3DCG動画は、コンピューターの中に立体のモデルを作り、光の当たり方や質感、カメラの位置と動きを決めて映像にしたものです。
当社は、3DCG動画の強みを、実写では撮れないものや、目に見えないものを見せられることだと考えています。当社が制作した3DCG動画には、製品の内部の機能、液体が混ざる様子、撮影すると危険な事故の場面、まだ実現していない未来の街並みを、3DCGで見せた事例があります。一方で、映像表現が3DCGだけの事例より、実写やアニメーションと組み合わせた事例のほうが多くありました。
この記事では、3DCG動画を外注するかどうかを検討している企業のご担当者に向けて、実写や2Dアニメーションとの使い分け、見せどころだけを3DCGにする設計、費用と制作期間、発注前に社内で決めておくことを、当社の事例をもとにご説明します。動画を使う場面としては、製品や技術の紹介、展示会、営業を想定しています。
3DCG動画とは。撮れないもの、見えないものを見せる映像
3DCG動画は、立体の形をコンピューターの中に作り、それを好きな角度から、好きな動きで見せられる映像です。撮影する対象が手元になくても作れるため、図面や寸法の情報があれば、まだ発売していない製品や完成していない建物も映像にできます。
2Dアニメーションとの違いは、立体として扱えるかどうかです。当社は、立体物の構造や空間を正確に表現したい場合は3DCG、平面の流れや概念を分かりやすく整理したい場合は2Dアニメーションが向くと考えています。
一度作った3Dのモデルは、角度や動きを変えて別の映像にも使えます。当社は、ここが撮影し直しになる実写との大きな違いだと考えています。
3DCG動画・実写・2Dアニメーションの使い分け
当社は、表現を選ぶときに、見せたいものが撮影できるか、目に見えるかの2点から考えることをおすすめしています。

撮影できて目に見えるものは実写で、平面で整理すれば伝わる手順や概念は2Dアニメーションで、撮影できない、または目に見えない立体のものは3DCGで見せる、という分け方です。1本の動画の中に、撮影できるものとできないものが混ざるなら、表現を組み合わせます。
3DCG動画が向いている4つの場面
当社は、次の4つの場面を、3DCGが向いている場面として整理しています。
- 製品の内部や仕組みを見せたい。外から撮影しても見えない部品の配置や、中で起きている動きを、断面や透かしで見せる
- まだないもの、完成前のものを見せたい。発売前の製品、建設前の建物、取り組みの先にある未来の姿を見せる
- 撮影すると危険な場面や、大きすぎる・小さすぎるものを見せたい。事故の瞬間や、巨大な設備、目に見えない細かな現象を見せる
- 使う場面の実写に、仕組みの説明を重ねたい。人が製品を使う場面は実写で撮り、その中の仕組みだけを3DCGで見せる
3DCGにしなくてよい場面
反対に、当社は次のような場合は、3DCGにこだわらなくてよいと考えています。
| 場面 | 向いている表現 |
|---|---|
| 人の表情や声、現場の雰囲気を伝えたい | 実写 |
| 実物を撮影でき、外観を見せれば伝わる | 実写 |
| 手順や概念を、平面で整理すれば伝わる | 2Dアニメーション |
| 撮れないものは一部だけで、残りは撮影できる | 実写を中心にし、その一部だけ3DCGにする |
手順を見せる動画での使い分けは、マニュアル動画の作り方でもご説明しています。
3DCG動画は、見せどころだけ3DCGにする
実績ページで公開している当社の3DCG動画18本のうち、映像表現が3DCGだけのものは8本で、実写やアニメーションと組み合わせたものが10本でした。

当社でも、費用を抑える進め方として、全カットを3DCGにせず、見せどころだけを3DCGにして、それ以外は実写で構成する方法を推奨しています。組み合わせ方は、次の3つの型で考えています。
実写で使う場面を見せ、仕組みだけ3DCGにする
人が製品を使う場面や作業の手順は実写で撮り、その中で目に見えない部分だけを3DCGに切り替えます。当社の事例でも、製品を使う作業は社員の方の実演を撮影し、液体が混ざる様子と製品の羽根がしなる特性だけをCGで表現したものがあります。
