YouTuberタイアップ動画の事例9選！効果と費用相場＆注意点について解説

近年、YouTuber（ユーチューバー）タイアップ動画を活用する企業が増えているのをご存じでしょうか。

YouTuberタイアップ動画は、広告塔として高い価値のあるYouTuberの発信力を活かしたマーケティング手法の一つです。人気YouTuberに自社の商品やサービスのプロモーションを依頼することで、認知拡大や業績アップを狙えます。

ただ、YouTuberタイアップ動画で成果を出すには、戦略的にYouTuberを選定したり、費用対効果について考えたりする必要があります。そこで今回は、YouTuberタイアップ動画の参考事例を紹介するとともに、その効果や費用相場について詳しく解説します。

YouTuberタイアップ動画とは？

YouTuberタイアップ動画とは、YouTuberに自社の商品やサービスのプロモーションを依頼して制作する動画のことです。商材と親和性のあるYouTuberや、自社のターゲット層に影響力のあるYouTuberに依頼することで、認知拡大や販売促進などの効果が期待できます。

株式会社エビリーの調査によると、2021年にYouTuberタイアップ動画を実施した企業数は前年より約1.6倍も増加しています。今後も動画マーケティングの活用法の一つとして増え続けることが予測されます。

YouTuberタイアップ動画の参考事例10選

ここからは、人気YouTuberと企業がタイアップした動画の参考事例を紹介します。

1.アサヒ飲料株式会社「ビール注ぎ対決」

アサヒ飲料の「アサヒスーパードライ」と、UUUM所属の6人組男性YouTuber「Fischer’s-フィッシャーズ」のタイアップ動画です。ブランド初となるフルリニューアルのタイミングでプロモーションを実施しており、縦型短尺動画で拡散を狙っています。

記事執筆時点（2022年8月）のデータ

チャンネル登録者数	約758万人
視聴回数	約1,410,000回
コメント数	約339

2.株式会社ロッテ「雪見大福アレンジレシピ」

ロッテの「雪見大福」とUUUM株式会社の最高顧問「HIKAKIN」のタイアップ動画です。アレンレシピ「禁断の雪見トースト」のハッシュタグチャレンジと、縦型短尺動画で拡散を狙っています。

記事執筆時点（2022年8月）のデータ

チャンネル登録者数	約1,080万人
視聴回数	約4,360,000回
コメント数	約268,000

3.ナッシュ株式会社「リピーター視点の商品紹介」

糖質に配慮した食事宅配サイト「nosh-ナッシュ」と、鉄道解説を投稿している「スーツ 交通 / Suit Train」のタイアップ動画です。再生開始1分間のみプロモーションが入っています。概要欄にサービスサイトのURLが貼り付けてあり、初回注文で300円割引が適用されます。

記事執筆時点（2022年8月）のデータ

チャンネル登録者数	約95.7万人
視聴回数	約355,000回
コメント数	約345

4.株式会社出前館「出前総額100万円チャレンジ」

ピザ・弁当などの宅配デリバリーサイト「出前館」と、UUUM所属「はじめしゃちょー」のタイアップ動画です。何品頼めば100万円に到達するのかチャレンジしています。概要欄からサービスサイトに遷移すると初回注文で2,500円（2,600円以上で適用）割引になり、抽選で次回使える5,000円分のクーポンが当たります。※現在キャンペーンは終了しています。

記事執筆時点（2022年8月）のデータ

チャンネル登録者数	約1,030万人
視聴回数	約1,320,000回
コメント数	約1,580

5.SPONSORED BY EA（ゲーム）「アニメコント」

基本プレイ無料のバトルロイヤルゲーム「APEX」と、コメディアニメを配信する「マリマリマリー」のタイアップ動画です。いつもの世界観を壊さずネタを作っており、コメント数は2,000件を超えています。

記事執筆時点（2022年8月）のデータ

チャンネル登録者数	約122万人
視聴回数	約5,270,000回
コメント数	約2,000

6.freee株式会社「税理士YouTuberによるツール評価」

決算書の作成や確定申告ができるクラウド会計ソフトの「freee（フリー）」と、税理士YouTuber「ヒロ税理士」のBtoB向けタイアップ動画です。freee導入のメリットや使い方を税理士視点でわかりやすく解説しています。

記事執筆時点（2022年8月）のデータ

チャンネル登録者数	約30.6万人
視聴回数	約192,000回
コメント数	約34

7.ヤーマン株式会社「美容系ナイトルーティン」

美容・健康機器メーカーであるヤーマンの「エイジングケアスチーマー」と元女優で美容系YouTuber「山賀琴子」のタイアップ動画です。ナイトルーティンの中で商材の使い心地や効果を紹介しています。

