TikTokをマーケティングに取り入れて、知名度や認知度の向上に成功している企業が増えています。
ただ、これからTikTokへの参入を検討している企業は、
「具体的にどんなメリットがあるのか?」
「自社の商材はTikTokに向いているのか?」
「企業アカウントを伸ばすにはどうしたらいいのか?」
など、気になるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、企業がTikTok運用に取り組むメリットと、どのような企業がTikTokに向いているのか詳しく説明します。運用のポイントや活用事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
企業がTikTok運用に取り組む6つのメリット
企業がTikTok運用に取り組むメリットは以下の6つです。
- 幅広い年齢層にアプローチできる
- 潜在層に動画を届けやすい
- 人材採用にも活用できる
- 商品購入率が高い
- 動画制作のハードルが低い
- 企業アカウントが避けられにくい
それぞれについて詳しく説明します。
1.幅広い年齢層にアプローチできる
TikTokは幅広い年齢層にアプローチできるプラットフォームです。
株式会社博報堂が2022年に実施した調査によると、依然として若年層の利用率は高いものの、平均年齢は34歳を超えています。また、edamame Japan合同会社の調査によると、40代男性の利用率が最も高く、次いで20代男性、30代男性と続きます。
TikTokは若年層だけでなく、企業が積極的に狙いたいM2層(35〜49歳男性)にも有効です。
2.潜在層に動画を届けやすい
TikTokはInstagramやFacebook、Twitterなど他SNSに比べて、潜在層にアプローチしやすいプラットフォームです。
TikTokにはフォローの有無に関わらず、ユーザーの興味関心に合わせて動画が表示される「おすすめ」フィードがあります。ユーザーは滞在時間の8割(約1時間/日)を「おすすめフィード」に費やしているため、企業はフォロワー獲得に奔走する必要はありません。
魅力的なコンテンツを制作すれば、アカウント開設直後から潜在層に動画を届けられます。
3.人材採用にも活用できる
TikTokは企業の採用マーケティングに活用できます。
株式会社Suneightの調査によると、23年卒の学生100名のうち、81.0%がTikTok上で企業の動画を視聴した経験があり、そのうち80.2%がその企業に「興味を持ったことがある」と回答しています。
また、興味のある企業アカウントで視聴したいコンテンツについて質問したところ、「社員のコミュニケーションの様子(45.3%)」や、「実際の仕事の様子(40.7%)」など、職場のリアルがイメージできるコンテンツが好まれることがわかりました。
TikTokを採用に活用すれば、自社サイトや就活・転職サイトでは難しい、和気あいあいとした社内の雰囲気を伝えられます。
4.商品購入率が高い
TikTokは商品購入率の高いSNSです。
株式会社ニュートラルワークスの調査によると、42.5%がTikTokをきっかけに商品に興味を持ち、うち41.6%の人が「実際に購入したことがある」と回答しています。
商品購入率が高い理由の一つに、TikTok内に存在する無限ループがあります。
また、TikTokの「おすすめ」フィードは、顕在化されている好きなものだけでなく、次に好きになりそうなものに関わる動画を的確に表示します。これは、新しい情報に触れたいというユーザーのニーズを解決するものであり、潜在的な欲求を購買行動にまで動かす理由とも考えられています。
5.動画制作のハードルが低い
TikTokは、アプリの機能だけではやりの動画を簡単に作成できます。
TikTok内のコンテンツのほとんどは模倣であり、オリジナリティよりもアレンジ力が問われます。InstagramやYouTubeのように、コンテンツを作り込む必要はありません。
また、企業が商品やサービスの認知度アップを狙うのであれば、クリエイターやインフルエンサーにPRを依頼するという方法もあります。
6.企業アカウントが避けられにくい
TikTokは企業アカウントや広告が避けられにくい傾向にあります。
動画が全画面に表示されるため、投稿元よりも動画そのものに注目が集まります。また、広告も通常の投稿と同じ流れで挿入されるため、ユーザーは興味がなければスワイプ操作で簡単にスキップできます。
そのため、広告感を抑えた動画を制作することで、ユーザーに不快感を与えることなく商品やサービスをPRできます。
TikTok運用に向いている企業とは?