アニメーションで話を運び、製品だけ3DCGにする
課題や解決の流れは2Dアニメーションで分かりやすく見せ、製品の形や動きが大事な場面だけを3DCGにします。話の流れと製品の見え方で、それぞれ向いた表現を使い分ける考え方です。
写真や資料に、3DCGで奥行きを足す
製品がない題材でも、3DCGの出番はあります。たとえば、写真が中心になると単調になりがちな沿革の紹介でも、3Dの表現で奥行きを出し、テンポよく見せることができます。手元の素材をどう見せるかという使い方も、3DCGの選択肢として考えてみてください。
3DCG動画の費用。何で上がり、何で下がるか
当社では、3DCGを、テレビCMや会社紹介と並んで300万円からの予算帯の例として料金ページに載せています。一方で、3DCG動画制作のページには、作るものの内容ごとの目安を、次のように載せています。
| 目安 | 内容の例 |
|---|---|
| 49万円まで | 既存の3Dデータを使った、短くシンプルな製品CG |
| 50万円〜99万円 | 既存のデータから3Dモデルを整えた、標準的な製品CGや断面の見せ方(30秒〜90秒) |
| 100万円〜299万円 | ゼロからのモデリングやフォトリアルな仕上げ、実写との合成を含む3DCG動画(90秒〜3分) |
| 300万円から | 全カットをフォトリアルなCGで作る映像、テレビCM、大規模なデジタルツインなど |
料金ページにある300万円からの予算帯は、この表の最後の行にあたる、作り込みの大きい例です。既存のデータを使い、見せる内容を絞れば、それより小さい予算から作れます。3DCGの予算は、モデルを作る手間、光の当たり方や質感の作り込み、動きの長さ、実写との合成の有無で大きく変わります。
費用を下げる方法は、次の3つです。
- CADデータや3Dモデルを提供し、モデルを作る工程を短くする
- シリーズで作る場合は、1作目で作った3Dモデルを2作目以降でも使う
- 全カットを3DCGにせず、見せどころだけを3DCGにする
当社は、3DCGの費用の目安を、1分あたりの単価ではなく、作るものの内容ごとの総額でお伝えしています。短い製品紹介と、全編をフォトリアルに作り込む映像では、同じ1分でも手間が大きく違うと考えているためです。詳しくは3DCG動画制作のページと、動画制作の費用相場、当社の料金ページをご覧ください。
3DCG動画の制作期間と、短く済む条件
当社では、3DCG動画の制作期間の目安を、標準で8〜14週間、短い製品CGなら4〜6週間、デジタルツインのような大規模なCGは16〜20週間としています。CADデータを提供いただける場合は、モデルを作る工程を短くでき、標準で2〜4週間の短縮が見込めます(データの精度や形式によります)。
実績ページで公開している当社の3DCG動画18本の制作期間は、次のとおりでした。
| 制作期間 | 本数 |
|---|---|
| 1ヶ月 | 3本 |
| 1.5ヶ月 | 2本 |
| 2ヶ月 | 5本 |
| 2.5ヶ月 | 2本 |
| 3ヶ月 | 5本 |
| 4ヶ月 | 1本 |
1ヶ月で制作した3本は、いずれも手元にある素材から作った事例です。2本は、支給いただいた製品のCADデータやパンフレットのデータ、既存の動画素材を使い、もう1本は、以前に当社が制作した動画の構成を土台にして演出を変えたものです。当社は、社内にある素材を最初に洗い出しておくことが、期間を短くするうえで効きやすいと考えています。
3DCG動画を発注する前に社内で決めておく5つのこと
当社は、3DCG動画の相談をいただく前に、次の5つを社内で決めておくことをおすすめしています。どれも、あとから変えると費用や期間に響きやすいと考えているためです。
支給できるデータ(CAD・図面・写真・既存の映像)
当社は、STEP、IGES、OBJ、FBXなどの主要な形式や、SolidWorks、Rhinoのデータに対応しています。まだ発売していない製品でも、図面、参考画像、寸法や材質の情報があれば、3Dモデルを作って映像にできます。
