像で補います。前述の鹿島建設様のグローバルネットワーク紹介動画も、ご支給いただいた素材を活用した構成です。
撮影に入れない現場が多い場合は、撮影なしで1本を組み立てることもできます。過去の施工写真、竣工写真、社内で撮った記録映像が一定量あれば、それらを編集してナレーションとテロップで筋を通す形が成立します。素材の解像度と撮影年を先に確認しておくと、使えるかどうかの判断が早くつきます。
遠すぎるものは、現地で撮って遠隔で指示する
海外拠点や遠方の現場は、撮影クルーを日本から派遣すると渡航費と日程の負担が大きくなります。当社では現地のクリエイターに撮影を依頼し、日本から遠隔でディレクションする方法をとっています。鹿島建設様の海外事業部の動画は、この方法で制作しました。

1回の撮影で複数本を作る
建設現場での撮影は、段取りの負担が大きい分、1回あたりのコストも大きくなります。だからこそ、撮影した素材をどこまで使い回すかを、撮影の前に決めておく価値があります。
同じ現場の素材から、施工実績の紹介、採用向けの本編、展示会で流す短い版、SNS向けの縦型を書き出すことは可能です。ただし、これは「後から切り出す」のではなく「最初からそのつもりで撮る」ことで初めて成立します。採用向けに人の表情を撮る映像と、実績紹介のために構造物を撮る映像は、撮影のタイミングもレンズも違うからです。
前述の日本道路様の採用動画が、使用目的に合わせて長編、ダイジェスト、動画広告用の複数本という形になっているのも同じ考え方です。竣工時の記録映像と採用動画を1回の撮影でまとめて撮る、といった組み立ても現場では珍しくありません。何に使うかの候補を、企画の段階で洗い出してみてください。

建設・建築業界の動画制作の費用と期間の目安
費用は、空撮の有無、3DCGやVRの難易度、海外撮影の有無、デジタルツインの規模で大きく動きます。当社の予算帯の目安は次のとおりです。
| 目安 | 内容の例 |
|---|---|
| 49万円以下 | 単一物件の動画、建設現場の単日空撮と簡易編集、Web掲載やSNS向けの短い動画 |
| 50万円から99万円 | 施工実績の紹介など、空撮と地上撮影を組み合わせた構成 |
| 100万円から299万円 | デジタルツイン、VRでの内見、3DCGと実写とVRの組み合わせ、複数言語の派生、海外撮影を含む採用本編 |
| 300万円以上 | 大規模なブランドムービー、テレビCM、大規模なデジタルツイン、海外複数拠点での撮影 |
この4つはあくまで目安で、実際にどの帯に入るかは内容で変わります。当社が価格ページで公開している建設・建築の事例を見ると、採用動画が100万円から299万円の帯、海外撮影を伴う会社紹介の動画とデジタルツインの動画が300万円以上の帯で紹介されています。空撮、3DCG、海外撮影のいずれかが入ると、同じ用途でも帯が1つか2つ上がるとお考えください。
制作期間は標準で8週間から14週間です。デジタルツイン、VRコンテンツ、海外撮影、多言語の派生が入る場合は12週間から18週間を見ておいてください。建設業界の動画は工事のスケジュールと天候に左右されるため、撮影のタイミングから逆算した進行になります。後ほどご紹介する当社の事例5本も2ヶ月から4ヶ月で、海外撮影を伴うものが長くなっています。
費用を抑えたい場合、建設・建築ならではの方法が3つあります。1つはBIM・CADデータの提供で、3DCGのモデリング工程を圧縮できます。2つめは空撮と地上撮影のセット発注で、空撮だけを単独で依頼するより機材移動の効率が上がります。3つめは、前の章でご説明した、1回の撮影から複数本を書き出す組み立てです。動画制作全般の費用の考え方については動画制作の費用相場にまとめています。
建設・建築業界の動画制作事例。当社が制作した5本
当社が公開している建設・建築・設計の事例5本です。それぞれ何を課題とし、どう作ったかをご紹介します。
| 事例 | 用途 | 表現 | 制作期間 |
|---|---|---|---|
| 鹿島建設様 海外事業部サービス・特徴紹介動画 | 会社紹介、商品紹介、営業ツール、海外撮影 | 実写 | 4ヶ月 |
| 鹿島建設様 グローバルネットワーク紹介動画 | 会社紹介、商品紹介、営業ツール、海外撮影 | 実写 | 4ヶ月 |
| 鹿島建設様 海外事業部ブランディング動画 | ブランディング、会社紹介、営業ツール、海外撮影 | 実写 | 4ヶ月 |
| 日本道路様 採用動画 | ブランディング、会社紹介、採用 | 実写 | 3ヶ月 |
| 梓設計様 digital twin紹介動画 | VR・AR・360度、WebCM、ブランディング、営業ツール | 3DCGと実写 | 2ヶ月 |
この5本を並べると、当社の建設・建築の事例が海外事業部の紹介、採用、デジタルツインの3つに寄っていることが分かります。施工実績そのもののPRや、現場の進捗記録の事例は公開分にありません。用途の章でも触れたとおり、その2つについては設計上の考え方としてご説明しています。
5本のうち4本が実写で、1本が3DCGと実写の組み合わせです。制作期間は2ヶ月から4ヶ月で、海外撮影を伴う3本がいずれも4ヶ月かかっています。海外での撮影は、現地の調整と時差のあるやり取りが入るため、国内より期間を長く見ておく必要があります。
そのほかの事例は不動産・建設業界の制作実績でご覧いただけます。他業種でも、現場で撮ることが多いという点では製造業が近い性格を持っています。工場での撮影の段取りについては製造業の動画活用でまとめていますので、参考になる部分があるかもしれません。会社全体を紹介する動画を検討している場合は会社紹介動画の事例13選もあわせてご覧ください。
制作会社に相談する前に決めておくこと
最後に、問い合わせの前に社内で決めておくと話が早い項目をまとめます。すべてが決まっている必要はありませんが、はじめの3つが決まっていれば提案の精度が変わります。
- 誰に見せる動画か。発注者、学生、自社の作業者、施主のうちどれか
- どの工事、どの現場を題材にするか。その工程はいつ見られるか
- 撮影できない場所、映せないものがあるか。施主や元請けの許可は取れるか
- 図面、CAD・BIMデータ、過去の施工写真があるか
- 公開する場所はどこか。自社サイト、YouTube、説明会、展示会のどれか
- 何本必要か。1本か、長さ違いの複数本か
- 予算と、公開したい時期
3番と4番は、建設・建築に固有の項目です。この2つが早く分かるほど、撮影で作る部分とCGで作る部分の切り分けが早く決まります。
建設・建築業界の動画でよくある質問
建設業の動画制作はいくらかかりますか?