記事執筆時点（2022年8月）のデータ

チャンネル登録者数	約8.2万人
視聴回数	約678,000回
コメント数	約7

8.MIGホールディングス株式会社「ケンズカフェ東京のお店探訪」

高級チョコレートで有名な「ケンズカフェ東京自由が丘店」と、フードファイター「木下ゆうか」のタイアップ動画です。お店に来店して人気商品の箱入りガトーショコラを購入し、食レポするところまで撮影しています。指定日に来店して動画内のキーワードを伝えると、2本目が無料になるキャンペーンを実施しています。※現在キャンペーンは終了しています。

記事執筆時点（2022年8月）のデータ

チャンネル登録者数	約543万人
視聴回数	約551,000回
コメント数	約106

9.株式会社タカラトミー「スライムを包む実験」

タカラトミーの液晶お世話トイ「ぷにるんず」と、UUUM所属「のってん」のタイアップ動画です。30分近い長尺の動画で商品の魅力を余すことなく伝えています。

記事執筆時点（2022年8月）のデータ

チャンネル登録者数	約53.3万人
視聴回数	約1,320,000回
コメント数	約507

YouTuberタイアップ動画の効果・メリットとは？

YouTuberタイアップ動画には、どのような効果・メリットがあるのでしょうか。詳しく解説します。

ターゲティングしやすい

自社がターゲットとする層を多く抱えているYouTuberとタイアップすることで、狙った属性グループに向けてダイレクトに商材の宣伝ができます。

テレビCMの場合、時間帯や番組内容によってある程度年齢や性別は想定できますが、その広告が本当にターゲット層に視聴されているのかを計測するのは難しいです。

YouTuberタイアップ動画であれば、20代の美容・コスメ系YouTuberは20代の美容に興味のある女性、40代のガジェット系YouTuberはお金を使う習慣のあるビジネスマンといった具合に、年齢や性別はもちろん、興味・関心の軸でもターゲティングできます。

商材の購入検討率がアップする

YouTuberタイアップ動画は、購入検討率をアップする手法として有効です。

株式会社BitStarの調査によると、YouTuberタイアップ動画を視聴した人は、視聴していない人に比べて商材への好感度が29.8ポイント高いという結果が出ています。

また、UUUM株式会社の調査によると、Youtuberタイアップ動画によって商材の認知が34.8%向上、興味・関心が23.5%向上、購入意向が34.6%向上したというデータも発表されています。

視聴者との関係が築けているYouTuberにタイアップを依頼すれば、その信頼度も上乗せして訴求できるため、視聴者が顕在顧客に移行する可能性が高まるのです。

PDCAサイクルで効果を最大化できる

YouTuberタイアップ動画は一度配信して終わりではなく、次のプロモーション施策に向けてPDCAサイクルを回すことができます。

動画自体の再生回数やエンゲージメントはもちろん、概要欄に貼り付けたサービスページやECサイトのURLからコンバージョンを計測したり、クーポンコードで購入が何件あったのかなども計測できます。

ユーザーの行動を細かく分析できるため、サービス認知やファンの育成に留まらず、SNS経由での売上向上も狙うことができます。

YouTuberタイアップ動画の費用相場

YouTuberタイアップ動画の費用は、1本数万円〜数百万円と幅があります。あくまで目安となりますが、チャンネル登録数1人あたり2〜4円で算出するケースが多いようです。登録者数が10万人なら20〜40万円、100万人なら200〜400万円になる計算です。

このほか、過去30日間の平均再生回数×2〜10円で算出したり、コンバージョン数に応じた成功報酬型の契約もあります。これらは登録者数1,000〜1万人のナノインフルエンサーに有効です。費用には動画制作費、YouTube以外のSNSでの動画紹介なども含まれます。

知名度の高いYouTuberほど高額になりますが、東京キー局の15秒CMが1回40〜80万円と考えると、かなりの低コストです。YouTuberタイアップ動画は狙ったターゲットに視聴してもらえますし、配信期間など定めないケースも多いため、費用対効果の高いマーケティング手法であるといえます。

YouTuberタイアップ動画に向き不向きな商材

YouTuberタイアップ動画には、向いている商材と不向きな商材があります。

向いている商材

YouTuberタイアップ動画に向いているのは、季節商材や新商品、新サービスです。商材の種類はここ数年ゲーム（アプリ）が多く、食品やお取り寄せグルメ、宅配サービスや美容グッズなども目立ちます。参考までに、以下は株式会社BitStarが発表している2022年1〜3月の間に投稿されたタイアップ動画の再生回数ランキングです。