まず、設計や開発の部門に、製品のCADデータ、図面、試作品の写真、過去の展示会で使った映像が残っていないかを確認してください。データはあっても、動画用に整える作業が分からないという段階からご相談いただけます。
機密の部品や仕様をどこまで見せるか
3DCGは製品の内部まで見せられる分、見せてはいけないものまで映る可能性があります。当社の事例でも、製品の内部の機能を透かして見せた動画で、機密性の高い部品について、意図しない情報の開示を防ぐために協議を重ね、表現の方法を選んだことがあります。
CADデータを渡す前に、設計、知的財産、広報の担当者で、どこまで見せてよいかを決めておきます。
どこで流すか。音が出せない場所があるか
展示会のブースや店頭では、音が聞こえにくいことがあります。当社は、流す場所に音が出せない場面が含まれるなら、ナレーションに頼らず、文字と映像だけで伝わる構成にすると最初に決めておくよう推奨しています。会場で流す動画の作り方は展示会動画の作り方でご説明しています。
何語で使うか
3DCGは映像そのものに言葉の要素が少ないため、テロップとナレーションを差し替えれば多言語版を作れます。海外の展示会や海外向けの販売でも使う予定があるなら、最初にお伝えください。言葉を入れる場所を想定した作りにできます。多言語版の作り方は多言語動画の制作ガイドでご説明しています。
動画以外にも使い回すか
1作目で作った3Dモデルは、2作目以降の動画でも使い回せます。次の動画だけでなく、製品ページの画像やカタログにも使う可能性があるなら、それもあわせてお知らせください。使い道が分かっていれば、モデルの作り方をそれに合わせやすくなります。
3DCG動画の修正が高くつくタイミング
3DCG動画は、立体の形(モデル)を作り、動きとカメラを決め、最後に映像として仕上げる順に進みます。当社では、標準の見積もりに、モデルの承認後の修正2回と、仕上げの映像ができたあとの修正2回を含めています。そのうえで、モデルの承認後に大きく変えると費用がかさむため、最初にモデルを確認するときに十分に見ておく進め方をおすすめしています。

具体的には、形、色、見せてよい範囲を、モデルを確認する時点で社内の関係者と確かめ終えておいてください。確認のために、モデルをWeb上で360度回して見られる環境もご用意できます。
3DCG動画の事例。制作の内容と組み合わせた表現
実績ページで公開している当社の3DCG動画18本のうち10本について、実績ページに記した制作の内容と、組み合わせた表現をまとめます。
| 事例 | 実績ページに記した制作の内容 | 組み合わせた表現 | 制作期間 |
|---|---|---|---|
| リコー様 プロジェクター紹介動画(中国語版) | プロジェクターの内部の機能を、3DCGで透かして見せた | 3DCGのみ | 3ヶ月 |
| 日本ソセー工業様 カルマゼ使い方動画 | 液体が混ざる様子と、羽根がしなる特性をCGで表現した | 実写 | 1.5ヶ月 |
| スタンレー電気様 深紫外線技術の紹介 | 3DCGと2Dグラフィックで、深紫外線の技術の内容を分かりやすく見せた | アニメーション | 3ヶ月 |
| セイワ様 スマートレコーディングミラー商品紹介 | 撮影では危険な煽り運転や車の衝突を、3DCGで表現した | 3DCGのみ | 1ヶ月 |
| セイワ様 ポータブルナビゲーション商品紹介 | 支給いただいたCADデータや既存の動画素材とCGを組み合わせ、多機能な製品の特長を整理した | 3DCGのみ | 1ヶ月 |
| リコー様 法人向けインタラクティブホワイトボード紹介動画 | 以前の動画の構成を土台に、色調とBGMを変えて落ち着いた印象に刷新した | 3DCGのみ | 1ヶ月 |
| 京セラ様「Possi」紹介動画 | アニメーションを軸に3DCGを加え、実写では表現できない演出にした | アニメーション | 2.5ヶ月 |
| 梓設計様 デジタルツイン紹介動画 | 実写とグラフィックを織り交ぜ、DXの取り組みを未来感のある演出で見せた | 実写 | 2ヶ月 |
