動画制作をはじめようと考えている方の中には、「動画編集のスキルがない」「使いこなせる自信がない」という理由で諦めている方も多いのではないでしょうか。しかし、そのような悩みはテンプレートを活用することで解決できます。ただし、テンプレートを使って簡単に編集できるソフトは数多く存在し、どのソフトをどう活用すれば良いのか分かりにくいのが現状です。
そこでこの記事では、テンプレートの基本的な概念から、動画制作に適した編集ソフトやサービスまで詳しく解説します。テンプレートを効果的に活用すれば、短時間で高品質な動画を作成できるようになりますので、ぜひ参考にしてください。
テンプレートを使った動画制作とは?メリットやツールの概要を紹介
テンプレートを使った動画制作とは一体どのようなものでしょうか?メリットやデメリットを詳しく説明していきます。
動画テンプレートの基本概念と活用メリット
動画制作におけるテンプレートとは、モーション、アニメーション、テロップなどがパッケージ化されたデータです。通常、時間のかかるモーショングラフィックスやアニメーション作成を、映像素材やテロップの差し替えだけで実現できます。これにより、プロフェッショナルな品質の動画を効率的に制作できます。
テンプレートを使用した動画制作は、以下の3つのシンプルなステップで完了します。
- 適切なテンプレートを選択する
- 必要な動画素材を用意する(自作または購入)
- テンプレートに素材を配置する
このように、一から動画制作を学ぶ時間や、外注にかかる費用を抑えられることから、予算や技術的な制約のある企業や個人に特に人気があります。
動画素材とテンプレート編集の主な違い
動画素材とは、映像作品の元となるクリップのことです。TVドラマや映画は、複数の動画素材クリップを組み合わせて1本の作品に仕上げています。これらの素材は、自分で撮影するほか、無料素材を活用したり、有料素材を購入するなどして入手できます。
動画素材は無編集の状態から始めるため、必要なシーンのトリミングから始めます。その後、テロップ、モーショングラフィックス、色調整などの編集作業を加えて完成させます。主な制作工程は以下の通りです:
- 動画素材のトリミング
- テロップの挿入
- エフェクトの追加
- 効果音・BGMの挿入
- カラーグレーディング(色調整)
動画素材を一から制作する場合、完全にオリジナルな表現が可能です。例えば、バラエティ番組風にしたい場合はテロップを工夫したり、映画風にしたい場合は独自の演出を加えたりできます。ただし、編集ソフトの操作スキルが必要なため、時間や技術に制約がある方には向いていません。
一方、テンプレートはモーションやテロップが既にパッケージ化されているため、主な作業は動画素材の配置だけです。エフェクトやアニメーションが組み込まれているので、好みのテンプレートを選ぶだけで完成度の高い動画が作れます。
テンプレートは文字入力やBGM変更、効果音追加は可能ですが、モーションやエフェクトの細かい調整は難しいことが多いです。つまり、簡単に一定のクオリティが保てる反面、表現の自由度は制限されます。
動画制作にテンプレートを利用するメリット・デメリット
動画テンプレートを使った際のメリットとデメリットを知っておきましょう。
動画テンプレートのメリット
動画制作にテンプレートを利用する主なメリットは下記のとおりです。それぞれ詳しく解説します。
- 制作時間を大幅に短縮できる
- 専門知識がなくても高品質な動画制作が可能
- 外注と比べて大幅なコスト削減が実現できる
制作時間を大幅に短縮できる
制作時間の大幅な短縮が、テンプレートの最大のメリットです。実際、プロの編集者でさえも時間と労力の節約のためにテンプレートを活用することがあります。それだけ動画制作には通常多くの時間を要するのです。
専門知識がなくても高品質な動画制作が可能
初めて動画編集に挑戦する方でも、テンプレートを使用することで一定のクオリティを確保できます。編集スキルは経験を重ねることで徐々に向上しますが、時間をかけられない初心者にとって、テンプレートは理想的な解決策となります。
外注と比べて大幅なコスト削減が実現できる
費用面でも大きな利点があります。動画制作を業者に依頼すると、最低でも10万円から、場合によっては数百万円の予算が必要になります。一方、テンプレートを使用すれば1本あたり1万円程度で制作可能なものも多く、予算を抑えたい方に最適なソリューションとなります。
動画テンプレートのデメリット
動画制作にテンプレートを利用する主なデメリットは下記のとおりです。それぞれ詳しく解説します。
- オリジナル性が制限される
- 適切なテンプレートを探すのに時間がかかる
