建設・建築業界における動画の利用シーン・メリットをご紹介

活用事例
公開日:2020年9月7日 / 最終更新日:2024年10月16日
建設・建築業界における動画の利用シーン・メリットをご紹介
監修者紹介
小澤信人
小澤信人 プロデューサー

建設・建築・土木業界などは職人が多いこともあり、大手を除き動画活用がまだまだ進んでいない印象があります。しかし建設業界のようなモノづくり分野は、建築物の完成イメージや職人の技術を魅力的に見せる際に動画が大変役に立ちます。
本コラムでは、建設・建築業界の代表的な動画活用シーンとそれぞれのメリットを事例とともに紹介していきます。

建設・建築業界の方で

  • 動画を活用したいけれど、どうすれば良いかわからない
  • 効果的な動画の作り方を調べている

とお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

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建設・建築業界における主な「動画」利用シーン・メリット

まずは建設・建築業界における代表的な利用シーンとメリットを一覧でご覧ください。

動画の利用シーンメリット
建築プロジェクトの情報共有・説明としての動画活用
  • プロジェクトの細部まで具体的に情報を共有できるため
  • クライアントとの「認識のズレ」が生じにくい
  • 完成イメージを動画で見せることでクライアントの興味度が高まる
技術PR・広報での動画活用
  • 興味をもってもらいやすい
  • 人材獲得につながる可能性もある
  • 海外への発信ツールにもなる
VR・AR・360度動画の活用
  • VR・AR動画で完成イメージを直接的に伝えられる
  • 360度動画を使えば遠隔で現場確認ができる
採用動画の活用
  • 職人の「かっこよさ」を伝えやすい
  • 建設・建築業界の3Kイメージ払拭につながる
社内研修での動画活用
  • 複雑な作業でもCGやアニメーションで簡単に説明できる
  • 熟練の技を共有できる
  • 教育コストの削減

建設・建築プロジェクトの情報共有・説明としての動画活用

建設・建築プロジェクトは、建築物を建てる目的やコンセプト、完成イメージなど伝えなければならないことがたくさんあるため、資料にすると膨大なページ数となってしまいます。そのため説明を受ける方は、情報処理の負担が大きく「認識のズレ」も起こりやすくなってしまいますが、動画を活用することで膨大な情報も短時間で簡単に伝えることができます。建築プロジェクトの情報共有がうまくできるということは、スムーズなプロジェクト進行にもつながります。

また、完成イメージなどはCGで表現することで、クライアントはダイレクトに未来を想像できるため、建設・建築プロジェクトに対する理解を得やすいのも特徴と言えるでしょう。

Zoomなどのオンライン会議システムを利用することでテレワークにも対応

働き方改革の一環としてテレワークが推奨されていますが、オンライン会議システムを使えば家にいながらプロジェクトメンバーとの会議が可能です。
もちろん、クライアントへのプロジェクト説明もオンライン会議システム上でできるため、遠方に住んでいてなかなか説明会の場を設けられない場合などに便利でしょう。

動画活用事例:森林と共に生きる街「LOOP50」の建設構想

株式会社大林組による、木造都市「LOOP50」の建築設計プロジェクト説明動画です。3DCGで年月とともに木造建物が変化していく様子と、そこで暮らす人々の快適さを表現しており、「LOOP50」に暮らす未来を想像しやすい動画となっています。

技術PR・広報での動画活用

動画は見た人に強い印象を与えやすいという特徴があります。そのため、技術PRや広報に動画を活用することで、集客や認知度向上効果が期待できます。建築技術をアピールすることで、建設・建築・土木業界自体に興味を持ってもらえる可能性も高くなり、結果的に人材獲得にもつながる可能性も高まります。

また、日本ならではの技術力の高さをアピールする英語の字幕入り動画にすることで、海外への発信ツールとして活用できるのもポイントです。

動画活用事例:建築家へのインタビュー

建築会社R+houseの広報動画で、家を建てる時に気になる「他社との違い」や「コスト」に関することを建築家自らがインタビュー形式で答えています。

実際にR+houseで働く建築家が家づくりに関する疑問に答えているため、信頼性の高い動画に仕上がっています。

VR・AR・360度動画の活用

VRとはCGで空想の空間を作り出して体験できる技術で、ARは実際の画像などにCG映像を合成する技術です。ARは、人気ゲームアプリ「Pokémon GO」をイメージしてもらうとわかりやすいと思います。

VR・ARで建築前に景観シミュレーションや内装の検証をすることで、完成後の「イメージと違った」という事態を避けられます。
360度カメラは、動画をスワイプすると映像が360度動き、全体を見ることができる技術で、モデルルームの紹介に活用すれば実際に内見しなくても物件の細部まで知ることができます。また、建築現場で活用すれば遠方や人手不足が原因でなかなか現場まで行けない場合にも便利です。

動画活用事例:VR360度カメラによる物件案内

藤島建設によるVR360度カメラを使った住宅展示場の紹介動画です。担当者がカメラを持って物件内を進んでいますが、動画を指でいろんな方向にスワイプすることで360度見渡すことが可能です。

