SNSや動画プラットフォーム内などで見かけることが増えたコンセプトムービー。近年は業界問わず多くの企業がコンセプトムービーを導入しています。
しかし、コンセプトムービーに興味はあるものの、どのようなコンテンツなのか、どのような効果を得られるかよくわからないという方も少なくありません。
そこで今回の記事では、コンセプトムービーの目的やメリット、制作時のポイントを紹介します。コンセプトムービーの事例も紹介するので、どのように活用すべきかお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
コンセプトムービーとは
コンセプトムービーとは、ブランドや商品・サービスのコンセプトやメッセージ、ビジョンなどを伝えるための動画です。テキストや画像では伝えづらい抽象的な概念を表現するために、動きや音のある動画が用いられています。
自社のオリジナリティを伝えるためだったり、コンセプトに共感してもらうためだったり、コンセプトムービーを制作する目的はさまざまです。近年はBtoC領域からBtoB領域まで、幅広い分野で活用されています。
コンセプトムービーはブランディングムービーと混同されやすいですが、両者の制作目的は異なります。以下で詳しく確認しましょう。
ブランディングムービーとの違い
コンセプトムービーとブランディングムービーの違いは「目的」です。ブランディングムービーは「ブランディング」を目的としているのに対して、コンセプトムービーは「プロモーション」の意味合いが含まれることもあります。
コンセプトムービーの場合、動画内で商品・サービスが直接的に表現されることがありますが、ブランディングムービーの場合は特定の商品・サービスをアピールせず、ブランド全体の価値を高めるようなコンテンツになっています。
ただ、コンセプトムービーとブランディングムービーの概念は曖昧で、両者が組み合わさったようなケースも少なくありません。それでは、企業はどのような目的でコンセプトムービーを導入するのでしょうか?
コンセプトムービーの目的
企業がコンセプトムービーを制作する目的を紹介します。
商品・サービスのプロモーション
先述した通り、コンセプトムービーは「商品・サービスのプロモーション」のために用いられることがあります。その魅力や世界観を伝えることで、視聴者のアクションを促進する効果が期待できるためです。
商品・サービスに込められた思いや背景なども伝えられることに加え、どのような商品・サービスであるか細かいイメージを伝えられます。
コンセプトに共感してもらえれば、ユーザーのロイヤリティを高められるので、リピーターを獲得することも可能です。
採用活動の促進
コンセプトムービーは「採用シーン」で利用されることも多いです。企業理念やビジョン、ミッション、働いている社員の様子などを動画で見てもらうことで、求職者の理解度を深められます。
また、会社の魅力を伝えることで求職者に興味を持ってもらいやすくなり、採用母集団の形成にも効果的です。
さらに、動画を活用すると企業の考え方が明確に伝わりやすくなるため、求職者は共感できる考えか判断しやすくなり、ミスマッチを防ぐことができます。
ブランディング
コンセプトムービーは「ブランディング」の効果を期待できます。ブランディングとは、ユーザーの信頼や共感を得ることでブランド価値を高めることです。
コンセプトムービーはさまざまな技法を利用できるため、ブランドの世界観やメッセージを表現できます。細かいニュアンスまで伝えられるのでブランディングに有効な手段といえます。
商品・サービス、企業のブランディングを確立すれば、知名度をアップさせることにつながり、売上の拡大を目指すことが可能です。
コンセプトムービーを活用するメリット
それでは、コンセプトムービーを導入することでどのようなメリットを得られるのでしょうか?
競合との差異化を図れる
オリジナリティの高いコンセプトムービーを制作することで、競合との差異化を図ることができます。
近年は商品やサービスのコモディティ化(商品が一般化すること)が進み、独自価値を保つのが難しくなっています。そんな中で競合他社と差異化を図るためには、自社の商品・サービスの魅力を最大限に伝える必要があります。
動画では多種多様な表現方法を活用して商品・サービスの魅力を伝えることが可能です。そのため、自社の特異性や強みをアピールするためにコンセプトムービーは効果的といえます。
表現の幅を拡大できる
動画は画像やテキストよりも表現方法が幅広いコンテンツです。さまざまな映像表現を駆使しながら制作することで、視聴者の心に残るコンセプトムービーを実現できます。
例えば、社員の思いやメッセージを伝えたい場合はインタビュー形式を選択できますし、視聴者の関心度を高めたい場合はストーリー性のあるドラマ形式などを選択できます。他にも、アニメーションや実写、3DCG、VR、ドローン撮影など、あらゆる映像技法を活用できます。
さらに、これらの技法を組み合わせることで、オリジナリティの高いコンテンツを目指せるのです。
複数の媒体で配信できる
コンセプトムービーは、複数の媒体で配信することが可能です。動画制作にはある程度のコストがかかりますが、複数の媒体に掲載することで費用対効果を高めることができます。
例えば、InstagramやTwitter、FacebookなどのSNSをはじめ、自社の公式ページやサービスページ、YouTubeなどの動画配信プラットフォームでコンセプトムービーを公開できます。
複数の媒体で配信することで、より多くの見込み顧客にリーチできるため、認知度アップや売上拡大も目指せます。コンセプトムービーをどのような媒体で活用できるか、次章で詳しく確認していきましょう。
コンセプトムービーの効果的な活用方法
ここでは、コンセプトムービーの効果的な活用方法を紹介します。
自社サイト
コンセプトムービーは自社サイトに掲載するコンテンツとして活用できます。
自社サイトの訪問者は商品・サービス、もしくは企業に興味を持っている可能性が高いです。そこでコンセプトムービーを視聴してもらうことで、問い合わせや商品・サービス購入などのアクションを促進することができます。
