企業のYouTube活用方法と活用事例を解説(チャンネル運用・動画広告・ライブ配信)

動画マーケティング
公開日:2020年12月14日 / 最終更新日:2023年11月17日
企業のYouTube活用方法と活用事例を解説(チャンネル運用・動画広告・ライブ配信)
監修者紹介
小澤信人
小澤信人 プロデューサー

世界最大規模の動画配信サイトであるYouTube。YouTube公式ブログによると、2020年時点で全世界に20億人以上のユーザーがおり、日本国内でも約6200万人以上が利用しています。
国内人口の約半分が利用するYouTubeは、娯楽だけでなくユーザーと接触するためのチャネルとして利用することも可能です。

今回は企業が動画マーケティングにおいてYouTubeを活用する下記3つの方法と事例について紹介していきます。

  • YouTubeチャンネル運用
  • YouTube広告
  • YouTubeライブ配信

YouTubeのビジネス活用を検討している企業の方は、どの方法が自社に適しているか考えながらお読みください。

企業のYouTubeチャンネル運用

YouTubeを活用した動画マーケティングの方法として、企業のYouTubeチャンネルがあげられます。どちらかと言えば受動的に視聴する傾向のあるTV番組・TVCMとは違い、YouTubeは視聴者が自ら情報を取りに来るので見込み客としての熱量が高いと言えます。

そして、YouTubeには「チャンネル登録」という気に入ったチャンネルの投稿を優先的に表示させる機能があります。チャンネル登録者数は企業のファンの数です。ファンを増やして自社の知名度、見込み客を増やしていきましょう。

企業がYouTubeチャンネルを運用する際、運用方針には主に下記の5種類があります。

  • 製品やサービス紹介を中心としたYouTubeチャンネル運用
  • ブランドイメージ向上・採用マーケティングを意識したYouTubeチャンネル運用
  • 導入事例・インタビューを活用したYouTubeチャンネル運用
  • 特化型のYouTubeチャンネル運用
  • 社内報としてのYouTubeチャンネル運用

一つひとつ紹介していきますので、自社ならどの方針を取るべきか考えてみてください。

製品やサービス紹介を中心としたYouTubeチャンネル運用

企業のYouTubeチャンネルに投稿する動画として最もイメージしやすいのが「自社製品やサービス紹介動画」ではないでしょうか。自社製品やサービスを紹介する動画を投稿するメリットは、既存顧客や見込み客に接触しやすい点です。

商品紹介動画を見るユーザーは、すでにあなたの会社や商品への関心が高い人が大半でしょう。関心が高くない限り、ユーザーは多数の動画の中から商品紹介動画を見ようとは思いません。自社への関心が高いユーザーを効率的に集めることができるため、最も早く企業利益に繋がりやすい運用法です。

一方、関心のないユーザーへの接触が難しいというデメリットもあります。ユーザーに「知らない会社の知らない商品の紹介動画」を見てもらうのは非常に難しいものです。そのため、ユーザーに興味を持ってもらえるようユニークなサムネイルを採用したり、SNSと併用したり、視聴ユーザーの間口を広げられるように工夫しましょう。

YouTube内の検索流入を狙う場合は「YouTube SEO(動画SEO)」を施していく必要があります。YouTube SEOについては以下の記事で網羅的に説明しているのでご確認ください。

ブランドイメージ向上・採用マーケティングを意識したYouTubeチャンネル運用

YouTubeチャンネルを、企業のブランドイメージの向上や採用マーケティングに役立てることもできます。企業のブランドイメージを向上させることは、商品の売り上げだけでなく優秀な人材獲得にもつながります。

採用マーケティングにもつながる動画を投稿している会社は、例えばキーエンスやJTです。キーエンスは事業概要を説明する動画、JTはコンセプトを伝える動画を公開しています。
https://youtu.be/koSKjCOzzZM

新型コロナウイルスの影響で、説明会や面接などの採用活動をオンラインで完結させる企業が急増しています。優秀な人材を獲得するための採用マーケティングとして、動画を活用してみましょう。

導入事例・インタビューを活用したYouTubeチャンネル運用

自社製品・サービスの導入事例やユーザーインタビューをYouTubeに投稿すれば、視聴者がイメージしやすい「お客さまの声」として届けたい情報を顧客に届けることができます。多くの会社は自社のWebサイトやカタログに「お客さまの声」を掲載しているのではないでしょうか。

テキストで構成されたお客さまの声を映像化したものが「導入事例・インタビュー動画」です。動画ならテキスト以上に、「実際に商品がどのように役立つのか」「商品によって実現される未来とは」といことを視聴者に想像してもらうことができます。

スマホの普及によってWeb検索が気軽にできるようになり、ユーザーはインターネット上で情報収集してから商品を購入する傾向が高まっています。ポジティブな内容と感じてもらうことができれば、貴社の製品情報はユーザーの購入を後押しするコンテンツになります。導入事例を紹介する動画は、商品の紹介も同時に含めることができるメリットもあります。

専門性の高いコンテンツを取り上げたYouTubeチャンネル運用

まだ貴社の製品を購入したことのない潜在的な見込み客と接触できるYouTubeチャンネルの活用方の一つとして「自社商品に関連した知識や専門性の高い動画を投稿するチャンネル」があげられます。企業が持つハウツー情報をYouTubeで公開すれば、既存顧客ではないユーザーも有益と判断すれば視聴する可能性があります。