- 細かい調整が難しい
オリジナル性が制限される
テンプレートは基本的な動きが決まっているため、独自性を出すことが難しいです。色や文字は変更できますが、動きのパターンは固定されているため、同じテンプレートを使用している動画は似通ったものになりがちです。
適切なテンプレートを探すのに時間がかかる
テンプレートの使用には動画のテイストとの相性も重要です。例えば、企業の公式動画に使用するテンプレートと、カジュアルなSNS向けの動画用テンプレートでは、求められる雰囲気が大きく異なります。適切なテンプレートを見つけるのに時間がかかることもあります。
細かい調整が難しい
テンプレートの編集や微調整については、使用するソフトによって機能が異なります。たとえ編集機能が搭載されていても、ある程度の専門知識が必要になることが多いです。企業のプロモーションビデオなど、高度な技術が必要な場合は、動画制作会社への依頼を検討することをおすすめします。
ただし、費用を抑えるためには、制作会社選びは慎重に行う必要があります。以下の記事では、VIDWEBを含めた動画制作会社の比較情報を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
動画制作ツールの特徴:クラウド型とソフトウェア型
動画制作ツールには、WEB上で編集を完結できるクラウド型と、パソコンにソフトをインストールして使うソフトウェア型があります。
クラウド型 | ソフトウェア型 |
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ブラウザ上で動画制作が可能なサービスです。ネットワークに接続したパソコンやスマートフォンから、テンプレートを活用して手軽に編集できます。 | ソフトウェア型は、パソコンにインストールして使用します。オフライン環境でも編集可能で、プラグインで機能を拡張できます。 |
クラウド型は、ブラウザ上で動画制作が可能なサービスです。ネットワークに接続したパソコンやスマートフォンから、テンプレートを活用して手軽に編集できます。サービスがスマホに対応していれば、スマホだけでも完結できるのが特徴です。
一方、ソフトウェア型は、パソコンにインストールして使用します。オフライン環境でも編集可能で、プラグインで機能を拡張できます。また、提供元以外が作成したテンプレートもダウンロードして使用できるため、表現の幅が広がります。
テンプレートを使った動画制作サービス5選
これから、動画制作に便利なテンプレートサービスを5つご紹介します。各サービスは、プラン内容やサポート体制、費用など特徴が異なりますので、ご自身の目的に合ったサービスを見つける参考にしてください。
LightMV(ライトMV)
LightMV はクラウド型の動画編集サービスで、インターネットに接続できるスマートフォンやパソコンから利用できます。800種類以上のテンプレートを提供しており、場面別に整理された見やすいカテゴリーや、スマートフォン向けの縦型動画用テンプレートも用意されています。
旅行や誕生日の思い出など、スマートフォンで撮影した写真を手軽にスライドショーにできる機能は、特に若い世代から支持を集めています。
有料会員になると、HD動画の作成やクイック動画作成機能が利用可能になります。また、編集可能な素材数がプランに応じて5から300に増え、ロゴなしの動画を作成することもできます。
操作が直感的で初心者でも簡単に動画編集を完了できますので、気になる方はぜひサービスの詳細をご確認ください。
CM STUDIO(CMスタジオ)
CM STUDIO はクラウド型の動画編集サービスで、パソコンから利用できます。ビジネスシーン向けの豊富なテンプレートが特徴で、必要な素材もCM STUDIO内で見つけることができます。
株式会社サンケイアイやヤマトフィナンシャルなど、様々な業界の企業が実際に活用しています。
会員登録後、動画制作を行い、完成後に決済するシステムを採用しているため、気軽に制作に取り組めます。複雑な契約手続きや月額利用料は不要で、ソフトのインストールも必要ありません。
400種類以上のフォーマットから最適なものを選択でき、完成した動画に満足した場合のみ、クレジットカード等で購入する仕組みになっています。
WebサイトやSNSでの配信用動画、社内イベントや展示会での上映用動画を制作したい企業に最適なサービスです。
Renderforest(レンダーフォレスト)
Renderforest はクラウド型の動画編集サービスで、パソコンから利用できます。アニメーションを活用したテンプレートから、シンプルなロゴアニメーションまで、多彩なテンプレートが豊富に用意されています。購入前に完成形をイメージしやすいのが特徴です。