順位	商品名	会社名	再生回数
1位	スーパードライ（飲料食品）	アサヒビール株式会社	1782万回
2位	nosh（宅配サービス）	ナッシュ株式会社	799万回
3位	Apex Legends（ゲーム）	SPONSORED BY EA	685万回
4位	荒野行動（ゲーム）	NetEase Games	605万回
5位	SHEIN（ファッション小売り）	ZOETOP BUSINESS CO., LIMITED	561万回
6位	逆転オセロニア（ゲーム）	株式会社ディー・エヌ・エー	554万回
7位	モバイル版ウイニングイレブン（ゲーム）	株式会社コナミデジタルエンタテインメント	548万回
8位	メンズクリア（メンズエステ）	株式会社クリア	533万回
9位	グリシン3000＆テアニン200（健康食品）	株式会社ファイン	458万回
10位	FUJIMI パーソナライズサプリメント（健康食品）	トリコ株式会社	352万回

業界別の特徴を大まかに解説します。

ゲーム

エンタメ系YouTuberやゲーム実況YouTuberなど。eスポーツが開催されているスマホゲームアプリが多く、YouTuberとオリジナルグッズを作成したり、ゲーム内のキャラクターとしてYouTuberが登場するタイトルもあります。

食品

エンタメ系YouTuber、大食い系YouTuber、食レポが得意なYouTuberなど多岐にわたります。キャンペーンや新商品の紹介動画が目立ちます。

宅配サービス

エンタメ系YouTuberやファミリー系YouTuberなど。日常生活の中でいかにラクできるか、楽しめるかにフォーカスした動画が多いです。

お取り寄せ

料理系YouTuber、料理が趣味の芸能人、料理研究家など。お取り寄せ食材を使ったレシピや調理アイディアを紹介しています。

美容グッズ

美容系YouTuber、美容が趣味の芸能人、美容研究家など。ルーティンやメイク術の手順などを紹介しています。

不向きな商材

YouTuberの能力によっても左右されますが、ほとんどの商材でタイアップ可能です。しかし、ターゲットが狭くニッチすぎる商材、手に持ったり使っているシーンを映像化できない無形商材などは、ユーザーにメッセージが届きにくいかもしれません。

また、YouTuberの利用率は全世代で9割を記録しているものの、60〜70代は男女ともに4〜6割程度です。高齢ユーザー向けの商材によっては、テレビCMなどマス広告の方が反響を得られる場合もあります。

YouTuberタイアップ動画の注意点

YouTuberタイアップ動画を制作する際の注意点について解説します。

スキャンダルや炎上に備える

YouTuberとの間にスキャンダルや炎上に備えた契約条項を設定しましょう。

YouTuberは芸能人やスポーツ選手と同じように、個人としての影響力が強い職種です。たとえ事務所に所属していたとしても、それらはプロモーションの成功を保証するものではありません。

チャンネル登録者数やフォロワー数の多さに惑わされず、過去に炎上要素のある動画を配信していないか、コンテンツに不備がないかなど確認する必要があります。

宣伝動画であることを明示する

YouTuberタイアップ動画は、ステルスマーケティングによる炎上リスクを回避するため、動画と概要欄に宣伝動画であることを明示しなければなりません。

引用元：https://www.youtube.com/watch?v=z1MO-zPp9Ms

YouTubeにはプロモーションを含む動画であることを示す機能があり、画面上に視聴開始から10秒程度「プロモーションを含みます」と表示できます。視聴者はこの表示によって、YouTuberが企業から金銭や物品を受け取っていると認識します。

広告はときにネガティブな感情を生みますが、YouTubeにはクリエイターを応援する文化があり、動画の内容さえ面白ければ「タイアップ案件がおめでとう！」「またやってほしい！」といったコメントや高評価を得ることもできます。

戦略や方向性を共有する

タイアップ案件を依頼する段階から戦略や方向性を共有し、双方のベクトルを合わせておきましょう。なぜなら、YouTubeチャンネルはあくまでYouTuberのホームであり、企画から制作までクリエイター側に依存するケースが多いからです。

編集や商材の見せ方などはYouTuberに任せて、著作権侵害やコンプライアンス違反などのサポート役に徹した方が上手くいく可能性が高まります。

単発の実施では効果がわかりにくい

動画施策全般に言えることですが、単発の実施では十分な効果測定ができません。効果を出している企業の多くは月に10本以上のタイアップを実施しています。

人気YouTuberに限らず、登録者数はそこまで多くなくても商材に親和性のあるYouTuberなど、複数パターンを試して効果検証を繰り返しましょう。

まとめ：YouTuberタイアップ動画で自社のPRを加速させよう

YouTubeタイアップ動画は、YouTuberを通して商品やサービスの魅力をダイレクトに伝えられます。視聴者が第三者のコンテンツを能動的に視聴している今、YouTubeなどSNSから直接購入する流れはさらに加速していくはずです。

株式会社VIDWEBは企業の動画活用を支援する会社です。YouTuberタイアップ動画を含む幅広いジャンルの動画制作に対応できます。高品質な動画を低コストかつスピーディーに提供できますので、まずはお気軽にご相談ください。