例えば、ブルガリアヨーグルトを販売する株式会社明治のYouTubeチャンネル「ヨーグルトレシピ明治ブルガリアヨーグルト」です。ヨーグルトを使ったレシピ動画を公開しています。
https://youtu.be/Yw6ZYY2DAeE

上記のようなレシピ動画は、明治のヨーグルトを購入していなくても料理やヨーグルトが好きなユーザーの注目を集めることが可能です。専門性の高いチャンネルを運用することで、貴社の商品やサービスに関連のある情報に興味を持つユーザーに貴社の動画を見てもらい、貴社の知名度を上げることを可能とします。
企業ならではの有益な情報を中心にしつつ、時折PR動画を投稿したり、動画のエンディングに短いCMを挟んだり、少しずつブランドイメージを潜在的な見込み客に認知させることができるのがYouTubeチャンネルの上手な使い方の一つです。

このような情報発信をメインとしたYouTubeチャンネルの運用では、YouTube内の検索でヒットするようにする施策(=YouTube SEO)が非常に重要となってきます。
YouTube SEOは方法さえ分かれば、どなたでも実践できますので、以下の記事を参考にやってみてください。

社内報としてのYouTubeチャンネル運用

従業員数の多い会社なら、社内報としてYouTubeチャンネルを活用するのもおすすめです。社内報としてYouTubeチャンネルを運用することで、会社への理解を深めたり、社内の連携を強化したり、どの部署にいる従業員も会社の全体像を把握できるようになります。

社内報として投稿できる動画は、次のような内容です。

  • 社員のインタビュー
  • 新入社員の紹介
  • 社内プロジェクトの紹介

転職サイト「エン転職」で知られるエン・ジャパン株式会社は、社内報YouTubeチャンネル「しみねーのWelcome エン・ジャパン」を運営しています。動画に登場するのはすべてエン・ジャパン株式会社の社員です。
https://youtu.be/kygGwCcTkMo

代表取締役社長も出演し、入社したばかりの社員も会社への理解を深められるようになっています。

YouTube広告(動画広告)の運用

YouTubeを活用した動画マーケティングの2つ目の方法は、動画広告の運用です。PRしたい内容を含んだ動画を作成し、広告としてYouTubeに配信することができます。

YouTubeに出稿できる広告は、主に下記の3種類です。

  • インストリーム広告:動画中に挿入される長めの動画広告
  • ディスカバリー広告:検索結果のトップや関連動画の左下に表示される
  • バンパー広告:6秒以下の素材に限られたスキップできない動画広告

インストリーム広告とバンパー広告の大きな違いは、動画広告の長さです。インストリーム広告はスキップできるものとできないものがあり、長い動画も出稿できます。一方、バンパー広告は6秒以下の動画素材に限られるため、短い動画でも確実にメッセージを伝える工夫が必要です。

広告の種類ごとにかかる費用や、費用が発生する条件が異なります。詳細は、下記記事で解説していますので、ご興味がある方はぜひご覧ください。

YouTubeでは広告を出稿する際、地域や年齢、性別などを選択してセグメントを設定できるので、貴社サービスのターゲット層に合ったユーザーにピンポイントで配信できます。

動画を使った広告運用のテクニックは以下の記事で解説していますので、これから動画広告の運用を考えている方はぜひチェックしてみてください。

YouTubeライブ・ウェビナーの活用

最後に、YouTubeライブ・ウェビナーを活用した動画マーケティングの方法を紹介します。YouTubeにはライブ配信機能があり、ウェビナーを開催することができます。ウェビナーとは、オンラインで実施されるセミナーのことです。

ウェビナーには下記のメリットがあります。

  • 会場の準備が不要
  • 参加者とのコミュニケーションが可能
  • 気軽に参加してもらえる

特に新型コロナウイルスの影響で対面によるセミナーの開催が難しい現在、YouTubeライブ機能を活用したウェビナーは、顧客とコミュニケーションをとるために有効な手段です。これまでは目の前の顧客に向けて行っていたセミナーをオンラインに移行することで、場所の制約がなくなり、より多くのユーザーに接触できるようになります。
セミナーを開催したことのある企業、ノウハウをお持ちの企業は、ぜひウェビナーの実施を検討してみてください。

企業のYouTube活用まとめ

今回、企業の動画マーケティングにYouTubeを活用する方法として、下記3つを紹介しました。

  • YouTubeチャンネル運用
  • YouTube広告(動画広告)
  • YouTubeライブ配信(ウェビナー)

YouTubeは一般消費者向けの印象が強いため、BtoC企業が活用しているイメージが強いですが、製造業や建設業などのBtoB企業の活用も目立ってきています。


動画マーケティングは事前のリサーチや戦略設計も重要ですが、ユーザーから思った通りの反応が得られなかった場合は思い切った方針転換が必要となる場合もあります。3つの活用方法を常に比較検討しつつ、動画マーケティングにYouTubeを活用してみてください。

監修者紹介
小澤信人
小澤信人 プロデューサー

大学卒業後、テレビ番組制作会社、CM制作会社、WEB動画制作会社を経て現在に至る。金融、不動産、IT、製造、小売などで業界を問わず、1500本以上の動画制作に携わる。動画のほかweb、紙面、イベントなど様々な媒体を駆使してコンサルティングの観点からクライアントの課題を解決する。プロデューサー業務のほか、ディレクター、カメラマン、エディター業務を兼ね、若手クリエイターの教育にも尽力している。

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