Salesforce(セールスフォース)、SONY MUSIC(ソニー・ミュージック)、BBCなどの大手企業が利用しています。
商品やサービスのプロモーション用テンプレートが豊富にそろっているため、明確な動画制作目的を持った方に最適です。
また、動画制作に加えて、Webサイト制作やオリジナルロゴの制作も可能です。クリエイティブツールを一元管理したい企業にとって、Renderforestは理想的な選択肢となるでしょう。
RICHKA(リチカ)
RICHKA はサブスクリプションモデルのクラウド型動画編集サービスで、パソコンから利用できます。月額定額制で動画制作が使い放題のサービスとなっており、毎月数百種類の新しいテンプレートが追加されるのが特徴です。
動画自動生成ソフトの広告・メディア業種でシェアNo.1を誇り、導入実績は400社以上に上ります。Yahoo!Japan(ヤフー・ジャパン)、セブン銀行、SoftBank(ソフトバンク)などの大手企業も導入しています。
豊富なテンプレートで幅広いジャンルに対応していますが、特に動画広告やWEB動画コンテンツ、SNS用のテンプレートが充実しています。
直感的な操作性により、誰でも手軽にコンテンツを量産でき、最短数分程度で動画を完成させることが可能です。さらに、Facebook(フェイスブック)やYahooの公認パートナーとして、最適化された動画配信を実現できます。
Filmora(フィモーラ)
FilmoraはWindowsとMacに対応しているインストール型の動画編集サービスです。世界150カ国で7,700万人以上のユーザーに利用され、高い評価を得ています。
充実したサポート体制が特徴で、動画講座やチュートリアル動画、サポートセンターを完備しています。ビジネス向けやウエディング向けなど、用途別の動画編集サービスもシリーズとして展開。さらに、Filmora Windows版の新バージョン10.5では、20,000種類以上のエフェクトを使用できるなど、豊富な素材がそろっている点も魅力です。
記事執筆時点での最新版Filmora 14ではAIが導入され、より効率化された動画編集が可能となりました。
テンプレートを使う動画制作と、プロに依頼する動画制作それぞれに適した利用シーン
動画制作には様々な手法がありますが、テンプレートを活用した制作とプロに依頼する制作では、それぞれに適した場面があります。テンプレート動画を使った方が良い場面、使わない方が良い場面についても知っておくと、効率的な動画制作が可能になります。以下で、具体的なシーンごとに最適な制作方法を見ていきましょう。
結婚式ムービーはテンプレートで作成するのがおすすめ
結婚式ムービーの制作は、テンプレートを活用するのに最適なシーンです。式場に依頼すると5万円~10万円ほどの費用がかかりますが、テンプレートを使えば、同等の品質のムービーをより手頃な価格で作成できます。
また、結婚式当日の上映だけでなく、思い出として残すものでもあるため、好みのBGMや場面展開を自由にカスタマイズできるテンプレート制作の方が適しています。コスト面でもメリットがあり、一石二鳥の選択といえるでしょう。
企業動画はプロの制作会社への依頼がおすすめ
企業の動画制作は、専門の制作会社への依頼をおすすめします。企業ブランディング、商品PR、採用、営業ツール、周年記念など、重要な役割を担う動画は、目的やターゲット、企画、表現方法を熟知したプロフェッショナルに任せることで、より効果的な映像制作が可能です。
VIDWEBは、国内外の優秀なクリエイターと連携し、あらゆる動画制作に対応可能です。製品紹介、ブランディング、マーケティングなど、それぞれの得意分野を持つクリエイターが、クライアントのニーズに合わせて高品質な動画を制作します。ぜひVIDWEB(ビッドウェブ)にご相談ください。
【まとめ】テンプレートを使った動画制作のメリットとデメリットを理解しよう
テンプレートを活用した動画制作の主なメリットは、素材の入れ替えだけで高品質な動画が作れ、制作時間やコストを大幅に短縮できる点です。
ただし、パターン化されているため、用途に応じた使い分けが重要です。編集ソフトはクラウド型とソフトウェア型があり、特徴を理解して選択しましょう。
結婚式ムービーや趣味程度のYouTube動画など気軽な動画制作はテンプレートを使った動画制作が適していますが、企業のブランディングやPRなどの重要な動画はプロの動画制作会社への依頼をおすすめします。
また、生成AIを活用した画像や動画の生成も今後さらに普及してくるでしょう。生成AIを活用した動画制作について学びたい方は以下の記事が参考になります。