採用動画の活用

建築業界は「きつそう」「危険そう」「厳しそう」といった3Kのイメージがまだまだ根強くあります。

採用動画では3Kのイメージを払拭するためにも、柔軟な働き方や勤務形態の透明性などをアピールすることで信頼性が増し、人材獲得につながるでしょう。
また、職人のかっこよさや社員の建築に対する熱意を伝えることも、会社だけでなく建築業界全体のイメージアップにつながります。

ターゲットとなる多くの学生に向けてYouTube広告などでPRする活動も効果的と言えます。YouTubeは学生などの若年層の利用者が多く、採用マーケティングにも活用しやすい媒体と言えます。

動画活用事例:鴻池組の採用動画

鴻池組の採用動画です。建築現場で働く社員たちの作業シーンや建築と真剣に向き合う姿をテンポよく写し出し、スピード感のあるBGMをつけることで建築業の「カッコよさ」を表現しています。
ナレーションはなく40秒と短い動画ですが、「KENCHIKUがカッコ悪いって?」「つくったのは俺だ!」など印象的なテロップをうまく使うことでやりがいもアピールしています。

社内研修での動画活用

建設・建築・土木業などは作業工数が多く内容も複雑なため、社員が一度の研修で仕事内容を理解するのは大変です。しかし、動画を使えば複雑な技術や作業でもCGやアニメーションで簡単に説明できるため、社員の理解度を上げることができます。

また、建設・建築業界では熟練職人の技術や知識は職人の頭の中だけにあり、マニュアル化できていないという場合が多いようですが、動画で技術を共有することで技術伝承にも役立つでしょう。人材不足により外国人労働者を雇用する建築会社も、多言語字幕をいれたり3DCGやアニメーションを使って無言語で技術説明をすることで、理解度を上げることができます。

研修動画やマニュアル動画を一度作ってしまえば、繰り返し視聴することができるため、教育コストを大幅に削減できるのもポイントです。

動画活用事例:外国人労働者向けの安全教育

労働安全衛生総合研究所の外国人労働者向け安全教育動画です。字幕は入っていませんが、実際のに事故が起こりやすい場合を再現したシーンやイラストでわかりやすく安全性を説明することで、英語以外が母国語の外国人労働者にも利用できる動画となっています。

建築業界の動画制作のポイント

建設・建築業界で動画を制作する際は、下記のような最新の動画撮影技術を取り入れるのがおすすめです。

ドローンは建物全体を空から撮影できるため、建築物のプロモーション動画に利用すれば迫力ある動画に仕上がります。また、建築パース制作や建築中の進捗状況確認にも役立つでしょう。

AR・VRは上記でも紹介しましたが、建築物の完成イメージを具体的に伝える手段として使えます。そのため、クライアントと認識をすり合わせることができ、顧客満足度アップにもつながるはずです。
インタラクティブ動画は、視聴者側に動画内で何らかのアクションを起こしてもらえる動画です。ただ動画を見てもらうだけの受動型動画よりも視聴者の興味度を上げる効果が期待できます。視聴時間や視聴者が動画内のどこで離脱したかなども分析できるため、動画改善の際にも役立ちます。

これらの最新撮影技術を建築業界で取り入れているところはまだまだ少ないため、他社との差別化にもなるでしょう。


動画を作るだけでは無く、動画を多くの人に視聴してもらう施策も重要

例えば技術PR動画や採用動画などは最適なターゲットに視聴されないと意味がありません。出来るだけ多くのターゲット層に見てもらうためには、各メディアに動画を掲載し露出を増やす必要があります。

  • 自社ウェブサイトに動画を掲載
  • SNSに動画を掲載
  • YouTubeの企業チャンネルに動画を投稿
  • 動画広告の運用

特にTwitterやFacebookなどのSNSは、動画の構成次第では思いもよらぬほど拡散される可能性もあります。また、SNSに投稿した動画が魅力的であれば、視聴者は「どんな会社なんだろう」「ほかの動画はないのかな」など、会社に興味を持ってくれるでしょう。そのため、YouTubeで企業チャンネルを開設し、さまざまな切り口の動画を投稿しておくことも効果的です。

動画はジャンルによって制作のポイント・着眼点が異なります。訴求力の高い動画にするためにも、本コラムで紹介した制作ポイントを参考に、印象に残りやすい動画作りをしてみてはいかがでしょうか。

監修者紹介
小澤信人
小澤信人 プロデューサー

大学卒業後、テレビ番組制作会社、CM制作会社、WEB動画制作会社を経て現在に至る。金融、不動産、IT、製造、小売などで業界を問わず、1500本以上の動画制作に携わる。動画のほかweb、紙面、イベントなど様々な媒体を駆使してコンサルティングの観点からクライアントの課題を解決する。プロデューサー業務のほか、ディレクター、カメラマン、エディター業務を兼ね、若手クリエイターの教育にも尽力している。

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