内容によりますが、当社の場合、現場の単日空撮と簡易編集であれば49万円以下、空撮と地上撮影を組み合わせた施工実績の紹介で50万円から99万円、デジタルツインやVR、海外撮影を含むものが100万円以上という予算帯が目安です。実際の事例では、建設会社の採用動画が100万円から299万円、海外撮影を伴う会社紹介やデジタルツインの動画が300万円以上の帯で公開されています。金額を動かす主な要因は、動画の長さ、撮影日数、カメラの台数、制作に関わる人数、出演者の有無、ロケ会場の費用、CGやアニメーションの有無です。詳しくは価格ページをご覧ください。
建設現場での撮影に許可は必要ですか?
2種類の許可を分けて考えてください。1つは現場に入るための手続きで、元請けや施主のルールに従い、新規入場者への安全教育や保護具の着用が求められることがあります。もう1つはドローンを飛ばす場合の手続きで、人口集中地区の上空や150メートル以上の高さでの飛行、夜間や目視外の飛行などは、航空法にもとづく国土交通大臣の許可や承認が必要になります。国会議事堂や大使館、空港などの重要な施設の周囲おおむね1,000メートルでは、別の法律で飛行そのものが原則として禁止されています。当社では立地を事前に調べ、必要な手続きと日数をお伝えしています。
建設会社の採用動画では何を見せればよいですか?
仕事の説明より、働いている人そのものです。現場での1日の流れ、若手が任されている範囲、女性社員の働き方、海外プロジェクトへの関わりなど、応募を迷っている人が知りたいのは「自分がここで働いたらどうなるか」です。最新の機械やICTを使った現場の様子も、業界の印象を更新する材料になります。
BIM・CADのデータから建築の動画は作れますか?
はい、可能です。STEP、IGES、OBJ、FBX、SolidWorks、Rhino、IFC、Revitなど主要なフォーマットに対応しています。既存の設計データを起点にすると、ゼロからモデリングするより工程を圧縮でき、費用と期間を抑えられます。データはあるが動画のイメージが湧かない、という段階からのご相談も承っています。
建設業の安全教育に動画マニュアルは使えますか?
使えます。特に、文字では伝わりにくい手順や、実際には再現できない危険な場面の説明に向いています。再現が難しい災害の場面はアニメーションや3DCGで作り、熟練者の手の動きは実写で寄って撮る、といった使い分けをします。外国人技能者がいる現場では、字幕の多言語化や、ナレーションに頼らない構成も検討してください。
建設工事の進捗を定期的に動画で記録することはできますか?
対応しています。月次や週次で同じカメラ位置から空撮する定点記録は、施主や近隣への報告、社内の施工管理、竣工後の記録として使われます。長期の定期発注という形になりますので、工期全体を見ながらご相談ください。
まとめ: 用途を決めたら、撮れる工程と撮れないものを先に分ける
建設・建築の動画は、企画より先に段取りで決まります。この記事でお伝えしたことは3つです。
1つめは、用途によって撮るものが変わることです。施工実績なら規模と工程の経過、採用なら人と1日、安全教育なら手順と危険、完成イメージならまだない空間。用途を決めずに現場を撮っても、どれにも使えない素材が残ります。
2つめは、撮影日が工程と手続きで決まることです。見せたい工程は一度しかなく、空撮には法令上の手続きが要る場合があり、現場に入るには元請けや施主の許可が要ります。工程表から逆算して撮影日を置き、天候の予備日を確保してください。
3つめは、撮れないものを先に切り分けることです。まだない建物は設計データからCGに起こし、立ち入れない場所は支給素材でつなぎ、遠い拠点は現地で撮って遠隔で指示する。この切り分けが早いほど、費用も期間も読めるようになります。
当社の建設・建築の対応範囲は不動産・建設業界向けの動画制作にまとめています。工程表を見ながら「この工事をどう見せるか」を相談したい段階でも、お気軽にお問い合わせください。
1,000社5,000本以上の実績