また、商品・サービスについて詳しく紹介している記事や画像などを組み合わせることで、充実したWebページになり、視聴者の理解度を高められるのです。
有料広告
コンセプトムービーは有料広告としても配信可能です。近年は動画広告市場は著しく拡大しており、多くの企業が動画広告を取り入れています。
YouTubeなどの動画内で流れる「インストリーム広告」、もしくはWebサイトのバナーや、SNSなどのフィードに表示される「アウトストリーム広告」などでコンセプトムービーを公開できます。
有料広告としてコンテンツを配信するにはコストがかかるものの、効果検証がしやすいですし、多くの見込み顧客にアプローチできます。
YouTubeチャンネル
世界的な動画プラットフォームであるYouTubeでコンセプトムービーを公開できます。
Googleが運営しているThink with Googleによると、2020年9月における日本の月間利用者数は6,500万人を超えたことが明らかになっています。また、YouTubeを利用しているユーザーの年齢層は幅広いのが特徴的です。
つまり、YouTubeチャンネルでコンセプトムービーを公開することで、多くのユーザーに視聴してもらえますし、幅広い年齢層にアプローチできます。
ちなみに、YouTubeチャンネルのコンテンツとして公開するほか、先ほど紹介した有料広告としても配信することが可能です。
SNS
コンセプトムービーはSNSと親和性が高いコンテンツです。
SNSでは視聴者からのリアクションを直接確認できますし、視聴者の心に響く動画であれば拡散される可能性があります。また、視聴者の反応を見ながら動画を修正・改善することも可能です。
ただ、SNSごとに視聴者の属性や配信方法などが異なるので、それぞれの特性を理解する必要があります。さらに、SNSによって最適な動画の長さやサイズが変わってくるので、配信できる動画の規格も併せて確認することが大切です。
Instagramに投稿できる動画の長さやサイズについては、以下の記事で紹介しています。
SNS別の最適な動画時間・効果的な制作のポイントを徹底解説
コンセプトムービーを制作する際の注意点・ポイント
では、コンセプトムービーを制作する際はどのようなポイントに注意すればいいのでしょうか?
目的を設定する
まず、コンテンツ制作の前に「目的」を明確化しましょう。先ほど紹介したようにコンセプトムービーを配信する目的はさまざまです。
認知度向上や売上拡大、ブランディング、企業紹介など、目的によってどのようなコンテンツを制作すべきか変わってきます。
目的がはっきりしていると、目的を達成するまでの道筋を考えやすく、より効果の高いコンテンツを効率的に制作できるのです。
ターゲットを設定する
目的を設定した後は「ターゲット」を設定することが大切です。どのようなオーディエンスに配信するか明確にすることで、視聴者に響きやすいコンテンツを目指すことができます。
例えば、学生に向けた動画を制作するのであれば、学生が共感できるようなメッセージを差し込んだり、トレンドを取り入れたりすることができます。
また、ターゲットが明確になっていればコンテンツ制作に加えて、最適な配信方法も考えやすくなります。
情報を詰め込みすぎない
コンセプトムービーを制作する際は、情報を詰め込みすぎないように意識しましょう。情報量が多すぎると動画が長くなりやすく、視聴者が途中離脱する可能性が高まります。
また、重要なポイントが他の情報に埋もれてしまい、1番伝えたいメッセージが届きにくくなります。
30秒以内の動画であれば、メッセージは1〜2つ程度がよいでしょう。伝えたいメッセージが他にもある場合は、コンセプトムービーを複数制作することをおすすめします。
コンセプトムービーの事例
それでは、コンセプトムービーはどのように活用されているのでしょうか?ここでは、コンセプトムービーの事例を紹介します。
ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ株式会社
ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ株式会社が展開するオーディオ製品のコンセプトムービーです。
「Music Bridges Us」という製品に込められたメッセージを伝えるために、ヴァイオリニストRay Chen(レイ・チェン)氏による演奏を取り入れています。
また、クラシックの本場であるドイツで撮影することで、ブランドの世界観や繊細なニュアンスを表現しています。
株式会社アウトソーシングテクノロジー
株式会社アウトソーシングテクノロジーが実施しているエンジニアに向けたインターンシップ「REAL Tech」のプロモーション動画です。
インターン生が実際に活動している様子を見せることで、どのようなインターンシップなのかイメージしやすくなっています。また、インターンシップに参加することでどのような体験が得られるかをメッセージとして伝えています。
リノべる株式会社
リノべる株式会社が手掛ける都市創造事業を紹介するコンセプトムービーです。
同社は2020年7月に複合型シェアスペース「RENOVERU OSAKA/リノベる大阪」をオープンするなど、働き方や暮らしに関する新しい価値を提案しています。
社員がどのような思いで事業に取り組んでいるかが伝わるようにインタビューを取り入れています。
コンセプトムービーを効果的に活用しよう
今回の記事では、コンセプトムービーの基本的な知識を紹介しました。コンセプトムービーとは、プロモーションや採用、ブランディングなどの目的で活用される動画です。
インタビューやアニメーション、実写など、さまざまな技法を活用できるので、視聴者の心に響くようなコンテンツを目指すことができます。
視聴者の共感をより高めるには、クオリティの高いコンセプトムービーを制作することが大切です。魅力的なコンテンツであれば最後まで視聴してもらえますし、会社や商品・サービスに興味を持ってもらえます。
効果の高いコンセプトムービーを目指している企業は、制作会社に依頼するのも一つの手段でしょう。動画制作を専門としている会社に依頼することで、さまざまな技法を融合させたコンテンツを制作できます。