| JTB様 カーボンニュートラルブランディング動画 | 目標が達成された未来と、そうでない未来の都市を対比した | アニメーション・実写 | 2ヶ月 |
| 北里研究所様 法人創立110周年・大学創立60周年記念動画 | 沿革の写真に、3Dで奥行きを出した | アニメーション | 3ヶ月 |
いくつかの事例について、実績ページに記した内容を補足します。
リコー様のプロジェクターの中国語版では、内部の機能を紹介するために3DCGで透かして見せる表現を採用しました。機密性の高い部品については、意図しない情報の開示を防ぐため、慎重な協議を重ねて表現の方法を選んでいます。
セイワ様の2本は、いずれも支給いただいた製品のCADデータ、パンフレットのデータ、既存の動画素材を活用して制作しました。ホームページ、販売店、YouTube、営業ツールなど様々な場面で見られることから、音がなくても伝わる構成にしています。
スタンレー電気様の動画は、3DCGと2Dグラフィックで技術の内容を分かりやすく見せ、英語版もあわせて制作しました。
JTB様の動画では、国土交通省が推進する都市のデジタルツインのプロジェクト「PLATEAU」で整備されている3D都市モデルを一部活用し、広い範囲の都市の景観を再現しました。
3DCGを使った実績は、3DCG動画制作のページでもご覧いただけます。製品を紹介する動画全般の事例は商品紹介動画の事例にまとめています。
3DCG動画でよくある質問
3DCG動画とは何ですか?
コンピューターの中に立体のモデルを作り、光の当たり方や質感、カメラの位置と動きを決めて映像にしたものです。撮影する対象が手元になくても作れるため、製品の内部や、まだ発売していない製品、撮影すると危険な場面など、実写では撮れないものを見せるのに向いています。
3DCG動画の制作費用はいくらですか?
当社では、既存の3Dデータを使った短くシンプルな製品CGで49万円まで、標準的な製品CGで50万円〜99万円、ゼロからのモデリングや実写との合成を含むもので100万円〜299万円、フォトリアルな全カットのCGやテレビCM、大規模なデジタルツインで300万円からを目安としています。モデルを作る手間と、動きの長さ、実写との合成の有無で大きく変わります。
3DCG動画とアニメーション動画の違いは何ですか?
3DCG動画は立体のモデルから作るため、形や構造、空間を正確に見せられます。2Dのアニメーション動画は平面で描くため、手順や概念を分かりやすく整理するのに向いています。
CADデータがなくても3DCG動画は作れますか?
作れます。図面、参考画像、寸法や材質の情報があれば、3Dモデルを作って映像にできます。CADデータがある場合は、モデルを作る工程を短くでき、費用と期間を抑えやすくなります。
3DCG動画の制作期間はどれくらいですか?
当社では、標準で8〜14週間、短い製品CGなら4〜6週間を目安としています。実績ページで公開している当社の3DCG動画18本では1ヶ月から4ヶ月で、2ヶ月と3ヶ月がそれぞれ5本と最も多くありました。
まとめ: 3DCG動画は撮れない・見えない部分に使い、発注前に社内で5つを揃える
3DCG動画の強みは、実写では撮れないものや、目に見えないものを見せられることです。当社が制作した3DCG動画でも、製品の内部、液体の動き、撮影すると危険な場面、まだない未来の姿を3DCGで見せてきました。
ただ、全編を3DCGにする必要はありません。実績ページで公開している当社の3DCG動画18本のうち10本は、実写やアニメーションと組み合わせています。撮れるものは実写で、撮れない部分だけを3DCGにすると、費用も抑えやすくなります。
発注の前には、支給できるデータ、機密の部品をどこまで見せるか、流す場所に音が出せない場面があるか、何語で使うか、動画以外にも使い回すかの5つを社内で決めておいてください。修正が高くつくのはモデルを確認したあとなので、最初のモデルの確認で社内の意見を揃えておくことが大切です。
3DCG動画の制作は3DCG動画制作で承っています。
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