TikTokの運用に適している企業は以下の通りです。
- ユーザーに身近で手に取りやすい商材を取り扱っている
- 購買プロセスを疑似的に追体験できるサービスを提供している
- 情緒的価値をコンテンツに盛り込める
- 「面白い」でアプローチできる
- 公式キャラ・インフルエンサー制度がある
それぞれについて説明します。
ユーザーに身近で手に取りやすい商材を取り扱っている
ユーザーに身近で手に取りやすい商材はTikTokに向いています。
TikTokは15〜30秒の短尺動画が主流です。そのため、パッと見ただけでその商材が何なのか、どんな使い方をするのかわかりやすいほどコンテンツの幅が広がります。
購買プロセスを疑似的に追体験できるサービスを提供している
購買プロセスを疑似的に追体験できるサービスは、TikTok動画に適しています。
飲食店であれば、「入店から料理の提供」「調理工程」「スタッフの接客」などが追体験できるコンテンツが該当します。
情緒的価値を動画に盛り込める
商品やサービス、企業の情緒的価値を動画に盛り込める企業はTikTokに適しています。具体的には「ブランドの歴史や由来」「開発ストーリー」「会社の裏話」などです。
一方、「速い」「固い」「新しい」など機能的価値しかアピールできない企業は、ユーザーの共感を得にくく、他の動画に埋もれてしまう可能性があります。
「面白い」でアプローチできる
商材やサービス、登場人物をエンターテイメントに転換できる企業は、TikTok運用に適しています。
TikTokのコンテンツで重要な要素は、「中毒性」「斬新さ」「面白さ」です。これらの要素に転換できるものがないと、ユーザーを惹きつけられず、TikTokのメリットを最大限に活かせない可能性があります。
公式キャラ・インフルエンサー制度がある
公式キャラクターやはやりのダンス、モノマネができる人材のいる企業は、効果的に認知度や好感度を上げられる可能性があります。
動画に顔出しする社員に関しては、インフルエンサー手当など、制度面も充実させておくとよいでしょう。
企業のTikTokマーケティングの主な手法
企業のTikTokマーケティングの主な手法は以下の3つです。
オーガニック投稿 | 企業がTikTokアカウントを開設してコミュニティを構築し、ファンマーケティングを展開する。 |
---|---|
有料広告 | TikTokに広告を出稿する。起動画面広告、ハッシュタグチャレンジ、インフィード広告、運用型広告の4種類。 |
PRを依頼 | 自社の商品やサービス、ターゲット層とマッチするクリエイター・インフルエンサーにPRを依頼することで、広告感を出さずに認知を促す。 |
TikTokの機能追加によって、今後さらに手法が増えていくことが予測されます。
企業のTikTok活用事例4選
ここでは、企業のTikTok活用事例を4つ紹介します。
1.インフルエンサーとの共創マーケティング
@_13m_m_ Essential THE BEAUTYさんの 新商品【ウォータートリートメント】の 広告モデルとして 出演させて頂いています😍🍑 店頭、JR東日本、大阪メトロ、 Instagram,Twitter,TikTokに 色んなバージョンが流れているので 全部見てもらえたら嬉しいなぁ〜😍🍑 ぜひ見かけたら教えてください!
♬ オリジナル楽曲 – lolo🍑 – Momochi🍑
花王エッセンシャルの新トリートメント「マーメイド髪水」のTikTok活用事例です。
出演者であるクリエイターと協議しながら、TikTokキャンペーンの効果を高めるクリエイティブを制作しています。
2.専用アプリ×TikTok投稿
タカラトミー「MUGENYOYO(ムゲンヨーヨー)」のTikTok活用事例です。
ムゲンヨーヨー専用アプリに「TikTokボタン」を搭載し、プレイする動画をそのままTikTokに投稿できるようになっています。TikTok売れを狙ったキャンペーンです。
3.オリジナルダンス&オリジナル楽曲
ディズニープラスのドラマ版「シコふんじゃった!」のTikTok活用事例です。
オリジナル音楽「りんごの木の下で シコダンスRemix」に合わせてオリジナルダンス「#シコダンス」を発信しています。振り付けはTikTokerの「タイガの振り付け」さんです。
4.ハッシュタグチャレンジ
Stray Kidsの新曲「CASE 143 -Japanese ver.-」のTikTok活用事例です。
音源を選択して動画を撮影、ハッシュタグをつけて動画を投稿すると、抽選でメンバー直筆サイン入りソロチェキが当たるキャンペーンを実施しています。
最新トレンドを取り入れてTikTok企業アカウントを運用しよう
TikTokは拡散性があり、購買意向の高い人々が集まるプラットフォームです。企業はマーケティング戦略の一環としてTikTokを活用することで、幅広いターゲット層にリーチしたり、エンゲージメントを高めたりできます。
ただ、TikTokのトレンドは常に変化しています。おすすめフィードに投稿を表示させるためには、人気のハッシュタグを反映したコンテンツを作成することが重要です。企業の担当者はトレンドハッシュタグを常にチェックして、ユーザーの興味を引くようなコンテンツを継続的に発信するようにしましょう。